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2006年7月 2日 (日)

基本高水策定の不確定要因

予告から時間が空いてしまったのでおさらいです。過大な治水施設ができる大きな要因となっている「基本高水」は何故、過大だと言われ、実際そうなってしまうのか、という話です。

それはズバリ、基本高水を決めていく中に不確定要因があって、過大にしようと思えば過大に、できてしまう。「恣意性」を疑えてしまう状況があるからです。

例えば、2006331日に発表された陸旻皎長岡技術科学大学工学部助教授の「ダム計画の争点となっているカバー率の統計的性質に関する研究」では、以下のようにこれだけの不確定要因があると整理されています。

1. 降雨の確率分布形の選定

2. 降雨継続時間の選定

3. 実績降雨群の選定・継続時間の調整・引き伸ばし

4. 流出モデルの不確定性

5. カバー率の選定

その研究の「序」から一節を引用すると、「確かに計算手法には多くの不確定要因があり、算出される基本高水流量にも大きな不確実性が存在し、場合によっては、異なる防御手段も取り得るケースが生じる可能性がある。この不確実性を理解し、低減させることが学界の責務である。」

この研究をこちらで紹介してもいいですか?とお尋ねした際、陸さんは、「工学者として議論の土台を提供したい」とのことでした。「不確定要因を減らす、無くす。無くせないものならその特性を理解することの必要性を感じる方が一人でも増えれば幸いに存じます」とのこと。

同感です。

たとえば、こちらで書いたことも、その不確実性を低減させるためのひとつの手法ではあるのですが、それを河川行政側では恣意的に使ったり、採用していない状況があるため、「過大」だと批判されることになっています。

あ。さてそろそろ出かけねば。

まさのあつこ

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コメント

まさのさん
 はじめてコメントさせていただきます。一つTBさせていただきました。基本高水がなぜ過大になるのかなどを論じた、例の文章を紹介したものです。長野県知事選も近いので宣伝がてら…。
 では、猛暑が続きますが、がんばって参りましょう。

投稿: | 2006年7月13日 (木) 13時26分

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