« 2006年11月 | トップページ | 2007年1月 »

2006年12月31日 (日)

ビエンチャンの夕焼け

ラオスに出張していました。

首都ビエンチャンから見た乾季のメコン河です。

太陽はラオスの大地から昇り、タイ側に沈みます。

Photo_25

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月18日 (月)

加藤登紀子さんほろ酔い新年会

川原湯温泉など現地に生きる人々を励ましたい、と開催された「八ツ場いのちの輝き」ライブ&トークに続き、加藤登紀子さんとの新年会が催されるようです。ご案内をいただきました。

【転送・転載歓迎】

”加藤登紀子さんとご一緒に ほろ酔い新年会”

静かな冬景色の温泉街で、年明けの祝い酒を楽しもうと

歌手の加藤登紀子さんをお誘いして新年会を開くことになりました。

川原湯のやわらかいお湯につかり、

上州の味覚を肴に、あなたも一献いかがですか?

◇日時:2007年1月9日(火) 午後6時~9時

◇場所:群馬県吾妻郡長野原町川原湯温泉柏屋旅館大広間

◇参加費:宿泊(新年会込み)8000円、新年会のみ5000

*”ライブ&トーク”加藤登紀子と仲間たちが唄う八ッ場いのちの輝き”(東京・日本青年館・10/9)のビデオを合わせて上映します。

**この催しは、八ッ場ダムの水没予定地、川原湯温泉に賑わいと活気を取り戻す支援活動の一環として行います。

お申し込みは、下記メールフォームにてお願いします。

http://www.yamba-net.org/modules/formmail/index.php?id_form=1

予約締め切り:13

(定員に達し次第、予約を締め切ります。

宿泊キャンセル料が3日前よりかかります。)

主催:八ッ場あしたの会

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「この川にダムは似合わん!」集会の模様

速報です。

上二つは動画で見ることができます。

熊本県民テレビ

061217() 19:20 相良村で初のダム反対集会

http://www.kkt.jp/news/index.html

テレビ熊本

「この川にダムは似合わん!」相良村矢上村長講演

http://www.tku.co.jp/pc/news/view_news.php?id=10573&mod=3000

NHK

治水対策はダム以外で

http://www.nhk.or.jp/kumamoto/lnews/03.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月16日 (土)

吉野川の場合

1119日、徳島に呼ばれていってきた。吉野川みんなの会が開いた「第3回 吉野川車座会議」~住民意見を反映させるために~に。15分ほどプレゼンをした内容は徳島住民向けなので、ここでは車座のみんなの話を聞きながら、その場でも話したことを含めて書く。

9年という周回遅れで「住民の意見反映」という新(もう古いぜ)河川法に基づいて各地で始まった手続きは淀川ではこんなことになっているし、利根川ではこんなことこんなことになっている。そして吉野川では、四国地方整備局が“「吉野川の河川整備」(但し、抜本的な第十堰の対策のあり方を除く)” について、「吉野川学識者会議」「吉野川流域住民の意見を聴く会」「吉野川流域市町村長の意見を聴く会」と3つに分けて意見を聞くというやり方(PDF)で進めている。

住民の不満は高い。その原因は次のようなものだと、皆さんと話をしていて気づいた(古い蛍光灯並)。

●危ないってウソだったのか

整備計画は20年から30年の計画と言われているにもかかわらず、「但し、抜本的な第十堰の対策のあり方を除く」とされていること。この行政用語を解説すれば、「改築と称して、1752年にその骨格が出来た第十堰を撤去して、長良川河口堰みたいなものは作るようなことをしません」ということなのだ。

これは悪いことではない。でも、何かがおかしい。記憶と辿ると、県民の意志として第十堰を撤去したりしないとする県知事たち(大田正、飯泉嘉門)が選ばれ始める前、国交省が第十堰について、耳にタコができるほど言っていたのは「第十堰は老朽化して一日も早く改修(可動堰に)しないと危ない」「(第十堰が原因で)深掘れが起きていて危ない」だった。

ところが、住民投票や選挙によって住民の意思が明確になった途端に、「生命と財産を守る」を盾に言っていたことが息を潜めた。今回の整備計画は第十堰のことは横へ置いて立てるという。

やっぱり、第十堰を可動堰にするというのは、住民の選択や、政治判断、行政の裁量でどうにもなることで、生命財産を守るためではなく、工事のための工事だったのか、とシラケタ気持ちが沸いてくる。「うわ~、よくゆ~わ」みたいな感覚が私の中にもよみがえってきた。97年、98年当事、建設省と住民が論戦するのを最も身近に目撃していた一人からだ。

●コモンズって誰?

人間には向上心があるので、淀川流域委員会のような例が出てくると、それがスタンダードとなるべきだと考える。「お金が沢山かかった」と淀川流域委員会について国交省がブーブーいっている問題は、いかようにも工夫によって安くできる。いいところを伸ばし、悪いところを改善し、というのが向上心に応えるやり方だ。淀川流域委員会の進め方でいいところの一つは委員長を無記名で選挙によって決めて進めていったところだと言われている。多くの人が信頼をおく人が、会を運営することが、その会の成功を大きく左右することは言うまでもない。

吉野川流域住民の意見を聴く会では「ファシリテーター」としてNPO法人コモンズという存在が出てきた。ところが徳島では、誰も聞いたことがないNPOで「誰それ?」状態だったのだ。

そこで、意見を聴く会では、「意見を聴く会」の請負額はいくら?というような質問が飛び出し、そこでは決まっていないという回答から始まって、その後、コモンズもきっちり答え(PDF)ている。

1ヶ月前に突然「来てね!」と徳島へ(何故か)呼ばれた私としては、一通りの資料をざ~っとネットサーフしながら読んで行ったわけだが、びっくりしてしまったのは、この中で明らかになったコモンズと国交省の関係だった。直接の関係はなく、いであ株式会社というダムをメシの種にしていたコンサル会社(東京)が合併してできた大阪支社の業務委託、つまり孫のような存在で、国土交通省四国地方整備局→コンサル企業→NPO法人という図式に、なんだか居心地の悪さを感じてしまった。(いであ(株)が受け取るマージンはいくら?と思ったり・・・)

NPO法人コモンズが住民に信頼されるファシリテーターになろうと努力していることは、その業務委託の契約書 (PDF)を公開したり、車座会議のゲストとしてきちんと出席して真正面から議論したり、前日までに、運営について、国交省に宛てて、説明責任を果たすべきだということや、プロセスを明示すべきだということや、その他、国交省と住民との間でコミュニケーションを図るべきだと考えることなどについて、ファシリテーターがファシリテーターとしての役目を果たせるようにするために必要だと思われることを公開文書で意見(PDF)をしたことからも、とてもよく分かる。

残念ながら、私はここまでしか、フォローできていない。これからも、フォローし続けないといけないだろうと思っているので、まずは第一報です。

吉野川河川整備計画(概要)案はこちら(PDF)

全文はこちら

 

こうなるまでの経過は姫野雅義さんの吉野川日記で!

6月1日(木)晴 国土交通省四国地方整備局長 北橋建治様

6月11日(日)曇  「第十堰また官主導が首もたげ」

7月12日(火)曇  腹が立った時には10数えよ

8月4日(金)晴  あす吉野川流域住民の意見を聴く会

8月6日(日)晴 住民の意見を聴く会は「吉野川方式」になるのか 

9月28日(木)晴  「30日にぶっつけるか」

10月2日(月)曇  国交省はなぜ議論に応じないのか

 

まさのあつこ

| | コメント (1) | トラックバック (0)

「小さな相良村」と「大きな霞ヶ関」

明日17日と25日に対照的な集まりがある。

121日に国交省、農水省、財務省に「ダムによらない治水と利水」と村長と村議が訴えた熊本県相良村(さがらむら)で行われる集まりと、国交省内で行われる“学者”の会議だ。

小さな相良村の集まり

「この川に、ダムは似合わん

  -川辺川の治水を早期に実現しようー 」

ダム建設予定地である相良村の村長と村議会がダム反対を表明しました。勇気ある相良村の決定を支持し、建設目的がなくなったダム計画を中止し、郷土の宝・川辺川を未来に手渡すためにみんな集合しましょう。

◆日時:平成181217日(日)午後1時(受付11時)

◆場所:相良村総合体育館

◆内容:スライド上映

 講演 矢上雅義相良村村長、板井優弁護士

◆参加費:入場無料

問合せ先:緒方医院(電話0966-35-0131)

◆主催:川辺川の治水を早期に実現する実行委員会

◆後援:相良村

 

巨大な霞ヶ関の河川法第16条に基づく集まり

第五十六回河川整備基本方針検討小委員会

日時 平成18年12月25日(月)13:00~16:00
場所 中央合同庁舎第3号館(国土交通省)11階特別会議室
議題 球磨川水系の河川整備基本方針の策定について
 

国土交通大臣、河川局長は、前者に出席すべきだろう。

まさのあつこ

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2006年12月15日 (金)

次回の利根川有識者会議

利根川流域市民委員会の情報です。1218日と20日に開かれる「利根川水系河川整備計画策定に係る有識者会議」に宛てて出した意見書が掲載されています。

以下は、その時間や場所で、利根川流域市民委員会の深澤さんからいただいた情報です。

傍聴をオススメします。

>2回有識者会議の日程が正式発表されました。

> http://www.ktr.mlit.go.jp/tonegawa-plan/

> 次のとおりです。

>利根川・江戸川有識者会議 1218日(月)午後1時~3時 KKRホテル 11

>中川・綾瀬川有識者会議 1218日(月)午前10時~12時 KKRホテル 11

>鬼怒川・小貝川有識者会議 1220日(水)午前10時~12時 虎ノ門パストラル 本館4階

>渡良瀬川有識者会議 1220日(水)午前10時~12時 ラフレさいたま  5

>霞ヶ浦有識者会議 1218日(月)午後130分~330分 ロイヤルレイク土浦

1997年に河川法を改正しておきながら、環境保全(第1条)も住民意見の反映(第16条の2第4項)も「経過措置」でネグレクトした挙句に、初めて日本最大の流域面積を持つ利根川で、この第16条の2をどう進めていくのか、よく見ておきましょう。

~~~~~~

(河川整備計画)

第十六条の二 河川管理者は、河川整備基本方針に沿つて計画的に河川の整備を実施すべき区間について、当該河川の整備に関する計画(以下「河川整備計画」という。)を定めておかなければならない。

2  河川整備計画は、河川整備基本方針に即し、かつ、公害防止計画が定められている地域に存する河川にあつては当該公害防止計画との調整を図つて、政令で定めるところにより、当該河川の総合的な管理が確保できるように定められなければならない。この場合において、河川管理者は、降雨量、地形、地質その他の事情によりしばしば洪水による災害が発生している区域につき、災害の発生を防止し、又は災害を軽減するために必要な措置を講ずるように特に配慮しなければならない。

3  河川管理者は、河川整備計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは、河川に関し学識経験を有する者の意見を聴かなければならない。

4  河川管理者は、前項に規定する場合において必要があると認めるときは、公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。

5  河川管理者は、河川整備計画を定めようとするときは、あらかじめ、政令で定めるところにより、関係都道府県知事又は関係市町村長の意見を聴かなければならない。

(後略)

~~~~~~

 

まさのあつこ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月10日 (日)

八ツ場ダム裁判という公益財産

2 129日、都内で行われた八ツ場ダム住民訴訟2周年報告会へ行ってきた。

裁判自体を完全にフォローしたい方は、八ツ場ダム訴訟のページの「訴訟資料」というところを見ることをオススメする。1都5県の被告・原告の主張をきっちりと後追いできる貴重な公益財産だ。

 

 群馬、栃木、茨城、埼玉、東京、千葉各都県別に、訴状、各都県で原告団が発行しているニュース、意見陳述書、準備書面など、全部掲載されている。被告となっている自治体によっては「インターネット上に裁判資料を載せないように」と、時代錯誤的な主張をしてくるところもあったという。

●大川隆司弁護士は、

相模大堰訴訟では住民が敗訴しながらも獲得したものとして

・事業の推進主体が当該自治体でなくても住民訴訟は成立する

・事業計画に著しい不合理性があれば、財政支出は違法となる

・水需要の予測値と実績値が「相当に乖離」した場合には、事業主体は計画を再検討する義務がある

と整理。過去の裁判で勝ち取った財産の上に「今」の裁判がある。

  永源寺第二ダムで高裁判決で勝利した吉原稔弁護士もまたそこで勝ち得たものを共有

  利根川河川整備計画の策定に対して嶋津暉之氏から最新情報(そういえば第二回の日程が発表になっている。次は1218

Photo_22

     ● 各都県からの報告は私がここで書くより、ここの「訴訟資料」のどこかをクリックしてPDFファイルを一読いただくほうが、その道のりの一端を垣間見ることができる。ダイジェスト的に読みたい方はここの「ニュース&チラシ」から読むことができる。

 

   

Photo_24    ●高橋利明弁護士が八ッ場ダムと地すべりの危険性について報告。国交省から開示させた資料(PDF)を基にその危険性を指摘してきたが、自治体の反論は基本的に「国交省が安全と言っているから安全」というだけだと言う。

 

 

 

 

Photo_23報告会主催者によれば、近々、報告会の配布資料もウェブサイトに掲載する予定だという。ご注目を!(写真はアピールを読む原告)

| | コメント (0) | トラックバック (1)

死の恐怖に駆られて

126日、東京アメリカンセンターで、米国大使館国際開発担当参事官チャールズ R アネンソンによる講演「日米における政府開発援助(ODA)改革」があり、招待を受け行ってきた。私が参加した目的はただ一つ。質疑応答の時間を待った。一人目の質問が終わり、えいや、と手をあげた。

「具体的な例で、米国のODA政策について尋ねたい。フィリピンでは政治的殺害が多発していて、政権に批判的な市民リーダーが700人以上殺害される事件が起きている。この件に関し、先日、麻生外務大臣は遺憾だとし、今後ODAを供与する際にこの件について検討を行うとアロヨ政権に伝えると国会で答弁をした。これについて、米国としてはこれまでに何か対応を取られたか、もしくは、今後対応をされる予定があるか」

参事官いわく(概略です)

「その具体的な事件について知っているわけではないが、そうしたことがあるなら、アメリカ政府はなんらかの立場を取らなければならない(We have to take a stance.)。似たようなことは過去にはあった。MCC(ミレニアム・チャレンジ・コーポレーション)、これは人に投資をする事業で、民主国家で、市場主義であるという3つの条件が満たされた国とはパートナーシップを組み、合意をもとにODAを供与するというものだが、以前、ある国と米国で合意文書を結ぼうとしたまさにその時、その国の政府は、他のすべての政党の活動を禁止し、報道機関に圧力を加えた。そこで、合意はない、ODAは供与しないと発表した。これには大変、満足している。(中略)いずれにしても麻生さんがそのような発言を国会で行ったことはとても嬉しい。私たちもまた、強い対応をとらねばならない(We have to take a strong stance.)

参事官はおそらく、本国政府、在フィリピン米国大使館などを通し間接的に、もしくは自己人脈を通じ、フィリピンの政治的殺害について、フィリピン政府に対し事実確認を行うだろう。またおそらく、日本政府に対しても、どのような対応を取るつもりかを確認することだろう。

9月のフィリピン取材以来、どうかもうこれ以上、「政治的殺害」が起きませんようにと動いた。私が取材した人々がそのせいで殺されたらどうしようというビクビクする気持ちがずっと続いている。

 

おそらくこの件に関わった誰もが、そういう思いだと思う。NGO(アムネスティ、国際環境NGOFoE」、キリスト教関係団体など)は、国会議員同席のもと、外務省・財務省などに情報を共有し、対応を求めてきた。

これを受け、117日の参院の「外交防衛委員会」で質問が行われたが、麻生外務大臣が気のない答弁を行ったことを週刊朝日1124日号の「頻発する暗殺に比政府も関与?」という短信で書いた。

その後、再び、1127日に、参院「政府開発援助等に関する特別委員会」で福島みずほ議員によって「日本のODA現場で殺害が起きている。殺害が起きるところではODA供与は考えさせていただくといえないか?(概要)」と問われ、麻生外務大臣が「日本のODA現場だけで殺人が起きているわけではないが、頻繁に起きることは、我々としては遺憾。ODA供与する上での検討の対象にしたいということは申し上げていきたい」と今度はしっかり答弁した。

疑り深い私は、外務省がどこまでフォローするだろうかと懐疑的で、直前で中止になったが1210日からセブ島で行われるはずだったASEANを意識して、「政治信条を理由に暗殺されるフィリピン」週刊金曜日 第633 20061201日を外務省に送った。ASEANを機に、「調査団を組んでフィリピンに来てください。国軍や警察の記録、被害家族の情報を求め・・・」と協力を求めるサトゥール・オカンポ下院議員(バヤン・ムナ党の党首だ)の訴えを書き、発売と共に、外務省に送ったのだ。

そして、さらに、冒頭の質問を米国大使館員たち及び日本の関係者、マスコミがいる前で行った。国会答弁を外務大臣が履行していく過程の目撃者をできるだけ多く作りたい。このブログもそうだ。

その席に自民党の竹本直一という衆議院議員がいることが、同議員が4番目の質疑者となったことで分かった。この議員が麻生外務大臣にこのやり取りを“直ちに”耳打ちしてくれることを願った。調べると衆議院財務金融委員でもある。

そして、麻生外務大臣は、その言葉を次のように具現化した。

日・フィリピン外相会談概要(平成18129日)

フィリピンに対する経済協力:麻生大臣より、第26次円借款積み残し案件の署名の段取りが整ったこと、第27次円借款の検討につき説明するとともに、左派活動家やジャーナリストに対するいわゆる「政治的殺害」への日本国内での非常に高い関心を伝えた。ロムロ長官からは、フィリピン政府の実態解明への努力を説明。

これはまだ始まり。

まさのあつこ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月 8日 (金)

地方紙の活躍

岐阜新聞がいいシリーズを始めました。

  森と水の県土へ 第4部「明日への視点」

意見反映、知恵を絞る 宮本博司さん(京都市)

河川行政、住民参加を 近藤ゆり子さん(大垣市)

自然美、息長く後世に 長屋丈一郎さん(関市)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月 7日 (木)

もうけっこう

働くものの月刊学習誌「まなぶ」という雑誌の12月号の特集「市場万能が加速させた環境問題」に掲載された原稿を転載してもよいと許可をいただきましたので、ご好意に甘え、転載させていただきます。

“もうけっこう”と働くものが声をあげよう

ジャーナリスト  まさのあつこ

「バスタ(Basta)」イタリア語で「おかわりはいかが?」と聞かれたときに、「もう結構」と答えるのに使われる言葉だ。英字誌『エコノミスト』は今年4月「バスタ!ベルルスコーニ」というタイトルで、再選を狙った現職首相(当時)をこき下ろした。再選にふさわしくない数々の理由をあげ、イタリア国民は彼の経済改革に期待していたのにそれすら失敗したと断罪したのである。結果は対抗馬の当選となった。

日本でも選挙のたびに、「経済を立て直して欲しい」など有権者の声が街頭インタビューで拾われる。しかし、少子高齢化、低成長時代の今、「もう結構」の言葉は、経済立て直しに失敗する政治家に対してではなく、経済重視の社会構造を転換できない社会自身に向けられるべきではないか。日本のダム事業を例に考えてみる。

地域・自然破壊の元凶と目されたダム事業は各地の激しい反対運動に押され、公共事業の中でもいち早く見直しが始まった。1997年以降、100基近くが中止された。自治体でも00年に片山善弘・鳥取県知事が中部ダムを中止、01年に田中康夫・長野県(前)知事が「脱ダム」を宣言、02年には潮谷義子・熊本県知事が荒瀬ダム撤去を決断し、「脱ダム」の流れは確固たるものに見えた。

産業のない山村地域にとって土木公共事業は、経済と雇用のカンフル剤であり、止めることができない麻薬であった。それを「もう結構」と言える知事が各地に現れたことは、言うまでもなく画期的なことだった。

97年の河川法改正時に河川事業を決める手続に「住民意見の反映」が盛り込こまれたことや、河川管理の目的に、治水・利水に加え、環境保全という開発抑止のベクトルが加わったこともその背景にはある。しかし同時に公共事業予算の削減が大きく寄与したことも事実だ。投資に対する効果が乏しいことが分かれ目だろう。国土交通省河川局治水課によれば、現在なお建設・計画中のダムは180基ある。明治以降、約2500基作り続けてきたダムの時代は終焉を迎え、たたかいはさらなる削減と削減対象から事業を死守する綱引きであると言ってもよい。

脱ダムと脱・脱ダムの綱引き

今年7月に「もったいない」をキーワードに当選した嘉田由紀子・滋賀県知事は、国直轄の丹生、大戸川、永源寺第二ダムの3基と、県営の芹谷、北川第一、第二ダム、合わせて6基のダム建設計画の凍結を公約に掲げた。公約実現をめぐっては、現在なお新幹線新駅問題と共に県議会のたびに推進議員たちから激しい追及を受けている。じつは丹生ダムは、すでに2003年1月に国土交通省近畿地方整備局の諮問機関である淀川水系流域委員会が「原則建設しない」と提言した5基のうちの1基だ。これに対し05年8月に近畿地方整備局が5基のうち3基は「継続する」と押し戻した。丹生ダムはその1でもある。さらに0610月には国土交通省河川局河川計画課長から出先の近畿地方整備局に就任した局長が、淀川水系流域委員会自体を休止すると発表した。綱引きたけなわである。

長野県では、今年9月に就任した村井仁・知事は、前知事に中止された浅川ダムの旧予定地を1018日に視察し、翌日の記者会見で「ダムも含めて治水対策として流域の皆様方にもご理解が広く得られるような案をなんとか作って示したい」と述べている。後戻りである。

 首都圏の水がめである利根川では、上流に計画されている八ツ場(やんば)ダム事業が半世紀を超えて細く長く進み、現地住民の心を疲弊させている。ご当地である群馬県の他、受益地である東京、埼玉、千葉、茨城、栃木など必要がありもしない水を買わされる自治体は、総事業費4600億円のうち約2千億円、起債の利息や水源地域への対策基金なども含めれば4千億円を超える負担が強いられる。脱ダムを目指して1都5県で住民訴訟が続行中であるが、為政者の側で見直しの気配はない。

図を見て欲しい。これは八ツ場ダムの必要性の根拠となる水需要予測(=水資源開発基本計画)と実績を表している。予測は実績との比較で誰もが「ありえない」と確信する右肩上がり。実績は横ばいから減少に向かっている。

1都5県や国交省で働く公務員や政治家でさえ、この現実を直視すれば、理に適わない事業であることはすぐに分かる。100年に1度の洪水に対応する49年からのダム計画が、ダムの姿も形も見えない間にすでに半世紀の折り返し地点を過ぎたことを見ても同様である。いったい、なぜこんな事業が進められるのか、なぜ、先述した「脱・脱ダム」の巻き返しがあるのかを説明できるのは、(「もう結構」と言わねばならない)経済との結びつき以外にはない。

働くものに求められる力

八ツ場ダム関連工事の落札率は、長妻昭・衆議院議員が今年6月までに入手した資料によれば、2001年から05年度まで、いずれもほとんどが9割を超えている。99%を超えるものも少なくなく、談合の疑いが濃い。また同資料から、0305年の間にこれら落札業者であるパシフィックコンサルタンツなどの民間企業37社や、(社)関東建設弘済会など公益7法人へ国交省職員が天下っていることが明らかとなった。業者は生き残りをかけて天下りポストを情報と引き換えに確保し、公務員は情報をエサに退職後の生活を確保する。相も変わらずこうした構造がダム事業を止められなくさせている。

それを断ち切ることができるのは働くものの良心でしかない。「企業の社会的責任」という言葉が踊る社会になったが、国内の土木公共事業に限って言えば、じつに原始的なレベルの癒着体質から抜け出していない。まさに「もう結構」という声無き声を、そこに働くものは受け止めて欲しいものである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月 6日 (水)

マスコミはこぞって住民排除に批判的

昨日の続きです。利根川水系の河川整備計画の策定手続きとして設けられた有識者会議のうち、本流の利根川・江戸川の会議では、流域をカバーする以下の6紙の面々が委員として出席していた。

●東京新聞論説室論説委員

●上毛新聞社論説委員長

●茨城新聞社編集局報道本部学芸部長

●埼玉新聞取締役編集委員

●千葉日報社地方部長論説委員

●下野新聞論説委員

会議は、(1)利根川・江戸川(2)渡良瀬川(3)鬼怒川・小貝川(4)霞ヶ浦(5)中川・綾瀬川と5つ分けられているが、(1)が本流、(2)(3)(4)(5)が支流という地理的な分類でしかない。ホームページ上ですら、工事事務所ごとに分断して掲載し、実にフォローしにくい。それが狙いなのだろう。それとも「公共事業」のバラマキか?同じ124日に(1)(3)(5)と都内で行ったが、会場設定すらバラマキかと思わざるを得ない。

124日の(1)と(5)をハシゴ傍聴する形になった。(1)では、マスコミ関係者を中心に、初っ端から批判の声から高らかにあがった。以下は批判部分の10分の1にも満たないメモ。要するに、いまどき、住民意見が公聴会や、インターネットでは不十分という意見が大半だったのでそれはあえて略。

東京新聞

「淀川は6年をかけて400回も議論した。利根川流域市民委員会は、住民軽視のやり方は時代錯誤と批判しているがまったくその通り」「役所が案を作ってお飾りの有識者会議で決めるなど、この会議が批判されることになる。今の時代、甘くない」「淀川委員会は結論が脱ダムだったからストップがかかった。先にダムありきでは今後工事を30年間やり問題を引きずっていくことになる。NPOや市民団体の意見を最初に聞いておくというのが今の時代重要なことだ」

茨城新聞

「傍聴者もいる。それらの意見をどう聞くのか。有識者会議として住民の意見をどう聞くのか。整備計画を立てたとき事業実施の段階で住民の協力は不可欠だ。協力を仰ぐためには不可欠だ」

群馬上毛新聞

「今日一面は八ツ場ダムの生活再建の見直しについてだった。50年が経過した。水没住民は断腸の思い。その関係住民の意見も踏まえた計画にして欲しい」

その他、学識者からも

佐々木寧・埼玉大学大学院教授

「有識者が議論する前にパブリックコメントをしないと意見が出ない。手順が足りない」

清水義彦・群馬大学助教授

「有識者会議はどういうものなのか? 議論は限られた時間では難しい。学術的、技術的に難しい」

下野新聞は

「(マスコミは河川の)専門家でもなければ知識もない。住民は相当勉強している。何らかの議論の場を設けるべきではないのか。」(以下、コメントをいただき反映しました(06.12.16)

そして、翌日の紙面で

利根川整備計画、有識者から住民排除に異論(2006年12月5日)

ネット上よりも紙面の方が扱いが大きい。

その他、委員として選ばれていないマスコミは

読売新聞(2006年12月5日)

 利根川水系整備 住民代表”締め出し“

 国交省有識者会議初会合で

しかし、どれだけ批判が上がっても(時間的に大半が住民を排除したやり方への批判だった)、何故か、議長となった宮村忠・関東学院大学教授が、「何かを決める会ではない。聴くだけ」の会であるといなした。行政がやることのお墨付き機関として利用されることを当然とする“有識者”でなければ議長にはなれないのか。議長の推薦は、事務局である国交省が「どなたかご推薦を」と言い、方針を決定する場で国交省の代弁者と化している福岡なにがし教授が直ちに推薦し、異議なしで決まった。あれは仕込みだと誰もが思う。淀川水系流域委員会では、無記名による投票で選んだ。得られたよき教訓にすら学ばない姿勢に嫌気がさす。

それ以前の報道(そのうちリンクが切れると思うが)

<利根川水系整備>諮問委人選で国交省に抗議文 周辺住民ら(毎日)

利根川整備会議、反対派は入らず 国交省が委員65人(朝日)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年12月 5日 (火)

大臣は脱法の10年を知らないのか?

河川法が改正されて整備計画を策定するに当たって、「住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない」とされ、来年で10年になる。この間、国交省は、旧法のまま「経過措置」というオブラートにつつんで、住民参加を排除する脱法行為を続けてきた。

ようやく霞ヶ関のお膝元で、9年前に行うべきだった「儀式」を執り行うのに、実にオソマツなやり方をしている。傍聴に行ったが、さすがに「有識者会議」に入れられたマスコミ関係者に冒頭から、「これでいいのか」と噛み付かれていた。 

その批判は、この「有識者会議」でシャンシャンと通すやり方が決まったときから、すでに始まっていた。以下、抜粋です。

冬柴大臣会見要旨(平成18年11月24日)

平成18年11月24日(金)参議院議員食堂

(問)       利根川水系の河川整備計画作成に当たっての有識者会議の委員が決まりまして、この委員の選定に当たって一部公募方式というものをとらなかったということで、住民団体は公共事業の住民参画の後退だということを批判しているのですけれども、この点についていかがでしょうか。

(答)       後退とは思いません。我々は住民から幅広く丁寧に意見を聞くというために、20カ所程度で公聴会を開催することとともに、インターネット等により意見を収集したいと。今回は河川に関する専門的なご意見を伺いたいということで有識者の会議を設置したわけでして、多くの意見を聞いた上でより良い河川整備を進めていきたいという考えにはいささかの後退もないと、私はそのように思っております。               

(問)       ただ、他の河川の流域委員会で行っていたような一部公募をしなかった、加えて先だっての淀川水系河川委員会の一時休止も併せて、河川行政の住民参画という点からも、後退という批判があるのは事実なのですけれども、それは関係はないのでしょうか。

(答)     それは関係ありません。淀川水系については、過日も詳しくお話し申し上げた通りでして、住民のご意見を聞くということについて、いろいろなやり方があると思うのですね。従来の淀川水系で行ったような方式もあれば、今利根川水系で申し上げたような方式もあります。専門家としてのご意見とともに、そこに住む住民の方々にはいろいろな考え方の方がいらっしゃいまして、そういう方々の意見を幅広に聞いて、最終的に責任を持つのは私ですから、そういう意味でいろいろな意見を聞きながら、民主的にかつ専門的な批判にも耐えられるような行政を進めていきたい。後退はありませんので、どうぞよろしくお願いします。

                

(問)       今の質問ですが、河川行政は、今、そういったダムの反対派であろうがなかろうが、住民と一緒に話し合うという姿勢が非常に後退していると感じます。川は利水者のものではありませんし、国土交通省のものでもありません。一番関係があるのは流域住民だと思いますが、その流域住民と一緒の土俵に立とうとしていない。専門家、あるいは一部のマスコミといった、いわばサロン的な中で議論しても、河川行政は決して前に進まないと思うのですが、その点についてどのようにお考えでしょうか。

(答)     そういう考え方もありましょうけれども、私が述べたような考え方もあるわけでして、いずれにしましても、河川というのは公物です。公の物です。したがいまして、それは専門家のものでもなければ、ただ単にそこに住む住民の方だけのものでもない。非常に広く治水、利水、安全という問題もありますし、いろいろな知恵を集めて、民主的にやっていかなければならないと、私はそう考えております。その民主的という方法について様々な考え方もあろうかと思いますけれども、その点についてご理解をいただきたい。

                

(問)       その点、大臣のお言葉を是非伝えていただきたいと思いますけれども、さらに技術的なことを言いますと、今回5地域ごとに全く別々に議論をするということなのですけれども、どこの流域でもそうなのですが上流から下流の問題には非常に重要な問題があります。上流の治水の問題、下流の利水の問題、これは全く別々に議論して果たしていいものかということも疑問に感じるのですが、それについてはいかがでしょうか。

(答)       そういう地域の持つ様々な問題を専門的に掘り下げていただいて、最終的には我々の方で判断させていただきます。もちろん川というものは上流から下流へ流れるわけでありまして、一体なものであります。ただ、一体として全体だけで議論するというのではなく、それぞれが持つ河川の意味、地域の住民の意思そういったものを踏まえて、総合的に判断をして、行政を進めていくべきではないかと思います。

~~~

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月 1日 (金)

相良村首長、村議7名、上京の晩秋

川辺川ダムによる水没予定地は熊本県五木村ですが

ダムサイト予定地は相良村(さがらむら)にあります。

 

そして今日、12月1日

相良村村長、相良村議長はじめ村議7名、それに、相良村行政改革委員長

と、そうそうたるメンバーで

 

国交省、農水省、財務省に

利水でも治水でもダムは要らないです、と言いに上京されました。

 

熊本県民テレビのウェブサイトで↓

061201() 20:09 

■相良村議会が国にダム反対の意見書

画像、音声とともに、見ることができますが(消えないうちにお急ぎを)、

マスコミ各社取材陣がどっと取り囲んで

治水課を訪れる軍団に驚いた通りがかりの国交省役人に

私は「あれは一体なんですか」と聞かれてしまいました。

ま「相良村村長と村議さんたちが要請に来られたんです」

こ「はぁ」

「ダム作らないでという要請です」って言ってあげないと、

何故、メディアスクラムができているかまで

分からなかったかな(笑)と今になって思うよし。

Photo_18 国交省は課長補佐が机の前で対応。

要請者が去ったあと、記者に見解を求められて

「いや、まだ受け取ったばかりですから」と。

農水省の対応が一番丁寧でした。会議室を用意して課長が対応。

「我々としては6市町村そろわないとということで状況を見ている。地域としてどういう形でもっていくのか見えてくるといい。まとめていけるよう意見交換を続けていきたい。住民の意見を踏まえていきたい」

Photo_19 財務省、主計官は軍団の後ろから「わ、わたし」と遅れて慌てふためいて部屋に入ってきて「部屋を準備していなくてすみません」と言いつつ、丁重に議長が渡す要請書を受け取っていました。予算を切り詰めないといけないご時勢に「夕張市のようになってはならない」と言ってくる基礎自治体は貴重ですよね。

奇跡的にポッカリ時間が空いて、奇跡的なタイミングで上京の日時をいただき、カメラをもって一部始終を取材できたことはラッキーでした。いずれ、どこかの紙媒体に書きますが(もっとまともな書き方で)、まずは取材メモということで。

 

1217日は相良村で集会

まさのあつこ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年11月 | トップページ | 2007年1月 »