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2009年4月 4日 (土)

2008年国会審議で明らかになった行政文書の保存期間

引き続き、公文書管理法案の問題です。行政による行政文書の抱え込みは、「個人」対「行政」、「国会」対「行政」、「司法」対「行政」、「公文書館」対「行政」で起きていますが、

2008年国会審議で明らかになった行政文書の保存期間によって公文書が消えてしまう問題をピックアップしてみました。これをダウンロードして見てください。自民党から民主、共産、社民、国民新党、全政党がこの問題に気づいています。公明党以外・・・。
↓↓↓

「2008_public_records_issues_in_the_japanese_diet.xls」をダウンロード

↑↑↑ 
ありとあらゆる文書が、「え?そんなものがそんな期間でなくなるの?」「え?そんなものが保存されていないの?」という状況にあることが分かります。

それにも関わらず、今度の公文書管理法案(http://www.cao.go.jp/houan/171/171-2anbun.pdf)で、また、
何を作成・保存するか(法案第4条)
どれくらい保存するか(法案第11条2)は
最終的に行政任せです。

内閣総理大臣に協議とあっても結局のところ、それは内閣府に設ける一部署を意味する。同じ穴のムジナさんです。

省庁横断の統一管理規則(現在は情報公開法16条に基づく施行令)や
各省ごとの文書管理規則(現在は単なる各省の規則、今回も規則)任せ、
また、単なる「国会答弁」では、監視できない。

以下は、上記をダウンロードする時間がない方のための「政府答弁」の一部をご覧頂くための抜粋です。(資料にはつけなかった解説も少しだけ付けました)

【「2008年国会審議における行政文書の保存期間問題」より
政府答弁抜粋(肩書きは当時)】
●福田康夫首相
国土交通省の契約書は、国土交通省の文書管理規則で、竣工後五年間保存するものとなっているようであります。これは、その五年間というのが適切かどうかということについて、昨年の十二月の関係省庁連絡会議で検討して、国土交通省においては、必要に応じて保存期間を延長するとかいったような検討をするということになっております。それと別に、私、施政方針演説でも申し上げたんですけれども、行政文書の管理のあり方、これは基本から見直して、そして法制化をすることを検討しようということで、今その検討会議が開催されて、どのような文書をどれだけの期間保存するかといったようなことについてきちんとした法律にしようということで、作業を進めておるところでございます。

★まさの解説:福田さんはかなり本気でこの法案を考えていたはずだが・・・。

●村木裕隆総務省行政管理局長 
行政文書の管理につきましては、先生御指摘のとおり、情報公開法、それから同法施行令、それに行政文書の管理方策に関するガイドライン、こういうものを設けておりまして、これで文書の作成、保存、移管、廃棄の基準等を定めているということでございます。各省庁におきましては、これらの基準を受けまして、それぞれの責任で文書管理規則を制定し、行政文書の管理を実施している、こういう現状にございます。
 
★まさの解説:政府は情報公開法施行令16条(政府横断の統一ルール)の問題を十分に認識しているのに、またも「政府横断の統一ルール」(法案第4~7条などに基づく政令)を作ります、と公文書管理法案の利点として宣伝を行っているが、これで改革法案だ!と騙されてしまう人もいる。行政の隠れ蓑である「審議会」を間に挟むだけで、今と変わらないのに。

●井出道雄林野庁長官
この費用対効果分析の結果の総括表等の資料と同様、保存期間三年の事業評価に関する文書として保存することが適切であると考え、保存をしているところでございます。

★まさの解説:長期に渡る公共事業の根拠資料の保存期間が3年と定めてきたことをよしとする答弁。公文書管理法案はまたもこの部分を最終的に各省の文書管理規則に委ねる(これは現在と全く同じ)

●若林正俊農水大臣
公式の文書の保存期間、一般的にいえば十年というような期間を過ぎますと、公式の文書というのはないわけであります。

★まさの解説:農水省に文書管理規則を作らせたら、今後も・・・・

●国際機関に対しまして今申し上げましたように出資金、拠出金、分担金、義務的拠出金、いろんな種類の経費があるわけでございます。この出資金につきましては、これは出資ということでございますので、例えば国際開発協会につきましては設立以来の拠出累計が三・七兆円、それから国際通貨基金につきましては設立以来の拠出累計が二・二兆円等々、あるいはアジア開発銀行につきましては設立以来の拠出累計一・四兆円ということで、これは把握を財務省の方でされているわけでございますが、毎年毎年拠出をしてそこで使ってしまうものにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、この文書保存期間が満了したものもございますし、機関によっては戦前から入っている機関もございまして、そういうものについては、今の御指摘ではございますが、これまで毎年毎年の拠出を累計したものは、そういうものは把握できないものもあると、こういうことでございます。

★まさの解説:外務省に規則を作らせたら、今後も国際機関にいくら血税をつぎ込んだのかは、すぐに分からなくなる。

●小野正博警察庁長官官房審議官
過去の報告につきましては、これは保存期間が一年未満というものでございますものですから、現時点で集計することは、まことに申しわけございませんが、十分にできない可能性があると思っております。

★まさの解説:脱走米兵の話だったんですが、警察庁に任せたら、今後も、保存期間はたった1年未満??

行政文書の廃棄か保存かの判断、および、保存期間の設定には第三者の目が必要であることを、喚起したいと思います。

リンクフリー、ダウンロードフリー。ご自由にご活用ください。
まさのあつこ

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» 行政文書の保存期間のおかしさ [源清流清 ―瀬畑源ブログ―]
公文書市民ネットで一緒に活動しているジャーナリストのまさのあつこさんのブログに、「2008年国会審議で明らかになった行政文書の保存期間」という記事が掲載されている。 この記事は非常に興味深かった。 まさのさんのブログには、「行政文書の保存期間」に関する国会審議の一覧表がアップされているのだが、それを見ると色々と唖然とすることが多い。 特に、高速道路の建設などの公共事業の調査記録(原データ)が3年やそこらで「文書管理規則」に則って廃棄されていて、追跡調査できないという事例については、「何で?」と思わ... [続きを読む]

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