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2006年1月27日 (金)

お座敷デジャブー

 昨日、国交省河川局のある部署への取材帰りに河川計画課へ寄ってみた。議事録の発言者名の公開の件は、どうなったか様子を聞きにいこうと。でもアポなし。担当課長は打ち合わせ中で忙しそうだったので、私も次の取材先へ。歩きながらコーヒーを飲んで、シャツにこぼしてシミがつき、次の取材先からちょっと少し恥ずかしかった。

 それはさておき、本日、気合が入ったときに電話で確かめて、発言者名の公開の動きがなければじょじょに次なるステップへと移ろうと思う。  そう思えたのは、「お座敷」のおかげである。昨日の取材では「会議室がとれなくて」と、和室へ案内され、そこで取材させてもらったのだが、その和室は、昔、当時の運輸省港湾局によって軟禁されてしまったことがある「お座敷」だった。  その頃はまだ、公共事業関係の「審議会」は市民には完全に閉ざされ、傍聴を許していなかった(いや、ほんの数年前である)。私が新米政策秘書だったころで、エネルギー満タン、妥協を知らなかった。和歌山の港湾事業に推進の結論が出されてしまうかもしれない審議が行われる港湾審議会が行われたときで、雑賀崎(さいかざき)という万葉の時代からある風景を壊して欲しくないと、地元住民が慎重審議とその公開を求めて、前々から門戸をたたき続けていた。  前夜になり、「どうしても傍聴させてくれない」という最後の悲鳴の電話が鳴り、ここまで来たら、最後の手段、そろそろ時効だろうから白状するが、「では議員たちからもプッシュしてもらいましょう!」と遅ればせながら(私は私で議員たちが動こうとしないのが実は内心、不満だった)「住民に傍聴をさせよ」という案文を書いて自分のボスをギリギリで説得し、参議院会館から衆議院第一、第二議員会館を駆けずり回って、その時間でもつかまる議員たちや秘書たちに回し、名前を連ねてくれる議員を探し、返事がもらえそうな議員へは次の朝一で回って了承をもらい(合計たしか6人になった)、コピーを審議委員の人数分とって、タクシーをすっ飛ばして、港湾審議会開始10分前にギリギリセーフで部屋に飛び込み、担当課長補佐は誰かと聞いてズカズカと寄っていって「住民に傍聴をさせるよう、議員6名からの要請文を代理でもって来ました。審議委員に配ってください」と差し出した。その担当者がブルブル震えていたのを今でも覚えている。(私、顔が怖かったかな?)  ひと悶着して私は部屋を押し出され、他にも記者が「公開したらいいじゃないですか!」と声をあらげていた。  和歌山から駆けつけた住民の方が1階のエレベータの前で守衛に足止めを食っていたので(私は審議会に間に合うべく、そ知らぬ振りをして、横をすり抜けてエレベータに乗って審議会室へもぐりこんだ)、様子を見に行ったら、一人がポツンといて、「今、地下の和室に皆、連れて行かれた」と言う。そこで地下の和室とやらに行ってみた。すると、通せ、通さぬ、とわぁわぁと10人ぐらいが団子になっていて、「どうしたんですか?え?どうして?」と言っているうちに、二三人の官僚やら守衛やらに、住民もろとも一緒くたにその部屋に押し込まれ、「こちらでお待ちください」と言われて守衛がドアの前でとうせんぼう。「なんのつもりだ~」「わぁわぁ」と軟禁かつ緊張状態に。  「ありゃ」私はその数分後には次の会議の裏方準備で帰らねばならず、どうしたら良いものか、「警察に電話?」「他の秘書に応援を頼む?」「通しなさい!と抗議?」と思いながら、ピッチ電話を手に情けなく呆然と立ち尽くしてしまった。守衛たちはまずいと思ったか、軟禁をすぐに解き、開放^^;されたけれど、おかしかったなぁ。  結局、住民が徹底して理論的に問題を訴え続けたことが功を奏して、この議題は地元の和歌山県に差し戻され、結果的に事業は中止となった。そして、その後、審議会は、公開されていくように時代が流れていった。  その時点での失敗や成功はあまり重要ではない。どんな小さなことでも信じることをもれなくやっていれば、いつか結果は出てくる。失敗の山を築けば築くほど、その屍をわけなく乗り越えて成功してくれる人が必ず現れる。  議事録の発言者名公開は、時間ときっかけと世論の問題でしかない。数年ぶりに偶然訪れたデジャブーお座敷でそう思えた。失敗なんか、怖くない。失敗は重ねることに意味がある。 まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp ViVa!(ビバ!)はこちら

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