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2006年7月31日 (月)

球磨川議論の行方

Photo_13 719は、球磨川水系に関する河川整備基本方針検討小委員会が開かれた日だった。

413から始まって、51066と進んできた。

相変わらず、発言者名を伏せた形で、議事録は公開。

審議は、森林の保水力から、基本高水の話に移ってきた。

719日は、水害体験者(市房ダムができてから洪水が増えたという体験談)からの意見書が取り上げられた。「市房ダムができてから洪水が増えた」「ダムは洪水をもたらす」という意見だ。

しかし、国交省側は、委員長も含め、それを「市房ダムによっておきたものではなく川辺川から流れ込んだもの」と片付けようとした。(だから川辺川にダムを作る必要があるんだといわんばかりに)

これに対し、潮谷知事からは、実体験、生活の中の実感として感じることをなんと心得るか!という釘刺しがあった。以下は、当日、傍聴しながら打ち込んだ知事発言。

「県は市房ダムについて県議会で討議をしたり、住民の衆議院建設委員会からの調査もあり、直接の原因ではないという報告もされていますし、小池先生からは市房ダムの操作が微妙に行われたという評価もいただきました。しかし、実際に水害にあわれた方は、市房ダムが原因であると考えている。(人は)体感したことや経験したことは分かります。(経験していない人が)想像で補うことはできますが、体感したことは脳裏深くなる。こうしたことを考えると、市房ダムに関わって、分かりやすい形での説明や情報公開、説明責任が求め続けられているという認識をもっていかねばならないと思っています。(略)ダムは命と財産を脅かしたということを経験した方がおられるということを述べさせていただきます」と再度、代弁した。

素晴らしい知事だなと思った。この日の知事の素晴らしさはこれだけではないが、とりあえず、今日のところはこの辺で。写真は、河川整備基本方針検討小委員会後に国交省のエレベータホールでマスコミに囲まれる知事。

まさのあつこ

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八ツ場ダム訴訟の行方

八ツ場ダム訴訟もたけなわ。

このページには訴訟資料も全部収められています。

1都5県での一斉提訴からこの秋で丸2年。

2006年10月9日には加藤登紀子さんとなかま達が歌うライブ&トーク「八ツ場いのちの輝き」があります。

以下は転載。

+++++転載歓迎+++++++++
八ツ場ダム住民訴訟1都5県ニュース
第13号(06年7月26日)
++++++++++++++++++

【栃木の会】
対県3ダム訴訟第7回(5月25日)で若狭弁護士が八ッ場ダム現地の写真を交えたパワーポイントを駆使し、環境影響評価義務を怠る違法な事業に県が漫然と負担金を支出する行為は財務会計上の誠実義務に反すると陳述。説明会では「山が崩れる」のDVDを視聴。次回は7月27日13:10~八ッ場ダムの地盤の危険性について、統一弁護団長の高橋弁護士が陳述予定。対市長訴訟第8回は8月30日10時半~湯西川ダムの利水が焦点。8月5日には南摩ダム予定地で観察会をおこなう。(葛谷)

【埼玉の会】

614日第8回、傍聴席約50席は満席。原告が渇水時の暫定水利権の根拠を被告に求めた。高橋弁護士がダムサイトの1)八ッ場層安山岩類は陸成。2)左岸に擾乱帯、右岸に熱水変質帯がある。3)両岸に無数の低角度(水平)・高角度(垂直)亀裂が存在し、高透水帯を形成。4)左右両岸の岩盤が亀裂で分離しており全体として強度が低下。5)ダム本体右岸袖部を通過し、吾妻川を斜断する断層が存在するとし、ダム建設に不適当であると陳述。次回9月13日(水)14:00~(冨永)

【群馬の会】

8回口頭弁論が71411時より行われ、今年策定された河川整備基本方針の非現実性について福田弁護士がパワーポイントを使って説明。原告の角田氏の意見陳述を求めていたが、前回に引き続き、意見書を拝見し、内容を理解したからと意見陳述を認められなかった。報告集会では、質疑の後、嶋津さんより72日の中之条シンポジウムの概要についてパワーポイントによる報告があった。次回は、106日(金)13時半より。(真下)

【東京の会】

7月4日11時から第9回裁判。地裁前で朝ビラまく。被告の東京都側が利水に関して初反論。これを受け「5年に一度の渇水に備えるはずの利水安全度が、10年に一度も考慮するようなことをいい始めた。新しい数値を出して文章で説明しないとは」等と高橋弁護士が追及。被告答えに窮し、裁判長が被告に2週間以内の書面回答を約束させる。原告側からは「ダムサイト地盤の危険性」書面を提出。次回は10月17日(火)11時から。(懸樋)

【千葉の会】

8411時~の第7回裁判は危険性に関する準備書面を728日に提出し、当日の原告側の意見陳述は高橋弁護士のパワーポイントによる説明をする。また、当初環境面の準備書面も提出の予定だったが、千葉の場合は被告の堂本知事が生物多様性に関する著作もあることから、八ッ場ダム事業における環境破壊と知事の自然環境保全への主張との整合性について確認する論も盛り込みたいと思っている。従って、環境面については次回になる。千葉地裁の裁判長が今回から変わる。(中村)

【茨城の会】

725日第8回裁判。傍聴人は席一杯。原告意見陳述は20数年、土浦市の水道問題に取り組んできた船津寛さん。県は過大な水需要を市の計画に盛り込み、水道水を引き取らせてきた。水需要は各市町村の要望を吸い上げて立案したものとする県の主張を覆した。被告側弁護士が原告の政策論争に加わる気は無い、財務会計行為の範疇で反論すると嫌味。第9回裁判は1024日(火)1130分(神原)

【八ッ場ダムを考える会】

7月5日、国交省八ッ場ダム工事事務所の前課長が収賄容疑で逮捕され、警視庁は工事事務所を家宅捜査し、ダンボール三箱分の資料を押収。"ダムの町"長野原に動揺が広がった。容疑者は用地課長として今年3月まで水没予定者の代替地交渉に携わっており、地元では代替地交渉への影響を懸念する声も上がっている。八ッ場ダムの工事については、かねてより落札率の異常な高さが指摘されており、今回の事件は氷山の一角との見方もある。

【発行】

八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会/八ッ場ダム住民訴訟弁護団/八ッ場ダムを考える会 http://www.yamba-net.org/ 八ッ場ダム訴訟サイトhttp://www.yamba.sakura.ne.jp/

連絡先:042-341-7524(深澤)048-825-3291(藤永) 

+++++++転載歓迎++++++++++++

転載おわり

まさのあつこ

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いつから基本高水が争点に?

久々で今後の予告編の続きです。

ダム反対運動の歴史でいつ頃から基本高水の過大さが争点となり始めたのか?

「基本高水」という言葉がもっとも活発に議論されるようになったのは、200112月から始まった川辺川の住民討論集会だと思います。熊本の潮谷知事の「国交省は説明責任を果たせ」という注文から始まったもので、住民側も堂々と議論できる場となり、そこで「基本高水」についての議論がなされるようになった。

それまでにも問題は指摘されていたし、研究者の間でも「恣意性が高い」という批判は十二分に議論、理解されていた。それでもそれを問題として表立って世に提起する勇気のある学者、研究者はほとんどいなかった。

残念ながら熊本での議論は細かすぎて、なかなか全国レベルのメディアには載ってこなかった。基本高水問題は、その時にはだから広まらなかった。

その後、長野県を初めとして、「争点」として意識され始めた。しかし、きちんとそれが紙面に書かれるようになったのは、ここ1、2年くらいのものだと思う。月刊「世界」(岩波書店)での学者による論争は記憶に新しい。

1997年の河川法改正のときには、市民団体やダム反対運動をする人々でも、ごく一握りの人しか「基本高水」の問題を理解していなかった。それだけではなかった。「止まらない公共事業」の元凶が高度成長期に出来た古い法律にあることにも、議員立法による「法改正」にも関心が向いていない人がほとんどで、いや、「国会」そのものがブラックボックスで人々から遠く、注目を浴びていなかった時代だ。

1995年~2000年まで5年間710回書いていた「ダム日記」を後に収めた資料室で、友人のちはるさんが作ってくれた検索ページで「基本高水」と入れてみると、最初に出てくるのが19969719日、愛知の草川昭三代議士が、細川内(ほそごうち)ダム計画について出していた質問主意書」について触れた号。ちょっと自己引用します。

「前回去年の12月に出した主意書の回答で明らかにならなかった基本高水量に対応する水位に関する質問には、今回も『数値を容易に決定できるものではない。検討には多大な経費、時間がいる』と答えている。細川内ダム計画のために、これまでに「調査費」などの名目で48億円を使っているにも関わらず、だ。一体、基本的なデータ作成すら行なわず、計画ができて「25年」の間に「48億円」をどう使った挙げ句、「多大な経費、時間がいる」と答えることができるのだろう?」 (引用終わり、ちょっと日本語へん^^;)

次に「基本高水」という言葉が出てくるのが、1996 1210。すっかり忘れていたが、翌97年河川法改正政府案の土台となる河川整備基本方針と河川整備計画についての素案としての審議会の提言骨子が引用してある。その前後を読むと、今の審議会と当事の審議会とがおもしろいほど全然変わっていないし、自分自身成長していないことを実感させられる。情けないデジャブー。

次に「基本高水」が登場するのが1997 4 12これまたデジャブー。河川法改正案の国会審議前の市民側と国交省のやりとりが、そのまま現状に引き継がれている(苦笑)。

次に「基本高水」が登場するのが1997 4 16当事の建設官僚とのやり取りがなつかしくすらある。宮本さん、どこかで、読んでくれていますか?

ちなみに上記に示した資料室には後半に欠番があって、全文はこちら。ニフティの自然環境フォーラムのシスオペだった「猫が好き」さんが1号も漏らさず全部掲載してくれていたことに長い間きづいていませんでした(感謝)。

ちなみに、河川法改正をめぐる裏話までが、いろいろ吹っ切れた夏ごろに記録してある。その後、国会に入り込んでまで仕事をしていたのに、これまた自分が成長していないことに愕然とする。

さて、それでは、ここに至って、基本高水の問題が、一般の人にどれくらい理解されているか?まだまだだと言うしかない。しかし、これに注目する人の数は格段に増えている。争点になるのはこれからだ!というのが、ワタシの感覚です。

また、最近の気象の変化を見ていて、「基本高水」という争点では不十分になってきたことも感じます。川の中に水を閉じ込めるという思想はもう終わりだろうと。

まさのあつこ

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利根川流域市民委員会

7月ももうすぐ終わり。

今日は利根川流域市民委員会のミーティングへ。現在までに利根川流域の30団体が参加して、河川整備計画策定過程への参加を求めて活動を始めています。

利根川流域市民委員会のブログはこちら

http://tonegawashimin.cocolog-nifty.com/blog/

この辺に情報が出ています。

毎日新聞の報道

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060718-00000106-mailo-l09

JanJan

http://www.janjan.jp/area/0607/0607228366/1.php

まさのあつこ

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2006年7月29日 (土)

長野県で緊急シンポジウム

いきなりですが転載します。(行など、少々いじりました)

<以下転送>**************************

緊急のお知らせです。長野県豪雨災害を受け、以下のシンポジウムを開催することにしました。この分野では一流の先生方をお呼びしました。どうぞご気軽にお集まり下さい。


■伊那谷環境シンポジウム 
「脱ダム」から「緑のダム」へ■

日時:8月3日18:30~
場所:飯田勤労者福祉センター3F

■パネラー:
中根周歩(広島大学大学院教授、理学博士:専門分野は森林生態学、吉野川流域ビジョン21委員長を務める)
保屋野初子(ジャーナリスト:著書に『長野の脱ダム、なぜ』、『緑のダム:森林・河川・水循環・防災』)
関 良基(地球環境戦略研究機関研究員・東京外国語大学非常勤講師、農学博士:専門分野は森林行政、熱帯林業)
司会:加藤 学(元国際林業研究センター研究員・中京学院大学非常勤講師)


■趣旨:昨今の豪雨災害によって、治水、治山のあり方をめぐる議論が再び活発化しつつある。2001年2月の長野県の「脱ダム宣言」は、
公共事業に対する考え方は大きく変えたが、浅川ダムの代替案が迷走し続けたことで、その理想も色あせてしまった。「脱ダム」は、
所詮夢物語にすぎないのか。夢を実現するには何が足りないのか。「脱ダム」をめぐる科学的な論争を他の河川流域地区での経験と
比較しながら整理し、治水のあり方をめぐる今後の政策的方向性を考える。


■論点: 
1.長野県の豪雨災害をどう見るか。何が問題か。何を議論すべきか。
2.長野の脱ダムは、どうして色あせてしまったのか。脱ダム宣言、ダム計画の中止、そして浅川ダム代替案の顛末まで
3.他の流域地域ではどのように論じられてきたのか。(吉野川流域の例)長野の場合何が足りないのか。
4.脱ダムから緑のダムへ:「治水の考え方」「治水計画」の克服すべき問題点は。どんなデータや研究が必要なのか。(基本高水データの再計算etc)どんな政策が必要か。(森林整備、緑の公共事業、ソフトの政策etc)  
■問い合わせ先:
飯田市高羽町3-4-6 加藤学事務所
TEL: 0265-22-2480  FAX: 0265-23-4498
E-mail: kato_gaku@ybb.ne.jp

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以上、転載おわり。まさのあつこ 

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2006年7月15日 (土)

脱ダムから緑のダムへ

関さん、脱ダムから緑のダムへのトラックバックを有難うございます。

まずはお礼まで!皆さん、ぜひ、ご一読を!

今日の午後は、これに行きます↓

「フィリピン 人権侵害の状況は今
 ――次々に起こる「暗殺」に弾圧される市民の声

殺害されてしまったのは、取材対象者の仲間でした。

まさのあつこ

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2006年7月 2日 (日)

基本高水策定の不確定要因

予告から時間が空いてしまったのでおさらいです。過大な治水施設ができる大きな要因となっている「基本高水」は何故、過大だと言われ、実際そうなってしまうのか、という話です。

それはズバリ、基本高水を決めていく中に不確定要因があって、過大にしようと思えば過大に、できてしまう。「恣意性」を疑えてしまう状況があるからです。

例えば、2006331日に発表された陸旻皎長岡技術科学大学工学部助教授の「ダム計画の争点となっているカバー率の統計的性質に関する研究」では、以下のようにこれだけの不確定要因があると整理されています。

1. 降雨の確率分布形の選定

2. 降雨継続時間の選定

3. 実績降雨群の選定・継続時間の調整・引き伸ばし

4. 流出モデルの不確定性

5. カバー率の選定

その研究の「序」から一節を引用すると、「確かに計算手法には多くの不確定要因があり、算出される基本高水流量にも大きな不確実性が存在し、場合によっては、異なる防御手段も取り得るケースが生じる可能性がある。この不確実性を理解し、低減させることが学界の責務である。」

この研究をこちらで紹介してもいいですか?とお尋ねした際、陸さんは、「工学者として議論の土台を提供したい」とのことでした。「不確定要因を減らす、無くす。無くせないものならその特性を理解することの必要性を感じる方が一人でも増えれば幸いに存じます」とのこと。

同感です。

たとえば、こちらで書いたことも、その不確実性を低減させるためのひとつの手法ではあるのですが、それを河川行政側では恣意的に使ったり、採用していない状況があるため、「過大」だと批判されることになっています。

あ。さてそろそろ出かけねば。

まさのあつこ

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今日は群馬へ

今日はこれに行ってきます↓って、今日案内してちゃいかんのだが。

シンポジウム「八ッ場ダムは大丈夫か?」

 日時:72日(日曜日) 午後1時半~4時半
 場所:ツインプラザ 1階交流ホール
  (中之条町大字伊勢町1005-1、TEL/0279-76-3111)

【第一部】「浅間山の下流にダムを造るとどうなるか?
        -国土交通省の開示資料を読み解く-」

代替地は安全か?
ダムサイト下流は心配ないのか? -ダムサイトの地質を検証する-
浅間山の大爆発は、地域に何をもたらすか?

シンポジスト 高橋利明(八ッ場ダム住民訴訟弁護団代表、東京弁護士会)
         矢部俊介(土木技術者)
コーディネーター まさのあつこ(ジャーナリスト)

 八ッ場ダムは税金のムダ遣いだと、首都圏一都五県の住民が裁判を起こしてから1年あまり。弁護団は情報公開制度によって、今まで伏せられていた国土交通省のデータを次々に入手してきました。大量の開示資料から明らかになってきた八ッ場ダム事業の実態とは?

【第二部】「生活再建、待ったなし」

代替地計画はどうなっているのか?
八ッ場ダム事業の見通し
ダムに頼らない地域の再生をさぐる

シンポジスト 嶋津暉之(八ッ場ダムを考える会顧問)
       司波 寛(都市計画コンサルタント)
       西田 穣(地域計画研究所主宰)
聞き手   渡辺洋子(八ッ場ダムを考える会事務局長)
 
 この半世紀、八ッ場ダムの当事者であり続けたのは、国の役人でも、下流の住民でもなく、水没予定地とその周辺の人々でした。待ったなしの地元の人々の生活再建、将来を見据えた地域経済の活性化のために、今、何が必要かを考えます。

八ッ場ダムを考える会
八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会 共催

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