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2005年2月27日 (日)

心からのお返事

過大な洪水想定 の号に、川原湯温泉の方が、コメントを付けてくださいました。
 ご存じない方のために念のため。「川原湯温泉」は八ッ場ダムができると水没することになり、現在の川原湯の上にずり上がり方式で「現地再建」を目指している集落です。
 ふり絞ってコメントを付けてくださった勇気にとても感謝します。それに対して、不十分かもしれないけれど、同じ欄にコメントでお返事を書きましたが、あえて、こちらでもさらにお返事させていただきます。

 私には、実は、苫田ダム(岡山県)の水没予定地で(お母さんのお胎の中にいる時から)育った山本まりという友だちがいます。彼女のお爺さんは反対運動の先頭に立っておられた方です。水没予定地の住民同士、意見も立場も違い、反目させられ、バラバラになり、なんの罪もないのに苦しめられ、なんの罪もなかった私の友だちも、傷つきながら、育ちました。反対が諦めに変わり、故郷の家が壊され…、その風景を目にし、そんな気持ちを下流住民はまったく知らない。

 私はまりさんと出会って以来、たった10年、彼女の気持ちに寄り添うだけしかできてきませんでした。今もこれを書きながら、まりさんと一緒に見た風景、訪れるたびに変わっていった風景を思い出して、今また再び、あの「真綿で首を絞められる」(水没予定地の住民が感じる感情を描写したまりさんの言葉)ような風景が、水出さんの目の前にあるのかと思い、せめて、その気持ちに寄り添わせてもらうことができたら、せめてそれだけでもできたら、と思っています。

 水出さん、私に会っていただけませんか?思いのたけをお話しいただけませんか?
 
 コメントへのコメントの方にも書きましたが、もう一度、強調しますが、水没予定地の方々が、税金の無駄遣いをしているなどと、考えている人間は、私を含め、ひとりもいません。ぜひ、そのことだけは確信を持ってください。

 私の怒りは、「必要」ならまだしも、「必要でなくなってしまった」にも関わらず、そのことで、皆さんに謝りもせず、政策転換もせず、償いもせず、八ッ場ダム計画を推し進めようとする日本という国(国交省、国会、地方自治体)の卑しさ、しかも、皆さんの犠牲を知りもせず、考えもせず、そしてそれを、どうにもできない自分も含めての「今」に対する怒りです。

 私の怒りや苛立ちの矢が、川原湯に住んでおられる方に向いておられるように感じるとしたら、それは、ごめんなさい。でも、絶対にそうではありませんから、それだけはぜひ分かっていただければと思います。

 以下は、水出さんのコメントに、同じコメント欄でつけた私のコメントです。念のために、こちらにも自己転載させていただきますね。

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水出耕一さま
読んでくださって、コメントまでくださってありがとうございます。
「タバコ屋1件・土産屋1件・食堂1件・旅館13件
・郷土料理店1件・すし屋1件・床屋.美容室3件・・・」になってきたのですね。
 昨年、川原湯温泉を訪れた時、数年前に初めて行ったときには無かった広場が、川原湯温泉から駅の方へ降りていく左手に出現していたのを思い出します。
 風景が変わっていく中で、53年の月日の中で感じる怒り、どこにぶつけることもできない怒りやその他、言葉などにはできない感情の中におられること、感じます。

「その中で国土交通省にも私たちの要求はして行きます」
 そのお手伝いをさせてくださいませんか?ダムができようと、できまいと、最も大事なことは、最も辛い思い(思いだけではなくどうにも思い通りにならない生活)をさせられた水出様達が、報われる(一部でも報われる、本来ならすべて報われる、それ以上に報われる)ことだと思っています。
 土足で立ち入りたくないので、取材もこれまで、私は遠慮しいしいやってきました。初めて八ッ場を訪れたとき(数年前)、「あんた、来るの50年遅いよ」と言われました。
 遅かったと思います。でも私は50年前に生まれていませんでした。その計画がまだ生きていること自体、問題だと思っています。
 
 決して、地元住民の方が、無駄使いをしているなどと考えている人間は、一人もいません。それだけは、確信していただきたいと思います。逆に、ダムができようができまいが、国は、この半世紀の迷惑に対し、地元の皆さんに損害賠償もしくは慰謝料を払うべきだとすら思っているのです。
 とりいそぎ、心より、コメントをくださったことへのお礼と、その勇気への尊敬をこめて。(まさのあつこ)
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まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp

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