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2007年10月27日 (土)

ある茨城県民の怒りと悲しみ

「茨城県の水問題を考える市民連絡会」の神原禮二さんからいただいたアンケート結果とコメントです。

この話http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_79c5.htmlの続きです。私の余計な解説は不要なので、以下をそのまま読んでください。

茨城県の財政危機と水資源開発に関する

県議会議員アンケートを省みて

県民の問いかけを“黙殺”した58人の県議。

県議会議員へのアンケートは予想通りの結果に終わった。設問に回答を寄せた議員は3人。陸海空の大型開発を反対してきた日本共産党の大内久美子議員、山中たい子議員と、民主党でただ一人八ッ場ダムの反対を表明している川口浩議員だった。その他の議員はすべて無回答であった。真正面から私たちの問いかけに答えられた3人の議員に感謝申し上げたい。

「本件は係争中のものゆえ、回答を控えさせていただきたい」と、回答しない理由を送ってきた議員は、自由民主党所属の3人の議員だけであった。党としての無言の拘束が予想されるだけに、その誠実さに感謝したい。残る58人の県会議員は“黙殺”したつもりだろうと推察する。

私たちはアンケートの依頼にあたって、多忙中の依頼を詫び、その趣旨を説明し、切手を貼った返信用封筒を同封した。80円程度の通信費は、政務調査費で処理するのか、話題の事務所経費で処理するのかは不明にして知らないが、依頼した側の「礼儀」として負担した。しかるに返信すらできぬということは、茨城県議という職は、私たちの想像をこえて多忙ということなのだろう。

回答された3議員は「水源開発はすべて不要」で一致。

大内、山中、川口の3議員は所属会派の違いからか微妙に違いはあるものの、「水源開発はすべて不要」「開発事業費は撤退してゼロにすべき」など基本的な問いには、すべて一致した回答だった。

わずかに3人、という声が当然あるだろう。だが回答者の100%が「県の水行政」にNOを示した事実は重い。県議会が“行政府化”してしまったこの県にあっては、わずか3人だからこそ、その勇気と良心の持つ意味は大きい。

“黙殺”は県議の責任放棄でしかない。

アンケートを“黙殺”した県議たちは「これは極少数の特殊な人たちの声」と、核心をずらし、事態の矮小化をはかったことは推測するまでもない。だが、アンケートで問いかけた事柄は、県議という職を誠実に考えたなら、とても“肩透かし”できる問題ではないはずだ。水需要予測も、水源開発も、すべてが執行部の提案を議会が承認して施行されたものだからだ。県の財政危機はそのために惹き起こされたとも言える。

私たちはいま、政策成立時の責任を問うつもりはない。当時妥当と判断したものも、時がたち事態が変わることにより、誤りが明らかになることもあるだろう。それが長期にわたる計画や事業ならばなおのことだ。問われるのは行政をチェックする県議の職責を全うするか否かだ。明らかに誤りと分かった政策は、議会で執行部の責任を問い、正して欲しい。県民の声を矮小化せず真摯に受け止め、自らの見解を明らかにして欲しいのだ。

「係争中だから・・・」で済むのだろうか。

3人の県議の言われる係争中のものとは「八ッ場ダム住民訴訟」を指しているのだろう。だが今回のアンケートは八ッ場ダムについて問うてはいない。問いかけの主体は、アンケートの趣旨にあるように、①本年3月、県が発表した「いばらき水のマスタープラン改定」で結果的に県が水余りを認めたこと。②水余りの水量が現在開発中の水源開発の水量を上回ること。③その県民負担は2000億円に上るが、一方で県財政は未曾有の危機にあることだ。

これらは裁判に関係なく県が抱える重要な問題であり、解決は喫緊の課題であるはずだ。なおかつこれらの問題は県議会で承認されたものゆえ、議員には当事者責任が伴っている。「係争中・・・」などと言わず、当事者として見解を述べていただきたかった。

残念ながら無回答は“黙殺”同様、結果として行政を擁護するものでしかない。

都市用水の用途変更の黙認は、県議会の存在を自ら否定することだ。

 アンケートでは、都市用水の余剰を、環境用水と危機管理用水に用途変更した行政のあり方も問うている。県が水源開発に参加する際には、用途を定め議会の承認をもって為されてきたはずだ。しかるに行政は議会の存在を無視して勝手に変更してしまった。三権の一つの柱である議会は何故黙認するのだろうか。県議会の最大の役割は行政の監視ではないのだろうか。議会の権威と尊厳はどうしたのだろうか。県議会が行政という一方の権力にひれ伏してしまえば、民主主義は根底から覆ってしまう。もはや黙殺したり、第三者を決め込む事態ではない。議員ひとりひとりの見識を披露していただきたかった。

おわりに

 今回のアンケート結果は、見方によれば惨憺たるものとも言える。「それ見たことか」と喝采をあげた人も居るかもしれない。だが、私たちの目的は「茨城県民は今日の事態を危機感をもって見ている」ということを、県会議員ひとりひとりに理解してもらうことだった。その意味では実施できたことで成果あり、と思っている。

 何時からか政治は応援合戦になってしまった。茨城県の場合、県議会の与党は知事の応援団になっている。戦後、執行部提案の否決ゼロ。継続審議も稀なこと。という事実が何よりの証拠だ。悲しいことだが、茨城県の民主主義は一度も日の目を見ずに闇の中にある。いかに保守王国とはいえ異常としか言えないだろう。

 茨城県の民意はどこにあるのだろうか。県議会の与野党632は実態を表しているだろうか(現在は長谷川大紋氏が参院に転じたため与党は62)。先の知事選は自民、民主、公明推薦の橋本氏と共産党推薦の間宮氏の一騎打ちであった。その時の間宮氏の得票率は27.2%。県議会の議席に置き換えれば1718議席に相当する。茨城県の共産党アレルギーを考えれば驚くべき知事批判票といえる。仮に民主党が中央とのネジレを解消して3党の選挙であったならば、橋本氏が勝ったにしてもかなり拮抗した勝負になっていたはずだ。

 いずれにしても、現在の体制は選挙という民主的な手続きで選ばれたものゆえ、その責任はかかって県民の側にあるのだが、歪みは歪みとして認識してゆくべきだと思う。

 私たちはこれからも声を上げてゆく。それが民意を歪めてしまった茨城県民の責任だからだ。

茨城県の水問題を考える市民連絡会

事務局 神 原 禮 二

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アンケート結果「result.doc」をダウンロード 以上転載でした

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