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2007年4月 2日 (月)

ドイツにおける市民参加とSEA(報告)

先日ご案内した「ドイツにおける市民参加とSEA」の報告です。

以下は概要と、私個人の感想。

当日の配布資料は以下からダウンロードが可能です。

http://www.aarhusjapan.org/modules/xfsection/article.php?articleid=68

モニカ・ベーム教授による

「ドイツにおける市民参加とSEA」(概要)

● ドイツではSEAは比較的新しい(2005年)、アメリカから来た制度ではあるが、工場等の設置は日本と異なり認可制であり,個別法(公害防止法等)の認可手続において,それ以前から市民参加規定が細かく定められている。

● 参加には、一般参加、関係人参加の二つがある。参加権は両者に認められている場合が多いが,原則として,訴権は,権利侵害を主張する者にしか認められない。

SEAができる以前にすでに、個別法により、権利侵害(所有権や健康を守るなどの「権利」)、もしくは手続上の瑕疵などを理由に訴訟を起こし、権利侵害や瑕疵などがあれば事業を止めることもできる。また,住民の大反対があった場合に,30ページを越える付款(条件)がつけられた例もある。

● その意味ではSEAは環境影響に対し「考慮」しなければならないというもので、弱いという批判が環境NGOの間ではある。また,ドイツでは,他の国がSEAとして行っている手続のかなりの部分を,既に各種公害防止法規の中で行ってきたという経緯がある。そのため,個別法とはまた別のSEA手続きをどのように組み込んでいくかにはまだ混乱もあり、複雑になったという批判もある。

● 個別法では事業の申請に対する認可に必要な要件を満たすか満たさないかという厳然とした形で判断が行われる(裁量の余地がないほどに要件は細かく規定されている)。事業者にとっては、認可に対する「請求権」があり、それに相対する形で、それ以外の人々には「参加権」(そして「訴権」)があるという言い方ができる。

● 参加において行われる「公聴会」は一方的なものではなく、「討議」である。(研究会後にもう少し聞いたら、たとえば参加者の質問に対して、その事業に関連する関係官庁部署が来ていて、応えるなど。例えば大気のことなら大気の部署など)

SEAを行う主体は所管庁だが、州法(個別法)によってそれぞれ違う。

SEAの対象は官も民も一切関係なく、たとえば発電所などももちろん対象となる。事業そのものが環境に影響を与えるかどうかで対象となるかどうか決まる。

私自身の感想としては、やはり個別法が漠然とあるいは全く「参加」規定がない限り、日本でのSEA導入は「弱い」。トータルで見ればドイツよりもさらに弱い!とても弱い!だからSEAのこれからの導入の監視はもちろんのこと、個別法の改正、個別法での参加規程をより充実させていかなければならないのだ、と思いました。

まさのあつこ

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