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2005年8月19日 (金)

自治体議会と八ッ場ダム

 地方自治法第99条は、「普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる」と定めています。
 八ッ場(やんば)ダムの受益者となる1都5県内の基礎自治体の議会では、この法律に基づいて、事業の「中止」や「見直し」を求める意見書を出した自治体が、かなりの数あります。

 これらの自治体の住民は、八ッ場ダムができると、「安全な地下水」に代わって、「魚も住めない強酸性の吾妻川(利根川支流)の水を石灰で中和させ、ダムで貯めて取るダムの水」を飲ませられます。そんな非合理、非経済なことを許してはならないという意思が込められています。

【はっきりと中止を求めた議会】
●東久留米議会:「八ッ場ダムの建設計画を中止することを求める意見書」2004年6月22日

【見直しを求めた議会】
●小金井市議会:「水余りに逆行し、無駄な公共事業となる八ッ場ダム計画の廃止を求める意見書」2004年3月26日
●小平市議会:「八ッ場ダム建設見直しを求める意見書」2004年6月29日
●佐倉市議会:「八ッ場ダム事業の見直しを求める意見書」2003年3月
●習志野市議会:「八ッ場ダム事業の見直しを求める意見書」2003年6月
●船橋市議会:「八ッ場ダム事業の見直しを求める意見書」2003年9月
●四街道市議会:「八ッ場ダム事業の見直しを求める意見書」2003年12月

かつて永田町にいた経験からすると、「見直し」というのは保守的な方のために、少し耳障りのいい言葉にしただけの話で、実際には「中止」という意味があります。政策秘書として、「中止」という案文を書き、さまざまな配慮で「見直し」と書き直した経験が実際にあります(笑)。

それから、さすがご当地です。
中止も見越して、予定地の生活再建を求めた議会もありました。

●群馬県議会:「八ッ場ダム予定地の生活再建への万全の対処」2004年6月

市民からの陳情の結果、「趣旨採択」という扱いになった自治体もあります。

●東大和市議会:「八ツ場(やんば)ダム建設見直しを求めます」の趣旨採択2004年9月17日

陳情要旨は、①東大和市議会が東京都に対してダム建設費の多額の負担金について再検討を求めるよう働きかけてください。②政府に対し、八ッ場ダム建設について抜本的見直しを行うことを働きかけてください、でした。

議会会派によって合同要望書が出された自治体もありました。

●千葉県議会:4会派(日本共産党、社民・県民連合、市民ネット・無所属市民の会、水と緑の会)から合同要望書 2003年12月議会 ①国交省の意見照会に対し、回答を急がず十分審議を重ねること、②県の今後の人口予測と水需要を外部の有識者を入れて再精査し、八ッ場ダムの必要性を抜本的に見直すこと。

★そして、さらに★

【八ッ場ダムと井戸水の関係】

東京都の多摩地域では、もしも八ッ場ダムができると、現在飲んでいる美味しい地下水が、ダムのマズイ水に切り替わることに危機感をいだき、次のような多くの自治体で意見書が東京都に提出されました。

●小金井市「多摩地域の水道水に使われている地下水を水道水源として位置づけることを求める意見書」2004年3月議会

●小平市、多摩市、国立市、西東京市、小金井市、日野市、昭島市、国分寺市、武蔵野市:「多摩地域の地下水を水道水源として安定的に飲み続けることを求める意見書」2004年9月議会

★さらに、さらに最新情報★

市長会から06年度の東京都予算編成に対する要望事項に、「多摩地区の上水道用地下水の活用について」という項目が入ったそうです。内容は以下の通り。
~~~~~~
要望事項18 「多摩地区の上水道用地下水の活用について」 要望先 水道局

(要 旨)
 多摩地区の取水用井戸の積極的な活用をはかり、河川水と地下水の割合については現状の割合を確保されたい。

(説 明)
 多摩地区の地下水は、地盤沈下が沈静化した昭和60年代以降、日平均排水量127万トンと29%の揚水実績があり、平常時はもとより、渇水時や震災時においても身近に利用できる貴重な水源である。
 また、地下水は「おいしい水」の要件とされる適度なミネラル分を含み、水温も年間を通じてほぼ一定している。
 都水道局は平成15年度に策定した「多摩地区水道経営最善基本計画」に基づき、統合25市町への業務委託を解消し、平成24年度を目途に都水道局が直接運営する移行計画を推進中である。

 移行後においても、都水道局が保有している260本の取水井戸の計画的な更生工事と取水ポンプの更新を行うなど維持管理の充実と積極的な活用を継続し、安全でおいしい水の広域的な確保を図られたい。
~~~~~~

これを踏まえれば、どうすべきか。
事業進捗は予算ベースでまだ4割。引き返すなら今。
1都5県、国交省、内閣総理大臣、関係機関は「見直す」べきでしょう。

まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp

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