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2005年2月26日 (土)

フルプランは「意見交換」中と水資源部長

 2月25日予算委員会第八分科会の塩川鉄也議員の質問を見ながら、書き取ってみました。速記者が書き取って確認され、ウェブサイトの議事録に載るまで、通常、衆議院は参議院よりも遅い。待っていられない。そこで、概要を書き取ってみました。

 書き取ってみて、優れた国会質問の組み立てを行った塩川議員とその裏方さんたちを心から尊敬。一般の方々にも100%その素晴らしさ(そこから得られたもの)を実感してもらいたいので、いくつかのパートに分けて、たっぷり解説させていただきます。

パート1は、「フルプラン(水資源開発基本計画)」についてです。

 フルプラン(水資源開発基本計画)とは、昭和36年にできた水需要の増加に対応するための、水資源開発(=ダム開発)のための基本的な計画です。

 東京首都圏(利根川・荒川水系)、大阪(淀川水系)、名古屋(木曽川水系)、北九州(筑後川水系)、徳島(吉野川水系)、愛知(豊川水系)の7水系、つまり、人口増加や工業の発展が目覚ましかった地域に、その時代に指定して、そこに集中的に、資本(国民の税金)を投下しようとした。国策です。

 しかし、この根拠法およびフルプランもろとも廃止すべき時代です(その時代は過ぎています)。なぜなら、実質的に水需要を満たし、水が余っているにもかかわらず、「計画」と「法律」だけが存続しているからです。
 
 実は、国交省も関係各省(経済産業省、厚生労働省、農水省)も、そして関係自治体もすべて皆、そのことが分かっています。分かっているからこそ、実状に合わせて「計画」を立て直すと、もう計画は不要だとバレてしまう。計画の終了および根拠法の廃止を宣言せざるを得ない。もうダムは造れない。それをやりたがらない。
 
 利根川だけの問題ではありません。木曽川(長良川河口堰、徳山ダム)、吉野川(第十堰)など、みな、同じ問題でした。(吉野川は住民運動によりついに利水目的をはずさせた)
 
 それをみとめると、政策の大転換となる。行政マンたちには、それができない。
 本来は事実を大臣に報告し、適切な政策オプションを提示し(この場合、フルプランの終了と根拠法の廃止)、大臣の政策判断を促すことが責務のはず。
 ですが、どうも、そういうメンタリティが育つ環境にない。「前例を作らない」「前任者がやった通りにやる」ことで、出世をしていく世界で、政策転換を提示するという当然のことができない人々になってしまっている。

 官僚がその態度で仕事をするのであれば、残されたオプションは一つ。
 
 政治家であり、「行政」をコントロールするためにある「国会」から任命された国土交通大臣自らが、自分で判断し、その政策転換を宣言しなければならない。時代が変わり、政策転換が必要であることに、大臣がいつ気づくか、どの大臣が気づくか。そういう期待の仕方しかできないわけです。

 そして、国会側から、塩川議員によって、行政マン達が指摘しそびれてきたこと(内々では分かっていながら)を指摘された。それを大臣がどう判断していくかという局面がようやく訪れた、というわけです。

 前置きが長くなりましたが、塩川鉄也議員による、国会質問(2月25日 予算委員会第八分科会)とその答弁のうち、八ッ場ダムのある利根川水系の「フルプラン」に関するの概要は以下の通り(敬称略)。

塩川鉄也さんの質問と国交省の答弁~~~~

塩川鉄也議員:
「全国で水余り。フルプランを作り替えなければならない時。時代のニーズに合わせた新たな利根川のフルプランはどうなっているのか?今後の見通しは?」

国土交通省水資源部長:
「利根川水系フルプラン改訂について、利根川水系の調査をしている。
 関係都県に、将来の水需要の見通しなどをお願いしているところ。
 私どももそうだし、基礎資料の収集整理、関係者との調整、合意形成など様々なプロセスが必要。
 最終的には国土審議会での審議を経て手続を完了させる。
 どうしても時間を要するので理解を賜りたい。できるだけフルプランの改訂をできるだけ早く終えたい。  現在、関係省、関係都県との間で、情報収集、意見交換、必要な調整をつとめている。

(続く)~~~~~~~

 解説に戻ります。

 八ッ場ダムの目的の一つは利水です。昨年度予算で事業費を4600億円へと倍増させたわけですが、増額を先にやっておいて、今頃、フルプランについて関係省、関係都県と「意見交換」「調整」している。おかしいと思いませんか?常識的には先に見直しをやってから、予算を考えますよね?

 つまり、先に見直してしまうと、八ッ場ダムの利水目的がふっとんでしまうからなのです。

 利水目的が破綻していること、おわかりいただけたかと思います。
 (続く)
 
まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp

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