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2006年10月22日 (日)

情報開示戦争のさらなる続き

情報開示請求の続きです。

ワタシは通常ボケッとした温和な性格で、本来ギョウセイと闘う性格ではない。しかし、この件については(も?)、あまりの馬鹿らしさに最後までやってみることに決めたので、意見書も書いてみた。

現在のところ、開示請求(ワタシ→国交省)→「発言者名入りの議事録は存在しない」という行政処分(国交省→ワタシ)→異議申立(ワタシ→国交省)→諮問(国交省から情報公開・個人情報保護審査会)→理由説明書(国交省→情報公開・個人情報保護審査会)→理由説明書に対する意見書(ワタシ→情報公開・個人情報保護審査会)まで来ています。 

あまりにもマニアックなので、良い子は読まないように。情報公開マニアは是非、読んでください(^^;)。

情報公開クリアリングハウスの三木さんと弁護士の友達に(一時期、ロースクールの学生さんにも)手伝ってもらっているのだが、さて、この先、また進んだら、その段階でご報告いたします~。

情報公開・個人情報保護審査会 御中

「特定日の社会資本整備審議会河川部会河川整備基本方針検討小委員会の議事録等の不開示決定(不存在)に関する件」について送付された理由説明書(平成18年(行情)諮問第292,293号)に対する意見書

20061017

政野淳子

住所/電話()

発言者名入りの議事録及び録音テープが「不存在」とする国土交通省の処分は違法かつ不自然であることは異議申立書で述べたとおりである。これに対し、諮問庁たる国土交通大臣が原処分を妥当として提出した理由説明は、申立人の不服を解消するものとなってはいない。したがって、以下の反論及び意見と共に資料12を提出する。

1.発言者名入りの議事録が不存在であるとの主張に対する反論

「理由説明書」で国土交通省は、「内容について各委員に確認を得た後、発言者氏名を除いて公表することと決定された」とする。これは文字通り「いったん発言者名を除かない議事録を作成し、内容について各委員の確認を得た後、議事録に記載されている発言者名を除いて」公開することが決定されたと解釈できる。実際、委員長は毎回、小委員会の最後に「本日の議事録につきましては、内容について各委員の確認を得た後、発言者の氏名を除いて、国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般に公開することとします」とメモを読み上げている。本件請求を行った第3738回小委員会でも同様のメモが読み上げられており、いったん発言者名を入れた議事録を作成し、各委員の確認後に、発言者名が除かれていることを推察させる事実である。

これに対し、平成18年度からは、理由説明書にあるように、「平成18年4月13日開催の第37回小委員会速記録には、発言者氏名が記載されていない」とし、その根拠として「業者に対し速記内容を文書化する際に発言者氏名を除くよう口頭で指示」したと主張する。申立人が国土交通省に口頭で確認したところによれば、速記記録作成を委託している業者に対して平成18年度から発言者名を除いて速記録を作成するよう指示を行ったとの説明を受けた。しかし、それを裏付ける客観的な証拠はない。国土交通省と業者の間で取り交わした平成18年度の速記(単価契約)の契約書にも仕様書にも、そのような記載はない(資料1 契約書)。また、委員会の都度作成される速記発注書にもそのような記載はなく、「事前打合せには、上記国土交通省担当者と行う。」と末尾に記載があるものの、小委員会では、この変更点について諮ることも、了解を取り付けることもせず、(1)で述べた通り従前からと同様の説明が繰り返されている。このような変更は次に述べる通り、小委員会の議事録作成に重大な影響を与えるものであるにもかかわらず、事務局の一存でこのような変更が行われたとすれば、極めて不自然である。

国土交通省は、発言内容の確認方法につき、「担当者の記憶に基づいて、各委員の発言部分を特定した上で、発言内容の確認を行っている」と説明している。しかし、①2時間にわたって開催され、この間、二十数名の委員がほぼ間断なく発言すること。②委員から事務局である国土交通省に対し、多種多様な質問や注文が頻繁にあること、③そうした質問や注文に対し次回の小委員会で国土交通省から回答を寄せる際、どの委員からの問合せであったかを含めて回答を行う場合が多いこと。④小委員会に出席する委員が、他の審議会、部会などの掛け持ちをしており、自らの発言部分を確認する後日まで克明に他の委員とものと区別して、その発言箇所や回数を覚えているとは限らない状況があること。以上の状況からすれば、小委員会における各委員の発言につき、「担当者の記憶に基づいて、各委員の発言部分を特定」するとしているが、発言内容を確認する主体は委員であり、「担当者の記憶」とは別物である。正確性を要する議事録が、自らの発言箇所を客観的に確認できないままで「委員の確認」を行い、かつ発言者の特定は「担当者の記憶」によるという相互に不確定な要素をはらんだ形で作成されることになり、このような委員の確認と担当者の記憶に頼った議事録作成業務は、きわめて非効率的であるといわざるを得ない。議事録を作る上での最重要課題かつ優先事項は、河川分科会運営規則第7条「会議又は議事録は、速やかに公開するものとする」とあるように効率的で迅速に作成され、かつ、確実、正確であることであり、議事録から発言者名を除くことによって、その最重要課題が削がれることは仕事のやり方として不自然・不合理である。また、「担当者の記憶に基づいて、各委員の発言部分を特定」するとしているが、いつの段階でどのように「特定」をしているのか明らかにしておらず、説明自体が不自然である。

国土交通省は、「念のため、本件開示請求に係る小委員会の速記録及びフロッピーディスク以外に会議において発言者の氏名がわかる内容を記録した文書や録音テープが存在するかどうかについて、それらの文書を保有する可能性のある課の書庫やファイルの検索を行ったが、本件対象文書に該当するものの存在は確認されなかった」としている。しかし、自ら「担当者の記憶に基づいて、各委員の発言部分を特定した上で」と述べるように、いずれかの時点で「特定」をするからには、なんらかの「特定」材料が必要である。記憶に頼るべきものではないことは明らかである。発言者名がわかる文書を保有する可能性のある課や書庫やファイルの検索を行う際は、文書の利用実態を踏まえた上で行わなければ意味はない。手控えで個人が作るメモが実態として、業務に利用されている可能性がある。したがって、不存在であるという国土交通省の説明は、不合理・不自然で信用できない。

以上のことから、客観的には発言者名入りの議事録ないし発言者名が特定できる記録が作成されているというほかなく、またこれらが存在しないことを合理的に証明する客観的事実はなんら示されていない。したがって、国土交通省の行った不存在処分は違法である。

2.録音テープが不存在であるとの主張について

異議申立書で述べたとおり、録音テープは国土交通省が作成し、かつ、保有する行政文書である。小委員会の議事録の作成は、国土交通省の実施すべき事務であり、録音テープの作成は、議事録作成の一過程として行われるものである。業者は録音テープの作成を、国土交通省の委託に基づいて行っているにすぎない(資料1 契約書)。したがって、国土交通省は本件録音テープを作成しているといえる。その論拠は以下の通りである。

情報公開法第2条の「保有」には、事実上の支配のほか、一定範囲における法律上の支配も含む。さいたま地裁平成16630日判決では、法令等の定めにより本来実施機関において当然保有していると考えられる文書について公開請求があった場合、たとえ請求時に物理的には実施機関がそれを所持していなくとも、実施機関において外部の法人等から当該書類の提出を求める権限があり、それを求めることに特段の支障が窺われず、当該文書をいつでも自己の管理支配下に移すことができると認められる場合には、社会通念上「保有」に準じまたはこれと同視しうる状態にあると認めるのが相当であり、こうした文書について公開請求がなされたときは、実施機関としては、合理的理由を示さないまま漫然文書不存在を理由に非公開処分をすることは許されず、むしろ、外部法人等から文書の提出を求め、その上で公開すべき義務があるというべきである、と判示されており、物理的に国土交通省にないことのみをもって不存在とするのは情報公開法の解釈運用を誤っている。

本件録音テープは、委託契約に基づいて速記業者が録音したものだが、これは国土交通省が本来行うべき業務を契約によって代替したに過ぎず、作成主体は国土交通省であり、国土交通省の所有に属する。国土交通省と業者との業務委託契約のうち、業者が本件録音テープを保管している部分は、寄託契約にあたる。したがって、国土交通省は、業者に対し、いつでも本件録音テープの引渡を請求でき、本件録音テープを法律上支配しているといえ、かつ、本件の他の事情を前記判例の基準にあてはめると、国土交通省は本件録音テープを保有しているといえる。

3.発言者名を除いた議事録を作成することは社会資本整備審議会運営規則第7条及び社会資本整備審議会河川分科会運営規則第4条に反する

「理由説明書」で国土交通省は、「小委員会の議事録の取扱いは、第一回の小委員会(平成131127日)に諮られ、内容について各委員に確認を得た後、発言者氏名を除いて公表することと決定された」とするが、まず、これには事実誤認がある。

平成131127日の小委員会では、会議冒頭で委員長が、「当小委員会の会議及び議事録につきましては、社会資本整備審議会運営規則第7条及び社会資本整備審議会河川分科会運営規則第4条に基づき公開することとし、特段の理由があるときは、会議及び議事録を非公開とし、この場合においては、その理由を明示し、議事要旨を公開することとしております」と諮り、「今後このようにさせていただきたいと存じますが、よろしゅうございますか。異議がないようでございますので、そのとおりにさせていただきます」と決定している。

ところが、発言者名に関する言及は冒頭ではされず、委員長が議事の最後になり、「最後に、本日の議事録につきましては、内容について各委員の確認を得た後、発言者氏名を除いて、国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般に公開することとします」と発言し(資料2 議事録の抜粋)、発言者名を除くことについて、委員会に諮った形跡はまったくない。一方的にメモを読み上げ、慣例的に特段の理由はなく、発言者名を除く結論が誘導されたものであることが明らかである。したがって、国土交通省の理由説明は事実と反する。

また、河川分科会運営規則第4条及び社会資本整備審議会運営規則第7条によれば、「会議及び議事録を非公開とすることができる」のは、「特段の理由があるとき」のみであるが、平成131127日の小委員会でもそれ以降も、その理由はまったく示されていない。したがって、事実誤認のみならず、河川分科会運営規則第4条及び社会資本整備審議会運営規則第7条に違反している。

また、議事録とは、どの委員がどのような発言をしたのかを記録したものである。発言者名のない議事録は完全な議事録ではないから、議事内容を記録・保存するという事務を果たしているとはいえない。社会資本整備審議会運営規則6条は議事録の作成を義務付けているのであるから、発言者名入りの議事録の不存在は同条に反する。そもそも、委員はそれぞれの職域や専門性などを考慮して議事がより意義のあるものとなるよう選出されているのであるから、どの委員がどのような発言をしたのかということが明らかになってはじめてその意見等の意義・価値が決まるものである。仮に、特定の発言について発言者名が不開示とされるべき場合であっても、議事録全体につき発言者名は不開示とすべきでない。

さらに、なぜ平成18年度からはわざわざ発言者名を除いて業者に納入させるようになったかについて、「理由と根拠を明らかにすることなく、不開示が認められるべきではない」と申立人が異議申立書で述べたことに対し、理由説明書では、理由も根拠も述べられていない。また、同異議申立書で不存在を理由に不開示にするための対策であるのではないかと推察し、極めて後ろ向きの対応であると述べたことに対しても、なんら反論もない。

4.発言者名を除いて議事録を作成することは情報公開法に反する

国土交通省は、「議事録を発言者名を除いて作成する」根拠として、議事録の公開により公共の利益を害するおそれがあると主張するが、情報公開法第5条5号は、審議等に関する情報のうち、公開により公正中立な議論を妨げる事項を不開示事由としている。したがって、国土交通省は、発言者名の公表により議論の公正中立が害されると考えるのであれば、公開請求がされた時点で発言者名を除いて開示すれば足りるのであり、わざわざ発言者名を除いた議事録を作成する必要はない。あらかじめ公表する範囲に合わせて文書を作成するのは不自然であり、情報公開法の主旨に反する。

仮にこのようなことが是認されるならば、行政文書の開示によって政府の諸活動を国民に説明する責務を全うするという情報公開法の本来の目的から逸脱する。すなわち、議事録の公表範囲は小委員会で判断することはあっても、それによってあらかじめ不開示事由に該当する事項や発言者名を除いた議事録しか作成しないことは、行政機関の有する説明責任に照らせば許されるものではない。情報公開法が不開示事由を除いて行政文書の開示を義務付ける制度である以上は、不開示事由をあらかじめ記録しないということは、情報公開法の制度的意義を没却させることにほかならず、本件のように速記録の作成に当たり発言者名を除いたものの作成を指示することは、許されるものではない。

また、国土交通省の主張する「公共の利益を害するおそれ」とは極めて抽象的なレベルにとどまり、発言者名を除いた議事録を作成・公表することを正当化するに足るものではない。また、論拠に欠けるだけでなく、違法であり、不当である。この点につき、以下のとおり反論する。

国土交通省は「公共の利益を害するおそれがある場合」である理由を、「上下流、左右岸、利水と治水又は環境といった様々な利害関係を内包している個々の水系ごとの実情に即した議論を要することから、発言者名の氏名を掲載した議事録を公表することは、委員の自由な発言による公正中立な議論の妨げになり、小委員会の適正な運営に支障を来たすことになると考えられる」というが、会議自体を一般傍聴者や記者にも公開していることからすれば、この理由は理由になっていない。議事録は公開されているため、その議論の内容自体に「公共の利益を害するおそれ」がないことは明らかである。会議も公開されているので、発言者名の公開に「公共の利益を害するおそれがある」こともありえない。「公共の利益を害するおそれがある」のであれば、会議の公開も、議事録の公開もありえない。

会議の内容は、熊本県の球磨川流域の住民に大きな関心を呼んでおり、地元紙では、発言者名入りでかなり詳細な報道もなされている。また、傍聴者によってインターネット上で発言者名入りの「なんちゃって議事録」も公開されている。傍聴を許した時点で、議事録だけは発言者名を伏せることで守れる公共の利益などは存在しない。

発言者名を含めて議事録を公表することは、一般傍聴者が知りえる情報と、地理的、経済的理由によって傍聴が不可能な者との間の情報格差や不公平を是正することになり、「公共の利益を害する」こととは正反対で、公共の利益を増進することになる。

河川法行政においては、事後的に議事録が発言者名と共に公表され、記録として残らないことの方が、「公共の利益を害するおそれ」が大きい。この小委員会は河川法16条に基づいて生命・財産を守る上での河川事業の基本となるべき方針を定める役割を大きく担っている。一方、この小委員会に出席する学識経験者よりも流域住民の方が、流域について詳しい知見や経験を持っている場合があり、小委員会の決定が直接、住民に影響を与える以上は、どのような専門性や立場、利害関係を持った委員がどのような発言をして決定がなされたかが明らかになっていることが妥当であり公正である。また、この小委員会で審議、決定される河川整備基本方針に続き、河川法16条の2 に基づいて河川整備計画が策定される。その第4号で「関係住民の意見を反映させるために必要な措置」が取られることになっているが、その時点で、河川整備基本方針のあり方についても再度検討をすることがありえるという国土交通省の方針が、平成957日衆議院建設委員会での河川局長答弁で明らかになっている。方針の見直しが行われる場合に、発言の内容を発言者名も含めて再検証ができないことの方が、河川法の運用上も不当である「公共の利益を害するおそれ」がある。

最後に、憲法第12条には、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」とある。審議会の密室性を減少させていく努力は、憲法に定められた国民の責務である。かつて国土交通省関連の審議会は高い密室性を保持していた。それを先人たちの努力が傍聴を可能とするまでに至った。密室性を減少させる努力をさらに続けることは公共の福祉のためにも重要であると考える。 

なお、口頭での意見陳述を求める。またその際、補佐人の同席を求めることもある。

以上

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