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2008年6月21日 (土)

河川法の自殺

見切り発車をした国土交通省近畿地方整備局に対し、

宮本博司・淀川水系流域委員会委員長が、

声明を出しました。

委員長声明

http://www.yodoriver.org/seikeigenan/080620_seimeibun.pdf

淀川水系流域委員会

http://www.yodoriver.org/

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逮捕についてのコメント

捕鯨、「被害者」は誰か?

http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_e65f.html

について、弁護士の西島和さんから以下、コメントをいただきました。

転載許可をいただいたので掲載します。

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> >罪は罪だから犯すべきではないという論は常に正しい。

>グリーンピースの行為が犯罪にあたるかということと別に、

>法律上、逮捕してよい(逮捕が許される)場合であったのか、

>ということが問題にされる必要があります。

 

>日本では、「罪を犯したら逮捕されて当然」と思っている人が多いように

>思いますが、法の建前上はそういうことにはなっていません。

 

>6月20日の朝日新聞夕刊社会面に、

>「事実関係を認め逃亡もしておらず、

>逮捕までする必要があったのか、疑問が残る」とする

>福島至・龍谷大学法科大学院教授のコメントが掲載されています。

>容疑者(被疑者)を逮捕するには、逮捕の必要性があることが要件とされ

>(刑事訴訟法199条2項但書)、容疑者が逃亡するおそれがなく、

>かつ、罪証を隠滅するおそれがないなど明らかに逮捕の必要性がないと

>認められるときには、

>逮捕状の請求は却下されることになっています。

>ただ、実際には、逮捕状の却下率はきわめて低く、

>裁判官の令状審査が形骸化していることは、

>かつて寺西和史裁判官が指摘されたとおりです。

>近く司法制度改革の一環として裁判員制度も導入されますが、司法には、

>改革すべきところがまだまだ残っている、という気がします。

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淀川では見切り発車

そして淀川では見切り発車

4ダム計画、見切り発車 近畿地方整備局発表へ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080619-00000984-san-pol

淀川水系4ダム建設案を正式発表8月までに計画決定へ

2008620日(金)18:11

http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/life/living/CO2008062001000628.html

近畿地整記者発表

http://www.kkr.mlit.go.jp/scripts/kisha-uproad/index.pl

2008620日 記者発表淀川水系河川整備計画(案)について(3/3)

2008620日 記者発表淀川水系河川整備計画(案)について(2/3)

2008620日 記者発表淀川水系河川整備計画(案)について(1/3)

時間のない方は、3/3の67頁~

「淀川水系河川整備計画(案)原案から(案)への変更理由」

を読むとよいと思います。

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捕鯨、「被害者」は誰か?

熊本県知事への手紙を電車の中で書きながら、八ツ場ダム訴訟の傍聴から帰ってくると、グリーンピース・ジャパン(GPJ)のメンバー逮捕のニュースが流れていた。この件は、日本社会にとっては一般人、マスコミを含めて、消化不良を起こす問題なのではないかと思っていたが、現実になったなと感じた。

     「税金」で調査捕鯨した鯨肉を乗組員が「おみあげ」として宅急便で送るチョロマカシを、罪でないと判断して「不起訴」した当局

     任意出頭しますと書類を出していたGPJにワザワザ「警察が踏み込んで逮捕する」という演出を報道させた当局。

「当局」によるこの二つ「判断」によって、「誰が被害者か」という本質が見えなくなったと思うからだ。消化不良以前の「罪」の要素を分解すると以下のようになるのではないか。

1.当局の不作為(鯨肉の「不正流用/おみあげ」不適発)の「罪」

2. 調査捕鯨船乗船員の「不正流用/おみあげ」の「罪」

3. 調査捕鯨船乗船員の「不正流用/おみあげ」を内部告発しなかった「罪」

4. GPJが鯨肉を持ち出した「功罪」

すべての罪は罪としたとして

この中には

1と3の裁かれない「罪」があり

2と4の「罪」(2が裁かれず、4が裁かれることになった)があります。

2の罪は4の罪なくしては発見されない「罪」だった。

2の「罪」が裁かれても、1の罪は決して裁かれることはない。

では社会は4の罪をどう受け止めるか?

たとえば、「鯨肉」を「放射性物質」と置き換えるとします。

4については「よくぞ暴いてくれた」と見方が変わるのではないでしょうか?

罪は罪だから犯すべきではないという論は常に正しい。

では成立し続ける1~3の「罪」は誰が「罪」であると指摘するのか?

西濃運輸は、立場上、「被害者」届けを出さざるをえなかったのでしょうが、本当の被害者は誰か、西濃運輸さんも含め、私たちは考えるべきではないでしょうか?

ところで、水産大手三社はすでに商業捕鯨をやらないと表明しているので、

http://www.asahi.com/business/update/0613/TKY200806130280.html 

調査捕鯨はなんのためにやるのか(商業捕鯨再開を目指していたのでしょうから)

税金のムダ使とならないように、水産庁もまた、立ち止まって考えるべきときが来ているのではないでしょうか。

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荒瀬ダムとCVM

水利権が切れる平成22年に「撤去」が日本で初めて決まっていた熊本県の荒瀬ダムについて、新知事が方向転換を検討しているとのことで、愚直に手紙を書きました。

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熊本県知事

蒲島郁夫様

前略

荒瀬ダムの撤去を「凍結」されるニュースを拝見しました。財政難が理由だとのことで、以下の観点から再考の余地があるのではないかと思い、お手紙をしたためます。

平成10年度版「環境白書」にも載っている米国でのダム撤去の話です。

ワシントン州を流れるエルワ川にあるエルワダムとグラインズ・キャニオンダムで、激減したサケをはじめ生態系を回復させるために、ダム撤去を決定するまでに、次のような興味深いプロセスがあったといいます。

ダムを撤去するには総額3億ドルがかかると推定された。発電も失われる。このコストを払っても生態系を回復する価値があるかどうかの問題とされた。そこで、ある専門家が全米の一般市民2500世帯にアンケートを行った。ダム撤去のために今後10年間で○○(ランダムに記入)ドル分の税金があがります。賛成しますか反対しますかと尋ね、支払意志額が1世帯につき年間68ドルだという結果が出た―――。

詳細は築地書館の「公共事業と環境の価値-CVMガイドブック」(栗山浩一著)に書かれていますので、そちらでお読みいただければと思いますが、このような手法で、熊本県民に尋ねてみられてはいかがでしょう。

県事業の優先順序を検討する上で、たとえば、支払意志額を答えてもらう代わりに、荒瀬ダム撤去よりも優先順序が低いと感じる県事業はなんだと思いますか?と尋ねるやり方もあるのでははいでしょうか。実務に直結する方略ではないかと思います。

以上、簡略ですが、ダム撤去に関心をもつ一人としてご提案申し上げます。草々

2008621

ジャーナリスト まさのあつこ

(住所ここでは略)

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参考になるページや書籍

●熊本県

http://www.pref.kumamoto.jp/construction/section/kigyoukyoku/arase/arasebody/arase.htm

  環境白書

http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/honbun.php3?kid=210&serial=10640&bflg=1

  『ダムは水害をひきおこす』花伝社 荒瀬ダム周辺住民の声が書かれている

編 子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会
球磨川流域・住民聞き取り調査報告集編集委員会

http://kawabegawa.jp/book/book.html

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2008年6月18日 (水)

山場を迎えた八ッ場ダム住民訴訟

八ツ場ダム住民訴訟原告からのお知らせ!

私も傍聴へ行きます。

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山場を迎えた八ッ場ダム住民訴訟

6月20日(金)・7月30日(水)

東京地方裁判所103号法廷(定員90人)

1:30~4:30

『東京に八ッ場ダムは必要』の虚構を明らかにする証人尋問。ぜひ、傍聴に来て下さい!

※手荷物検査があるので10分前までに来廷してください

東京地方裁判所:千代田区霞が関一丁目14号 

裁判所合同庁舎

丸ノ内線・日比谷線・千代田線霞ケ関駅A1出口から徒歩約1

有楽町線桜田門駅5番出口から徒歩約3

★八ッ場ダム裁判とは?

200411月に八ッ場ダム関係6都県で一斉に八ッ場ダム事業への公金支出差し止めと水利権獲得放棄を求める住民訴訟を起こしてから、3年半が過ぎました。

法廷では、利水、治水、地すべり・ダムサイトの危険性、環境問題の各テーマで、ダム建設の欠陥を追及してきました。とりわけ、水余りで不要になった利水では、自治体が主体的に八ッ場ダム計画から降りることができることを指摘してきました。そしていよいよ、証人尋問のステージを迎えました。東京地方裁判所では2日間(620日と730日、合計6時間)、茨城でも2日間(715日と7月29日、合計11時間)の証人尋問が決定しました。残りの4地裁でも次々に決定することでしょう。

ここからは、原告と被告の間の書面のやり取りだけではなく、生身の人間が証人に立ち、専門分野の知見に基づいて「八ッ場ダム建設事業の違法性」を明らかにします。被告側証人(利水や治水の担当者)に対しても、事業に参加する根拠と費用対効果について明確な説明を求めていきます。

★ 証人尋問の見所

620日は、二人の元東京都職員が証人に立って東京都の水政策を斬ると同時に、東京都水道局の責任者に説明を求めます。原告側証人は、問題点をわかりやすく説明する予定です。

7月30日は、元新潟大学教授の大熊孝先生が治水の証人として登場されます。

利根川治水の第一人者であり、先日も現地調査で国交省の言い分を論破する重要な証拠を入手されました。

裁判に勝利するためには、傍聴席を満席にして、多くの人が裁判に関心を寄せていることを、裁判官に示すことが何より重要です。

無用で危険な八ッ場ダム事業をストップさせるために、裁判傍聴をお願いします!

●八ツ場ダムとは?

 利根川の洪水調節と都市用水の開発を目的として、群馬県長野原町の名勝吾妻渓谷に1952年に計画されたもののいまだ本体未着工。国交省が事業主体で茨城、群馬、埼玉、千葉、東京、栃木の各都県が参画。総貯水量約1億トン。総事業費はダム建設の他に周辺整備等の関連事業も含めると、約5000億円と予想され、日本一高額なダムとなる、

現在は社会状況が変わり全く不要なダム。川原湯温泉を始めとする水没予定地の住民を、半世紀以上もダムで翻弄し、疲弊させた国の責任は重い。

●なお、他県の証人尋問の日程は以下の通り。

水戸  7月15日(火)午前10時~午後5時 利水、治水

    7月29日(火)午前10時~午後5時 治水、利水 

前橋  9月5日(金)午後1時30分~ 環境、危険性

    10月3日(金)午後1時30分~ 利水

千葉  8月26日(火)午後1時30分~ 利水

お問合せ:深澤(042-341-7524)まで

~~

こちらも合わせてご覧あれhttp://www.yamba.jpn.org/

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淀川をもっとよくしたい流域委関係者の会

淀川では・・・・

転載します

「淀川をもっとよくしたい流域委関係者の会」ご案内

淀川水系流域委員会の旧委員有志の呼びかけで

表記の会を開催することになりました。

流域委員会の先行きが危ぶまれるこの時期に、

員会関係者およびご関心のある皆さん方の

ご出席をお待ちしています。

河川管理者への参加を呼びかけましたが、

参加いただけそうにありません。

皆さんとともに「これからの流域委員会」を

考えたいと思いますので、

よろしくお願いします。

今本博健

■淀川をもっとよくしたい流域委関係者の会

  と き:6月20日(金)18302100(受付18:10

  ところ:大阪府立女性総合センター「ドーンセンター」

  定 員:150

  参加費:1000(当日):会場費等に充当

  申し込み先:細川ゆう子

          メール vr2s-hskw★asahi-net.or.jp

          FAX 06-6493-5991

  プログラム

   第Ⅰ部 これまでの淀川水系流域委員会

        寺田武彦(元委員長) 吉岡慎一(前庶務) ほか

   第Ⅱ部 これからの淀川水系流域委員会

        参加者の皆さんに意見を述べてもらいます。

~~~~

淀川水系流域委員会では最近こんな議論がなされてきています。

平成20527(火)第79回委員会

http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/79th/pdf/iin79th_gijiroku.pdf 

平成20513(火)第78回委員会

http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/78th/pdf/iin78th_gijiroku.pdf 

平成20422(火)第77回委員会

http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/77th/pdf/iin77th_gijiroku.pdf

平成2049(水) 第76回委員会

http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/76th/pdf/iin76th_gijiroku1.pdf 

http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/76th/pdf/iin76th_gijiroku2.pdf 

http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/76th/pdf/iin76th_gijiroku3.pdf 

平成2046日(日)

淀川水系河川整備計画原案に対する意見(案)についての旧委員への説明会

http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/080406_kyuiinsetumei/pdf/kyuiin_gijiroku.pdf

平成20326日(水) 第75回委員会 

http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/75th/pdf/iin75th_gijiroku.pdf 

以上転載、上記@を★に変えています

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2008年6月14日 (土)

ないわけがないが、ほんとうにない

発信しないといけないことがたくさんありすぎて、毎度追いついていませんが・・・

6月3日参議院財政金融委員会で、富岡由紀夫・参議院議員が、八ツ場ダム事業の再評価を行った委員会(昨年12月開催)で出された資料のおかしさを追及しました。

その模様を是非、以下の参議院のライブラリービデオでご覧ください。

以下をクリックして、富岡由紀夫議員の右側のアイコンをクリックすると再生できます。

(ビデオカウンターは18:00~ぐらいから)

http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/library/reference.php?page=1&cd=2745&tx_mode=consider&sel_kaigi_code=0&dt_singi_date_s=2008-01-18&dt_singi_date_e=2008-06-13&tx_speaker=&sel_speaker_join=AND&tx_anken=&sel_anken_join=AND&absdate=2008-06-03&sel_pageline=10&dt_calendarpoint=2008-05-14&abskaigi=no 

昨年12月、費用便益分析(B/C)が2.9になることを根拠の一つに八ツ場ダム事業は「継続」とされたわけですが、この根拠資料が、「存在しない」ということが国会で明らかにされたわけです。

国土交通副大臣が「ないわけがないが、ほんとうにない」と言って笑っている。笑っている場合じゃないんですけど・・・。幽霊のような根拠のもとに、国も借金、1都5県も借金。利息も入れれば1兆円近い事業を継続ということになる。

文字で議事録を読みたい方は、こちらへ!

http://www.yamba-net.org/modules/news/article.php?storyid=579 

こちらも合わせてお読みください。

http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_daa6.html

こんなにヒャラヒャラと答弁しながら、その根拠データが存在しないというのです。

副大臣と一緒にご唱和するしかないんでしょうか?

「ないわけがないが、ほんとうにない?!」

それじゃすまないでしょう。やっぱり。

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2008年6月11日 (水)

天塩川の絶滅危惧種を救えない河川法でよいか?

以下は、「グローバルネット」((財)地球・人間環境フォーラム発行)での連載「川、開発、ひと 日本の経験 アジアの経験」 (20084月発行)より許可をいただいて転載。

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天塩川の絶滅危惧種を救えない河川法でよいか?

昨年秋、サクラマスの産卵が終わり、紅葉も終わりかけた10月下旬に北海道を訪れた。サンル川である。日本海へ注ぐ天塩川(てしおがわ)の支流、名寄川(なよろがわ)の更に支流だ。「サンル」とはアイヌ語で「浜に出る越路」を意味する。アイヌ民族にとってサンル川は、オホーツク海へ出る通り道だったのだ。冬になると気温が零下30度にも40度にも下がるこの極寒の地、下川町で、今、急速に現実味を帯びているのがサンルダム建設計画だ。国土交通省北海道開発局(開発局)が進める総事業費530億円の多目的ダム計画である。

100年生きるカワシンジュガイ

この支流および本流一帯は、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に登録されているカワシンジュガイの生息地である。カテゴリーは類(VU)。つまり「絶滅の危険が増大している種」だ。100年生きる長寿の二枚貝で、大きなものは十数センチになる。

下川町で出会った釣り師は、「昔は全国あちこちの川で見られた。最近では大きなものはまだいるが、小さいものはこの川とあと何本かの川にしかいない」という。小さな貝がいないのは、新しい世代が育っていないことを意味するのだという。「カワシンジュガイの幼生は、この辺ではサクラマスのエラに寄生して川を移動する。サクラマスは礫と砂が混じった河底を好んで遡上・産卵する。ダムができたらサクラマスは遡上せず、カワシンジュガイもいなくなる」と予測する。

全国を釣り歩く釣り師が生き物を見る目は確かだ。環境省の生物多様性情報システムには「福井・島根・山口の各県では絶滅したと考えられている。(略)北海道や東北地方でも、健全な個体群が残っているのは、サケ科魚類が現在でも多数遡上できる一部の河川だけである。それ以外の生息地では幼生の宿主が少ないため、たとえ成貝が多数生息していても世代交代がうまくいかず、絶滅の危機にある」と明記され、その原因の一つには「ダムや堰の建設によるサケ科魚類の遡上阻害」があげられている。

河川法の運用実態

 これほどまでの生物が、実は、200211月に策定された天塩川水系河川整備基本方針には一言も触れられていない。河川整備基本方針は100年の川の姿を決定づける方針である。1997年の河川法改正で新しく加わり、「河川環境の状況を考慮し」「環境基本計画との調整」を図って定めなければならないとされたにもかかわらずだ。

無理もない。この方針を決定づけた河川整備基本方針検討小委員会(小委員会)には学識経験者18人中、環境分野からは二人しか参加していなかった。一人は独立行政法人国立環境研究所理事の肩書きを持つ厚生省OB、一人は財団法人山階鳥類研究所所長で、天塩川の河川環境を知る人材ではない。

国交省が選んだ「学識経験者」が居並ぶ小委員会は、釣り師未満の委員構成だ。これが改正河川法の運用実態だ。

基本方針を元に、2030年の計画とされる河川整備計画が策定されたのは昨年10月。サンルダム計画が盛り込まれ、カワシンジュガイについては「サクラマスとあわせてその生息環境の保全に努める」とされた。しかし、あくまでダム建設が前提で、保全が前提ではない。

治水はダムなしで達成、水需要は1.5リットル

一方で、ダム建設の根拠は脆弱であることが、住民団体や環境保護団体に指摘され続けてきた。昨年12月と今年1月に紙智子参議院議員が出した質問主意書(文書による国会質問)は、洪水対策の目標はすでにダムなしで達成されていることを明らかにした。開発局は計画の目標を、「戦後最大規模の洪水流量により想定される被害の軽減を図ること」としていたが、実際の「戦後最大」の19738月の洪水では、対策区間で破堤(決壊)は起きていなかったのだ。

しかし、河川整備計画を策定する際に開かれた流域委員会では、戦後最大の洪水が起きたときには、「流下能力の不足箇所では、破堤等がどこでも起こりうる」と事実とは違う想定になっていた。そこで、紙議員が「開発局が『破堤等がどこでも起こりうる』とする根拠」を問うと、政府は「流量が河川の流下能力を超える箇所においては、破堤のおそれがある」と繰り返すだけだった。

ダム計画のもう一つの根拠は利水だが、「ダム推進」を訴える下川町が求める水道水の新たな取水量は毎秒1.5リットル。牛乳パック1.5本分である。昭和30年代に15千人いた人口は減少を続け、現在は4千人を切った。将来はより少ない人口で水道料金の増加分を負担することになる。名寄市の取水分、毎秒17.5リットルを足してもわずかであり、なぜダムでなければならないかと「下川自然を考える会」「北海道自然保護協会」など地元13団体が開発局に問うても明確な説明はない。

変更手続の最中に再評価 

開発局の説明意欲が低いことは取材を通しても驚かされる。河川整備計画の決定後、開発局は、2008年度完成予定だった工期や事業費などを変更せざるを得なくなり、現在、特定多目的ダム法に基づく基本計画の変更手続に入っている。

事業費の15%を負担しなければならない北海道は、高橋はるみ知事がすでに昨年9月、変更案に意見を伏して同意した。意見には「事業費と工期の厳守」(道河川課)が含まれていた。

ところが開発局サンルダム工事事務所に基本計画の変更内容を聞いても、「関係省庁と協議中であり確定していない」と、すぐには変更案を明らかにせず、数日後に事業費2億円の削減と工期5年の延長だと明かした。

そんな中、政策評価法に基づく事業再評価は昨年12月に済ませて、継続する方針を出していた。新しい基本計画も固まらないうちに、策定した河川整備計画を内部規定に基づいて事業再評価を行ったものと見なしていたのだ。驚いたことに、この内部規定のことも計画の策定がそのままサンルダムの事業再評価になることも関わった委員たちには知らされていなかった。

河川整備計画策定後に招集された「天塩川魚類生息環境保全に関する専門家会議」では、「カワシンジュガイの幼生は、(略)微妙な河川環境の変化や宿主魚の資源変化によって、間もなく個体群が絶滅することがある」と警告する委員も参加している。100年生きるカワシンジュガイの生息環境を守れる方針でなければ新しい河川法の趣旨は貫けない。根拠の脆弱なダム事業の必要性を再度見直す価値がサンル川にはある。 

(まさのあつこ)

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肱川の知恵を狂わせる山鳥坂ダム

転載が遅くなってしまいましたが、以下は、「グローバルネット」((財)地球・人間環境フォーラム発行)での連載「川、開発、ひと 日本の経験 アジアの経験」 (20082月発行)より許可をいただいて転載。

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肱川の知恵を狂わせる山鳥坂ダム

川が溢れることを前提に人々が暮らしを重ねてきたことが、この川ほど一目で分かる川はない。四国の北西に位置し、瀬戸内海に流れ出す肱川(ルビ:ひじかわ)(愛媛県)だ。ここには、国土交通省が2019年完成予定、総事業費850億円で押し進める山鳥坂(ルビ:やまとさか)ダム(大洲市肱川町)計画がある。1996年には地元の大洲市議会がダム建設反対の住民請願を全会一致で採択し、2000年には与党による公共事業の見直しで中止が勧告された。

その後、政治的な巻き返しで復活したが、利水の受益地の反対で油余曲折し、結局のところ、20045月に策定された肱川水系河川整備計画において、従来通りの多目的ダムから治水ダムへと変更されて位置づけられた。問題は、利水目的を失った後も、この計画を進める意味があるのかということだ。

治水の自治の原点

肘の形をしている本流へ流れ込む支流の数たるやおびただしい。国交省が作った30万分の1の小さな流域図でさえ49本を数えることができる。そのうち43本が流れ込む下流の盆地が大洲平野だ。なだらかで溢れて当たり前の地形だが、案の定、この場所が洪水に会うことがダム推進の主な理由にされている。

しかし、実際に訪れると、溢れることを前提に、さまざまな知恵が息づく土地柄であることが見えてくる。

ある川沿いの畑には、境界線代わりに木が植えてある。洪水で浸かっても自分の畑が分かるようにするためだ。付近の川岸には豊かな竹林が続く。地図で見るとその理屈が分かる。そこは支流・矢落川が流れ込む対岸だ。竹林で川を受け止め、勢いを失った川が畑を満たす。緩やかな洪水であるため、木が生えたまま持ちこたえる。その先に山があり、山を背景に人家を建てる。見事な知恵だ。

江戸城下町の名残をとどめている大洲市街地でも、溢れることが前提の川との付き合いがある。古い家は石垣の上に建てられている。それに比べ、最近建ったと思われる新しい家々は地面にべったりスレスレに建つ。

案内をしてくれた大洲市議の有友正本さんは「昔の人はよう分かっとったんです」と目を細める。また、「地元の人ならそこには建てんやろと思うところに配送センターを建てた飲料メーカーが、ここにはありました」と見せてくれた先には転出跡がある。「ここも浸かりました」と指差すコンビニの数メートル裏手には、山際の小高いところに古い家が石垣の上に建っている。溢れることが日常の地域だからこその知恵と、その知恵の断絶が同時に見える町である。

生活実感からのダム不信

ダム計画の存在は、治水効果の有無とは関係なく、地元住民の感情に突き刺さっている。市街地のほとりにある「なげ」を見ていたときのことだ。「なんぞあるか?」という声で振り向くと好奇心をみなぎらせたおじさんが声をかけてきた。「なげ」とは、江戸時代から伝わる石積みの船着き場で、川の中に突き出し、水の勢いを緩める洪水対策にもなっている。山鳥坂ダム予定地へ向かうところだと言うと、「建設省のバカタレが」という言葉を皮切りに、昭和35年に肱川上流に鹿野川ダムができてから、いかに川がダメになったかを語り始めた。泳ぎも遊びも釣りも食料も川がすべてだった毎日を奪われたことに、今でも腹を立てている。昭和7年生まれだという。

 車でさらに上流に進むと小高い根太山が右手に見え、菅田地区へ入る。地図で見ると、かつて川筋が根太山の向こうとこちらとに動いていたが、今はたまたま向こう側を流れているのかと思うような地形だ。地質が固いのか、川筋は狭く、ここで起きる洪水は独特だ。

「狭窄部でせき止められて、だんだん下流から川に水が貯まる。上へ上へと満ちていって川一杯になると、今度は上の方からわっと田圃の中へ溢れてきよったんです」と有友さんは言う。ところが、ここでもかつては無かった被害が起きている。

一つは、溢れた水が田圃を浸した後に達する根太山のこちら側だ。「そこに宅地を造ろうとしている業者に『そこは浸かるよ』と昔から住んでいる人が忠告してあげたらしい。でも知らずに買わされた人が被害を受けた。人災ですよね」と有友さんは嘆く。

一つは、鹿野川ダムができて以来の変化だ。菅田に住む80代の主婦は声をとがらせて言う。「川が一杯になって堤防を越そうかというときにダムを抜くんです。ああいう時になんでダムを抜かんといかんのか」

「ダムを抜く」とは、国交省がダムを守るために各地のダムで行っている「ただし書き操作」のことだ。想定を超えた洪水が起きると、ダムの決壊を防ぐために、流入する量と同量の水を一気に流し始める。肱川で、20048月、10月、20059月に行った。「昔は川の水を見とったらそろそろ溢れるなぁ思うて予防ができとったんです」と主婦の言葉は尽きない。ダムができてからは、「ダムを抜く」と一気に水が上がって家が浸かるという。

溢れさせる治水は国交省ですら始めた。四国地方整備局大洲河川国道事務所の井上水防企画係長によれば、「被害の大きかった1995年の洪水規模を越えたら溢れさせる高さ7メートルの堤防」を本流に合流する矢落川に作った。「上流を締め切ると下流の氾濫を大きくするので」という考えだ。さらに下流では「宅地のかさ上げ事業」もやっているという。

実態にそぐわない山鳥坂ダムありき

 ところが、こうした現実とは裏腹に、山鳥坂ダムありきで机上の計画は進んできた。河川整備の策定のために200310月から043月まで、4回の流域委員会が開かれたが、流域自治体の長と学識者の半々で構成され、ダム計画が容認された。住民意見は、地域別に1度ずつの意交換会と1回きりの全体公聴会で、聞き置かれて終わりだった。

20058月には環境影響評価の手続が始まった。しかし、その検討業務が開始された2001年には確認されていた事業実施区域内でのクマタカの繁殖行動が、2002年からは消えた。その後も調査区域内には確認されたものの、同じ猛禽類のオオタカ・サシバが生態系の上位に位置する「上位性注目種」とされた一方、クマタカは希少性を評価する「重要種」にしか位置づけられなかった。根強い不信感が渦巻いているが、2001年から環境影響評価の検討業務を受注してきた(財)ダム水源地環境整備センターの役員5人が国交省からの天下りだからでもある。

山鳥坂ダムの集水域は流域面積の5%に過ぎず、治水効果すら疑問視されてきた。計画の既成事実化は進むが、漁業権を持つ肱川漁協など流域漁協が明確に反対の意思表示を示している。失う前に、残すべき知恵は何か、慌てずに見極めるべきではないか。

まさのあつこ「グローバルネット」20082月号((財)地球・人間環境フォーラム発行)

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以上、週刊金曜日「愛媛県・山鳥坂ダムアセスの担当者は『環境の素人』だった?」(200844日)も合わせてお読み下さい。

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八ツ場ダムを止めるか、首相を辞めるか

「カスリーン台風」備えるはずが八ッ場ダム効果なし

朝日新聞 社会面 2008年6月11日

という記事が出ました。

以下は、その記事のネタもとである質問主意書を掲載した

八ツ場あしたの会の渡辺洋子さん達からいただいた情報のコピペを中心に・・・

●石関議員の質問主意書、政府答弁書、八ッ場ダム研究会のコメント

http://www.yamba-net.org/modules/news/article.php?storyid=576 

●「八ッ場ダム議論再燃も」◆国の試算、見直し必要

http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000000806110002 

2008年6月11日 朝日新聞群馬版

●「初の本体関連工事 安全祈願祭 遅れに住民苦言」

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20080610-OYT8T00879.htm 

2008年6月11日 読売新聞群馬版

●群馬県議会の県土整備常任委員会の様子

関口茂樹県議がブログにアップされています。

http://sekiguchi.blogzine.jp/ 

 

●現在発売中の「週刊朝日」に

「『福田ダム』工事受注業者から首相に渡っていた”違法献金”」

オマケ Watch it !

田中優さんの「ダムはムダ」(ユーチューブ)↓

http://jp.youtube.com/watch?v=5F09Zg9oKGQ 

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熊本 川辺川ダム、荒瀬ダムのその後

●日本初となるはずだった荒瀬ダム撤去を「凍結」と知事が打ち出した話

県営荒瀬ダム:撤去凍結で知事に公開質問状 /熊本

http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20080611ddlk43010612000c.html 

知事に公開質問状 荒瀬ダムで市民団体 

http://kumanichi.com/news/local/index.cfm?id=20080610200021&cid=main 

●川辺川ダム有識者会議ダムの代替案など議論

http://www.kab.co.jp/db/asp/kabnews/KabNews.asp?src_month=6&src_day=11&id=1 

新たな治水対策に言及 有識者会議 

http://kumanichi.com/news/local/index.cfm?id=20080611200001&cid=main 

第三回有識者会議 詳報

http://kumanichi.com/feature/kawabegawa/kiji/index.cfm?id=20080611000013 

 

次回は6月27日!

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2008年6月 6日 (金)

路木(ろぎ)ダム通信2

熊本から届きました。路木ダム通信第二弾です。

数日前にいただいていたんですが、転載が遅くなってしました。

そのまま、転載します!「rogi_20861.doc」をダウンロード

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みなさま、路木ダム通信②です。

今回から何回かに分けて「路木ダムってほんとに必要なの?」を掲載します。

これは路木ダム建設計画がある地元・天草市河浦町の方々に、

「路木ダムを考える河浦住民の会」が084月に送った新聞です。

(私は「河浦住民の会」の事務局です。)

路木ダムってほんとに必要なの?

その①

路木ダムを考える河浦住民の会代表 小川浩冶

                         若杉数太

羊角湾を守る漁民の会代表       木浦秀豊

 天草市の合併から2年、国保料をはじめ各種公共料金や税金等の値上げ、市職員の移動による本渡地区以外の地域のいっそうの過疎化など「合併していいことは一つもない」と言う声をあちこちで聞きます。

 さて、羊角湾に注ぐ路木川に、路木ダム建設が計画され20年近く経ちます。

 いったんは中止かと思われた路木ダム事業は、今、旧態依然として当初計画のまま、ダム本体建設へと動き出そうとしています。

 私たちは路木ダム建設による①水道料金の大幅値上げ、②路木川・羊角湾への重大な影響、③危機的な天草市財政へのさらなる圧迫、などを大変心配しています。

 そこで、路木ダムのさまざまな問題点を、地元である河浦地区の皆様にその実態をお知らせして、将来の牛深・河浦住民の生活を考えた場合、本当に必要な計画であるのか、を検証していただくために、勝手ながら新聞を送付させていただきます。

 天草市の合併のようにやってしまってからぼやく前に、はたして路木ダムが本当に必要なのかもう一度考えてみませんか?

1 路木ダム建設によって、水道料金の大幅値上げ!

 路木ダムの建設費は、平成4年度の計画時で90億円と試算されています。

それから16年間を経て、各地の例から考えて、最終的には100億円をはるかに超えるものと考えられます。(計画時と実際の建設費の比較 五和東部ダム:計画49.7億円、実際86.5億円⇒1.74倍 上津浦ダム:計画123億円、実際168億円⇒1.36倍)

 

 現在、水道料金は旧市町の料金で継続されていますが、一番高い地区は御所浦町で2,835円、河浦町は1,610円(いずれも10㎥当たり)ですが、これを天草市発足三年以内に一元化し、同一の料金にするとされています。(旧五和町の水道事業の債務7億円は棚上げのまま)

 また、国や熊本県の財政がひっ迫し、合併により誕生した天草市も約1,000億円の負債を抱えています。路木ダム建設費のうち約17%は天草市の負担となり、天草市の試算では、上水道20%、簡易水道10%ほどの負担増となる、としています。

 しかし、市の試算は16年も前に作られた計画のダム建設費と現在の水道料金収入が前提です。一方、市の予測でも平成1625年度の人口は牛深地区で18%、一町田簡水地区で14%も減少する、と見込んでいます。

 建設費が膨れ上がり、人口が減ると、さらなる負担増となって水道料金の大幅値上げは必至です!

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