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2008年11月22日 (土)

ダム見直しを主導する金子一義大臣へのオススメ

大臣がダム見直しを主導していくというニュースが電撃的に飛び交ったけれど、そんなわけで、元を辿っていくと「国会答弁」でした。そして、その2日後の記者会見での質疑によりさらに明確になりました。私も後追いで、某雑誌の取材のために某利水部門に電話をしたら、「聞いていない」という反応で、その指示の浸透度が分かりました。

以下は、20081114日(金)金子大臣会見要旨のページから抜粋http://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin081114.html

(問)大戸川ダムの関係で正式に関係4府県知事が反対を表明されました。その受け止めと、先日、国会で新しいルール作りも必要だということを言われていますけれども、どのように取り組むかをお願いします。

(答)川辺川、淀川水系について地元の知事さん達の御意見が出ました。これを重く受け止めなければいけないと思いますし、こういう事案が出て来ていますので、何故こういう状況が出て来ているのか、今の手続きのどこに問題があるのか、あるいは財政負担のあり方についてもどのように考えるのか方向は、災害を起こさないと、地域住民の安全を守るというのが地方自治体も国土交通省も同じ立場ですから、これをどのように進めていけば良いのかについて、見直してみる時期だと思っています。事務方には見直しをするという指示をしました。どこからどのように進めていくかということについては、私が主導させていただこうと思っていますけれども、何を、どういうメンバーで、どのような期間でということはこれから検討していきたいと思っています。 

この会見の内容から金子大臣の「指示」を忠実にまとめると大きくは4つあります。 

(1)地元知事からの意見を重く受け止めなければいけない。

(2)なぜ(1)の状況(国の提案する治水対策とは違う)がでてきているのかを考えなさい。 

 ・手続にどんな問題があるか 

 ・財政負担のあり方をどう考えるか 

(3)(2)の検討にあたり(国も自治体も同じ)前提は 

 ・災害を起こさないここと 

 ・地域住民の安全を守ること 

(4)国土交通大臣が主導して行う 

 ・内容、メンバー、期間はこれから検討

優秀な官僚であれば、今ごろ、この大臣の指示を「起案文書」としてまとめているはずですが、もしまだ河川局長が「起案文書」としてまとめて大臣に持ってきていないならば、金子大臣にオススメしたいのは、3つのことです。 

1.まずは、「起案文書(案)」を書くよう期限を決めて指示し、上記の指示が細大漏らさず書かれているか、目を皿のようにして一言一句、じ~っと眺めること。 

2.そうしながら、霞ヶ関を飛び出して「現地」へ行くことをお勧めします。早急に大臣の政治決断が必要になるのは淀川水系河川整備計画の方でしょう。今回は近畿地方整備局が、自ら諮問した淀川水系流域委員会の最終報告を待たずに見切り発車をしたことで事態が混乱しています。国土交通省トップとして、出先機関のしでかしたことについて、それは何故だったのか、正当な見切り発車だったのかどうか、「手続についての妥当性」を判断する必要があります。そのためには、近畿地整とともに、諮問された側である淀川水系流域委員会の話を直接に聞く必要があります。そうでなければ正しい判断はできないと思われます。 

3.その際、「治水」「利水」「環境」について、淀川水系流域委員会がどのような判断材料のもとに「5ダム」について30年の整備計画に位置づけをするのは適切でないと判断をしたのかを直接聴き取る必要があるでしょう。これが現地へいくことの本質的な意味です。

4.このとき同時に、「地域住民の安全を守ること」についてルールを見直すとしたら、どのような事項を見直していくべきか、「地域住民の安全を守ること」「環境」に主眼をおいて審議してきた淀川流域委員会に聴いてみると、一石二鳥でしょう。見直しの論点ややり方について、起案書にさらに詳しく盛り込むべき指示内容が自ずと得られるでしょう。

現場で何が問題とされ、どのような解決策が提案されてきたか、諮問機関の淀川水系流域委員会の意見をなぜ近畿地方局が聞き入れてこなかったか、「治水」「利水」の両面から、つぶさに聴き取りを行うことが、大臣の一つの判断な材料となるに違いありません。 

判断にあたって重要なのは、現場で何が起きているかという「事実」です。官僚の「ご説明」は判断材料の一つに過ぎません。

「起案文書(案)」は地域から提起された課題をクリアできるかどうか、クリアできていなければ何度でも「起案文書(案)」を突き返して、クリアできたところで、新しいルールづくりを開始してはどうでしょうか。

例えば取材記者が、もしも現場へ行かずに記事を書いたとしたら、いったいどんな説得力を読者に対して持ち得るでしょうか? 

ましてや大臣判断です。数万倍、数千倍の重みで禍根を残さない判断を行うために、現地に行き、淀川水系流域委員会の意見を聞いて、頭をきしませて勉強して、ことによっては何度も何度も近畿地整局が言うことと流域委員会が言うことと知事が言うことを繰り返し聞き返してという面倒な作業が必要になるのではないかと思います。

政治判断とは政治的に判断することではなく、各役割、各立場、各権限、各利害の上に誰が何を言っているのかを真摯に耳を傾け、役割や権限や立場や利害を踏み越えて、最高責任者として、未来から現時代に求められることは何かと論理的に判断することだと思います。簡単ではありません。簡単ではないはずです。だからこそ意義があるはずです。

と、今、大臣とお話ができたら、私ならこう言う、ということを書き付けてみました。「治水」だけではなく、「利水」「治水」「環境」とバランスよくお考えいただくことがとても重要かと思います。

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財政、環境、「新たなルール」大臣答弁

しつこいですが、重要国会議事ダイジェストで、お送りします。

河川行政の新しい転換が、金子義一大臣の指示により始まろうとしています。

-国土交通委員会-2号 平成201112日 抜粋 その3

○三日月大造委員 

いろいろな時代の変化の中で、納税者や有権者の意思として、進行中の公共事業の中止だとか凍結だとか休止という、変更なり決定がなされる場合があると思うんです。そのときに、都道府県だとか国だとか市町村、いろいろな事業主体が絡んでいる事業が多々あると思うんですが、こういう公共事業を休止、中止、凍結というルールづくりをしていくことの必要性について、どう事業をソフトランディングさせていくのかということの必要性について、どのようにお考えになられますか。

○金子国務大臣 ダムについて、今回こういう問題が川辺川にあわせて出てまいりました。やはり政治家として、一方で国、地方自治体それぞれ、しかし地域の住民の安全を考えるという意味では同じ立場であります。

 ただ、いろいろな地元に行きますと、いろいろな理由から、財政上の理由もあるだろう、環境上の理由もあるだろうということが出てきて、それぞれ御意見が出てきている。そういう意味で、新たなルールというのをいずれどこかで考えていく必要があるかなというのは、私自身思っております。

 どういう場で、今すぐ何か検討会をつくるというところまでまだ行っていませんけれども、将来、いずれそういう方向を我々議論した方がいいだろう、それがまた新しいルールづくりになるのかどうかとも思っております。

○三日月委員 国も都道府県も地域住民の安全を考える同じ立場だとおっしゃいました。しかし、より身近な人がより詳しくわかるという観点から地方分権を進めるべきだという立場に私たちは立っています。今の分権委員会もその議論がなされていますし、何と麻生総理も、やられるかどうかは別にしろ、地方整備局はもう要らないんじゃないかという方針まで分権委員会にお伝えになっていらっしゃいます。

 そういう意味では、地方整備局の廃止を含めて地方分権を進めると同時に、公共事業の中止、ソフトランディングの法制化やルールづくりについても、ぜひ国交省内で検討をしていっていただきたいということを要請しておきたいと思います。

まさの解説:河川官僚が本能的に感じるであろう「抵抗」「警戒」から脱して、自らの中から意識が変わっていくようになるには、納税者である大人がしっかり勉強することでしかありません。難しくて時間がかかるし大変だし。でも、歴史を変えることが楽であるわけはないから仕方がないですね。

もっと読みたい方は国会会議録検索システムhttp://kokkai.ndl.go.jp/ へ。

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脱「計画高水」の国会審議

自分の取材メモですが、

引き続き、重要国会議事ダイジェストで、お送りします。

-国土交通委員会-2号 平成201112日 抜粋 その2

○三日月委員 まずは大臣にお伺いをし、その後局長に専門的なことも含めてお伺いをいたしますが、そうやって計画案が見直される可能性がある場合、大事になってくるのは、今回、例えば流域委員会から出された意見や何かを見ますと、これは、これまで国が行ってきた洪水対策としての河川整備、またダム建設、堤防強化、こういうものに対して、根源的で本質的な問題提起がなされているのを御存じでしょうか。

 例えば、ハイウオーターレベル、計画高水の水位を設定し、これ以下なら安全に洪水を流せる、そのとき堤防が浸透及び洗掘破壊しないよう設計をしていこうじゃないかということ、計画上は、ハイウオーターレベルを超えると堤防が決壊する、だからそうしないようにダムを建設しよう、護岸整備をしよう、河道を掘削しようということが行われてきたんですけれども、これに対して、例えば三つの問題提起をされています

 対象を超える洪水があったときに、この可能性をどう見るんですかと。対象洪水が大きくなったら、計画を達成するために時間もかかるし経費もかかりますよねと。そして同時に、こうやってどんどん想定した水位を上回らないようにするために、また整備、またダム建設ということで行っていくことが、周辺、流域の環境を破壊することにつながりますよねという問題提起があるんです。

 そもそも、洪水対策としてハイウオーターレベルというものを設定し、これを上回らない水位管理、洪水管理、ダム建設をしていくということの限界についてどのように考えていらっしゃいますか。まずは大臣、その後局長。

○甲村政府参考人 若干専門的な状況が入りますので、私から御説明します。

(まさのの独断で省略:局長答弁を読みたい方は国会会議録検索システムhttp://kokkai.ndl.go.jp/へ。「まずは大臣、その後局長」と答弁順を質問者が指定しているのに失礼ですよ)

○三日月委員 済みません、私は大臣と局長に対して質問しましたので、そのことについてお答えいただきたいんです。大事なところなんです。

 今、局長が言ったように、二、三十年の河川整備をどうするかということについて立てるのが計画だと。そして、その安全度を高めていくためにどういう方式がいいのかということを考えるんだと。このことは何にも異論がないんです。

 しかし、その前提が、ハイウオーターレベルというものを設定し、これよりも上回らない洪水量にせなあかんね、だからダムをつくらなあかんね、だから河道掘削せなあかんねという、そもそもこの考え方がある以上、この考え方にこだわる限り、ずっとダムをつくらなあかん、そういう計画になりやしないですかと問題提起をしているんです。

 ちょっと言い方が悪かったかもしれませんので、改めて問い、お考えを聞きたい。

○甲村政府参考人 お答え申し上げます。

(まさのの独断で省略したいところですが、官僚答弁の典型なのでそのまま)

先ほども申しましたように、淀川においては二百年に一回起こる洪水について、安全にハイウオーター以下で水を流すということで河川の改修、それからダムの建設を計画しているわけでございます。

 それ以上の洪水、あるいはその二百年に一回の、工事が完成するまでの間に、現況の流下能力以上に大きな洪水が来たときにどうするかということでございますが、それはソフト施策としての警戒避難等で対応するという計画でございます。

○三日月委員 最後に政治決断されるときに、そういう専門家の皆様方、もしくは省庁の役人の皆様方の議論に少しでも食い込めるように、私たちは努力して勉強していきたいというふうに思います。

 今の議論は、専門家の皆さんでつくられた、住民の皆さんでつくられた流域委員会と、そして地方整備局との間でも、いまだに溝のあるところなんです。最後そのことをどう見るかというのは極めて大事な政治決断の要るところなんです。そのことだけ申し上げておきます。

(以下、まさの解説)~~~

大臣は結局、ここでは答弁しませんでした。これは、大臣が答弁しなかった、というよりも、局長が「ここはひとつ大臣、専門的なことですから、ワタクシが」と答弁をさせなかった、政治決断へつながる一つの機会をくじいたと言えるのではないでしょうか。上記で「独断で省略」としたところの局長答弁はまさに、「若干専門的な状況が入りますので、私から御説明します」(局長)で始まっています。

今、全国で最も求められている治水に対する考え方の変換、淀川水系流域委員会が提起し続けてきた考え方は、三日月議員がうまくまとめた3つのことに凝縮されていると思います。

(1)対象を超える洪水があったときに、この可能性をどう見るんですか

(2)対象洪水が大きくなったら、計画を達成するために時間もかかるし経費もかかりますよ

(3)どんどん想定した水位を上回らないようにするために、また整備、またダム建設ということで行っていくことが、周辺、流域の環境を破壊することにつながりますよ

だから、優先させるべきは、どんな洪水規模であろうと(洪水が小さくても大きくても)堤防がきれないように補強する、「河川局」の縦割りを超えたまちづくりが重要ではありませんか、と。大臣にはそう答えて欲しかったと、私は思います。

「私たちは努力して勉強していきたい」と言ったこの議員さん、とても爽やかですね。

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大臣「整備計画全体を見直す、これはもう当然あり得ます」

自分の取材メモですが、

引き続き、重要国会議事ダイジェストで、お送りします。

-国土交通委員会-2号 平成201112日 抜粋

○三日月大造委員

これからどんな考え方で臨むんですかというときに、また先ほどと同じ答弁を繰り返されましたのであえて具体的に聞きますけれども、こういう合意に基づいてこれから意見が出てきます。それぞれ個別ダムについていろいろな意見が出てくるでしょう。そのときに、例えばダム整備、ダム建設の見直しというものが意見で出された場合、既に示されている国の計画案が絶対に正しいという考え方を改めて、当然出された意見も踏まえながら、同時にこれまで流域委員会初めいろいろな団体から出されたことも踏まえながら、計画案は修正や見直しがされると考えてよろしいですか。

○金子国務大臣 前提として、各県の知事から、きのうは共同記者会見ということでやられている話ですから、やはり手続がありますから、各県の、繰り返し繰り返しで……(三日月委員「文書を見てくださいよ、文書を」と呼ぶ)いやいや、ですから、伺って、個々の地域の状況というのもきちんとお話を受けとめたい。

 それから、同時に、沿川の市長さんたち、桂川、宇治等々ありますよね、そういう市長さんと知事がどういう話をされて、知事会の発表というのは当然沿川の市長さんたちとも話し合って御発言されているんだと理解していますけれども、その地域の人たち、一番災害で被害を、今まで議論された方々をどうしていくのかということも含める必要がありますので、そういう意味で、記者会見だけがすべてではなくて、やはり伺いたいと申し上げたのはそういう意味なんです。

 その上で、もとより、この知事さんたちの御発言というものが、そうだなということであれば、ダムについての修正というのは当然あり得る話。今この段階でなくなりましたということではなくて、それでは今後それにかわる治水の方法というのはどういうふうにしていくんですかということもあわせてやっていく必要があります。

 そういう意味では、大阪府知事が、自分たちの政治家としての、知事としてですよ、政治家としての責任を持って考える必要があるという御発言があったやに伺っていますけれども、それもやはり一つの大事なことではあると思っています。

○三日月委員 大事なところなのでもう一回確認しますけれども、そういう大事なことがいろいろあって出された意見が出てきた場合、意見に基づき計画案を見直すことができるかできないか、あり得るのかあり得ないのか、するのかしないのかということについて、いかがですか。

○金子国務大臣 あり得ることはもとより、知事の意見を伺って、それから沿川の市長さんたちもやはり意見を伺う必要があります。

 そして、必要に応じて計画の修正、質問にお答えするとすれば、修正は十分あり得る。修正を検討した上で整備計画全体を見直す、これはもう当然あり得ます。

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21世紀の行政圧迫

いまどき、まだそんなことやっているのか。【行政圧迫マニュアル】でも地下倉庫に眠っていて引き出して使っているのかと思いたくなるやり取りも、国会議事録には残っていく。

かつて、苫田ダム(岡山県)反対を町是に闘った奥津町の予算(住民生活に必須の補助金)の兵糧責めで、ダム反対で当選した町長が次々と辞める事態を作って切り崩した。

後に村是として細川内ダム反対を掲げて闘った木頭村(きとうそん:徳島県)でも、そうなりかけていた。奥津町の先進事例を勉強していた当時の藤田恵村長が隣村と比べてどれだけ予算が減らされているかを大々的に明らかにして乗り切って「中止」を勝ち取った。

そして、21世紀。さすがにスケールが大きくなった?!小さな町村を相手に「赤子の手をひねるように」とも「真綿で首を絞めるように」とも表現されながらやってきた行政圧迫を大きな府県を相手にやろうとしたらしい。「イジメ」と同じで、イジメている方はその自覚がなく、イジメられている方はイジメだと感じている。そんな雰囲気が存分ににじみ出ている。

-国土交通委員会-2号 平成201112日議事録より抜粋

○穀田委員 

今大臣は、大戸川ダム予定地の生活再建にかかわる問題について言ってはるから、あえてそこからもう一遍聞きましょうか。

大臣は、これら知事が共同意見を調整する過程で、近畿地方整備局が、ダム建設を計画案から外した場合、建設に伴うつけかえ道路など整備費用を負担できないなどと説明したと報道されています。知事側は国交省の圧力だと反発しています。ダム建設をしないなら地元の周辺整備に金は出さない、こういうのは圧力というより脅迫に近いと私は考えます。こういう事実はあったのか、まず確認したい。

○甲村政府参考人 お答え申し上げます。

 関係府県等への説明の事実関係でございますが仮に大戸川ダムが中止になれば、これまでダムの補償工事として実施してきた、ダム建設に伴い水没する道路のつけかえ工事をダム事業予算で継続して実施することは困難になるということを関係府県に説明しております。このことは、大戸川ダムに限らず、ダム事業が中止となる場合の一般的な考え方でございます。

○穀田委員 そういうのを脅迫まがいというんですよ。それは予算の分類の中でそういうことを言っている、それはいつもそう言っている、だから、いつも脅迫していると言っているんですよ。

 よく考えてみると、国土交通省というのはこれだけじゃないんですね。まず、私は前回、六月、前の前の前の大臣にやりましたけれども、淀川流域委員会が中間まとめを出したら、もうそれで意見を聞いたと。みずから設置した委員会が最終見解を出すと報告しているのに見切り発車する。大阪では今、意見調整中に、建設しないなら金を出さないと言う。今度は、四府県が共同会見の前日に国土交通省として記者会見すると報じて、ホームページに掲載と変更になったけれども、京都の有識者がまとめた見解に喜撰山ダムでわざわざ反論をする。

 ここには、ともかくダム建設に異論を唱える者にはかみつく、住民や地方自治体の意見をまず真摯に受けとめるという姿勢が全く感じられない。結局、現場では、ダム建設に固執する姿勢が如実に……。あれ、どこに行ったの。

○福井委員長代理 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

○福井委員長代理 では、速記を起こしてください。

 穀田恵二君。

○穀田委員 だから、現場ではそういうことをやっているというのは明らかに、先ほど大臣はこう言いましたよね、皆さんが生活再建にかかわる問題についての新しいルールづくりについて提案したということに対しては、それは考えてもいいと言いましたよね、そういうこと。ということは、こういうことは現場でやった、やらない、そういういわば文句をつけて、ちょっとやったら何か物を言うということをやらないということなんやね。

○金子国務大臣 先ほど、おまえは読み違えをしているというお言葉がありましたけれども、読み違えはしていません。ここでは大戸川だけに限定されていますけれども、この姿勢というのはやはり非常に大事だということを申し上げたつもりなんです。

 そして、おどしたか、おどさないかということについては、今河川局長から答弁をさせていただいたと思っておりますが、仮にダム中止ということになれば、ダム関連予算ということでの事業の執行というのは当然できなくなってまいりますが、そうはいっても、関係知事と協議して今後の対応というのは検討していきますよ。当然だと思っています。

○穀田委員 だから、最初からそう言えばいいんですよ。そうじゃなくて、知事に対してそれは削りますよと言ったら、だれかてそう思いますやんか。だから、みんな反発しているんですよ。(金子国務大臣「そんなこと言っていないですよ」と呼ぶ)いや、知事がそう言っているんですよ。あなたが言っているんじゃないんですよ。知事が反発しているんですよ。それは事実でしょう。だって、わざわざ会見までしてけしからぬと言っているわけだから、圧力だと……(金子国務大臣「私はそんなこと言っていないよ」と呼ぶ)いや、わかっていないな、あなた。知事がそういうふうに言っていると言っているわけ。圧力だと感じたと言っているわけ。だから、そういうことについてはあかんの違うかと言っているわけですよ。

 あなた自身は、考えていく必要があるかな、議論した方がいい、ルールづくりの問題だみたいなことを言うわけでしょう。だとしたら、そういうことが、ルールづくりだとかその他について今後のあり方を考える際にそういうのをやめるんだなと言っているわけですよ、私は。いいんですね、それは。いいと。

○金子国務大臣 そういうやり方とおっしゃいますけれども、おどしというようなことをやったということは否定しているわけですから、現場では。ですから、単にそれをダム事業ではやれなくなったよということをおどしと受けとめたかどうかという話じゃないですか。だから、これは、その話はもうどうでもいいから、それはどうでもいいというよりも、その話よりも、私が今申し上げた、関係知事と協議して今後の対応は検討するということを受けとめてくださいよ。

○穀田委員 それは受けとめると言っているんですよ。だから、だとしたら、相手がそういうことについて、この間一連の、一人の知事だけじゃないんですよ、大阪の知事も言っているし、そして京都の知事もそういう発言を、やったことに対して何か言うとこう言ってくるというやり方がいかにもおかしいのじゃないかということを相手方が言っているということを私は言っているんですよ。

もっと読みたい方は国会会議録検索システムhttp://kokkai.ndl.go.jp/ へ。

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八ツ場ダム【東京】ニュース

必読:八ツ場ダムニュース東京です。http://www.yamba.jpn.org/shiryo/tokyo/news16_tokyo.pdf

【目次】

誰のための公共事業?

八ツ場ダム住民訴訟が結審 4年間の集大成が大法廷へ

 「環境」と「地盤の危険性」の証人尋問

 環境:花輪伸一氏証言

 ダムサイト岩盤の危険性:坂巻幸雄氏証言

 地すべりの危険性:奥西一夫氏証言

 各地の裁判日程

都議会で議論を!

 2003年の水需要予測は誤り!早急に見直しを!」

 民主党、自治市民、共産党

吾妻渓谷をつぶさないで-現地視察を目の当たりにしてー

イベントのお知らせ

総選挙に向けて

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熊本の荒瀬ダム

熊本から

荒瀬に関するブログを作成しましたので、見ていただければ幸いです。

http://kumagawa-yatusirokai.cocolog-nifty.com/ 

とご案内をいただいました。

明日1122日は「荒瀬ダム撤去を実現する県民大集会」だそうです。

http://kumagawa-yatusirokai.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/1122-e818.html

「五木村ファンクラブができます」というニュースも

http://kumagawa-yatusirokai.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-67c5.html  

一端凍結された撤去方針ですが、12月中にはその最終判断を下すと蒲島熊本県知事本人が9月議会で語っていましたが、早ければ、1127日になるのではないか、と伝わってきています。

 

私も荒瀬ダムについて以下の連載で書きました。

グローバルネット(月刊環境情報誌)200811月(216号)

http://www.gef.or.jp/activity/publication/globalnet/2008/200811.html 

川、開発、ひと~日本の経験、アジアの経験 第24回/

「海を豊かにする「荒瀬ダム撤去」が川を豊かにする」

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山盛り八ツ場ダム情報

また忙殺により更新が滞ってしまいました。

★八ツ場ダムだけでも山盛りで、届いた順で転載します。

●八ッ場ダム住民訴訟の東京地裁「結審」を傍聴して下さい! 

    1125日(火)午後130分~230分 

    東京地裁1階103号法廷(霞ヶ関駅より徒歩3分)

    裁判後、弁護士会館ロビーで説明会を開く予定。

   問合せ先:八ッ場ダムをストップさせる東京の会

   深澤洋子 T/F 042-341-7524

●八ッ場ダム住民訴訟4周年報告集会

    1130日(日)13301630

    日本青年館中ホール(地階・300人)信濃町・千駄ヶ谷駅より10分

    新宿区霞ヶ丘町7-1(神宮外苑) TEL 03-3475-2455

    オープニング 松平晃さんトランペット演奏

    講演「脱ダム宣言」は、脱ムダ宣言。

    講師 田中康夫さん(新党日本代表/参議院議員/作家)

    報告・かく闘えり!弁護団・原告、各地からの報告、その他

    参加費 500

    主催 八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会、各都県の会

    問合せ先:八ッ場ダムをストップさせる東京の会

    深澤洋子 T/F 042-341-7524

●八ッ場あしたの会学習会

    ダムあり・ダムなし 八ッ場現地の行く末は

    ―ダム予定地の現状と長野原町の将来―

    1213日(土) ECOとしま(豊島区立生活産業プラザ)

    8階多目的ホール(池袋駅東口より7分)

   学習会 午後200分~4時半  資料代:500

   ゲスト:

   大和田 一紘(都留文科大学講師、地方自治、環境政策、地方財政が専門)

   牧山 明(長野原町議会議員、家業の酪農業に従事)

   問合せ先:あしたの会事務局 090-4612-7073

BS-TV 11チャンネル「にっぽんサイコウ」で、1122日(土)、

午後10時から30分間、八ッ場ダム弁護団事務局長の広田弁護士が出演します。

この番組は、田中康夫参議院議員がパーソナリテイーとなってゲストと対談する番組

(まさのメモ)放送後ここで見ることが出来るようです。

http://www.team-nippon.com/ どんなものか見てみたら、静岡空港の問題(U-Tube)をやっていました。昔あった「オールナイトニッポン」(トシがバレル?)見たいなノリで笑えます。

     朝日新聞群馬版一面トップ

【次期衆院選】民主・大河原雅子参院議員に聞く

http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000480811200001 

最後が手前ミソですが、

●現在出ている月刊「世界」12月号で

ルポ「ダムと地すべりに浪費される巨費」

http://www.iwanami.co.jp/sekai/2008/12/271.html 

浅川ダム計画と八ツ場ダム計画の知られざる共通点・・・。

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2008年11月 9日 (日)

根拠のない「HWL信望伝説」と「誤差」

●「1111日か?」と言われていた内容の枠組みが8日に3知事が会って一足早く発表。

大戸川ダム「凍結」合意3府県知事意見発表へ、

今後30年不要(京都新聞)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008110800185&genre=A2&area=K00

滋賀のダム建設、3府県が国交省に中止要請へ(日経新聞)

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081109AT3S0702207112008.html

●淀川水系ダム問題:堤防「危険ライン」根拠なし、

国交省認める 「大戸川ダム」に疑問(毎日新聞)

http://mainichi.jp/kansai/news/20081108ddf001010003000c.html

大戸川ダムについては「洪水調節効果が最も顕著な洪水は昭和47年台風20号×1.53倍(羽束師1/150)であり、ダムがないとHWL17センチ越えるところをダムで19センチ下げてHWLより2センチ低い水位に保つ効果がある」(「淀川水系河川整備計画案に対する京都府域への効果等に関する技術的評価」平成20922日京都府建設交通部)とされていた。

http://www.pref.kyoto.jp/kasen/resources/1222842476599.pdf

HWL(計画高水位=ダムがあることによってそこまで下げるという水位)は、それを越えると堤防の安全性が確保できないとしてきたことについて、毎日新聞に語ったように根拠が実はなく、これまでも仮定(HWL自体が仮定)の話には「誤差」があるとさんざん言われてきた。

HWL2センチ、現状よりも19センチ水位を下げるという大戸川ダムの治水効果もまた、根拠のない「HWL信望伝説」と「誤差」によって支えられてきたものだということが、ようやく「河川工学」の壁を越え、普通の住民の代弁者である「政治家」たちにも理解されるようになったということではないだろうか。

歴史的にとても大きな瞬間となったと思います。

国交省の名誉のために勝手にあえて強調しますが、「ダムの効果」の全てが否定されたわけではない。治水効果の出るダムはもうさんざん作られた。

 

だからこそ、今後は効果の限定的なダム(川上ダム、大戸川ダムなど)ではなく、堤防強化などにより質的に強化しようというのが、淀川流域委員会が達した結論(国交省からの諮問へのいわば答申)だった。

大戸川ダムについては、関係自治体である京都・滋賀・大阪の知事達もまた同じ結論に達したということだろう。

川上ダムについては、当該自治体は、今度、京都・滋賀・三重となる。この3知事では川上ダムについて、どのような結論に向けて協議をするのか、しないのか、今回の3知事のようにしっかりと勉強をして誰にとって何の「効果」があるのかを見極めて欲しいと思います。

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2008年11月 5日 (水)

ダムダムな連休(設楽ダム→全国シンポ→川上ダム)

ダム・ダムな連休でした。

高橋ユリカさんのブログでhttp://yurika-net.sakura.ne.jp/blog/index.php?mode=res_view&no=42、川の全国シンポジウム-淀川からの発信http://kawasympo.s294.xrea.com/についてふられてしまったので、とりいそぎ、プレゼンした内容と、シンポジウム後にいった「川上ダム予定地」などの取材を通し、主催関係者たちへ送った礼状(感想)を公開するということで失礼します。

     プレゼンのパワーポイントはこちら「kyoto081103masano.pdf」をダウンロード

     レジメはこちらです。「resumemasano081103.doc」をダウンロード

4日に行った川上ダム予定地(三重県)取材の感想

(実はこの感想は京都府知事、滋賀県知事、大阪府知事、三重県知事、大阪市長、伊賀市長に読んで欲しい)

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1.20年~30年の計画で目標とする「戦後最大」を達成するには(100歩譲って方針に記載された基本高水では要るにしても)、川上ダムは要らないこと。つまり今回の淀川水系河川整備計画には書き込む必要はまったくないこと。

(そのことは京都府の職員でも知っているのに、なぜか府知事の検討会では、大戸川ダム同様に緊急に必要性がない、とはなっていないことはとてもおかしい)

2.伊賀市が本当に新たな水が必要であれば、青蓮寺ダムから土地改良組合が持っているパイプラインを利用して既存の堰のところに引いてくることが流域委で提案され、容易にできるのにやろうとしていないこと。(大阪市が持っている水のごく一部を融通すればいいだけのこと。それ以前に「暫定水利権」が「安定的に」とれているから本来、何もしない事務レベルの話し合いで解決さえできえることであること)その方が、水価がはるかに安く、伊賀市民にも納税者全体にもありがたいこと。

3.淀川水系流域委員会が意見を出したあとに、それまでまったく説明されていないわけの分からない資料が、近畿地整局から関係知事に説明資料として配付されていることなどが突っ込みどころだなと、思っております。

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それから、上記PPTの表の読み方やその背景、根拠などもっと知りたい方は、

月刊「世界」(バックナンバー)20084月号の

http://www.iwanami.co.jp/sekai/2008/04/directory.html

●未来世代にとって八ツ場ダムは必要か

http://www.iwanami.co.jp/sekai/2008/04/247.html

をお読みください(地方財政、人口減少の観点から検証に入っています)

表はそこからの再掲(少々修正していますが)です。

また、今回はほとんどはしょった

ダム貯水による地すべり/地震災害対策の長期化、巨額化については

今週出る予定の月刊「世界」200812月号(2008118日発売予定)をお読みください。

     これは、八ツ場ダムと浅川ダムを作るべきではないと考える根拠をまとめたものです。あちこちのダム事業が登場します。

それからレジメに出てくる思わせぶりな「ダム撤去をこばむ勢力」については、今月発行する某月刊誌で出ますのでまたお知らせします。

それから一般誌ではなかなか書ききれない細々した行政手続の変遷については、今年6月に出た日本計画行政学会の学会誌「計画行政第31巻第2号 (通巻95号)」の「河川計画への市民参加」という特集論説で、「河川計画行政とその課題」として漢字の名前で書かせていただいていますので、ご参考いただけると嬉しいです。ダム事業と市民参加のかかわりが、三権分立の視点から概観できるように書いています。

http://japa.agbi.tsukuba.ac.jp/3_1.html#31_2

ダムダムな連休の第一日目は「設楽(したら)ダム」予定地(愛知県)に行ったわけですが、「このダムの貯水量の7割が「無目的」です、残りの3割もいい加減です。多目的ダムじゃなくて無目的ダムなんです」と京都のシンポで質疑の時間を利用して少々報告したら、後である方が「『無目的』というのは正しくない。『不特定容量』と言うんだ。誤解を呼ぶ。あなたの結論は合っているけどね」と。批判されたんだか、ほめられたんだか。行政用語は、実におもしろいです。

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2008年11月 1日 (土)

ムリ・ムダな事業 増税の前に止めるべきこと

●辰巳ダム情報 

http://blog.goo.ne.jp/stoptatsumidam/

http://nagi.popolo.org/ 

土地収用をしてまでも得なければならない公共性、緊急性、妥当性が辰巳ダム事業のどこにあるのか。天然のダムのような渓谷をわざわざ切り開いて何をやっているやら。以前は、道路の上から見ると、鬱蒼と緑が繁る谷だった。未来に引き継ぐ遺産がまた破壊された。

●木曽川導水路 完成させたものの使い道のまったくない徳山ダムの水を、こともあろうか「環境」を理由に長良川に流すという明らかな税金のムダ使い

http://dousui.org/seigan/index.html

徳山ダム建設中止を求める会・事務局長ブログ
http://tokuyamad.exblog.jp/

●霞ヶ浦でも導水事業

大涸沼漁業協同組合が中止求める決議を出すなど反対は激しい。

http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20081029/69803 

第一次産業を大切にせずにこの国は成り立たない。

●八ツ場ダム訴訟はクライマックス

11月4日、八ツ場ダム住民訴訟の裁判官は、いよいよ被告・原告を伴って八ツ場ダム計画予定地へ

充実の訴訟資料http://www.yamba.jpn.org/sosho_shiryo.htm

訴訟スケジュール http://www.yamba.jpn.org/schedule.htm 

     そうそう。浅川ダムの水利模型実験の動画、私も撮ったが

長野県も公開している。みるべし。

http://www.pref.nagano.jp/xdoboku/asakawa/mokei/douga1.html

いずれこれについてもじっくりと。

●設楽ダム情報

そして明日2日、私はこちらでも一度ご案内しましたが、

http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post_1c09.html

“設楽ダムの建設を止め、みどりの流域圏づくりをめざす”全国集会へ行きます。

その翌日は水源開発問題全国連絡会の総会も開催されます。私は京都へ。

つまり、愛知と京都と2日間連続イベント。

 

こんなにダムだらけの人生になるはずではなかったのだが。

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熊本県知事と国交大臣の会談に突撃

1029日、熊本県知事と国交大臣の会談に突撃ぶらさがり取材した。

その夜、片づけものをしながら報道ステーションを見ていると、私の質問の声が流れた。「ダムによらない治水を追及するための協議の場を国と県とで設ける」というので、3つ質問をした。

熊本県知事にひとつ:「いつですか?」→知事「まだこれからです」

大臣に二つ:

1「場を設ける目的は、ダムによらない治水を追及してその答えを見いだすためか、それとも検討をすることが目的か」→大臣「ダムによらない治水を追及するための検討を行うが、その結果は分からない」

2「検討の結果、最終的には大臣の政治決断になるが、政治決断をする覚悟はおありですか」→大臣「・・・・」(耳を傾け、一瞬、答えようかどうしようか逡巡し、エレベータへと消えた)

報道ステーションで流れたのは大臣への一つ目の質問と答えだった。

検討しました、というだけのための協議では済まない。県知事の意見はもっと重いはずだ。

ダムを作るという方針できた国交省官僚には方針を転換する権限も権利もない。

政治家である知事の決断を受けるのは、大臣でしかない。

それにしてもその肝心の協議の場が「いつ」になるのかも、

現大臣が「政治決断」しようにもできないのは、

麻生総理大臣がすべき解散をせず、政治空白を長引かせているからだ。

「道路民営化」は、結局のところ、選挙のための「自民党私物化」だったことも見えてきたし、今後ますます、支持率は下がるのではないかということが読めないのだとしたら、日本国民もバカにされたもんだなと思いながら、ひたすら、今自分にできることをじっと耐えながらやっている。

会見後、同じく会見に来ていた高橋ユリカさんを誘って、議員会館へいった。

さながらダムはしご取材。その模様はこちらへ。

http://yurika-net.sakura.ne.jp/blog/index.php?mode=cat_view&cat=5

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博士論文が八ツ場ダム住民訴訟で物語った真実

毎度ですが、環境情報専門誌「グローバルネット」での連載から、編集部の了解を得て転載させていただきます。

グローバルネット20089月(214号)

川、開発、ひと~日本の経験、アジアの経験 23回/

 

博士論文が八ツ場ダム住民訴訟で物語った真実 
(まさの あつこ/ジャーナリスト)

http://www.gef.or.jp/activity/publication/globalnet/2008/200809.html

「ダムというのは、川を遮断してしまいますから、川の生態系に大きな影響を与えます。(略)100年後か200年後か、あるいは300年後か分かりませんけれども、ダムが土砂で満杯になってしまえば、治水効果はゼロになります。我々の子孫に対して、そういう治水方法を残していくのは問題があると考えておりまして、私はできるだけ、ダムに頼らない治水をやるべきだと主張しております」

 7月29日、水戸地方裁判所の302号法廷に河川工学者の声が静かに響いた。1974年に「利根川における治水の変遷と水害に関する実証的調査研究」と題する博士論文を東京大学大学院で発表した大熊孝・新潟大学名誉教授だ。34年前はまさか八ツ場ダムへの支出を差し止める住民訴訟で、原告側の「証拠」としてその論文が裁判所に提出されることになるとは思ってもみなかっただろう。それを元に意見書を提出し、原告側証人として国の治水計画のおかしさを立証することになるとも想像していなかったに違いない。

 80分に渡るその証言を一言で要約すれば、大熊名誉教授は、八ツ場ダムを必要とする根拠となった洪水の推定値が過大であると論証したことになる。

推定された復元流量の誤り

 大熊氏の調査手法は徹底した現地調査によるものだった。

 当時、5年間で合計約200日、毎週土日に利根川沿岸を尋ね歩き、1947年(昭和22年)9月のカスリーン台風当時の状況を現地の住民から聞きとった。約3ヶ月は利根川上流ダム統合管理事務所のもとで実習し、そのほとんどが利根川の調査についやされた。

 この調査結果は、結果的に複数の行政文書を否定することになった。一つは19693月に建設省関東地方整備局の「利根川上流域洪水調節計画に関する検討」。一つは1970年に利根川ダム総合管理事務所が出した行政文書「利根川上流域における昭和229月洪水(カスリーン台風)の実態と解析」だ。

 現在の利根川の治水計画は、カスリーン台風被害を契機にできたと言っても過言ではない。当時川を流れた水量を元に基本高水(洪水の想定量)がはじき出され、2年後の1949年に作られた利根川根川改修改定計画の一環として調査が始まったのが八ツ場ダムだ。

 現在の国交省の説明は、計算をもとにはじいた毎秒2万2千トンの基本高水(基準点は八斗島)のうち毎秒5500トン分をカットする上流ダム群が必要で、そのうち約毎秒1600トン分が既設6ダムと八ツ場ダムによるカット分だというものだ(残りの毎秒3900トン分のカットにはもっとたくさんのダムを造らねばならないことになる)。最初の数値が間違っていれば、この治水計画全体が誤りとなる。

 ところが、先述した二つの行政文書には弱点があった。

 カスリーン台風当時、基準点の上流で川が溢れたために、その溢れた流量については「推定」をしたに過ぎない。つまり治水計画のもとである最初の数値が「実測値」ではなく溢れた水量を推定して合成・復元した「推定値」であることが弱点なのだ。

 証言で大熊氏は、その推定値が正確ではありえないことを現地踏査に基づく経験から淡々と主張した。その行政文書が推定する復元流量(当時は毎秒26900トン)が実績流量の毎秒17000トン〈これも実測流量がなく推定値である〉になるには、約2億トンの水量が八斗島上流で氾濫する必要があり、そのためには「約2メートルの浸水があったとすると1万ヘクタール、1メートルくらいの浸水だとすると2万ヘクタールの氾濫面積が必要」(大熊氏証言)となる。

 ところが、聴き取り調査で歩いた結果、それだけの面積に氾濫していないし、氾濫できるだけの場所がないことが明らかだった。

 これは当時の建設省にとっては失態だ。このことを明らかにしてしまった大熊氏の論文は倉庫で「極秘」と判が押され封印されていたことがそれを物語る。また今となっては、毎秒26900トンが流れたと推計をして大熊氏に論駁された行政文書の存在までが、省内で消されていたことも裁判で明らかになった。敵性証人(原告側が呼び出す被告側の立場の証人)として出廷した国土交通省関東地方整備局の河﨑和明・元河川部長は、この文書の存在も、毎秒26900トンのという推定値がかつてあったことも「知らない」と述べたのだ。

追いやられる行政文書

 

 さらには、同じ推計でも、より小さな推定値(つまり八ツ場ダムが不要となりかねない数値)を出した政府関係者による文書が存在し、それらも同様に影に追いやられていたことが原告と被告による証言で浮かび上がった。1)末松栄・元関東地方建設局長が九州大学で博士論文として発表した「利根川の解析」、2)群馬県作成の「カスリーン台風の研究」、3)利根川増補計画の立案の中心人物だった富永正義・内務省技官が「河川」という雑誌で発表してきた「利根川に於ける重要課題(上)、(中)、(下)」(昭和414,6,7月号)などである。

 大熊氏の証言に対する被告からの反対尋問は一切なかった。

 

 そして、この証言が被告に与えた打撃の強さは、思わぬ形で判明する。水戸地裁で行われたこの証人尋問後、826日に千葉地裁で行われた治水に関する証人尋問で、被告側が「八ツ場ダムにカスリーン台風は関係ない」と言い出したのだ。「よくそんな嘘が言えるなと、びっくりしましたよ」と感想を述べたのは、原告側証人として証言した大野博美千葉県議だ。カスリーン台風被害を錦の御旗に進めてきたにもかかわらず、火の粉を払うように「カスリーン台風は関係ない」と言わざるをえなくなった威力が、「極秘」とされた大熊氏の博士論文にあったとしか思えない。

水需要の過大予測/保有水源の過小評価

 専門家としての誇りを証言台で遺憾なく発揮したのは大熊名誉教授だけではない。東京地裁では、都が主張する利水を不要であるとの立場で二人が原告側証人となった。

 620日、東京地裁の証言台に立った元東京都職員の嶋津暉之氏は、訥々と利水の観点から八ツ場ダムの不要性を訴えた。水余りが明らかなのにもかかわらず、いまだに都が八ツ場ダムを必要だと主張できるカラクリを明らかにしたのだ。1)節水意識や節水機器が普及したにもかかわらず一人あたりの水使用量を他の自治体と比較して過大に設定し、一方で、2)多摩地域の地下水や多摩川上流で持っている小水源を算入せず、浄水場の漏水量を過大に差し引くことで、保有水源を過小評価して、新しい水資源が必要であることを演出しているという。同日、元都水道局職員の遠藤保男氏もまた、3)砧浄水場では水利権の3分の1しか取水していないこと、4)かつて汚染で取水を中止した玉川浄水場での取水再開も可能であること、5)毎年夏に一日最大配水量を人為的に作り出す日があったことをあげ、それらはすべてダム参画のための操作だったと感じていたと敢然と告発した。

 八ツ場ダム住民訴訟は、国交省が進める八ツ場ダムの事業費を、水需要も税収も増加しないとすでに明らかだった2003年に、2110億円から4600億円に増額したときに始まった。1都5県(東京、埼玉、千葉、群馬、栃木、茨城)の負担金計2679億円の支出差し止めを求めている。各都県での審理はもちろん、共有する論点(治水計画、環境アセスメント、八ツ場ダム湛水域斜面の地すべり、公共事業が止まらない組織構造)については、それぞれの専門家が各地裁に共通の意見書を提出して審理を進めている。ここに記したのは、4年に渡る原告とその証人たちによる審理のほんの一コマでしかない。(すべての裁判資料は八ツ場ダム訴訟ウェブサイトhttp://www.yamba.jpn.org/で見ることができる。)

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「公文書管理のあり方」について意見書

最近、学会なるところに出没するようになり

日本計画行政学会では、行政手続研究専門部会での活動にエネルギーと時間と汗を注ぎました。その成果の第一弾がここに掲載されたので、ぜひ、読んでいただいたいです。

この専門部会として出した「公文書管理のあり方」という意見書です。

http://japa.agbi.tsukuba.ac.jp/ トップページから

II. 行政手続研究専門部会の意見書「公文書管理のあり方」を掲載しました」へ

この専門部会の代表は「脱藩官僚」福井秀夫教授です。

元建設官僚だった方です。

私自身のきっかけは「八ツ場ダム」を始め、ダム取材を進めるにあたり、突き当たる壁が結局のところ、常に「行政文書」にあったというところ。

お忙しい方で、八ツ場ダムに関わっておられる方は、ぜひ、添付の1頁目の最後の方と、4頁目の表だけでもご覧ください。

(もちろん、全部およみいただければ嬉しい。誰にとっても重要なことです)

総理や担当大臣の交代劇が挟まり、いろいろな興味深い場面にも遭遇したので

時間を作ることができ次第、政府サイドの動きも合わせて原稿をきちんと書きたいと思っています。

以下は、今年5月の週刊金曜日の金曜アンテナに書いておいた短信です。参考まで。

公文書管理法の検討へ杜撰な管理の改善に期待

http://www.kinyobi.co.jp/KTools/antena_pt?v=vol703#3

なお、この短信の中で書いた「公文書管理の在り方等に関する有識者会議」の情報はここにあります。合わせてご参考ください。

http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/koubun/index.html

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淀川:国交省vs流域委vs土木学会

3つの読み比べて欲しい文章があります。

●平成20620日に公表された淀川水系河川整備計画案

http://www.yodogawa.kkr.mlit.go.jp/seibi/index.html

これは国交省が自ら定めた河川法改正に従って、住民参加、学識経験者の意見を聞いてから定めるとした規定に違反して、その意見を聞く前に、見切り発車して、8月中に、計画案を決定して、概算要求に間に合わせ、来年度予算をつけたいがために住民参加の精神をネグレクトして関係知事達に出したもの。貧しい前時代的な発想。

●淀川水系流域委員会が9月27日発表した「淀川水系河川整備計画策定に関する意見書」はこちらhttp://www.yodoriver.org/ikensho/ikensho_h20/081016_seikei_ikensho.pdf

「河川に集中させてきた洪水エネルギーの抑制と分散」、「堤防の強化」、「河川改修」を提言している。

これに対し、

●以下は近畿地整局が土木学会に委託した「耐越水堤防構築の技術的な実現性の見解」(1027日)です。http://www.yodogawa.kkr.mlit.go.jp/news/news_detail.php?id=397

よく読むと、今現在の堤防の弱点が書き連ねてあり、どう見ても、その弱点だらけの現在の堤防をしっかりさせることがまず何よりの最優先事項ではないかと、きっと誰もが思うだろうと思う。

次に、あくまで、その堤防は計画高水位(つまり国土交通省が「これくらいの雨が降ったと仮定するとこれぐらいまで水位が上がるという仮定:このダブルの仮定の中に細かいマイナー仮定がいっぱい詰まっていて「仮定の城」とも言えるのがこの計画高水位である」を想定したものであり、それ以上は責任をまったく持ちません、という現在の河川行政の欠点をも露わにしてくれているオモシロイ読み方ができる代物。

ところが、この見解を受けた国土交通省近畿地方整備局淀川事務所の見解は、そんなことをすっ飛ばして、とにかく耐越水堤防なんてダメと「結論づけられている」、と最後だけ強調している。まさに結論ありきで、オモシロイ。是非、上記3つを読み比べて見てください。

★「政策」とは正当性ではなく、力関係で決まるものであり、私たち市民が真実を読み解く力をつけない限り、市民が選ぶ民主的に正当な政策は実現しないのだ。

さて、ここに全国川のシンポのプログラムの最新バージョンがありました^^;。

http://www.yamba-net.org/modules/news/article.php?storyid=632

ぜひ、お楽しみに。

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川の全国シンポジウム(秋の京都)へ行こう!

隙間なく忙しく、全然更新ができずにお恥ずかしい。

まず、明後日の予定から。

というか、「川の全国シンポジウム-淀川からの発信-」

 開催日:2008112()3()

 場所:京都大学百周年時計台記念館 百周年記念ホール

は、明日、明後日開催。チラシはこちら。

http://kawasympo.s294.xrea.com/

「081102symp-head.jpg」をダウンロード

私は淀川流域委員会の前委員長・宮本博さん、民主党の前原誠司議員、共産党の穀田恵二議員とパネルディスカッションをします。3日の10:00~12:00です。

パワーポイントやレジメはいずれ、こちらでも公開したいと思います。

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