« 伊賀・水と緑の会 リンク | トップページ | 転換のポジティブリスト »

2009年5月24日 (日)

途上国ニッポン

「『途上国支援』の名でさまざまに温暖化対策が行われようとしているが、『責任ある支援とはどのようなものか』日本のダム事業から言えることを喋って欲しい」というムズカシイ注文を受けて、国際環境NGO FoE Japan主催のシンポジウムで、3月に設楽ダム(したらダム:愛知県で国土交通省が行っている事業)を事例にお話をさせていただいた。

考えるところ多いシンポジウムだったので、時間ができたらきちんと報告しようと思っていたら、時間はいつまで経ってもできないので簡単に。

シンポジウム全体については
全スピーカーのスライドが主催者ページに掲載。
●シンポジウム「途上国における温暖化対策~責任ある支援とは?」
http://www.foejapan.org/climate/doc/evt_090311.html

●私が喋った内容はこちらにも載せておきます。

「FOEsymposium090311.pdf」をダウンロード
結論は、「途上国における温暖化対策」では責任ある支援が重要で、
住民の合意が不可欠。それが公正に成立する4条件は
1.不都合な情報の提供(環境、社会、経済)
2.意思決定前の住民参加
3.十分な情報/議論
4.自由な意思の表明
と当然のことを述べたのだが、それを
世界ダム委員会レポートで得られている共通認識や
設楽ダムを例に挙げてお話をしたもの。

●その中で、このブログのテーマ「河川法改正しようョ」と関連の深い周辺制度について頭を整理することができた。(ただし、以下は3月時点でのもので、その後さらに頭が整理されてきた)

【河川法の限界】 住民意見の前に実質、ダム事業は決定
(治水計画の策定は2段階。参加規定は2段階め)
【事業評価の限界】 住民参加機会なし(参加規定の欠如)
【環境法の限界】 アセス法:ゼロオプションなし。種の保存を理由に裁判ができない。(環境法の不備)
【訴訟の限界】 住民訴訟の対象は自治体のみ。国を訴えられない。訴訟中でも事業は進む。(予算統制の限界)
【住民投票の限界】 地方自治法第74条
1.自治体有権者は、条例制定/改廃を、50分の1以上の署名を集めれば、自治体の長に請求できる
2.自治体の長は、請求受理から20日以内に議会を招集し、意見を附けて議会に付議
3.議会は付議された条例案を否決できる(自治法の不備)

●このパワーポイントを完成させた直後に、今年出る予定の「環境自治体白書」で、日本のダム問題の現状について原稿を書いて欲しいと頼まれたので、これらの点についてはそちらでも書いた。

●書きながら考えたが、ダム事業において特有の「水余り」とか「過大な洪水予測」や「河川法」といったことを除けば、上記はあらゆる公共事業を横串で刺せる問題だ。これらを一つひとつ、オセロゲームの黒から白へとひっくりかえしていけば、つまり
・事業評価に住民参加を取り入れる。
・環境法ではアセス法と種の保存法を改正し
・地方自治体だけではなく国の機関に対しても住民訴訟(→国民訴訟)できるようにする。
・地方自治法第74条の改正で(今、その動きは少しづつ出てきているのを感じているが)、議会を通さずに住民投票ができるようにすれば(もちろん両刃の剣だが)

たとえばダム問題でいえば、水が余っていてどう見てもおかしな治水対策なのに、どうしても止まらない、といった事業が止まり、税金のムダづかいが防げるようになるのではないか。そんなふうに考えている。

●話はシンポジウムの中身からずれたが・・・、このシンポジウムで私が強調したのは、傲慢な言い方かもしれないが、「先進国」を標榜する日本でさえこんな実状がある。まして遠く離れた途上国で「温暖化対策」の名で行う支援が、本当にそこに暮らす住民のためになるのかどうか、相当な慎重さや確認が必要になるということだった。

|

« 伊賀・水と緑の会 リンク | トップページ | 転換のポジティブリスト »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/82688/29771928

この記事へのトラックバック一覧です: 途上国ニッポン:

« 伊賀・水と緑の会 リンク | トップページ | 転換のポジティブリスト »