« 山場を迎えた八ッ場ダム住民訴訟 | トップページ | 捕鯨、「被害者」は誰か? »

2008年6月21日 (土)

荒瀬ダムとCVM

水利権が切れる平成22年に「撤去」が日本で初めて決まっていた熊本県の荒瀬ダムについて、新知事が方向転換を検討しているとのことで、愚直に手紙を書きました。

==

熊本県知事

蒲島郁夫様

前略

荒瀬ダムの撤去を「凍結」されるニュースを拝見しました。財政難が理由だとのことで、以下の観点から再考の余地があるのではないかと思い、お手紙をしたためます。

平成10年度版「環境白書」にも載っている米国でのダム撤去の話です。

ワシントン州を流れるエルワ川にあるエルワダムとグラインズ・キャニオンダムで、激減したサケをはじめ生態系を回復させるために、ダム撤去を決定するまでに、次のような興味深いプロセスがあったといいます。

ダムを撤去するには総額3億ドルがかかると推定された。発電も失われる。このコストを払っても生態系を回復する価値があるかどうかの問題とされた。そこで、ある専門家が全米の一般市民2500世帯にアンケートを行った。ダム撤去のために今後10年間で○○(ランダムに記入)ドル分の税金があがります。賛成しますか反対しますかと尋ね、支払意志額が1世帯につき年間68ドルだという結果が出た―――。

詳細は築地書館の「公共事業と環境の価値-CVMガイドブック」(栗山浩一著)に書かれていますので、そちらでお読みいただければと思いますが、このような手法で、熊本県民に尋ねてみられてはいかがでしょう。

県事業の優先順序を検討する上で、たとえば、支払意志額を答えてもらう代わりに、荒瀬ダム撤去よりも優先順序が低いと感じる県事業はなんだと思いますか?と尋ねるやり方もあるのでははいでしょうか。実務に直結する方略ではないかと思います。

以上、簡略ですが、ダム撤去に関心をもつ一人としてご提案申し上げます。草々

2008621

ジャーナリスト まさのあつこ

(住所ここでは略)

==

参考になるページや書籍

●熊本県

http://www.pref.kumamoto.jp/construction/section/kigyoukyoku/arase/arasebody/arase.htm

  環境白書

http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/honbun.php3?kid=210&serial=10640&bflg=1

  『ダムは水害をひきおこす』花伝社 荒瀬ダム周辺住民の声が書かれている

編 子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会
球磨川流域・住民聞き取り調査報告集編集委員会

http://kawabegawa.jp/book/book.html

|

« 山場を迎えた八ッ場ダム住民訴訟 | トップページ | 捕鯨、「被害者」は誰か? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/82688/21781019

この記事へのトラックバック一覧です: 荒瀬ダムとCVM:

« 山場を迎えた八ッ場ダム住民訴訟 | トップページ | 捕鯨、「被害者」は誰か? »