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2009年4月 9日 (木)

行政文書の保存期間その3 「行政文書」の定義

行政文書の保存期間その2の続きです。

重要な問題として「中間書庫」のことが瀬畑さんのブログに載っていることをお知らせしました。これはとても重要なのですが、実は「中間書庫」があっても入っていくべきものが「存在しない」という「落とし穴」が、今、政府が提出している公文書管理法案には埋め込まれています。

保存期間を理由に「不存在」になってしまうことは一度書きました。
今度はそれと同様に問題になっている「行政文書」の定義が狭すぎて「不存在」になることにご注目いただきたいと思っています。

行政文書とは何か?

★政府提出の「公文書管理法案」による「行政文書の定義(2条)」は
1.行政機関の職員が作成、取得、
2.行政機関の職員が組織的に用いる、
3.行政機関が保有
の3要件が重なるものだけ。
これは現在の情報公開法による定義を踏襲したもの。

たとえば、以前、こちらでも報告をしましたが、この定義では
●審議会の議事録の発言者名の情報は
・あったとしても「個人メモ」です
●その審議会を録音したテープは
・「業務を委託した民間会社の所有物」ですと
開示請求をしても出てきませんでした。裁判をやっても負けました。

公文書管理でございます、と法律ができても、
この点では、今のままではまったく「一歩前進」にはなりません。

★もう一つ。今回の法律案には「作成義務」(4条)が書き込まれました。
しかし、その対象は以下のように「結果」だけ。
1.行政機関の意思決定
2.行政機関の事務及び事業の実績
3.軽微なものである場合を除き、政令で定める
とあって、何が「軽微」なのかを判断するのは官僚様。政令を作るのも官僚様。

どのようなプロセスでその「決定」や「実績」が生み出されたかは
そもそも作成しなくてもいいことになってしまう。
もちろん、作成しないわけはないのですが、この法律案が通れば、
作成していたとしても、作成する義務はありませんから、存在しません
という理屈が法律上、通ってしまう。

裁判官が常識で考えて、おかしな話だな、と思っても、度胸のない裁判官は
法律に基づけば、やっぱり存在しませんね、という判断しかできない。

とにかくこのままでは、国民にとってすごく迷惑なものになる。
第一野党である民主党はもちろん、野党全党こぞって、そして、
このことに実は気づいていなかった与党議員もこぞって一緒に
ちゃんとしたものを作って欲しい。

どうしようもなく不十分な政府案はこちら↓
http://www.cao.go.jp/houan/171/171-2anbun.pdf

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