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2007年4月16日 (月)

生物多様性国家戦略

今年秋を目途に、第三次生物多様性国家戦略づくりが進められている。論点整理」がこちらにPDF 掲載され、意見募集期間は過ぎてしまったが、第3次国家戦略に盛り込むべき事項や改定の際考慮すべき事項等を環境省が募集していた。

知人が「必ずしも『「生物多様性国家戦略の見直しに関する懇談会」における論点等に対する意見』という表題に合致するものでは」ないが、としながら出した意見を共有してくださったので、転載許可をいただいた。私はこの間、資料に目を通すこともできなかった(ため息)。2010年には生物多様性条約の第10回締約国会議が名古屋で開催される。もう10年になるんだ・・・・。

ということで、以下、転載~~~~~~~~~~~。

「生物多様性国家戦略の見直しに関する懇談会」における論点等に対する意見

20074月 日

近藤ゆり子(住所&電話 ここでは省略) 

 必ずしも『「生物多様性国家戦略の見直しに関する懇談会」における論点等に対する意見』という表題に合致するものではありませんが、1995年の「生物多様性国家戦略」策定時より関心を持って来た者として幾つかの点を述べます(詳述ではなく、問題点のみ)。

1.市民・住民の参加について

 生物多様性を保持していくことは、単に行政のみの取り組みではなしえないことは、論をまちません。市民・住民の積極的参加(社会的コンセンサスとなり、かつ市民・住民が当事者意識をもつこと)が不可欠です。

 この「参加」には二面があります。①「生物多様性国家戦略」の存在の認知及び「見直し作業」などの議論への参加 と、 ② 策定された「国家戦略」(という名称であるとないとにかかわらず)の中身への参加です。

 ①における参加(市民・住民意見の反映)が不足すると、②策定された「国家戦略」への幅広い市民の参加 は困難となり、せっかくの「国家戦略」も本来の機能を果たせません。

 現状では、どちらにも「不足」を感じますが、特に前者について述べます。

(1)広報が足りない

 1995年の「生物多様性国家戦略」策定時に比較して、2002年の「新・生物多様性国家戦略」に関する広報は少なかったように感じています。1995年に比べて、格段にインターネットなどが発達していたにもかかわらず、いわゆる「環境系」メーリングリスト(私の参加している10あまりの「環境系」ML)などで言及されることもなく、私が、パンフ「いのちは創れない」の存在を知ったのは数ヶ月前のことでした。

(2)「見直し」作業への住民参加

 「SEA導入ガイドライン()」などでも言及されているように、「早い段階から情報を開示し、議論する」ことが求められています。

 私が、頻繁に接することの多い国土交通省においても

 ・1997年河川法改正において「住民参加」が強調され、

  2007.3.23 『社会資本整備のアカウンタビリティ(説明責任)向上行動指針』

    http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/00/000323_.html

   でも市民への迅速かつ積極的な情報発信と市民参加が謳われています。

 計画策定段階から当事者として参加がなければ、市民はその「戦略」や「計画」に無関心となりがちです。その課題につき多くの知見を持と、関心をもつ市民は「自分の意見が反映される仕組みが無かった、議論から締め出された」と感じ、内容に対してネガティブな評価に傾きがちです。

 いったんネガティブな評価を持つと、その評価を変えることは難しく、その人は当事者として積極的に行動しないでしょう。もともとは生物多様性保持のために積極的に動くような意識の高い市民がネガティブな評価を持ってしまうことは、実に「もったいない」ことです。

 「見直し」(第3次「国家戦略」策定)にあたり、抜本的に改善を求めたいところです。

2.「新・生物多様性国家戦略(2002)策定」への評価等

 すでにお分かりのように、私自身、第2次国家戦略策定において「自分の意見が反映される仕組みが無かった、議論から締め出された」と感じた一人です。

 この「偏見」のためかもしれませんが、「第2次」は当初(「第1次)国家戦略に比して、「人間の『開発行為』が生物多様性に与える負の影響」への危機感が薄らいでしまっているように感じられてなりません。高度成長期に比べれば、そし環境基本法等が施行される前に比べれば、開発事業における環境への配慮は進みました。しかし不必要な(あるいは必要性・効用性の低い)事業で、絶滅危惧種の棲息地が脅かされているような事例は、まだまだ数多く存在します。

 古い時期に事業化された事業は、環境影響評価法の適用対象外です(環境影響評価法成立の際に他の省庁との「お約束」が在ったことは知っていますし、その当時のことを今さら非難するものではありません)。このゆえをもって、現に絶滅危惧種1B類のイヌワシ・クマタカの棲息地が大きな環境改変にさらされているときに、それに関する情報収集すら、環境省に拒絶された経緯があります、「環境庁(省)が、意見を述べる法的根拠がないから」と(この「解釈」は間違っています。内閣衆質147号13号参照.

 「生物多様性国家戦略」は単に環境省だけではなく、政府全体が取り組むべきものとして定められているはずです。そしてその実行・実現を率先し促すべき立場の環境省が「意見を延べる法的根拠がないから、情報収集もしない」などという姿勢では、せっかく策定した「生物多様性国家戦略」は単なる言葉の羅列・お飾りになってしまいます。

3.特に絶滅危惧種1B類のイヌワシ・クマタカの危機と生物多様性

4.環境アセス法の現行の運用の問題

 (3.4.はSEA導入ガイドラインパブコメ、その他の形で、既に環境省にお伝えしているので省略)

5.世界に誇れる「生物多様性国家戦略」となることを願って

 今般、「生物多様性条約COP10」愛知・名古屋招致が閣議了解となりました。

 この「生物多様性条約COP10」開催前に策定される「第3次生物多様性国家戦略」は、国際にも先進的と評価される内実を持たねばなりません。盛り込まれる文言のみが素晴らしくても、世界に誇れるものとはなりません。省庁間の「縦割り」で環境行政が進まないような有様(国交省、経産省の一部に生物多様性保持に向けた環境行政へ無理解と消極的態度が見られる)では「国際的な恥」となります。

 政府一丸となって生物多様性保持に取り組む姿勢が具体的に見えることともに、関心の高い市民がその取り組みを積極的に支え、相対的に無関心な人々をも巻き込むものとなっていく必要があります。そのためにも「策定時からの市民・住民参加」が不可欠です。

 この地域に住む者として「生物多様性条約COP10名古屋招致」が、堂々と世界に発信できるようなものであることを願っています。

                                                   以上

~~~~~~~~~~~

近藤ゆり子様、転載許可ありがとうございました。

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