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2008年11月22日 (土)

ダム見直しを主導する金子一義大臣へのオススメ

大臣がダム見直しを主導していくというニュースが電撃的に飛び交ったけれど、そんなわけで、元を辿っていくと「国会答弁」でした。そして、その2日後の記者会見での質疑によりさらに明確になりました。私も後追いで、某雑誌の取材のために某利水部門に電話をしたら、「聞いていない」という反応で、その指示の浸透度が分かりました。

以下は、20081114日(金)金子大臣会見要旨のページから抜粋http://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin081114.html

(問)大戸川ダムの関係で正式に関係4府県知事が反対を表明されました。その受け止めと、先日、国会で新しいルール作りも必要だということを言われていますけれども、どのように取り組むかをお願いします。

(答)川辺川、淀川水系について地元の知事さん達の御意見が出ました。これを重く受け止めなければいけないと思いますし、こういう事案が出て来ていますので、何故こういう状況が出て来ているのか、今の手続きのどこに問題があるのか、あるいは財政負担のあり方についてもどのように考えるのか方向は、災害を起こさないと、地域住民の安全を守るというのが地方自治体も国土交通省も同じ立場ですから、これをどのように進めていけば良いのかについて、見直してみる時期だと思っています。事務方には見直しをするという指示をしました。どこからどのように進めていくかということについては、私が主導させていただこうと思っていますけれども、何を、どういうメンバーで、どのような期間でということはこれから検討していきたいと思っています。 

この会見の内容から金子大臣の「指示」を忠実にまとめると大きくは4つあります。 

(1)地元知事からの意見を重く受け止めなければいけない。

(2)なぜ(1)の状況(国の提案する治水対策とは違う)がでてきているのかを考えなさい。 

 ・手続にどんな問題があるか 

 ・財政負担のあり方をどう考えるか 

(3)(2)の検討にあたり(国も自治体も同じ)前提は 

 ・災害を起こさないここと 

 ・地域住民の安全を守ること 

(4)国土交通大臣が主導して行う 

 ・内容、メンバー、期間はこれから検討

優秀な官僚であれば、今ごろ、この大臣の指示を「起案文書」としてまとめているはずですが、もしまだ河川局長が「起案文書」としてまとめて大臣に持ってきていないならば、金子大臣にオススメしたいのは、3つのことです。 

1.まずは、「起案文書(案)」を書くよう期限を決めて指示し、上記の指示が細大漏らさず書かれているか、目を皿のようにして一言一句、じ~っと眺めること。 

2.そうしながら、霞ヶ関を飛び出して「現地」へ行くことをお勧めします。早急に大臣の政治決断が必要になるのは淀川水系河川整備計画の方でしょう。今回は近畿地方整備局が、自ら諮問した淀川水系流域委員会の最終報告を待たずに見切り発車をしたことで事態が混乱しています。国土交通省トップとして、出先機関のしでかしたことについて、それは何故だったのか、正当な見切り発車だったのかどうか、「手続についての妥当性」を判断する必要があります。そのためには、近畿地整とともに、諮問された側である淀川水系流域委員会の話を直接に聞く必要があります。そうでなければ正しい判断はできないと思われます。 

3.その際、「治水」「利水」「環境」について、淀川水系流域委員会がどのような判断材料のもとに「5ダム」について30年の整備計画に位置づけをするのは適切でないと判断をしたのかを直接聴き取る必要があるでしょう。これが現地へいくことの本質的な意味です。

4.このとき同時に、「地域住民の安全を守ること」についてルールを見直すとしたら、どのような事項を見直していくべきか、「地域住民の安全を守ること」「環境」に主眼をおいて審議してきた淀川流域委員会に聴いてみると、一石二鳥でしょう。見直しの論点ややり方について、起案書にさらに詳しく盛り込むべき指示内容が自ずと得られるでしょう。

現場で何が問題とされ、どのような解決策が提案されてきたか、諮問機関の淀川水系流域委員会の意見をなぜ近畿地方局が聞き入れてこなかったか、「治水」「利水」の両面から、つぶさに聴き取りを行うことが、大臣の一つの判断な材料となるに違いありません。 

判断にあたって重要なのは、現場で何が起きているかという「事実」です。官僚の「ご説明」は判断材料の一つに過ぎません。

「起案文書(案)」は地域から提起された課題をクリアできるかどうか、クリアできていなければ何度でも「起案文書(案)」を突き返して、クリアできたところで、新しいルールづくりを開始してはどうでしょうか。

例えば取材記者が、もしも現場へ行かずに記事を書いたとしたら、いったいどんな説得力を読者に対して持ち得るでしょうか? 

ましてや大臣判断です。数万倍、数千倍の重みで禍根を残さない判断を行うために、現地に行き、淀川水系流域委員会の意見を聞いて、頭をきしませて勉強して、ことによっては何度も何度も近畿地整局が言うことと流域委員会が言うことと知事が言うことを繰り返し聞き返してという面倒な作業が必要になるのではないかと思います。

政治判断とは政治的に判断することではなく、各役割、各立場、各権限、各利害の上に誰が何を言っているのかを真摯に耳を傾け、役割や権限や立場や利害を踏み越えて、最高責任者として、未来から現時代に求められることは何かと論理的に判断することだと思います。簡単ではありません。簡単ではないはずです。だからこそ意義があるはずです。

と、今、大臣とお話ができたら、私ならこう言う、ということを書き付けてみました。「治水」だけではなく、「利水」「治水」「環境」とバランスよくお考えいただくことがとても重要かと思います。

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