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2005年11月23日 (水)

吉野川とパブロフ

 吉野川第十堰は江戸時代の宝暦2年(1752年)に、農民の手で構築されて以来253年間、「治水上支障」になったことがない(洪水や砂利採取や船の運搬で堰自身が壊されることはあっても)。だからたとえ第十堰が邪魔になると国交省が言っても説得力がない。

高度成長期には、「砂利採取」によって堰どころか「堤防」が危ないと第十堰の付け根の集落(佐野塚など)の住民が気づいて、砂利採取を止めさせたぐらいに、地域住民が川を眺めて暮らしてきた。地域住民に任せておけば防災上も安心だったという前例をもった川である。

ところが、味噌も糞も一緒(失礼!)にして、「堰」とか「横断工作物」という概念に対しては、「治水上支障と考えろ」と「パブロフの犬」のように条件づけられているのが国交省河川局のヒトビトである。その条件付けを解くカギは「現実」であり「事実」なのだが、条件付けがあまりに強いと「現実」を突きつけられても、条件反射が解けないようだ。

吉野川河川整備基本方針(PDF)が策定されたと報道発表された。

先日の河川分科会(10月26日)で、徳島知事が自ら出向いてきて(他の県はすべて代理で、知事本人が来たのは徳島だけ)、県民の意志(=公約)である『可動堰以外のあらゆる方法を検討するということをお願いしたい』とはっきりと述べたにも関わらず、国交省河川局事務局の原案通り、「治水上支障となる既設固定堰については、必要な対策を行い、計画規模の洪水を安全に流下させる」と出した。

まだ「パブロフの犬」状態である。条件付けが取れていない。

もちろん、「個別の施設について触れるものではない」(河川計画課長)などと(つまり、第十堰のことを言っているわけではない)と審議会の中ではあらかじめ防戦を張っている。姑息なのである。知事が変われば牙をむき出すパブロフの犬なのである。

おまけにもう一つ。策定したと官報に公表した段階は、「社会資本整備審議会河川分科会の審議を経て」という段階だ。審議会の数を減らすといって、「社会資本整備審議会」という傘を被せたものの、「河川分科会」は単にかつての「河川審議会」である。行革のフリはそこここで続行中である。

まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp

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