脱「計画高水」の国会審議
自分の取材メモですが、
引き続き、重要国会議事ダイジェストで、お送りします。
衆-国土交通委員会-2号 平成20年11月12日 抜粋 その2
○三日月委員 まずは大臣にお伺いをし、その後局長に専門的なことも含めてお伺いをいたしますが、そうやって計画案が見直される可能性がある場合、大事になってくるのは、今回、例えば流域委員会から出された意見や何かを見ますと、これは、これまで国が行ってきた洪水対策としての河川整備、またダム建設、堤防強化、こういうものに対して、根源的で本質的な問題提起がなされているのを御存じでしょうか。
例えば、ハイウオーターレベル、計画高水の水位を設定し、これ以下なら安全に洪水を流せる、そのとき堤防が浸透及び洗掘破壊しないよう設計をしていこうじゃないかということ、計画上は、ハイウオーターレベルを超えると堤防が決壊する、だからそうしないようにダムを建設しよう、護岸整備をしよう、河道を掘削しようということが行われてきたんですけれども、これに対して、例えば三つの問題提起をされています。
対象を超える洪水があったときに、この可能性をどう見るんですかと。対象洪水が大きくなったら、計画を達成するために時間もかかるし経費もかかりますよねと。そして同時に、こうやってどんどん想定した水位を上回らないようにするために、また整備、またダム建設ということで行っていくことが、周辺、流域の環境を破壊することにつながりますよねという問題提起があるんです。
そもそも、洪水対策としてハイウオーターレベルというものを設定し、これを上回らない水位管理、洪水管理、ダム建設をしていくということの限界についてどのように考えていらっしゃいますか。まずは大臣、その後局長。
○甲村政府参考人 若干専門的な状況が入りますので、私から御説明します。
(まさのの独断で省略:局長答弁を読みたい方は国会会議録検索システムhttp://kokkai.ndl.go.jp/へ。「まずは大臣、その後局長」と答弁順を質問者が指定しているのに失礼ですよ)
○三日月委員 済みません、私は大臣と局長に対して質問しましたので、そのことについてお答えいただきたいんです。大事なところなんです。
今、局長が言ったように、二、三十年の河川整備をどうするかということについて立てるのが計画だと。そして、その安全度を高めていくためにどういう方式がいいのかということを考えるんだと。このことは何にも異論がないんです。
しかし、その前提が、ハイウオーターレベルというものを設定し、これよりも上回らない洪水量にせなあかんね、だからダムをつくらなあかんね、だから河道掘削せなあかんねという、そもそもこの考え方がある以上、この考え方にこだわる限り、ずっとダムをつくらなあかん、そういう計画になりやしないですかと問題提起をしているんです。
ちょっと言い方が悪かったかもしれませんので、改めて問い、お考えを聞きたい。
○甲村政府参考人 お答え申し上げます。
(まさのの独断で省略したいところですが、官僚答弁の典型なのでそのまま)
先ほども申しましたように、淀川においては二百年に一回起こる洪水について、安全にハイウオーター以下で水を流すということで河川の改修、それからダムの建設を計画しているわけでございます。
それ以上の洪水、あるいはその二百年に一回の、工事が完成するまでの間に、現況の流下能力以上に大きな洪水が来たときにどうするかということでございますが、それはソフト施策としての警戒避難等で対応するという計画でございます。
○三日月委員 最後に政治決断されるときに、そういう専門家の皆様方、もしくは省庁の役人の皆様方の議論に少しでも食い込めるように、私たちは努力して勉強していきたいというふうに思います。
今の議論は、専門家の皆さんでつくられた、住民の皆さんでつくられた流域委員会と、そして地方整備局との間でも、いまだに溝のあるところなんです。最後そのことをどう見るかというのは極めて大事な政治決断の要るところなんです。そのことだけ申し上げておきます。
(以下、まさの解説)~~~
大臣は結局、ここでは答弁しませんでした。これは、大臣が答弁しなかった、というよりも、局長が「ここはひとつ大臣、専門的なことですから、ワタクシが」と答弁をさせなかった、政治決断へつながる一つの機会をくじいたと言えるのではないでしょうか。上記で「独断で省略」としたところの局長答弁はまさに、「若干専門的な状況が入りますので、私から御説明します」(局長)で始まっています。
今、全国で最も求められている治水に対する考え方の変換、淀川水系流域委員会が提起し続けてきた考え方は、三日月議員がうまくまとめた3つのことに凝縮されていると思います。
(1)対象を超える洪水があったときに、この可能性をどう見るんですか
(2)対象洪水が大きくなったら、計画を達成するために時間もかかるし経費もかかりますよ
(3)どんどん想定した水位を上回らないようにするために、また整備、またダム建設ということで行っていくことが、周辺、流域の環境を破壊することにつながりますよ
だから、優先させるべきは、どんな洪水規模であろうと(洪水が小さくても大きくても)堤防がきれないように補強する、「河川局」の縦割りを超えたまちづくりが重要ではありませんか、と。大臣にはそう答えて欲しかったと、私は思います。
「私たちは努力して勉強していきたい」と言ったこの議員さん、とても爽やかですね。
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