2009年10月27日 (火)

強制収用の手続中、大臣とは話がしたいらしい香川県知事

10月26日、香川県の小豆島に暮らす「寒霞渓の自然を守る連合会」の山西克明代表(おいしいお醤油を作っている会社の社長)からいつものようにFAXが届きました。重要な部分だけを抜粋します。

∞∞∞∞∞
(略)去る10月15日、前原国土交通大臣にお会いして、1)内海ダム再開血の再検討、2)そのための現地調査、3)金子前大臣が出した「事業認定」の取消をお願いしました。

これに対して前原大臣は「鳩山総理から聞き承知しています。寒霞渓には昨年後援会の旅行で行き、素晴らしい景色であることはよく知っています。大臣の権限内でできる範囲で努力します」とありがたい回答をいただきました。(略)
∞∞∞∞∞

山西さんのFAXによれば、「新内海ダム事業の見直しを求める会」が10月25日、寒霞渓の展望台で景観アンケート「新内海ダムが出来ると景観は?(「よくなる」「悪くなる」)を観光客にお願いしたところ、118人のうち全員が「悪くなる」と回答。同時に行った「見直しを求める署名」に148人が賛同したそうです。

一方で、今日は、こんなニュースが入ってきています。
●内海ダム再開発で知事、国交相に面会申し入れ
2009/10/27 09:43(四国新聞社)
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/administration/article.aspx?id=20091027000104 

しかし、県知事は、昔からの経緯を知る地権者の声を直接聴こうともしていなかった。その県知事が、彼らの土地を強制収用しようとしている最中に(法的手続を粛々と続けていればダムはできる権力を自分自身が持っているのに)、大臣に先に物を言うのは、どういう了見なのか。大臣に声を聞いて欲しいという知事としての思いと、県知事に声を聞いて欲しいという地権者の思いを比べて見てはどうか。

●小豆島の風景を掻き乱す内海ダム
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_daea.html
月刊環境情報誌グローバルネットに書いたものです。↑
http://www.gef.or.jp/activity/publication/globalnet/2008/200806.html 
2008年8月に書いたものですが、どんな事業かは分かるので、
ぜひ、読んでください。まさのあつこ

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2009年10月18日 (日)

八ツ場ダム報道、記録、目撃

10月9日、滅多にやらない取材コーディネート&通訳の出張から成田着。
一週間ぶりの日本。喜ばしいニュースが携帯で入り、
荷物を持ったまま「ひゃっほ~~~」と小躍りしたら、
グキっと足首をひねり、捻挫。
全治2週間の松葉杖生活も終わりに近づいてきた。

明日(もう本日)は、
●八ッ場ダムのウソorホント? 徹底検証!緊急集会
http://yanbachiba.blog102.fc2.com/blog-entry-134.html 
日時 10月18日(日)13:30~16:00
会場 コア・いけぶくろ(豊島区民センター:池袋駅徒歩5分)5階音楽室(100人)
資料代 500円 http://www.toshima-mirai.jp/center/a_kumin/
八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会・八ツ場ダムを考える1都5県議会議員の会共催

八ツ場ダム報道の雪崩現象。遅いが記録のために書いておく。

●前原国交相にケンカを売った“都幹部”は建設資材会社の役員
http://yanbachiba.blog102.fc2.com/blog-entry-133.html
日刊ゲンダイ2009年10月9日 ↑記事のあらすじが読める。
●週刊新潮10月22日号(2009/10/15発売)
「八ッ場ダム」中止の陰に「金のなる木」を育てた世人
http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/newest/
●SPA! [ 2009年10月20日号]
元祖「脱ダム」田中康夫責任編集~マスコミが報じない八ッ場ダムの意外な真実
http://spa.fusosha.co.jp/weekly/weekly00008949.php 
●八ッ場ダムをストップさせる東京の会の会報№19
http://www.yamba.sakura.ne.jp/shiryo/tokyo/news19_tokyo.pdf 
この中の岡田幹治さんの寄稿、「政権交代で何を変えるのか」にご注目。
●長野原町を応援しよう!(グリーンピース・ジャパン事務局長のページ)
http://www.greenpeace.or.jp/info/staff/jun.hoshikawa/daylist_html?year=2009&month=9&day=24
●フライデー10/30号(10/16発売)
「総事業費1位はどこ?」「予算オーバー断トツは?」
ふざけるな!「血税食い潰しダム」ワースト39
http://www.bitway.ne.jp/kodansha/friday/scoopengine/index.html 

それから、
●10月9日日テレ「大田総理・・・」に出演した大熊孝新潟大学名誉教授(大熊河川研究室&NPO新潟水辺の会)が、テレビ慣れしていないせいか、実力を発揮していなかったように思います。ここにレポートしていますので、この河川工学者の一面をご参考ください。
○博士論文が八ツ場ダム住民訴訟で物語った真実
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-3f75.html 

それから、以下は、だいぶ前に書いたものですが、問い合わせなどあったものに関連して。古いのであくまでご参考まで。
●最近よくTVに出てくる嶋津暉之さんってどんな人か?
嶋津暉之さん 2004年9月13日
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2004/09/post_7ddb.html
●脱ダムを考える-中止後の処理2005年03月06日
http://www.viva.ne.jp/blog/wonwonatsuko/archives/000657.html 

他にも、今はまだ表に出て「中止万歳!」と叫べない人々、戸惑いつつ変化に対応しようとしている人々、一都五県で身を粉にしてこの問題に日本中に気づいてもらおうと努力してきた無名の人々をきちんと目撃し、書き残せるときに書き残せる形(メディア)で記録し続けたいと思います。

●そんな意味で、10月15日、泣く泣く目撃しそこねたのは、内海ダム(香川県営)を作らないで欲しいと願っている90歳のご婦人が、小豆島から夜行バスに乗って、前原誠司大臣に大臣室で面会した場面。歴史が変わる瞬間が好き。以下は報道。

新内海ダム:反対派、取り消し陳情 前原国交相は「対応検討」 /香川(毎日新聞 2009年10月16日 地方版)
http://mainichi.jp/area/kagawa/news/20091016ddlk37010560000c.html 
新内海ダム 国交相「十分審査する」 反対住民の陳情に回答 「主体は県、範囲内で努力」(2009年10月16日読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagawa/news/20091015-OYT8T01188.htm

歩けるようになったことだし、
来週は、東京、静岡、群馬、秋田、ガシガシ「目撃」「取材」に出かけますよ~。

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東門沖縄市長の政策転換×政策転換

毎日、歴史が作られていきますね。

2009年10月15日、「泡瀬干潟裁判」で福岡高裁が一審判決を支持し、
沖縄県・沖縄市の控訴を棄却、公金支出の差し止めを命じた。
「辺野古浜通信」を転送でいただいた。
(ボトムにリンクだけ抜粋させていただきます)。

八ツ場ダムと同様、ここでも沖縄県知事と沖縄市長の政策転換が重要になってくるが、ふと思い出した。

東門美津子沖縄市長は、国会議員時代、環境NGOに頼りにされていた議員さんだった。その記憶を頼りに、国会議事録で発言者名「東門」、キーワード「泡瀬」で検索したところ、10件がヒット。やはり、毎年のように泡瀬干潟について質問をされていた。

今は野党に転落した党籍の沖縄担当大臣に噛みつき、環境大臣に噛みつき、・・・、ある時は同じ日に、違う委員会に立って、果敢に両方の大臣に噛みついていた。

その中から、いくつかを抜粋します。東門市長の本来の姿は、こちらではないか。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会平成17年3月17日
○東門委員(略)ジュゴンの保護、サンゴの保全は大事であると大臣は発言されて、「沖縄の自然環境は世界的に見ても非常に貴重であり、責任を持って守り育てていくべき財産である」と、これは私、きょうで二回目、引用しております。大臣の所信表明の中にある文言です。そのようにおっしゃる小池沖縄担当大臣ですが、泡瀬の干潟を埋め立てて、そこにホテルを建設する、辺野古の海を埋め立てて、環境破壊につながる軍事基地を建設して、どのようにして沖縄の自然環境を守り育てていかれるのか。大臣の御意見を伺いたいと思います。

○東門委員 (略) 大臣にぜひお願いしたいことは、辺野古においでいただきたい。(小池国務大臣「行きましたよ」と呼ぶ)いやいや、辺野古の皆さんとお話しなさいましたか。遠くから見ちゃだめなんですよ、キャンプ・シュワブからごらんになるだけじゃだめなんですよ。そこに座り込みをしている人と話をしてみてください。(略)、本土の皆さん、観光客もいらっしゃるとおっしゃることは、北部に来るといやされる、本当にいやしの場所だ、特にこの辺野古はという声がよくあるんです。ぜひおいでになって、あれがどうなるんだろうということを頭に浮かべながらごらんになって、そしてそこの人たちとまず話してみていただきたい、その声を聞いていただきたい。その後でまたお話ができたらと思います。

●衆議院環境委員会平成16年11月9日

○東門委員 (略)本年九月二日、環境省は、国際的に重要な湿地を保全するためのラムサール条約登録湿地候補地として、五百カ所の重要湿地から五十四カ所に絞り込みました。しかし、その中に沖縄市にあります泡瀬の干潟が含まれていないというのはすごく意外でした。あの干潟の大きさ、規模、それから価値、重要さを考えて、なぜこれが含まれないのだろうかというのは、もう本当に単純な疑問です。
 環境省が発行していますラムサール条約に関するパンフレットによりますと、「ラムサール条約に登録できる湿地」として、「湿原、湖沼、河川、干潟、藻場、地下水系等の中で、生物多様性の高い湿地、水鳥の渡来地として重要な湿地、希少種の生息する湿地、魚類の生息地として重要な湿地等、国際的な基準に合致する湿地」とされています。泡瀬干潟はそのすべてが合致するのではないでしょうか。

●衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会平成16年11月09日

○東門委員 (略)担当大臣なんですよ。沖縄北方担当大臣なんです。泡瀬の干潟の直接の担当者なんですよ。それはおわかりですよね。
 環境監視委員会とここの委員会は別々に行われていまして、それがどのように運営されているか御存じですか。それぞれの委員会がすべてうまくいっているとお思いでしょうか。ここで報告されて、これはどうなっているんだと聞くと、もう一つの委員会でやっていますというのが事実なんです。では、もう一つの委員会でこれはどうなっていますかと言うと、別のでやっていますと。こういう形がたまらなくて、委員の皆さんは今回こういう意見書を提出しているんです。ちゃんと運営されていないということなんですよ。

●衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会平成15年06月11日

○東門委員 (略) 新たに環境保全・創造委員会のもとに幾つかの専門部会が設置されると聞いております。しかし、「今後の泡瀬環境監視検討委員会体制について(案)」の方を見てみますと、専門部会については、「会議そのものの会場での公開はしないこととしたい。」「終了後速やかに議論の概要と使用された資料を公表する」と述べられています。会議を公開せず、議事録も公開しないということは大きな問題ではないでしょうか。
 この専門部会は、これまではワーキンググループとされてきたものと理解しておりますが、ワーキンググループは、当初非公開であったものが公開としたのではなかったでしょうか。それをまた非公開にするとは、情報公開の流れに明らかに逆行するものと言えます。
 また、日本はラムサール条約を批准し、自国の干潟や湿地保全に対して国際的な責務を負っています。ラムサール条約事務局やバードライフ・インターナショナルといった国際的な環境保全組織からも、泡瀬の埋立事業が生態系へ与える影響を懸念している書簡が出されているわけです。
 こうした国際的な懸念にこたえるためにも、泡瀬の埋立事業は今や国際的な関心を集めており、説明責任を果たす上でも、委員会は公開とし、議事録は速やかに公表することを強く求めたいと思うのですが、大臣、御見解をお願いいたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
これらは、膨大な質問量のうちの一部です。

以下は「辺野古浜通信」の中からリンクのみの抜粋で失礼します。

判決骨子・要旨
http://awase.net/pdf/20091015Kosshi_Youshi.pdf 
判決書
http://awase.net/pdf/20091015Hanketusyo.pdf 
泡瀬干潟を守る連絡会 声明文
http://awase.net/pdf/20091015V_seimei.pdf 
内閣府、沖縄担当大臣 前原誠司宛 要請文
http://awase.net/pdf/20091015V_yousei_kuni.pdf 
沖縄県知事 仲井真弘多宛 要請文
http://awase.net/pdf/20091015V_yousei_Okinawa.pdf 
沖縄市長 東門美津子宛 要請文
http://awase.net/pdf/20091015V_yousei_Okinawacity.pdf 

> http://awase.net/pdf/20091015Kosshi_Youshi.pdf 
のP.19の最後からP20にかけて読むと、
なるほど「予算執行の裁量権を逸脱」するから「違法」と
裁判所が言うのはこういうときかと、勉強になった。

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2009年10月12日 (月)

木頭(きとう)むらからのライブ

突然ですが、今、「ダム」を蹴飛ばしたきとうむらで、ライブ中継やっています。

http://yamanonpo.blogspot.com/2009/10/open.html 
〜きとうむら野外ステージからの生中継ライブ映像〜
★★★10/12(祝日)午後2時スタート!★★★
ライブをご覧の方は次からチャット(Twitter)でご参加下さい。
こちらからログインできます http://twitter.com/npokito

(上のURLにアクセスしていただき、左下の画面をクリックしていただくと
ライブが流れてきます。話題の(Twitter)にもちょっと挑戦してみました。)

旅先でこれ受け取ったことを、今、はっと思い出してアクセスしたところです(汗)。

こんな感じで「よってみんか市」の3日目のライブなんですね!
http://3.bp.blogspot.com/_eAthiBiqwkc/SsWka3bohwI/AAAAAAAAA1k/W3E9tH6P62A/s1600-h/yotteminka_B.jpg 

アクセスが遅すぎて終わってしまったかと思ったけれど、
まだやっています~。

★上記の「ダム」とは
建設省が進め、徳島県も進めていた細川内(ほそごうち)ダムです。

木頭村(きとうそん:現在は、那賀町)は、徳島県の県庁所在地から最も遠い高知県境にあり、東京オリンピックの年までは、県境の山にはトンネルすら通っておらず、牛車で越えていた村。また、「買うものと言えば、イリコと塩。現金はなかったけど豊かだった」と振り返って語られる村です。

林業と農業で暮らしていた村は、他の地域の村の例に漏れず、高度成長に伴って土建業者が増え、ダムを巡って親戚縁者が嫌な思いをしながらも、最後まで強固な反対を崩しませんでした。最終的に、亀井静香建設大臣(当時)の英断によってダム計画が中止されました。

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2009年10月 3日 (土)

ニセとかヤラセとか

八ツ場ダムのことが簡単に分かる記事が読みたいというのを、八ツ場のことをよく知らない方が言うのを小耳に挟み、そうだよなと思い、先日こちらに「八ツ場ダムの7不思議」を書いたら、回りまわってこちらに紹介されました。

●八ツ場ダム問題、推進派のデータはニセ情報紛れ込む(夕刊フジ10月2日)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20091002/plt0910021202000-n1.htm 

それからついでに、
●八ッ場ダム建設 自称「住民」町議が 中止反対を煽っていた(週刊金曜日10月2日)
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=815 

ここをスクロールダウンしていただくと記事が出てきます。ご当地・群馬県長野原町議会のマスコミで報道されてこなかった対照的な二人の町議、および県議の紹介です。要約しますと、

1.町議会が採択した「八ッ場ダム建設事業の継続を求める意見書」に村八分覚悟で異議申し立てをした町議さん
2.テレビ報道に登場し、「町議」と名乗らずテロップも出ず、あくまで「住民」として「ダム完成は住民の悲願」とコメントし続けている町議さん
.「住民」発議のダム早期完成を求める署名を発案した県議さん

の話。この号では、
「サンルダム「談合の島」北海道で全長8キロの魚道計画」
という記事も載っていますので、大きな書店で、ご参照ください。
http://www.kinyobi.co.jp/consider/consider_newest.php 
この原稿では、官僚OB談合の凄さと学者の利権を暴露しています。
エグイ話です。

まさのあつこ

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2009年9月26日 (土)

八ツ場ダムの7不思議

八ツ場ダムは、半世紀経つ間に必要性を失った(以下2と7)のはもちろん、実は、かなり無理矢理な、自然の摂理に逆らったダムで、いろいろな意味で未来永劫、利子がついてまわる事業です。各自治体の政策決定者とそれを支える職員の方々には、冷静にこの事業の全体像を把握していただきたいと思います。

事業費(4600億円)の利子(国債、地方債の利子)を含めると9000億円に膨れ上がる。それだけに止まらず、以下の3、4、6にかかる事業費はまた別で、さらに他にも隠れたコストがあります。隠れたコストについてはまた書くことにして、今日は、八ツ場ダムの七不思議ということで、まとめてみました。転載歓迎です。

八ツ場ダムの七不思議

1.半世紀が過ぎてもまだできない:八ツ場ダムは特定多目的ダム法に基づく治水、利水を目的とした多目的ダムだが、1952年のダム計画浮上から57年が経過した。ゼロ歳だった人でも57歳になんなんとす。疲れ果てて反対運動の旗を住民が降ろしたのは1992年。それから17年が経ち、総事業予算の7割が消化されたが、事業完成度は2008年度末で付替国道6%、付替県道2%、付替鉄道75%、代替地造成10%など、完成までの道のりは遠い。3000億円強はどこへ消えたのか?

2.東京五輪の渇水に備える事業?!国内外から大勢の人々が集まるオリンピック渇水に備えるためのダム。といっても石原知事が招致を進める2016年五輪ではない。1964年のことだ。東京都の水需要は1975年から減少を始め、日量最大690万トンの供給力に対し、170万トンが余っている。

3.1日53トンの石灰が必要:上流の草津温泉から流れ出る湯は、ダムを作ってもコンクリートが溶けるほどの強酸性。ゆえに一端は計画が頓挫した。しかし、1963年に石灰を投入する「中和工場」を完成させ計画が復活。以来、1日約53トンの石灰が投入され、ダムを作る限りは未来永劫にそれを続ける必要がある。

4.石灰の沈殿物を貯めるダムと土捨て場が必要:石灰の投入でできる中和生成物を沈殿させるために1965年に品木ダムを建設。その沈殿物を浚渫し、捨てにいく新しい土捨て場も未来永劫に必要になる。

5.3人の首相と3人の世襲がガード:ダム予定地(長野原町)を抱える選挙区からは福田赳夫、中曽根康弘、小渕恵三と3首相が出てこの事業を推進。そんな選挙区は他にはない。世襲した福田康夫、中曽根弘文は隣の小選挙区・参議院と群馬県に陣取り、ご当地は小渕優子が後継(敬称略)。前政権を象徴する因果な事業である。

6.ダム湖周辺は浅間山噴火で崩れた山の残骸:1783年の天明の大噴火で泥流死者1538人を出した浅間山。当時、死体が東京湾まで押し流されたことが古文書に残る。その泥流が積もったグサグサの地質に地すべりの大敵である水を貯めることになるのが八ツ場ダム。22箇所の地すべり地が判明しているがコスト縮減のため、2箇所しか対策をしない。さらなる追加対策予算が必要になると反対団体は指摘する。

7.カスリーン台風への効果はゼロ:1947年のカスリーン台風被害が発端の計画だが、同台風が再来しても効果はゼロであることが国会で暴露された。

上記7については「本当か?」と信じがたいと思う人もいると思うので、国会議事録へのリンクと政府答弁を張り付けておきます。その下に、この官僚答弁の読み方解説★もつけておきます。

衆議院予算委員会第八分科会 平成17年02月25日
○国土交通省河川局長清治真人
八ツ場ダムにつきましては、吾妻川という支川に建設されるダムでございますが、その流域にたくさんの雨が降る場合とそうでない場合とがあるわけでございまして、カスリン台風のときのような雨の降り方においては、八ツ場ダムの効果というのは、八斗島地点について大きいものは期待できないというふうに計算結果も出ております。
http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=28858&SAVED_RID=1&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=9&DOC_ID=778&DPAGE=1&DTOTAL=1&DPOS=1&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&MODE=1&DMY=28872
★実は「大きいものは期待できない」どころか、ゼロだったのが暴露されたのが以下。

○塩川鉄也議員の突っ込み
カスリン台風洪水に対応しての八ツ場ダムの洪水調節効果はゼロなんですよね
http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=28858&SAVED_RID=1&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=9&DOC_ID=778&DPAGE=1&DTOTAL=1&DPOS=1&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&MODE=1&DMY=28872 

○反論できない国土交通省河川局長清治真人
今御指摘のありましたようなダムの効果でありますとか、それから、これからダムがどのくらい必要になるのか、こういうようなこともあわせて検討してまいる所存でございます。
http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=28858&SAVED_RID=1&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=9&DOC_ID=778&DPAGE=1&DTOTAL=1&DPOS=1&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&MODE=1&DMY=28872 
★反論できないとき、官僚は認めずに、話をまるめて、逸らして、ゴックンと飲み込んで分からなくしてしまう。

まさのあつこ

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2009年9月24日 (木)

天に唾する群馬県の大沢知事

八ツ場ダムについては、石原知事に限らず、
不勉強で変なことを言う知事が続出する。

今日は、群馬県知事の八ツ場ダム発言にスポットを当てます。
先日、県議会でも発言し、本日、TVでも流れていた。
ここでも見ることが出来る。↓
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00163461.html 

大沢正明群馬県知事の発言。
「一方的に中止すると言われても、納得できない」というもの。

しかし、実は、群馬県こそは
水没予定地住民に約束をしてきた生活再建案を
一方的に変更・中止してきた張本人です。

それを忘れているのか、政権(知事)交代で、
これまでの知事や「自分」が何をやってきたのか大沢知事は知らないのか・・・。

長野原町(ながのはらまち)にとって、群馬県は、国や下流都県への窓口だった。
だから、実は、長野原町の人々は、下流都県の状況をきちんと知らされていない。
だから、「大渇水だから必要だ」という都知事の言葉 を鵜呑みにしていてこちらがビックリする。自分の生まれ育った土地が何を理由に沈むのかは、沈められるのは嫌だった人々にとっては、頭で理解をする道理はない。それでも公職についている方でもそうだと分かって先日ビックリした。

群馬県から水没住民達への最初の約束
昭和55年(1980年)、長野原町に対しては、群馬県と建設省(当時)が地域居住計画を作り、それに基づいて、生活再建案を示した。

その案の中には、下流都県から資金を出させて、「利根川・荒川水源地域対策基金」を作り、そのお金で「振興公社」を作るという案があった。「雇用」の場を創出することを目的として、それを県が運営し、維持管理をしていくという「約束」だったのだ。県が下流都県を代表して窓口として町に対し、そう「約束」したのだ。

群馬県の約束違反 その1
ところが、平成4年(1992年)、その約束は変わった。
下流都県では、時間も経って、現地の状況も、経済状況も変わってきたということを理由に、「振興公社」(が作るハコモノ)を作って維持管理する金は出すから、その運営は町がやって欲しいということになった。再建案を見直して、実状に合ったものにすることにしたと下流都県の考え方を群馬県が伝えた。最初の約束違反だ。

群馬県の約束違反 その2
約束違反はそれでは終わらなかった。2009年1月、政権交代の前である。時間も経って、現地の状況も、経済状況も、人口も変わってきたことを理由に、今度は、「振興公社」(が作るハコモノ)を作る金は出すが、維持管理の金はでない、人も出せない、町が自己責任でやってくれという話に変わった。

時間も経って、現地の状況も、経済状況も、人口も変わってきたことを理由に、雇用創出の場として、一都五県が約束してきたことを、県は、あたかも子どもの使いのように、無責任に、二度もその約束を破った。

それを棚に上げて、「時間も経って、現地の状況も、経済状況も、人口も変わってきた」ということにもう一つだけ「政権も変わった」という状況であることを、大沢群馬県知事はどう認識しているのだろうか?もの凄く不思議である。非見識なのか、確信犯なのか、不勉強で官僚任せの政治家の典型なのか。

群馬県が長野原町につげて「振興公社」を事実上、中止した張本人でありながら、その責任の重さを振り返ることも反省することもなく、さらには総選挙によって「政権も変わった」という、たった一つだけ加わった、しかし重要な意味を考えることもなく、「一方的に中止すると言われても、納得できない」と、群馬県知事が「どの口で言うのかね」とテレビにつぶやきたくなったのは私だけではないはずだ。

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2009年9月22日 (火)

石原知事の『7割できていて』と完成率のミスマッチ

私自身がここでミスリードしてしまっただろうが(申し訳ない)、
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/files/yamba_project.doc
国交省が見せている「事業進捗率」とは予算の話。

以下で石原知事が言うような「大体7割できていて」論は誤りだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
9月11日【石原東京都知事】
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2009/090911.htm 
もう、大体7割できてきて、あとダムそのものをつくるか、つくらないかって、全部疎開したわけでしょう。道路も鉄道も全部つけかえて、幾ら工費がかかったか、べらぼうなものでしょう。これは、私は、ちょっと中止するという案件にしちゃ、いささか問題があると思いますな。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「7割」には契約が済んだだけのもの、未完工部分を含んでいる。
つまり7割のカネの使い道は決まっているが、工事は進んでいない。
よく報道に使われる十字架のような橋脚。
あれだけ見ても7割完成ではない。

正確にはここをご参照ください。
http://yamba-net.org/modules/problem/index.php?content_id=22#02
八ツ場あしたの会の調べにより、完成率は
国道6%、付替県道2%、付替鉄道75%。

現在のところ工期は2015年、事業予算は4600億円。予算執行の観点から進捗はしていても、肝心の完成率がまだこの程度では、先は長いということを示しています。増額延長されることを考えれば、現時点での中止は、一都五県にとっても考慮すべき選択肢であるはずです。

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石原知事の『大渇水論』と八ツ場のミスマッチ

都官僚の説明を鵜呑みにしているらしい都知事発言について書いておきます。長野原町でダムが必要と言う方の根拠が「石原知事が大渇水に必要だと言うから」というのがありましたので。

石原東京都知事「日本だってですね、いつですな、どういう干ばつにさらされるかわからない」(2009年9月4日記者会見)http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2009/090904.htm

ところが事実は違う。

【その1】八ツ場ダムの計画の目標は石原知事がいう「いつどういうとき」の「干ばつ」でも耐えられるよう設計されているダムではない。東京都水道局のウェブサイトにも出ています。どの程度を想定しているかと言えば、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
[水源開発における利水安全度について]
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/water/jigyo/step21/03.html
(建設省河川局開発課「主要地域が水道水源を依存している河川のダム等の現況利水安全度について」より抜粋)

我が国における水資源の確保は、基本的に10年に1回程度発生する規模の渇水時でも安定的に取水できることを計画目標として、将来の水需要の増加に対してダム等の整備を行ってきています。
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大渇水ではなく、目標自体が10年に1回。そして、

【その2】
では、10年でどれぐらいの渇水が起きているかと言えば東京都水道局の資料がここにある。
「頻発する渇水」というスポーツ新聞なみの小見出しで大袈裟に広報しているが、実際におきているのは「取水制限」。
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/water/jigyo/step21/data/step12.jpg
見てのとおり、取水制限が1日もない年が大半で断水はなし。
あるのは、自主節水(5%)~取水制限(30%)で、断水ではない。
5%から30%、大切に水を使うことでしのげている。
それでは取水制限は1年で何日だったのかと思いきや、
上記のグラフでは日数にわざわざ給水制限率をかけて、普通の人には分からない数に細工している。数字の操作で事実を分かりにくくしているとも言えます。

コンビニにいけば多用な種類のウォーターボトルが販売されているように、良くも悪くも飲料水が手にはいらずに死ぬという砂漠のど真ん中のような事態はない。逆に、水が少ない国々では、日本企業による優れた「膜」の技術で、汚水すら処理して飲める時代です。

上流のダムで貯めて、下流で取水する権利を買う、明治時代から持つ古い水利権(慣行水利権)を優先し、ダムを作らなければ新しい水の権利がひねり出せないという旧来の水利権行政を転換すればそれだけで確保できる水もある。東京都は1都5県の先頭に立って転換を突き上げていかなければならない自治体ではないでしょうか。

それにはまず、八ツ場ダムにおける東京都の受ける「恩恵」が、既存施設の能力に対してどれぐらいのものか、現実を自分の職員に腹を割らせて聞く必要があるのではないでしょうか。

ちなみに、八ツ場あしたの会の嶋津暉之さんの調べにより、八ツ場ダムで貯める利水分は、利根川全体の水の5%に過ぎません。
http://yamba-net.org/modules/problem/index.php?content_id=22#04

単純に考えても、50秒蛇口をひねるとしたら、全員が45秒で止めれば、捻り出せる計算です。

優秀な水行政官僚により、日本はすでに高度成長を乗り切って、これからの時代はまた違う局面を迎えています。

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水没予定地の生活再建

9月17日、長野原町議会の取材に行きました。
八ツ場ダム中止は、二つの大きな局面をかかえています。
ひとつは「ダム工事の中止」。ひとつは「生活再建」。

閉会後に個別取材を開始。
ある一人の議員に、生活再建について話が及んだとき

「ダム湖畔での生活再建が国の約束だった」と繰り返す町議さんに、思わず「でも、いままで散々、国に騙されてきたんじゃないんですか?」と聞いてしまった。「工期延長だって補償交渉だって、約束されてきたことを反故にされて、何度も悔しい思いをしたんじゃないんですか?」

本音を知りたいと質問を繰り返すうち、質問が反論になってしまった。申し訳なかった。

それから3~5分、「私たちの57年をどう考えるんだ」と言うのを含めて、怒りの言葉を浴び続けることになった。逆質問に答え、その答えを遮られながら、「そんな程度の言葉しか持たずに長野原に来るな~~~~」と怒鳴られた。

以前、一度だけ、八ツ場ダムのことではないけれども自民党国会議員に恫喝された経験を思い出し、「大きな声」にはたった一度で免疫ができ(本当は2回で今回は3回目だ)、心臓に毛の生えてしまった自分を申し訳なく思いながら、町議の怒りを受け止めた。

長年の抵抗の末に推進を受け入れ、諦めて気持ちを切り替えた後に、今度は政権交代によって中止。積極的推進派にせよ、諦めの末の推進派にせよ、内心の反対派にせよ、心の置き場が宙に浮いたことは間違いない。

国の方針の急変(政権交代による変化)への言葉や理屈ではない反応はもっとも。「そうですね。本当にそうですね」と胸に手をあてて気持ちを受け止めた。部屋の外にいた人が大声に気づいて近づいてきたが、助け船が要るのかいらないのか見定めるように、やりとりを黙って見ていてくれた。最後は「じゃぁまたいらっしゃい」と素に戻られた町議さんの背中を無言で一緒に見送った。

町役場の駐車場で、運転席に座ってドアを開けたまま取材メモを作っていたら、その町議さんが通り、「お疲れさまでした~」と声をかけたら、「またいらっしゃい」と再び、横顔でほほえみ、後ろ姿を見せながら手を振ってくれた。

またお邪魔します。
帰ってきて気づいた。冷静だったつもりが、写真を撮り忘れた。

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