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2005年12月 9日 (金)

司法による行政チェック(その1小田急)

 2日立て続けに、司法による行政チェックの機能を広げる判決が出ていて喜ばしい。最高裁も最近、情報提供が進んでいます。このページから見ることができます。 一つは、原告適格の拡大。
 

2005年12月7日 
大法廷判決 小田急線連続立体交差事業認可処分取消,事業認可処分取消請求事件

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判決の要旨:(最高裁ウェブサイトよりそのまま)
 1 都市計画事業の事業地の周辺に居住する住民のうち事業が実施されることにより騒音,振動等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は同事業の認可の取消しを求める訴訟の原告適格を有する
 2 鉄道の連続立体交差化を内容とする都市計画事業認可の取消訴訟において事業地の周辺に居住する住民が原告適格を有するとされた事例
 3 鉄道の連続立体交差化に当たり付属街路を設置することを内容とする都市計画事業認可の取消訴訟において事業地の周辺に居住する住民が原告適格を有しないとされた事例
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ポイントは、「行政が絡む事業において、裁判を起こすことができる人の幅」が広がったこと。

これまでは、民間の事業であれば、「地権者」がNOと言えば、裁判を起こすまでもなくできなかった。ところが、この小田急線の事業のように行政が絡んだ都市計画事業や、その他のすべての公共事業では、「地権者」や「周辺住民」がNOと言ってもゴリ押しができて、それを誰も止めることができなかった。

ことに、裁判となると、「地権者」つまり、その事業が行われる場所に「私権」を持っていなければ、裁判すら起こせなかった。

それが覆されて、それ以外の「周辺住民」にも、裁判を起こすことができるようになったこと。

この判例によって、まず確かなことは、「東京都の環境影響評価の対象地域内に住む人、37人」にも、その資格が認められたことです。

ということは、国や自治体でできた環境アセスメント制度がようやく、司法の中でも市民権を得たということではないでしょうか?(違っていたらご指摘ください)

ということは、原告適格という資格の幅もさることながら、事業が進んでしまうよりも早い段階で、裁判が起こせるようになったとも言えるのではないでしょうか?

そしてそれこそが、行政をチェックする司法の機能としてより重要なのではないかと考えます。

国のレベルで環境アセス法ができたのは、くしくも河川法改正と同じ1997年です。

真綿で首を絞めるように、地域住民をいじめてきた公共事業ですが、今度はその逆で、司法を使うことができるようになった地域住民が、異論を持つ公共事業の首を絞めることができる足がかりができたということになります。

今後の行方に、行政から司法へ無言のプレッシャーがあるのではないかと思いますが、最高裁判事の方々は、良識にもとづいて歴史の新しいページをめくっていただきたいと考えます。

司法による行政チェック「その2」と、それらに関連して、12月3日の日弁連などのシンポで米国からきたスピーカー・ディビッド・ウェグナー氏に聞いた話などを続けてレポートできればと思います。

まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp
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