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2005年7月 9日 (土)

八ッ場ダム・ファクトシート

 (中和工場でのpHの数字を間違えてしまいました!お詫びおよび訂正いたします!!7月13日)

八ッ場ダムについて、人と話をする機会があり、メモを作成しました。
 せっかくですので、皆さんにも共有していただきたいと思い、こちらにも掲げることにしました。
 なお、このメモでは、水没予定地の「涙の半世紀」には触れていませんので、それを想像しながら読んでいただければ幸いです。
(元もとA4サイズ2枚に収まるように作ったので、少々見づらいですが、ご容赦ください)


八ッ場ダム 現状と問題

1.ダラダラといつの間にか始まるダム計画-住民との合意形成なし
1947年(昭和22年)カスリン台風
1949年 利根川上流ダム群計画
1952年 ダム調査通知が群馬県長野原町に 以後1992年まで半世紀にわたるダム闘争
2005年 (事業進捗4割)→2010年完成(国交省)予定は実は2020年に?(首都圏人口は2015年から減少)

2.治水計画 1/200年 -破綻済み
基本高水(ダムなどがない場合に流れる洪水の流量)22,000トン想定(1947年)
治水計画(16,000トンを河川改修・利根川放水路) + (6,000トンを上流ダム群)
しかし
― 戦前からの「利根川放水路」=計画は影も形もなし(=土地利用上は不可能)
― 計画6,000トン - 1600トン(既設6ダムと八ツ場ダム) =あと4,400トンは?
・・・単純計算であと12の上流ダム群必要=不可能、非現実的
実は
― 過大すぎる想定 ブックレット 『八ツ場ダムは止まるか』P.32グラフ 必見
― 既往最大は17000トンなので「何もしない」選択肢がありえるが、議論されない
・・・・・河川法に基づく河川整備基本方針の欠点、常識論の入り込む余地なし
・・・・・国交省と社会資本整備審議会の密室で決まる

3.利水計画 - ムダに
  背景:水資源開発促進法(昭和36年:「産業の開発又は発展及び都市人口の増加に伴い用水を必要
とする地域に対する水の供給を確保」が目的)に基づき、7水系(利根川、荒川、豊川、木曽川、淀川、吉野川、筑後川)に水資源開発計画(フルプラン)=右肩上がりの経済成長が前提  
しかし
  現実:東京は75年、6都県は90年に水需要頭打ち、減少 『八ツ場ダムは止まるか』P.25グラフ

4.環境 - 河川法改正(97年、治水、利水に環境加わる)、環境影響評価法制定(97年)以前の計画

5.一日60トンの石灰を必要とするダム -尋常ではない  
上流に草津温泉(強酸性ph2~3) 
中和工場で毎日石灰60トンを溶かし込み、品木ダムに沈殿させて、ph5.5に
未来永劫、ダムがある限り続けなければ、ダムのコンクリート壁は融けてしまう。

6.その他のリスク
地すべり ― 貯水によって誘発される、もともと地すべり多発地帯
ダムサイト ― 熱水変質、断層、岩盤に節理「ダムの基礎地盤としてきわめて不安定」(1970年国会答弁)
浅間山、草津白根山(24時間監視体制)噴火の危険 ― 満水時、決壊の可能性

7.政治背景 -なぜ、無理して計画が進められたか? 
ダム闘争期:福田派VS中曽根の“上州戦争”(旧群馬3区)、首相を3人を輩出
福田赳夫(推進)、中曽根康弘(様子見→推進)、小渕恵三(ビルの谷間のラーメン屋)
96年小選挙区で、福田康夫(群馬4区)と小渕優子(群馬5区)の選挙区へ

8.事業費 -総額2110億円→4600億円に(04年度増額)
関連事業も含めると、5,850億円。起債の利息も入れると、国民負担は8800億円
各都県別負担(『八ツ場ダムは止まるか』P.20)

7.住民訴訟 -現在、第3~第4ラウンド
04年9月10日 1都5県(千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬)に住民監査請求(5391人)
 →却下、棄却 04年11月に各地裁に一斉提訴。違法支出だとして返還を求める訴訟
1)水道事業管理者(水道局や企業庁長)の利水負担金
2)知事の負担金:治水負担金と水道事業特別会計への繰出金
3)知事と水道事業管理者は過去1年分の違法支出
4)水道事業管理者は八ッ場ダムの使用権設定申請を取下げて八ッ場ダム事業から撤退

 *司法による行政チェックの問題点
計画段階での提訴が不可能、提訴しても事業は止まらない、自治体は住民監査請求・住民訴訟を起こせるが国に対してはできないなど、事実上不可能 ― 行政手続法、行政事件訴訟法の改正が必要

9.八ツ場ダムと日本のダム事業
・水源地域対策特別措置法 73年成立 
―群馬県知事が八ッ場ダムの地元対策として提案)
   水源地域整備計画、生活再建のための措置を定める
・中止ダム事業の数 2004年までに94事業が中止
 1997年3事業、1999年4事業、2001年32事業、2002年3事業、2003年12事業、2004年6事業(計64事業)+ 生活貯水池(総貯水容量 100万m3未満)
・今なにが必要か?―ダムが止まった場合のルール作り 
   水没予定地の地域再建
   ダム計画で破壊された予定地住民の生活再建

10.半世紀経過した「八ツ場ダム」事業は即刻中止すべき


まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp
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