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2009年6月29日 (月)

八ツ場ダム住民訴訟の争点

八ッ場ダム住民訴訟は、東京、群馬に続き、
茨城判決(水戸地裁302法廷)が明日(6月30日(火)午後1時5分~30分)です

以下、プレスリリースが届いています。
許可をいただいたので、そのままファイルを載せます。

八ッ場ダム住民訴訟・主な主張と争点
●東京裁判(東京弁護団)2009年5月11日判決

「yamba_tokyo_case.doc」をダウンロード

●群馬裁判(群馬弁護団)2009年6月26日判決
「yamba_gunma_case.doc」をダウンロード

●茨城裁判(茨城弁護団)明日(2009年6月30日)判決

「yamba_ibaraki_case.doc」をダウンロード

上記ファイルの主な項目
第1 利水上のダムの不要性【原告】【被告】
第2 治水上のダムの不要性【原告】【被告】
第3 ダムサイト岩盤の危険性について【原告】【被告】
第4 ダム貯水池地すべりの危険性について【原告】【被告】
第5 自然環境への多大な影響と環境アセスの手続き違反について【原告】【被告】

★第1の「利水上のダムの不要性」については
それぞれ、どれだけ水需要予測と実績が乖離しているか
グラフによって一目瞭然です。

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都議選やんばダムアンケート結果

「八ツ場あしたの会」 が都議選に向けアンケートを行ったとのこと。

全文を転載させていただきます。

2009年6月28日都議選アンケート結果
http://www.yamba-net.org/modules/news/article.php?storyid=821

 都議会選挙を控え、八ッ場あしたの会では八ッ場ダム事業をめぐる政策を確認するため、都議会の各政党、および連絡先を把握できた無所属の候補者に公開アンケートを発送しました(6月12日付)。
 締め切りの6月25日までに、民主党、日本共産党、生活者ネットワーク、社民党、および5名の無所属候補者の方々(後藤雄一氏、小林ひろゆき氏、関口太一氏、福士敬子氏、米川大二郎氏)から回答がありました。自由民主党、公明党にもアンケートを送りましたが、現時点で回答はありません。なお、八ッ場あしたの会のサイトからアンケートをダウンロードした秋田一郎氏(自由民主党)より、個人名で回答をいただきましたので、上記の各政党、無所属候補者の回答と共に公表します。

 八ッ場ダムは国の事業ですが、関係都県、とりわけ首都、東京都の動向が事業に大きな影響を及ぼします。自由民主党、公明党からは回答がありませんでしたが、八ッ場ダム推進議員連盟(2009年4月10日設立)に両党議員が多数参加していることから、両党の政策は八ッ場ダム見直しの必要性はない、と考えていると判断できます。
 公開アンケートへの回答では、自由民主党の秋田氏以外のすべての回答が、「見直しが必要」となりました。このことから、東京都議会では八ッ場ダム事業の継続について、与野党で政策が大きく対立していることが明らかになりました。
 今回の都議選では、「新銀行東京」、「築地移転」について、与党がYES、野党がNOと、与野党の対立軸が鮮明になっていますが、八ッ場ダム事業についても同様のアンケート結果となりました。

 また、八ッ場ダムが中止となった場合、ダム事業によって破壊されてきた水没予定地域の生活再建事業・地域振興事業について、八ッ場ダムの見直しが必要と答えたすべての回答者が、「東京都は一定の負担をするべき」と回答しています。八ッ場ダムの予定地は東京から遠い場所にありますが、ダム計画により半世紀以上も東京と深い繋がりをもってきました。ダムを推進する政治・行政は地元を長年翻弄し、苦痛を強いてきました。このような悲劇が繰り返されないよう、地元民の人権が最大限に尊重されるよう、八ッ場ダム問題への真摯な取り組みを各政党、各候補者に希望します。

 回答は以下の通りです。(敬称略・アイウエオ順)

1.八ッ場ダム建設の主な目的は治水、利水とされています。東京都にとって八ッ場ダムは治水、利水上必要だとお考えですか?

〇必要
 秋田一郎(自由民主党)

〇必要ではない
 社民党、生活者ネットワーク、日本共産党
 後藤雄一、関口太一、福士敬子、米川大二郎

【意見】-米川大二郎
 水需要は年々減る傾向にあります。東京都水道局のホームページでも、水道需要は「長期にわたる景気の低迷等の影響を受け、横ばいもしくは減少傾向で推移しています。」とあり、工業用水道の需要は、「国の産業立地政策や各種公害規制の強化による工場の都外への転出、オイルショックを契機とした水使用の合理化の進行等によって年々減少の一途をたどり、施設に大幅な余剰を生じさせました。」とあります。つまり、東京都の水需要は十分に賄われています。もし足りないのなら、既存のダムに堆積した土砂を浚渫するなど、機能アップ工事を行えばよいと思います。
 次に洪水対策ですが、近年、下流域である東京やその近郊では、ゲリラ豪雨が多発して、住民生活に影響が出ています。ダム建設では、上流域での雨に対して効果はあるのでしょうが、多発するゲリラ豪雨には効果が少ないと思います。自然の状況も年々変わるのだから、今、必要としている対策に予算を投入する必要があると思います。

〇その他
 民主党
【意見】まず、一般論として、工学的に治水・利水面での効用を考えるのであれば、ダムは「ないよりは、あった方がよい」と言わざるを得ませんが、最終的には治水・利水両面でのリスクをどこまで見込むかどうか(安全度をどこまでみるかの工学的判断、エンジニアリング・ジャッジメント)の問題です。
 この点において、国や東京都は、私たちが十分に納得のいく説明を全くしていません。
 例えば、国による利根川の治水計画では、現在計画中のダムをすべて造っても洪水調節施設はまだ不足しているとする一方で、5年前に東京都が利水面で不要として撤退を表明した、利根川水系の戸倉ダム事業を国は中止しました。しかし、戸倉ダムも、洪水調節機能をあわせ持つ多目的ダムであり、洪水調節専用ダムに変更して事業を継続するという道もあったはずですが、このような矛盾する行為について説明が一切ありません。
 また、利水面では、都議会民主党の試算では、最新データを用いれば、現在の東京都の水需要予測量から大幅に下方修正されることが明らかであるにも関わらず、東京都は水需要予測の見直しを頑なに実施しようとしません。
 こうしたことから、八ッ場ダムについては、治水・利水の両面から必要性そのものに疑義があり、その必要性から再検証すべきと考えます。

 小林ひろゆき
【意見】必要か必要でないかは、今後調査研究する必要があるが、少なくとも数10年も滞っている今、見直しは必要ではないか。

2.計画発表から半世紀以上を経過している八ッ場ダム事業について、お考えをお示し下さい。

〇見直しが必要   
 社民党、生活者ネットワーク、日本共産党、民主党
 後藤雄一、小林ひろゆき、関口太一、福士敬子、米川大二郎

【意見】-日本共産党
八ッ場ダムは過大な水需給計画にもとづくもので、東京にとって必要ありません。また、自然破壊や住民の立ち退きなど、その影響も多大です。ただちに計画を中止すべきです。

〇このまま進めてよい 
 秋田一郎(自由民主党)

3.2で「このまま進めてよい」と回答された場合は、次の質問にお答え下さい。2001年、八ッ場ダムの工期は2000年度から2010年度に延長されました。2004年、八ッ場ダムの事業費は倍増し、全国のダム事業中トップの4600億円に増額することが決定しました。また、2008年には工期が2015年度に延長されました。国土交通省は今後の計画変更はないとしていますが、工事の進捗状況などから、工期の再々延長、事業費の再増額などの問題が浮上しています。このことについて、お考えをお示し下さい。

〇今後、工期延長、事業費増額などの可能性はない
 秋田一郎(自由民主党)

(注:他の選択肢は、「工期延長、事業費増額などがあった場合は、八ッ場ダム事業の見直しが必要」「その他」でした。他の回答者は、2で「見直しが必要」としているため、この問いへの回答はありません。)

4.ダム予定地では、ダム建設が中止されると、現在進められている生活再建・地域振興事業にもストップがかかり、下流都県は地元に対して一切協力しないのではないか、と心配する声が聞かれます。今後、国の政策により、八ッ場ダム事業の見直しが行われた場合、長年犠牲となってきた地元に対して、東京都はどうするべきだとお考えになりますか。

〇ダム建設が中止されれば、生活再建・地域振興事業に支出する必要はない
 なし

〇ダム建設が中止されても、生活再建・地域振興事業に一定の費用を負担するべき
 社民党、生活者ネットワーク、日本共産党、民主党
 後藤雄一、小林ひろゆき、関口太一、福士敬子、米川大二郎

【意見】-米川大二郎
 公共事業を中止した際は、関係する国、自治体が事業の負担割合に基づいて必要な補償を行う。

〇その他
 秋田一郎(自由民主党)
【意見】ダムは必要であり、引き続き進めていくべき。

5.わが国では、一旦始まった公共事業が中止となることは想定されておらず、そのための法整備も今まで行われてきませんでした。この点についてお尋ねします。

〇ダム事業見直し後の生活再建・地域振興を可能にする法整備が必要
 社民党、生活者ネットワーク、日本共産党、民主党
 後藤雄一、小林ひろゆき、関口太一、福士敬子、米川大二郎

〇法整備の必要はない
 なし

〇その他
 秋田一郎(自由民主党)
【意見】ダムは必要であり、引き続き進めていくべき。

その他、八ッ場ダム問題についてご意見がありましたら、お書き下さい。

【意見】
◇社民党―
 すでに、治水、利水の上から必要がなくなっている八ッ場ダム事業は速やかに中止すべきです。

◇生活者ネットワーク
  生活者ネットワークは大河原さん(現参議院議員)をはじめ、歴代八ッ場ダムには反対を貫いていますが、事業を止めることはできていません。政策にもダムや高速道路などのムダな公共事業を中止すると掲げました。これからも皆様と共に活動してまいりたいと思います。

◇小林ひろゆき
 数年前、現地を直接訪問し、見て来ました。あの豊かな自然と温泉はぜひ残していただきたい。そのためには見直しが必要だと思う。

◇福士敬子
 東京の給水可能な量は使用量をはるかに上回っている。洗濯機やトイレ等の節水対策が進み、かつて言われていた少人数家庭は水道量が割高になるという事実は覆された。今や家庭内人数の減少や、都内の人口増にもかかわらず、使用量は低下の一途をたどっている。また、多摩地域では、35万トン以上の地下水を利用しながら、水源量に組み込まれないなど、データ上の論理にも整合性がないまま、ダムの必要性のみが強調されるのは大いに問題だ。

◇米川大二郎
 私が東京都職員時代の平成7年、世界都市博覧会の中止に伴う補償を担当しました。一旦始まった公共事業が中止になった事例のひとつです。この時は、できるだけ早く対応するため、条例は作りませんでした。(※都市博中止に伴う補償基準と都市博中止に伴う補償基準実施要領を作成し、これをもとに作業を行いました。)

~~~

以上、転載でした。

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2009年6月28日 (日)

5cmの水位低減のために秋田県雄物川の源流を沈める成瀬ダム

環境情報専門誌「グローバルネット」での連載から転載です。

グローバルネット2009年5月(222号)
http://www.gef.or.jp/activity/publication/globalnet/2009/200905.html
川、開発、ひと~日本の経験、アジアの経験
第29回/

5cmの水位低減のために秋田県雄物川の源流を沈める成瀬ダム
(ジャーナリスト まさの あつこ)

4月25日、東京の日本教育会館で、「ムダな公共事業の徹底見直しを実現する全国会議」が開催された。ダム、道路、大量生産・消費の末のごみ処理、干潟埋立など、自然破壊につながる大規模公共事業問題に取り組む約100の市民団体が集った。その会場の片隅で参加者の一人「成瀬(なるせ)ダムをストップさせる会」代表の奥州光吉さん(57歳)の話を聞いた。

農業と環境の世紀に
秋田県横手市で専業農家となった奥州さんは、20年前、人生の岐路に立った。企業人としての生き方にも、副委員長まで務めた労働組合運動にも展望が見いだせない。東京で務めていた職を辞すことを選択。「来るべき世紀は農業と環境だろう」と感じていた思いを実行に移し、家族を連れて故郷へ戻る。それから約10年、1991年に以前からあった県営ダム計画が、国直轄の多目的ダムとして具体化し始めた。成瀬ダムだ。

秋田県を南から北西へ縦断する雄物川の支流にはすでに大小30ものダムがある。成瀬ダムは奥羽山脈を源流に流れ出る支流・成瀬川の最奥地で、手つかずの渓谷や谷筋を新たに沈めることになる。灌漑が3分の1を占めるダムに、国は建設総額1530億円を費やす計画だ。時代は大きく一巡し、人口減少へと向かっているにも関わらず、完成予定は2017年だ。

秋田県によれば、秋田市の基準点での洪水軽減水位はたった5㎝。これに対し、秋田県負担は260億円。受益農家である奥州さんはこの問題に取り組んでいた人々に加わり、今年2月、1667筆の署名を持って、この負担分につき県に住民監査請求を行った。
「農家として『ウソだ』と思うのは費用対効果です。ダムができればこれだけ効果があるという机上の計算を、農家は誰も信用していない」という。減反はいまや水田面積の3分の1以上に及ぶ。それなのに計画では水需要が倍増することになっている。ダムの目的には農業用水の他、水道、治水、発電と、人口減少率日本一の秋田県の山奥とは思えないほどのありったけのダム建設理由が並ぶ。監査請求では治水については「雄物川水系の最奥地であり下流に対する治水効果は小さい」、水道については「人口減少、高齢化、水利用の効率化で需要予測は過大」、発電は「東北での需要は伸び悩んでいる」とし、緊急性、必要性を欠くことを示す10点の補完資料を添えて提出した。

ところが県会議員2名を含む監査委員4名はこれを「不受理」とした。「ダム建設が不当な事業であるとの主張は、ダム建設という行政施策に対する請求人の見解を述べているに過ぎず」という理由だ。行政の支出を監査する代わりに、住民活動を評論して終わった。

監査不能だった国直轄負担金
ところが、最近になり、こうしたいわゆる国直轄事業の負担金について、新たな面が明らかになっている。遠く離れた大阪で、昨年2月に就任した大阪府知事の「財政非常事態宣言」が発端だ。「収入の範囲内で」とケチケチ予算を組む中で府知事が行き着いたのが直轄事業負担金。府の単独事業は5年間で4割減少する中、国直轄事業負担は1.5倍増。しかし明細は明らかでない。「ぼったくりバーの請求書」というフレーズと共に全国に広まった。全国知事会が1964年から国に対しその軽減を謳っていた仕組みでもある。

今年2月、麻生渡全国知事会会長(福岡県知事)が国土交通大臣に呼びかけたのをきっかけに、農水大臣、総務大臣も出席して、4月8日、12人の知事が3大臣と「直轄事業に関する意見交換会」を行った。複数知事の口からは、「不明を恥じる」などの率直な言葉と共に、負担金には明細がなかったことに気づいてすらいなかったことが明らかにされた。

つまり、住民監査請求を受ける自治体の監査委員自身も、監査をするだけの十分な情報すら持っていなかったことが露呈したとも言える。国の直轄事業については住民にその支出の不当性を問われても、具体的な使い道についての情報を持っていなかったのだ。大阪府知事言うところの「地方は国の奴隷」。自治体は自治体で「おつき合い」で負担金を支払い続け、地方財政法4条でうたう「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない」は空文化していたことになる。

秋田県の場合、水位低減の効果が5㎝で、受益農家が費用対効果を疑う事業に260億円がどう支出されているのかを監査できなかったはずの監査委員の責任も問いたくなる事態だ。

知事達と秋田県住民のシンクロニシティ
興味深いことに、こうした動きとほぼ同時並行で、「秋田県から国土交通省にどういうかたちで負担金が払われているのかを知るために情報公開やら直接担当課に問い合わせをしました」と言うのが奥州さんだ。「住民監査請求を準備する過程でいろいろ調べると、県もどのような精算なのか中身がわかっていない。『信頼関係の下に』言われたとおりの金額を払っている。いちいちどんなことに使ったかは国交省に聞いていないということでした」と言う。

奥州さんが開示させた国土交通大臣から秋田県知事への通知には、紙一枚に「今回負担すべき負担金は別紙のとおりであるから、下記により国庫に納付されたい」とある。金額と支払い期限が書かれ、まさに国からの県への「請求書」だ。その支払いのための県庁の決裁文書(写真)も見ての通り。平成20年2月29日の日付分では「9億5368万8千円」という総額があるだけでその中身は不透明そのものだ。

一方、成瀬ダムとセットで計画されている灌漑事業が絡むと、不透明さはさらに増す。
雄物川筋土地改良区の局長によれば、1万514haの受益面積に7862名の組合員が参加する「国営平鹿平野(ひらかへいや)かんがい排水事業」では、受益農家には受益面積の割合に応じて負担金が生じる。ところが、成瀬ダムの建設負担金については、多目的ダム法で、知事は農家に10分の1以内で、多目的ダムの建設に要する費用を「負担させることができる」となっているが、「秋田県の場合ですと農業が基盤産業ということもあり負担は求めていない」(秋田県河川砂防課ダム班)。合計約3億円弱にのぼるこの負担金は秋田県が支払うことになる。

これを奥州さんは「農家のダム負担がさらにあると言えば事業に賛成する人はいない。国のカネでやるんだったらという消極的賛成」を促すためではないかと述べる。

4月10日、「成瀬ダムをストップさせる会」の面々は、監査委員の不受理通知を受け、秋田地方裁判所に住民訴訟を提起した。被告は秋田県の寺田典城知事、県産業経済労働部長、そして同部公益企業課長。負担金等の支出の差し止めと、代表者たる知事に支払い済みの約4億円の損害賠償等を求めた。成瀬ダム住民訴訟原告344人の代表となった奥州さんの今世紀は紛れもなく「農業と環境の世紀」となった。同時代に行動する人々と呼応し合い、やがては県や国も動き出すだろうと思うのは楽観的過ぎるだろうか。

写真キャプション
奥州さんが県に開示させた国直轄事業負担金支払いのための決裁文書

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「ダム誘発地震」が疑われる中国の紫坪鋪ダム

環境情報専門誌「グローバルネット」での連載から転載です。

グローバルネット2009年4月(221号)
http://www.gef.or.jp/activity/publication/globalnet/2009/200904.html 
川、開発、ひと~日本の経験、アジアの経験
第28回/「ダム誘発地震」が疑われる中国の紫坪鋪ダム

(ジャーナリスト まさの あつこ)

昨年5月にチベット高原の東端で起きた四川大地震(マグニチュード7.9)。8万人とも言われる犠牲者を出したが、これが「紫坪鋪(しへいほ)ダム」に誘発されたのではないかとのニュースが今年1月、世界を駆けめぐった。

発端は昨年12月、米国内外130カ国、会員5万人の「アメリカ地球物理学連合(AGU)」のサンフランシスコでの会議で発表された研究だ。米国コロンビア大学の研究者クリスチャン・クローズ氏が「観測結果を総合すると、四川地震を誘発した根本原因は、地表における局所的かつ急激な質量変化が発端」と結論づけた。

それを権威ある米国学会誌『サイエンス』(1月16日号)がニュース記事で紹介。クローズ氏が、加水がいかに断層にかかる圧力を変化させたかを、ダムという言葉を使わずに論じたと伝えた。クローズ氏の計算によれば、その圧力は、自然の状態で地殻変動から1年間に受ける圧力の25倍。それが断層にかかる圧力を緩めると同時に、亀裂を生じさせる力を増加させたという。

さらに同記事は、地震直後から科学者の間ではダム誘発地震が疑われていたと明かした。四川地質鉱物局主任技師のファン・シャオ氏が、紫坪鋪ダムは震央から5.5kmで、2004年12月の貯水開始から2年間で120mも水位が上昇したこと、また地震1週間前にその水位が急激に下がったこと引用。

また、北京の中国地震局および日本の産業技術総合研究所の地球物理学者リー・シンリン氏も、中国の専門誌『地質と地震学』で昨年12月に、「最終的な結論はまだ早いが」と強調しつつ、「貯水湖の水が断層に浸透し、2007年12月から2008年5月までの間に水位が下がった」ことを地震発生の相関要因だと語ったことが引用されている。

「環境案件」だった円借款事業

実はこのダムは日本の外務省が2001年に策定した「対中国経済協力計画」の重点分野のうち「環境案件」として契約を結んだ円借款事業(約232億円)だった。当時、電源開発は「詳細設計、入札評価、施工監理等に関するアドバイザー業務」を受注したことを、中国の「西部大開発」における最初の大規模な円借款プロジェクトだと誇らしげに発表していた。

しかし、①チベットの小数民族4万人が強制移住を余儀なくされるにも関わらず、移住計画や環境影響評価が公開されていない、②9km下流にあるユネスコ世界遺産(2000年以上前に作られた灌漑施設「都江堰」)が影響を受ける――などの指摘を受けて世銀が撤退した経緯を持っていた。さらに「紫坪鋪ダムの建設予定地が活断層に極めて近いため、地震による影響が心配される」との内部告発がもたらされ、日本では国際環境NGO「FOEジャパン」がその指摘を行っていた。

はたして今、日本政府は中国内外の研究者がこの事業へ向ける主張をどのように受け止めているのか。外務省有償資金課は「調査はしていない」。円借款を進めたJIBCから引き継いだJICA広報部は、この事業は「中国政府が自己資金でやるといって、キャンセルになった。2001年3月31日に円借款契約をしたが、2004年11月に中国政府からの要請で解除した」と言う。3年間に融資した額は2億円で完済済み。発電機や灌漑施設が現在機能しているかどうかは「債務関係がなくなった今、情報をくださいとは言いにくい」と素っ気ない。また「9億円」でアドバイザー業務を受注した電源開発は、「2003年の8月に契約解除を受けた。あの場所を提案したのは中国で、われわれの業務は助言だけ。2年間強の業務分については支払いを受けたが、金額については私契約なので回答できない」と言う。円借款契約が途中で解除されていたことに、3者とも胸をなで下ろしている気配がある。

しかし、2001年着工、2006年完成事業に「3年間、関わっていた責任は大きいのではないか」とFOEジャパンの清水規子さんは言う。

世界の常識、日本の非常識

このような「ダム誘発地震」は諸外国の常識になっている。1963年に貯水開始後の地震で山が崩れ、溢れた水で2000人の被害者を出したイタリアのバイオントダム、アメリカのフーバー・ダム、インドのコイナ・ダムなど巨大ダムが建設されるようになって以降、ダム誘発地震の現象は科学的に証明済みだ。

日本でも一端は研究が始まっていた。1961年に完成した牧尾ダムが誘発したと言われる長野西部地震(マグニチュード6.8)はその一つだ。牧尾ダム周辺では、完成後の1976年に群発地震が観測され、1979年10月に有史以来、噴火記録がなかった御岳山が噴火。1984年に大地震が起きるという変化に見舞われた。月刊誌「世界」2008年12月号に筆者自身が書いた拙稿「ダムと地すべりに浪費される巨費」から関係箇所を引用させていただく。

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1974年に建設省建築研究所にいた大竹政和氏が、黒部ダムの1963年から68年までの水位変化と周辺の地震回数を調べ、水位上昇と地震活動の活発化が相関することを発見した。その後、国立防災科学技術センター地震活動研究室長の時代に、松代群発地震(長野県)の中心地に2500mの井戸を掘って2000tの水を注入し、水圧で地震が起きる実験結果を得た。また、1926年から83年の気象庁の観測地震データと、全国42ヶ所のダムを調査し、牧尾ダムを含む8カ所でダム貯水後に地震が増えるという検証結果を得た。

この研究を大竹氏が1984年10月の地震学会で発表し(略)、国会ではようやく1995年3月になって参議院環境特別委員会で取り上げられた。しかし、ダム誘発地震について「建設省の認識は」と尋ねられると、建設省は直ちに「ダムの貯水と地震の発生の因果関係が日本においては明確に確認されているものはまだ私どもとしてはない」と全否定。また、大竹氏の論文に関し、科学技術庁は「その論文以降特に継続した調査研究は実施しておりません」と逃げるだけだった。

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それ以来、ダム誘発地震はタブー視され、研究がしにくくなったと関係者は語る。しかし、2003年に試験湛水を始めた水資源機構の大滝ダム(奈良県)で起きた地すべりの原因は「貯水」であることは日本政府も認めた。ダム誘発の地殻変動の原理は、地震も地すべりも「浮力」と「水圧」の組み合わせにあるとされる。貯水で生じる浮力で浮き上がった断層に水圧で水が押し入れられるというメカニズムだ。

中国政府は紫坪鋪ダムについて、その検証に必要なデータを共有したがらないと冒頭の記事は伝える。日本は2000基以上のダムを有する地震多発国として、政府も研究者も、胸をなで下ろす前に、タブーを打ち破り、研究の必要性に目を向けるべきだ。

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八ツ場ダム群馬の判決、各紙の反応

八ツ場ダム前橋(群馬)地裁判決について各紙の報道が
八ッ場あしたの会のホームページに整理されています。
http://www.yamba-net.org/modules/news/article.php?storyid=816

2009年6月27日 朝日新聞群馬版
ー八ッ場ダム前橋訴訟 住民側敗訴 地裁「県の裁量範囲」 原告側、控訴の方針ー
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000000906270002

2009年6月27日 東京新聞群馬版朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20090627/CK2009062702000122.html
ー八ッ場ダム訴訟 地元でも原告敗訴 「当然の結果」/「納得できぬ」 判決に複雑な反応
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20090627/CK2009062702000122.html

2009年6月27日 讀賣新聞群馬版
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20090626-OYT8T01158.htm
ーダムの必要性 認定 八ッ場ダム訴訟 原告敗訴 「東京判決の焼き直し」 控訴の方針 抗議声明を発表ー

2009年6月27日 毎日新聞群馬版朝刊
ー八ッ場ダム「水害防止、適法な事業」 地裁判決 支出差し止め認めず 「不当判決」原告ら抗議 推進派「地元生活再建図りたいー
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20090627ddlk10040214000c.html

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2009年6月27日 (土)

海の日に向けて八ツ場(やんば)ダム

「八ツ場あしたの会」が6月23日に、群馬県庁記者クラブで記者会見し、大河原雅子参議院議員(民主党)が提出した「供用開始遅延ダムおよび八ッ場ダム等に関する質問主意書」とその答弁明らかになった主な問題点について解説したとのこと。

「八ッ場ダムの進捗状況を分析した結果、工期の再度の延長、事業費の再度の増額の可能性がきわめて高い」というもの。

●詳しくはこちら
http://www.yamba-net.org/modules/news/article.php?storyid=810
関係資料はそのままこちらからもリンクします。
○質問主意書↓
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/171/syuh/s171186.htm
○ 政府答弁書↓
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/171/touh/t171186.htm
「八ツ場あしたの会」配布資料
◆ 八ッ場ダム関連工事の進捗状況(別紙1)↓
http://www.yamba-net.org/doc/200906/chart1.pdf
◆八ッ場ダム建設事業の事業費執行状況(別紙2)↓
http://www.yamba-net.org/doc/200906/chart2.pdf

●2009年7月20日(祝・海の日)に群馬県で開催される「ダムに負けない村」第三弾シンポジウムのチラシはこちら↓
http://www.yamba-net.org/doc/090720_flyer.pdf
シンポジウム、懇親会ともにスペースに限りがあるので予約制とのこと。
申し込みはお早めに↓
http://www.yamba-net.org/modules/formmail/index.php?id_form=1

●情報盛りだくさんのイベント報告ページはこちら
http://www.yamba-net.org/modules/wordpress/

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八ツ場ダム住民訴訟(群馬)

八ツ場ダム住民訴訟(群馬)
前橋地裁 第24回 2009年6月26日
●前橋地裁判決(PDF 9324KB)
http://www.yamba.jpn.org/shiryo/gunma/gunma_maebashi_hanketsu.pdf
●前橋地裁判決(要旨) (PDF 471KB)
http://www.yamba.jpn.org/shiryo/gunma/gunma_maebashi_hanketsu_youshi.pdf
●前橋地裁判決への抗議声明 (PDF 129KB)
http://www.yamba.jpn.org/shiryo/gunma/gunma_maebashi_hanketsu_seimei.pdf

「東京地裁の判決はエリート司法官僚
前橋地裁の判決は普通のヒラメ裁判官が書いた」

と辛辣なコメントも聞いています。
原告の抗議声明を読むと、判決の内容と理由、
そして、その不思議さがよく分かります。

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参議院附帯決議抜粋

最後に、私自身がこの法案を1年間フォローし続けた視点から、課題として附帯決議に残された点を抜粋しておく。(ここに抜粋しなかった他の点が重要ではないという意味ではないので、ぜひ、全体を見て欲しい。法律には明記されなかったものの政府や修正案提出議員たちが踏み込んで答弁し、政令に反映されていくべき点が盛り込まれている。)
参議院附帯決議全体 

@@@参議院附帯決議抜粋@@@

二、(略)また、軽微性を理由とした文書の不作成が恣意的に行われないようにするとともに、文書の組織共用性の解釈を柔軟なものとし、作成後、時間を経過した文書が不必要に廃棄されないようにすること。

三、行政機関の政策決定並びに事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるようにするため、行政機関による委託事業に係る元データが確実に取得される仕組みを検討すること。

五、保存期間の満了により廃棄される行政文書の量が膨大なものであることを踏まえ、廃棄に係る行政文書の内容の審査等に要する内閣総理大臣の補佐体制を強化すること。

八、公文書の電子化の在り方を含め、セキュリティーのガイドラインの策定、フォーマットの標準化及び原本性確保等の技術的研究を推進し、電子公文書の長期保存のための十分な検討を行うこと。

九、国立公文書館等へ移管された特定歴史公文書等に対する利用制限については、利用制限は原則として三十年を超えないものとすべきとする「三十年原則」等の国際的動向・慣行を踏まえ、必要最小限のものとすること。

十、特定歴史公文書等の利用請求及びその取扱いにおける除外規定である本法第十六条に規定する「行政機関の長が認めることにつき相当の理由」の有無の判断に関しては、恣意性を排し、客観性と透明性を担保する方策を検討すること。

十二、本法に基づく政令等の制定・改廃に際しては、十分に情報を公開し、多角的な専門的知見及び幅広い国民の意見が取り入れられる機会を設けること。

十八、附則第十三条第一項に基づく検討については、行政文書の範囲をより広げる方向で行うとともに、各行政機関における公文書管理の状況を踏まえ、統一的な公文書管理がなされるよう、公文書管理法制における内閣総理大臣の権限及び公文書管理委員会の在り方についても十分検討すること。(*)

十九、公文書等の管理に関する施策を総合的かつ一体的に推進するための司令塔として公文書管理に係る政策の企画・立案及び実施を担当する部局及び機構の在り方について検討を行うこと。

二十、行政機関のみならず三権の歴史公文書等の総合的かつ一体的な管理を推進するため、国立公文書館の組織の在り方について、独立行政法人組織であることの適否を含めて、検討を行うこと。

@@@抜粋以上@@@

@@@@@@@@@@@@@@@@
(*)「附帯決議十八」にある「附則第十三条第一項」は、衆議院で修正案として加えられ、可決・可決成立したもので、以下の通り(第二項もついでに掲載)。
=============
附則 (検討)
第十三条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行の状況を勘案しつつ、行政文書及び法人文書の範囲その他の事項について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
2 国会及び裁判所の文書の管理の在り方については、この法律の趣旨、国会及び裁判所の地位及び権能等を踏まえ、検討が行われるものとする。
=============
つまり、「附帯決議十八」は、行政文書の範囲は今後も広げていかなければならないことなどを強調している。
@@@@@@@@@@@@@@@@

また、今回の公文書管理法が、行政文書と民間から寄贈される歴史文書が対象となっているが、国会や裁判所についても同様に法律を検討していかなければならないことを意味する。

以上、五月雨式に必要最低限な側面からいつものごとく走りながら書いてきたので、読んでいただきにくい発信だったと思いますが、読んでくださった方に感謝します。

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公文書管理法成立

6月24日、参議院で公文書管理法が通過した。
賛成222で全会一致可決。
●23日に審議入りで、原案修正案 が一気に附帯決議および採決。
●参議院の附帯決議はここに掲載されている↓
http://www.sangiin.go.jp/japanese/gianjoho/ketsugi/171/f063_062301.pdf 
(参議院のウェブサイトは衆議院より総じて優れて使いやすい)

●6月23日参議院内閣委員会  質疑者
徳永久志(民主党・新緑風会・国民新・日本)    
松井孝治(民主党・新緑風会・国民新・日本)    
岩城光英(自由民主党)    
岡田広(自由民主党)    
山下栄一(公明党)    
糸数慶子(各派に属しない議員)

徳永議員、松井議員、糸数議員の質問は、興味深かった。
徳永議員の質問により、衆議院においてどのような考えのもとで(水面下で)修正協議が行われていたのが見えた(衆議院の審議においても、それは十分に見えたが)。
松井議員は元官僚で、行政文書がどのように下から上へと動いていくのか「経過」をよく知っているだけあって、微妙な側面を抱えつつ貴重な議論になったと思う。ただ、行政職員が職務時間中に業務として作る文書はメモも含めてすべて公文書だと考える私からすれば、若干、無駄のある審議に思えた。
与党川3人議員は、不勉強ではないか?と思わざるを得ない、与党にありがちな教養の披瀝と時間つぶし的な質問も多かった。

●23日当日の日経新聞「経済教室」で
廣田傳一郎・駿河台客員教授が衆議院での審議・修正を踏まえた形で
「成立待たれる公文書管理法 恣意的な隠蔽・廃棄許すな」と論考していた。
この分野をフォローしている人には一読を強くオススメします。

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2009年6月21日 (日)

原発ゴミ処理費情報に風穴(ベルギー/オーフス条約)

昨日、グリーンピース・ジャパンスタッフのクジラ事件が一体、日本社会にとってどのような意味を持つのか、と考えさせられるシンポジウムがありました。その後、スピーカーの一人で、ベルギーから来日したDirk Voorhoof博士と、隣り合わせで食事をしながら(博士いわく“Between soup and potato”)取材未満、雑談以上のお話をさせていただくことができました。

話は「言論の自由」から始まって、あちこちに飛び、すべての話が興味深かったのですが、「オーフス条約(★)」の話になり、「最近、とても面白いことがあり、原稿をホームページにあげたばかりだよ」という。ベルギーの緑の党「GROEN!」の政治家Tinne van der Straetenさんが「原発ゴミの処理費」情報へのアクセス権に風穴を開けたというのです。

この政治家はNIRAS(Belgian Agency for Radioactive Waste and Enriched Fissile Materials)という(日本で言えば原子力発電環境整備機構のような役割を持った組織?)機関に核廃棄物の処理にいくらかかるのかという情報を開示するように請求をした。5年に一回、定期的に発行している報告書があるのだそうです。

ところが非開示。一部黒塗りで開示すら拒否。なぜならば、この情報は国家の安全が関わっており、企業秘密も含まれているとNIRAS。一部を黒塗りにして公開すればあらぬ誤解を生みかねないと主張した。

そこに割って入ったのが、オーフス条約のもとに作られた独立委員会で、この委員会は核物質の場所や形体といった詳細を除いては、開示請求された報告書は公開しなければならないと裁定した。

ところがNIRASはその決定に従わずに保留。

これに対して今度は行政裁判所が(このケースの最高決定機関にあたるようです)、オーフス条約に基づく独立委員会の決定を是とした。手に汗握るどんでん返しにつぐどんでんがえし。「ところが面白かったのは、開示されてきた報告書を見るとね、一部黒塗りの部分は理解できるんだけど、『国家の安全』とか『企業秘密』とか一部黒塗りの公開すらダメと言っていたのは、全然そんなことなかったんだよ」「つまりウソだったんですね!」とカタルシスを感じながら叫ぶ私。「そう!ウソだったんだ!」と私の単純な英語につられてしまった博士。面白い!ということで、記事のURLを教えてもらいました。

The real price for nuclear power not secret anymore
By Brigitte Alfter and Dirk Voorhoof
http://www.wobsite.be/index.php?page=4&detail=475&PHPSESSID=5caa0cc269d5567a3909a2b048ab2510

オーフス条約のもとに作られた独立委員会の「独立性」にほれぼれ。

「ところでオーフス条約って東西欧州が統合されたときに東欧諸国の環境法制をレベルアップさせるために作られたって思っていましたけど、ベルギーでも使えるんですね!」って言ったら、ワカサギをつまみながら、エヘヘ、という顔をされていた。

「ところで、なんで、あなたはオーフス条約を知っているの?日本も加盟国?」と聞かれて、「いえいえ」から始まって、またまた話はヨソへと広がっていきました。

★念のためですが、「オーフス条約」とは、環境に関する①情報アクセス、②政策決定への参加、③司法アクセスの3つを柱に欧州諸国で結ばれている条約です。

シンポジウム本体もとても面白かったです。上記の取材未満、雑談以上の話とも重なるのですが、公益に関わること、環境、健康といった情報であれば、その所有者が公的機関であれ、民間機関であれ、個人であれ、それは公開されなければならない。そうした情報は「言論の自由」を確保するために必要である、という話でした。そのためには何をどこまでならジャーナリストやNGOはやっていいのかがシンポジウムのテーマでした。

情報を開示すべき範囲については、「公文書管理法案」の議論とも重なる話です。衆議院の修正で、「当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう」記録が残されていくことになりました(「軽微」という言葉がついているのを参議院でなんとかして欲しいですが)。また、民間企業が持っているものでも上記の定義に入ってくるものについては取得しなければならないということに同意をする形での政府答弁が確保されています。

けれども、日本は、どこまで何を公益情報と考えるのか、より深い議論が今後も必要になると思いました。

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2009年6月20日 (土)

どうにもこうにも水余りな日々

注目記事、資料、いろいろ紹介です。

【注目記事】
●畑用ダム取水率26%だけ 8千億円「無駄遣い」批判も
http://www.asahi.com/national/update/0614/OSK200906130180.html
朝日新聞(2009年6月14日)

この記事に注目した上で、記者、研究者、政策決定者の皆さんたちに
改めてきちんと読んでもらいたい資料は以下2つ。

一つは
●「水需要管理の実現に向けて」(2007年1月30日淀川流域委員会)
http://www.yodoriver.org/ikensho/ikensho_h18/pdf/mizujyuyou_kanri.pdf
たとえば、大阪府、大阪市でどれだけ水が余っているか、
そこだけ、ここに抜き出す。「yodo_river_water_demand_management.doc」をダウンロード 使うときは上記原典を確認してくださいね。

週刊金曜日12月12日第731号の「オオサンショウウオも泣いている」
http://www.kinyobi.co.jp/news/wp-content/uploads/2008/12/081212-003trim.pdf 
でその一部を紹介したけれど。
記事の中で引用させてもらった淀川流域委員会前委員の荻野芳彦荻野芳彦・大阪府立大学名誉教授は淀川流域委員会が生んだニッポンの宝の一人。

一つは
●国土審議会水資源開発分科会調査企画部会「総合水資源管理について(中間とりまとめ)」
http://www.mlit.go.jp/common/000040468.pdf
これがなぜまだ中間とりまとめなのかには深い理由があると思う。
かつて水資源開発公団は、水資源機構となり、新規ダムはもうつくらないことになった。
法律もそのように改正された。
「開発」から「メインテナンス」へである。
そのさらなる元である水資源開発促進法は廃止すべき時代にある。

そして、さらに注目 木曽川導水路事業→徳山ダム導水路

●『総工費3500億円の徳山ダム工事に、さらに120億円要求されて激怒ッ!』
河村たかし「ぼったくりバー」には払わん「フライデー7月3日(今出ている)号」
の横田一さんの記事

この件に関連して【注目記事や注目ブログ】
●徳山ダム導水路巡り7月にも公開討論会 名古屋市が表明
http://www.nikkei.co.jp/chubu/news/arc3197.html
●徳山ダム導水路の賛否を検討 愛知民主PT発足へ
http://www.chunichi.co.jp/article/politics/news/CK2009061402000154.html

●徳山ダム建設中止を求める会事務局長ブログ
http://tokuyamad.exblog.jp/11291507/ や
http://tokuyamad.exblog.jp/d2009-06-04 

●岐阜・徳山ダム建設:導水路計画 名古屋市長、中部地整局長と意見交換 /愛知
http://mainichi.jp/area/aichi/news/20090611ddlk23040264000c.html

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路木ダム、荒瀬ダム、鮎、青ノリ

熊本は相変わらず、住民が元気。
先日、熊本から上京した人々と高橋ユリカさんと、月島でもんじゃ焼きをつついた。
熊本県営「路木(ろぎ)ダム」がいかにバカバカしいかを聞かされ
お腹がよじれるかと思うほど笑った。
県の洪水の想定が正しければ、川が山を越え、山向こうの集落に氾濫することになっている。
県が過去に洪水被害が出たという戸数があるのだが、
どう数えても実際の集落の戸数より多い・・・。
そんないい加減な計画にお金を使うなら、
同じそのお金で荒瀬ダムを撤去した方がいいのにと。

そして、球磨川の鮎トラスト
http://ww71.tiki.ne.jp/~ayutra/
今年も始まった。そして、青のりも
http://ww71.tiki.ne.jp/~ayutra/aonori.pdf
実は、北海道でつる祥子さんにお会いしたときにいただいてしまい、
悔しいけれど、今まで食べた青のりの中で一番おいしかった!
食通の方は試すべし。

つるさんについてはぜひこちらを
●川を守ることが暮らし守る (熊本日々新聞)
http://kumanichi.com/feature/kawabegawa/shiten/shiten_20090618.html

【というわけで、上記を含む注目の連載】
熊本日々新聞
http://kumanichi.com/feature/kawabegawa/index.shtml

●未来への視点 連続インタビュー
2009年6月12日~連載中
(1)蒲島郁夫氏 熊本県知事
(2)青山俊行氏 国交省治水課長
(3)和田拓也氏 五木村長
(4)田中信孝氏 人吉市長
(5)柳詰恒雄氏 ダム建設促進協議会長
(6)※(つる)詳子さん ダム反対住民運動メンバー
(7)近藤徹氏 元河川整備基本方針検討小委委員長
(8)元長野県知事、参院議員 田中康夫氏

●民意のうねり 知事決断への道程
2009年6月3日~6月10日
(1)住民討論集会(上) 「推進」堅持から「中立」へ
(2)住民討論集会(下) 大義揺らぎ「反対」の流れに
(3)新利水計画「事前協議」 議論実らず事業休止
(4)ダム事業審議委 反対運動に火付け
(5)住民投票 高まる機運議会は否決
(6)有識者会議 基本高水論議から解き放つ
(7)世論の把握 人吉市長の表明決め手に
(8)熊本方式 合意形成へ実験続く 

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2009年6月18日 (木)

公文書管理法案と海外動向と臓器移植と

臓器移植法の4案
思わず気になって厚生労働委員の事務所に電話をかけた。
どうなるんですか?と。
過半数を超えた案が可決するというのだが、まったく分からないという。

読売新聞がこれまでそれなりに書いているかなと思うが、
「臓器移植どうなる?午後衆院で4案採決…年齢制限など焦点」
(2009年6月18日11時10分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090618-OYT1T00354.htm 
『国際移植学会が自国外での臓器移植自粛を求めた「イスタンブール宣言」を採択』
『世界保健機関(WHO)も臓器移植の自国内完結を促す指針』

だけど、前者で言えば、
ある意味、「移植」学会が移植について物をいうのは当然として、
小児科や各種臓器の学会が沈黙してきたのはいかがなものか、
生命倫理などの学会はどうなのか、という声も聞くし。

後者で言えば、たとえば、
調査捕鯨をやめろと何度もIWC(国際捕鯨委員会)で決議されているのに
日本は「拘束力がない」と無視したり(*)、

歴史文書は30年たったら原則公開しましょうという
国際的な動向「30年原則」を無視して、
利用制限が30年を越えてもかかる公文書管理法案が今、参議院にあがっている。
政府への取材段階では、この点については今後(国会も含めてということだろう)
の議論に委ねるということだった。
衆議院では、修正までには到らなかったが、附帯決議はついた。
参議院では、来週、審議らしい。

海外の動向、国内議論、世論、専門家・・・・
1億2千万人の国民はもちろん
約700人の国会議員がすべての法案について勉強して票を投じているわけではない
その実態を知る者として、今日の投票結果はとても気になる。

臓器移植法案の中には、
人の死を法律で定義づけることになる案までが含まれていることが
(脳死における「死」の定義づけと整合性が生まれてしまうこと)
理解された上で裁決がされるのであれば、まだしも・・・・と思う。
これだけは、不勉強なままで投票して欲しくない。
しかし、記名投票により、430票のうち、A案が263票で可決。
B,C,D案は議決を要せず終わった。

*(興味ある方は、拙稿『クジラ肉を盗んだのは誰か』
http://www.kinyobi.co.jp/consider/consider_newest.php
(週刊金曜日2009年6月12日/754号)をお読みください)

これにも黒塗り文書が出てくるので、公文書管理法案とも関係が深いです。

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2009年6月14日 (日)

参議院での公文書管理法案審議

今週16日(火)に参議院内閣委員会で公文書管理法案の審議が始まる。
以下はこれまでのフォローとこれからの課題。

公文書(歴史文書)の「利用制限」
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-d2bb.html
公文書管理法修正案と附帯決議
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-13a4.html
公文書管理法 修正案、主なポイントと課題
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-187d.html
公文書管理法案審議抜粋(目次)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-b76f.html

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脱ダムが再度必要な浅川の治水

環境情報専門誌「グローバルネット」での連載から転載です。

グローバルネット2009年3月(220号)
http://www.gef.or.jp/activity/publication/globalnet/2009/200903.html 
川、開発、ひと~日本の経験、アジアの経験
第27回/脱ダムが再度必要な浅川の治水
(ジャーナリスト まさの あつこ)

「脱ダム」という言葉が日本に生まれて8年になる。田中康夫・長野県知事(当時)が、大仏ダム中止の表明をしたのは就任半月後の2000年11月。その数日後に訪れた浅川ダム予定地で、住民対話集会後にこれまた中止を表明。翌年2月の「脱ダム」宣言と共に下諏訪ダム中止も表明した。その宣言は三つの考えに貫かれていた。

一つは環境負荷。「数百億円を投じて建設されるコンクリートのダムは、看過し得ぬ負荷を地球環境へと与えてしまう。更には何れ(いずれ)造り替えねばならず、その間に夥(おびただ)しい分量の堆砂(たいさ)を、此又(これまた)数十億円を用いて処理する事態も生じる」

もう一つは財政負担。「多目的ダム建設事業は、その主体が地元自治体であろうとも、半額を国が負担する。残り50%は県費。95%に関しては起債即ち借金が認められ、その償還時にも交付税措置で66%は国が面倒を見てくれる。詰(つ)まり、ダム建設費用全体の約80%が国庫負担。然(さ)れど、国からの手厚い金銭的補助が保証されているから、との安易な理由でダム建設を選択すべきではない」

最後に、環境への負荷と県財政への負荷を比較し、「河川改修費用がダム建設より多額になろうとも、100年、200年先の我々の子孫に残す資産としての河川・湖沼の価値を重視したい。長期的な視点に立てば、日本の背骨に位置し、数多(あまた)の水源を擁する長野県に於いては出来得る限り、コンクリートのダムを造るべきではない」とした。

翌3月に「長野県治水・利水ダム等検討委員会条例」を成立させ、最終的に9基の県営ダム計画を中止、また同年、国直轄の戸草ダムの利水事業からの撤退も表明した。奇しくもそれから7年が経過した2008年6月、国交省中部地方整備局は、事実上の中止である「戸草ダムの建設見送り」を決定した。

穴あきダムとしての復活
しかし、2006年8月に就任した村井仁知事は県営浅川ダム計画を復活させた。浅川は長野市内を流れる千曲川の支流だ。千曲川が増水すると、合流地点で堤防が5メートル低い浅川に逆流して溢れる。そこで、合流地点に樋門が設置され、門を閉めて逆流を止めるようになっている。ところがそれでは浅川上流からの水が行き場を失って溢れる。そこで千曲川へポンプで排水するが、大きな洪水になると千曲川への流入を抑えるためにポンプを止めてしまうというややこしい治水策をとっている。

田中知事時代(2006年6月)には、次のような当たり前の説明が県議会で行われた。「浅川の水害には、上流域からの流量に起因する水害と、千曲川の流量に起因する下流域での水害の二つの要素が存在します」「浅川下流域の内水被害はダムを造っても防ぎ得ない」。

かつては堤防を本流と同じ高さに揃えることなどが検討されたこともある。しかし、農地がつぶれるなどの反対で浅川ダム計画が浮上した。ところが、ダム予定地から合流点までには7本の支流が流入し、治水の決定打にはなりえない。

それなのに何故か村井知事は2007年2月、「国土交通省関東地方整備局をはじめ、国土技術政策総合研究所、独立行政法人土木研究所等からのご助言をいただいた」として治水専用の「穴あきダム」として復活させた。同年5月に公聴会を開催したが、1人5分以内の制限付きで一方的に94名に意見を述べさせたのみ。県はこれに対する見解をホームページに掲示した。「多岐に渡る意見をまとめて回答した」(県河川課)というが、例えば、「100年に1回の災害を想定して多額の費用を投入すべきではない」という意見と「長年にわたり十分な議論が尽くされている」に、「ご意見としてお受けしました」と一括りに答えている。

25分の1模型実験
県は昨年7月、技術的になじみのない穴あきダムについて、実物の25分の1の模型による公開実験を(株)ニュージェックの水利模型実験場(京都)で行った。詳細設計に反映するとして実験の目的を次のように設定した。①常用洪水吐き(写真):ダムが計画通りの放流機能を持ち、流入土砂や流木が穴を塞がないか。②流木捕捉工(写真):流木を上流で捕捉できるか。③減勢工:放流水を下流河道に安全に流下させるために水の勢いを減らす工夫。④下流河道:計画の流量が安全に流下するか―――を確かめる。

上流側から100年に1度の洪水に匹敵する水を流し、ダムを満水にし、それが空になるまでの約3時間半(実際の5分の1)の経過を見る実験だ。その間、土砂や流木に見立てて、上流側からバケツで土砂や根も葉もない棒を流す。実験結果はほぼ計画通り、土砂や棒が穴に詰まることなく水が穴から自然流下したということになるのだが、治水効果は言うまでもなく、首を傾げる点は多々ある。

一つは流木捕捉工について。筆者が見ている目の前で、流木捕捉工に見立てたプラスチック棒が、流木に見立てた棒の重みに耐えかねて、「ポーン」と外れて飛んでいった。大量の流木(+流水)の圧力に耐えられる流木捕捉工なるものができるのか。またこの流木捕捉工の下からダム湖に流れ込む流木はどうなるのか。さらに、写真で分かるように流木に見立てているのは、あたかもウソの形容詞のような「根も葉もない」棒である。参加者から漏れた「根も葉もあったらどうなのか」という点はこの実験では皆目わからない。また、ダム湖周辺は地すべり地帯であり、こうした流木の重みが地面に加わるとどうなるのかもモルタルで頑丈にカバーされた実験施設ではわからない。

二つ目は堆砂について。通常は水循環を妨げないので土砂が溜まらないことが穴あきダムの一つの売りだったが、水が貯まって穴から出ていくまでには流速が落ちるので、水が引いた後には堆積土砂が残されていた。流水と共に下流へきれいに押し流されるわけではないようだ。

三つ目はこの実験では問題にされなかった魚道について。穴あきダムの売りの一つは魚の移動も妨げない、だった。ところが、実際にはダム堤体の底の穴の前に流木や土砂よけのスクリーンが、さらにその前にスリット状の「副ダム」が設置される(写真)。下流側には魚道が設置されている。今回の実験では魚類の降下や遡上効果は検証の対象になっておらず、「今後も実験の予定はない」「これまでに多自然型川作りをやってきている」(県浅川改良事務所)という。

長野県は2009年度予算に17億円をつけ、村井知事は2月県議会で「浅川の治水ダムの本体工事に着手」の説明を行った。しかし、治水効果が限定的と分かっている場所に、長期的な環境負荷を残すダム建設に税金を投じる価値がるのか、もう一度、再考すべきではないか。

(浅川ダム水利模型実験画像は3月31日まで長野県HPで見ることができる。
http://www.pref.nagano.jp/xdoboku/asakawa/mokei/douga1.html

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不特定容量とはずれる需要想定に基づく設楽ダム計画

環境情報専門誌「グローバルネット」での連載から転載です。

グローバルネット2009年1月(218号)
http://www.gef.or.jp/activity/publication/globalnet/2009/200901.html

川、開発、ひと~日本の経験、アジアの経験/第25回
不特定容量とはずれる需要想定に基づく設楽ダム計画
(ジャーナリスト まさの あつこ)

愛知県設楽(したら)町は、三河湾に注ぐ豊川の最上流に位置し、世帯数2437戸弱。1962年に電源開発株式会社が発電ダムとして予備調査を開始して頓挫。2004年に国交省が多目的ダムとして環境影響評価法を適用した設楽ダム建設(2070億円)の計画地である。このダムの基本計画ができたのは2008年10月。貯留容量のうち7割が「不特定容量」で、「流水の正常な機能の維持」と「堆砂容量」が占め、「無目的ダム」と揶揄されても仕方がない。

設楽町は事業に正式に同意をしたわけではないが、2008年1月に「設楽ダム建設同意の判断材料とする」と県国に課題を示し、事実上の条件闘争中だ。水源地域振興などの名目で行う計113億円のハコモノ事業費に対し、県と下流市町から8割の補助を引き出す確約を取り付けた。その他の事業が加わり30億円強が町の負担になる。

これに対し「一世帯あたり100万円以上。ダムはできて欲しくありません」と語るのは一住民の伊奈紘さんだ。「設楽ダム建設の是非を問う住民投票を求める会」(代表伊藤幸義さん)が設立され、8月に住民投票条例の直接請求運動が起きた。

あっぱれな農水省批判?
事業の是非は、すでに2007年4月に始まった愛知県などを相手取った公金差し止めの住民訴訟でも問われている。ダム建設目的の3割に過ぎない治水、利水の不要性を訴えている。豊川では01年度に完成した農水省の豊川総合用水事業ですでに従来の5割増しの3億8,000万m3が供給可能となった。しかし、毎年の使用実績は2億7,000万m3。余力が1億m3もあり、新たな施設は必要がないというのが原告の主張の一つだ。

ところが国交省中部地方整備局の設楽ダム工事事務所の河野龍男副所長は「1億m3の意味を『余力』と勘違いしている。事業計画による開発容量で実際には少雨化などにより取りたくても2億7,000万m3しか取れなかったということだ」と反論。これが本当なら、豊川総合用水事業が計画倒れだったことを主張するあっぱれな告発だが、残念ながら自省の新規事業を正当化するためのお粗末なウソであることは明らかだ。

観測史上雨量が最少だった2005年の被害を問えば、「水道を72日取水制限した」と河野副所長はいうが、その中身は「最大30%の給水圧の調節のみ。ダムも空にならず、この年が観測史上最少雨量であったことも知らない人がほとんどです」と言うのは訴訟の中心部隊である「設楽ダムの建設中止を求める会」の市野和夫代表だ。

「しかも少雨化傾向はまったく見られません」と、市野氏は気象庁データを示す(図)。国と同様に少雨化を主張する愛知県に根拠を問えば、「国交省が国土審議会で豊川水系の観測地点で降雨を分析した資料」だと言う。関心を寄せる納税者でさえ第三者データによる検証を行ったのに対し、財政を預かる県では事業者データを鵜呑みにしただけだったのだ。

図と表はこちら「shitarafig.doc」をダウンロード

需要想定がはずれる「実績」
県は「国の計画に基づいて東三河の市町村の水道事業者が買う」ことが前提だというが、県が持つ水(①)は2015年の水需要想定(②)を上回る(表)。ところが「少雨化の傾向があるために国の計算で62%しか取れない」ため(③)、設楽ダムから水を流して安定させ(⑤)、最終的に足りない水量(⑥)をカバーするための設楽ダムだと、5段階の仮定を重ねて必要性を捻り出している。

しかし県には需要想定がはずれる「実績」がある。長良川河口堰だ。工業用水として確保した2.93m3は未だに一滴も使い道がない。県企業庁が企業から徴収するはずだった受益者負担は、現在、納税者が収めた税収で負担している。今度の「少雨化」も早くも論破されながら、馬耳東風の様相だ。

一方、治水のための容量はダムの2割。集水域も豊川の11%に過ぎない。それ以外の9割の地域で雨が降ったときには用をなさないため、流域全体で堤防強化や低地の開発規制など総合的な対策が先決ではないかと原告団は考えているが、これにも河野副所長は「ダムも堤防も両方で対策する。戦後最大の洪水に対応すべく整備計画を立てた。基準地点「石田」で水位が60センチ下がる」と主張。しかし、治水基準である「計画高水」に照らして「何センチ以下か」と聞いてもその数値は「手元にない」と言う。単純な確認取材に対し、その場しのぎの回答を24時間待ちで返して来るが、その先を質問すると途端に回答が滞る。

閉鎖性海域への影響を考慮しないアセス
市野氏は、「僕たちの世代は、高度成長期以前の豊かな川の記憶を持っている。春4月頃はウナギの稚魚の群が浅瀬の石ころの間を真っ黒に遡上するのを見た。農薬が使われるようになり、それがプカプカ浮いてくるのも見てきた。人間のやることがどんなにお粗末かを見てきた」のが会の活動の原動力だと明かす。愛知大学教授時代は地域環境論が専門だった同氏は、「三河湾はこれまでの開発で汚濁が進んだ代表的な閉鎖性海域です。その閉鎖性内湾に流入する河川の影響は非常に大きい。さらなる河川開発を行うとどうなるかという典型例となるはず。累積的な影響を踏まえた先進的なアセスをやらなければならなかったのに考慮されなかった」と環境影響評価法の問題も指摘する。

住民投票妨害
住民投票はどうなったか。小中学で長年教師を務めた伊奈氏は「住民投票の前に町内16箇所でダム学習会を企画しました。地域の代表者のところへ回覧板を回して欲しいと頼みに行きましたが、その後、国と県職員が各代表者のところに『行けば反対だと思われるぞ』、『(私たちの情報を)鵜呑みにしないように』と言って帰った。なぜ妨害をするのかダム工事事務所に文句を言いに行くと『地元の有力者から』頼まれたと言うのです。誰かと聞けば『守秘義務があるから言えない』と。水没地住民には県職員が『署名をすると補償交渉が遅れるぞ、まさか署名しないだろうね』と言ったために、一度は署名した人が申し訳ないが消してくれと言って来たこともありました」と数々の妨害を明かす。

果ては住民投票の署名集めのさなかに、推進派が「住民投票によらない設楽ダム問題の早期解決を求める請願」を提出。議会はそれを署名提出日前に採択。住民投票条例案は11月10日に否決された。「ダムはできる前から地域を破壊する」と各地で言われてきたが、それが設楽町でも起きている。伊奈氏は「水没にともなう人口減少も心配。水没予定120戸が町外移転すれば、地域経済や小中学にも大きな打撃です」と懸念する。

無目的な貯水、仮定の水需要、限界ある治水策に対し、失われるものが余りにも多すぎるという住民の声が、何故かき消されるのか。まったく不可思議な事業である。

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海を豊かにする「荒瀬ダム撤去」が川を豊かにする

長い間、転載をサボっていましたが、環境情報専門誌「グローバルネット」での
連載から転載させていただきます。

グローバルネット2008年11月(216号)
http://www.gef.or.jp/activity/publication/globalnet/2008/200811.html 

川、開発、ひと~日本の経験、アジアの経験/ 第24回
海を豊かにする「荒瀬ダム撤去」が川を豊かにする
(ジャーナリスト まさの あつこ)

「小学校のときには4km沖まで潮干狩りに行った。魚が澪筋にぴゅーっと泳いだりしていた。なんでも採れた。ハマグリ、マテガイ、ウノカイ、アサリ・・・今?採るものがない」と熊本県八代市在住の鮎釣り名人の塚本昭司さんは言う。

「『荒瀬ダム撤去』って聞いたときは嬉しかったですよ、俺の年と変わらんですよ。荒瀬ダムは。俺たちのときが一番変わった。まずアマモが消えて、砂がなくなって。(昔は)潮が引くとアマモが頭を出して沖に白い波頭が立つんです。風が吹いてもアマモがあるところはベタ凪ぎで、沖から泳いで入ってくるとほっとした」と語るのは同市の漁師、古川耕治さんだ。

球磨川の話を八代で聞けば、人々の口からは豊かだった海がさまざまに語られる。海の汚染源がたくさんあることはわかっている。しかし、荒瀬ダムを撤去すれば、一歩でも昔の姿に戻ることができる。そう期待に胸を膨らませている人びとは少なくない。天草諸島に囲まれた不知火(しらぬい)海の豊かさは、そこに流れ込む球磨川に左右されてきたことを、その変化から見てきたのだろう。

ダム撤去の背景
荒瀬ダム(八代市坂本町/元坂本村)は、1954年、球磨川総合開発計画に基づいて県が作った発電専用ダムだ(写真)。かつて県内需要の約16%を賄ったものが現在は1%弱。

発電の代償は地元住民には深刻だった。ダム放水による振動、貯留による悪臭。堆砂による河床の上昇で、数km上流の瀬戸石ダムとの間に挟まれた地域では洪水時の浸水もある。瀬戸石ダムのはるか上流には市房ダムがあり、中流域はさながら三段重ねのサンドイッチ状態で、具にあたる地域は、上からの放水と下からの水位上昇でダム洪水に泣かされてきた。

それでも、川沿いの狭い地域社会では、「土建業の下請けのまたその下請けや役所勤めの家族や親戚がいる中で、ダムは嫌だと声をあげるのは難しい」時代が長かったと、中流域の芦北町で生まれ育った緒方雅子さんは言う。「都会から声があがって、声をあげやすくなり」一つの形になったのが旧・坂本村議会が出した2002年のダム撤去決議だった。自民党県議団の提言や県議会の決議を経て、同年12月、2010年度末の水利権の終了以降に荒瀬ダムを撤去することになった。

WDC報告に反する要望書
この方針が変わったのは4月16日の蒲島郁夫知事の就任後だ。6月4日の定例記者会見で突如、「撤去の方針を凍結し、事業継続の方向で再検討」と発表。理由は財政再建、地球温暖化対策、「稼げる県」をマニフェストに掲げたこと、そしてダム撤去費用が当初予想を大きく上回ることになったことだという。電気事業者たる「県企業局」の説明で、当初60億円だった撤去費用が計72億円に増加。その上、橋(現在はダムと一帯なので代替)が20億円、他8億円で総計100億円となりダム維持の方が安い計算になったという。その後、県の支出額から言うと維持なら9億円、撤去なら49億円と算出された。

この転換について、企業局荒瀬ダム対策室の主幹・今村智氏は、最初は「知事は『日本大ダム会議』の方が作った『未来エネルギー研究会』のホームページに書かれていた国府高校の学生の議論を読んで、考え方のフレームワークが変わったようです」と述べた。

日本大ダム会議は、大規模ダムの成果の普及などを旨とした社団法人だ。役員は官僚OBと電力業界役員。4月15日には未来エネルギー研究会が「荒瀬ダム撤去・藤本発電所の廃止の再検討に関する要望書」を知事宛に提出している。同会の幹事で元通産省の佐山實氏に取材を試みると、日本大ダム会議のメンバーであったことは認めるが、同会議は「研究会とは関係がない」と言う。研究会は数人で1月に設立。要望書は知事の他、経済産業省、国土交通省も送ったという。「熊本県民は何を考えているんですか、世界の様子をみてください。水力発電は価値があるんです。貴重なものですよと言いたかったんです」という。活動の「当面のターゲット」は荒瀬ダムだと言う。

しかし、大型ダムは水力発電で得られるメリット以上の環境影響をもたらすと世界的に認識させたのは、「世界ダム委員会(WDC)」の報告書だ。2000年、WDC報告書は「既得権益が影響力を行使して」「客観的な評価が行われなかった結果」、ダム建設が進められてきたとの一説も含んでいる。WDCには日本大ダム会議の本家「国際大ダム会議」元議長も委員として参加している。通産官僚OBによるこの要望書こそが、時計を逆回しにした行為に思える。

県企業局という独立採算組織の思惑
一方、2003年7月に設置されダム撤去計画を検討する「荒瀬ダム対策検討委員会」(企業局が事務局)は今年3月に発表するはずだった結論を保留にしたまま休止中だ。八代市長から橋などの地元要望を置いたまま結論を出さないで欲しいと言われたのが理由だと言う。先述の今村主査は、「ダム撤去の方針は今考えれば、ムードと勢いで決まった」と個人的見解として述べ、「橋がなくなり地域が分断され、お年寄りが歩いて向こう岸に渡れないなどについて議論が足りなかった」と言う。

しかし、地方交付税などのメリットを差し置いてでも「ダム撤去」を決議したのは坂本議会だ。地域が分断と言っても、現場へ行くと橋を渡ると言ってもお年寄りには遠い距離だ。周辺3集落はのうち2つは限界集落で一つは准限界集落だ。「橋は坂本村が合併後に八代市長が言い出したと聞いた」と尋ねれば、今村主査は「八代市長は地域審議会の委員に突き上げられている」と一委員の名前を漏らす。他に何人が橋を欲しがっているのかと聞けば、人数は分からないという。

企業局に、知事の方針転換は、未来エネルギー研究会のホームページがきっかけかと確認をすると、「きっかけは私たちの報告だったと思います」と言い直した。3月に保留、4月に要望書、知事就任、5月に企業局説明、6月に方針転換の流れである。

企業庁は財政赤字に苦しむ県庁本体とは別に、黒字経営を独立採算で行っている。実際、ダム維持のためには30億円の内部留保金があると説明。県負担は9億円で済むという計算だ。しかし、なぜか撤去費には30億円の留保金は算入されず、県拠出金として49億円とはじかれる。黒字は発電収入が寄与しており、独立採算なら撤去費も企業局が出してもいいようなものだ。また「コンペで競わせればもっと安くなる」との声にも「前例がない」で考慮すらしない。また、ゲートのコンクリートだけ撤去して橋を残すなど安くできるアイデアはすべてはねつける。

「荒瀬ダム対策検討委員」の地元代表の一人で、喫茶店経営者の出水晃さんは、「金がないなら、撤去しなくてもゲートを2~3年開けて調査すればいい」と言う。出水さんは、1966年、京都の大学にいたときに川辺川ダム計画の発表を聞いて、翌年春の卒業と同時に飛んで帰ってきた。川で遊んだ日々を思い、川を守りたい思いで40年を過ごした。県民の代弁者として、こうした人々の思いをどう受け止めるか。川辺川ダム白紙撤回に続き、蒲島知事の決断が注目されるのは12月議会となりそうだ。

~~~~~~~~~~~
この記事が出たのは昨年11月15日頃だったが、その直後、蒲島知事は、球磨川は熊本の宝という認識で川辺川ダム計画中止を決断したのとはまったく整合性のとれない結論を出した。撤去しないという。財政が大きな理由の一つだったにもかかわらず、現在、推進する合理的な理由がまったくない県営の路木(ろぎ)ダム計画を進めている。

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2009年6月13日 (土)

スローライター

そんなこんなで(どんなだ?)知り合いの弁護士が、
「まさのさん、最近、本業は?」と心配をして電話で尋ねてくれたので、
「はぁ、捕鯨について書きました。
グリーンピース・ジャパンスタッフが逮捕された影で
国は何を隠したのかというトーンです」と言うと、
安心だかさらなる心配だか分からないが、「ほぉ」と・・・

●クジラ肉を盗んだのは誰か
http://www.kinyobi.co.jp/consider/consider_newest.php 
(週刊金曜日2009年6月12日/754号) 

1年前に起きた事件だが、来週からIWC総会も始まるし、
国際社会ではこれからますます注目されることになるのではないかと思う。
クジラを食べる人も食べない人もぜひ読んで欲しい。

もともとスローライターの私
(調子よくブログでポンポン書くときもあるが、汗や涙的なもので
実は自分で一種の学習障害だろうと思っているぐらい遅い
頭にはいって、わぁ、問題だ~と思ってからアウトプットの時間がとても長い。

たとえば、公文書管理法案の件は、
ここで昔、さんざん書いて裁判までやった
球磨川水系の河川整備基本方針審議の発言者名入り議事録と
テープの「不存在」問題から始まったことの
私なりの落とし前(アウトプット)である
これは、働くものの月刊学習誌「まなぶ」2009年1月号で
「『公文書』と私」というエッセイで書いたけれど)。

他にも半年前から長いもので3年、書かなければならないのに
書けないで苦しんでいる原稿が複数ある。関係者の皆さん、ごめんなさい。
別に芸術作品を書いているわけではなく「報道」の部類なのだが、
昨年からそこに学術論文も加わって、市民としてのある調査にもかかわっており
(挑戦あるのみ。計画性のかけらもないアホです)
出口を争ってジャムっているというのが正直な話。
最終的にすべては「臭いにおいは元から絶たなきゃダメ」
(このフレーズが分かる人は怪しい同年代の妙齢です)
というところで、仕組み(法律)にまで到ることになり
だんだん書く作業だけでは飽き足らなくなり
勝手に苦しんでいます。ごめんなさい。
そういうものに限ってアウトプットしあぐねて
ブログでも表現できていないことが多く、本当に申し訳ない。

それと、これ、でました。↓
● 『環境自治体白書2009年版
―「グリーン・ニューディール」で持続可能な社会をつくろう!』
http://www.seikatsusha.com/book18.html 
・ダム行政に民意は反映されるか─計画決定手続きから検証する日本のダム問題

現物支給で数冊余分に来た・・・。

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オオサンショウウオをシャウトしてみた

昨年、週刊金曜日12月12日第731号で
川上ダムのことを書こうとしていたときに
http://www.kinyobi.co.jp/news/wp-content/uploads/2008/12/081212-003trim.pdf 
どうにもこうにも理不尽なダム計画に、泣けて泣けて原稿が書けなくなり
気持ちのままに唄でシャウトしてみた。

●オオサンショウウオの唄

飛べもしない、自動車にも乗れない、モノも言えない。
世界最大の両生類で、日本にしかいない。
形態が3千万年前からほとんど変化もしていない。

そんな子が暮らすところに川上ダム計画があるってどういうこと?

「日本固有の動物で著名なもののうち、学術上貴重で、
わが国の自然を記念するもの」として昭和26年に天然記念物に、
翌年「世界的にまた国家的に価値が高い」と特別天然記念物になった。

そんな子が暮らすところに川上ダム計画があるってどういうこと?

平成12年の環境庁が絶滅危惧種IIに指定、
三重県も伊賀市もそれぞれレッドデータブックで指定。
川上ダムの水没予定区域に188匹、上流に729匹
合わせて1000匹近くいる。

そんな子が暮らすところに川上ダム計画があるってどういうこと?

「河川生態系の食物連鎖の頂点に位置する動物であり
生態系保全の象徴としても重要な種である」
(平成14年3月三重県教育委員会)

そんな子が暮らすところに川上ダム計画があるってどういうこと?

同じ姿で3千万年も生きてきた不器用なオオサンショウウオの旅を
飛ぶことも、自動車にも乗ることも、
モノを言うこともできる人間が、終わらせますか?

参照:
○特別天然記念物オオサンショウウオ保護管理指針(2002年3月三重県教育委員会)
http://www.pref.mie.jp/BUNKAZAI/HP/pdfs/oosannshouuo.pdf  
○オオサンショウウオ(日本のレッドデータ検索システム)
http://www.jpnrdb.com/search.php?mode=map&q=03010020022  
○  淀川水系流域委員会第71回委員会(2008年1月29日)審議資料2-5「川上ダム
建設事業について」http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/71th/pdf/iin71th_s02-5.pdf 
~~~~~~~~~~~~~~~
現地に暮らしていた人はもう追い出された後で
部外者である人間がメソメソしているのでは申し訳なく恥ずかしいので、
この唄は特定のMLにだけ流した。

「オオサンショウウオも泣いている」という週刊金曜日のタイトルは
私を育ててくれたとも言える編集者(か、そのデスク)が付けてくれたタイトルだが、
泣きながら書いていたことがバレていたのだろうかと苦笑いした(^^;)。

こちらでは
■「Foreverオオサンショウウオ」シンポ
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/forever-2764.html  
■5月30日は三重県にGO!
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/go-fac4.html 
とだけ流させてもらった。

ここにも横田一さんが駆けつけてくれて先週5日発売のフライデーで
「三重発 伊賀を流れる清流は日本有数のオオサンショウウオのすみかだった!
橋下知事認可の川上ダムが『天然記念物900匹を殺す』」
を書いてくれた。やっと昨日読んだ。さすがに面白かった。
ちょっと宣伝がおそくなって申し訳ないが読むべし。

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ダム事業中止のための法案パブコメ

民主党が選挙に向けて、パブコメをやっている。
↓法案のパブコメについての民主党のお知らせ
http://www.dpj.or.jp/news/?num=15982
「ダム事業の廃止等に伴う特定地域の振興に関する特別措置法案(仮称)骨子案」
http://www.dpj.or.jp/news/files/090520public_comment.pdf

鳩山由紀夫代表が代表になる前に、
民主党が政権をとったら八ツ場ダムを中止すると公約し、
それとセットで「ダムが止まっても現地で翻弄され続けた人の生活が
今以上に困窮することがないように」と
1都5県で八ツ場ダム住民訴訟を提起中の住民団体から強く要望され続けていた。

法案に対する意見の募集期間は、2009年5月20日から2009年6月20日まで

見てみると、単に法案が張り付けてあるだけではなく、問いも書いてある。
たとえば、
~~~~~~~~~
(問) 法案骨子では、県が設置する協議会が地域再生の計画を策定することとしていますが、この点についてどのように考えますか。
~~~~~~~~~
そこで、こんなコメントをつけた。
●基本的によいが、少子高齢化、過疎化の進む地域が想定されるので、地域振興計画については、ハコモノに偏らず、教育・福祉・医療・I/Uターン促進策など、地域が必要とするソフトな計画も含めて、柔軟な地域振興計画となるようにする(第3関係)。
●その妨げにならないように主務大臣を国交大臣と農水大臣と固定しない方がいいのではないか。(都道府県が必要な所管庁の協力を得ることがでいるとするなど)(第8関係)
●後々、維持管理費で自治体負担が苦しむことにならないよう、自治体の財政計画との整合性を取らねばならないとするべき。

~~~~~~~~~~
(問)法案骨子では、計画の公告縦覧等広く意見を求める手続を定めていませんが、この点についてどのように考えますか。
~~~~~~~~~~~~~~
には、こんなコメントをつけた。
●公告縦覧や公聴会や住民集会といった、特定地域振興協議会と一線を画した場を設定するのではなく、特定地域振興協議会を、
1.公開で開催すること(議題によっては非公開にできるが、その場合は情報公開法の非開示事由に相当する場合等のみ)
2.特定地域の住民は公募により行うこと
3.公募に漏れた住民に対する公平性を担保するために住民/非住民にかかわらず、誰もが特定地域振興協議会を傍聴でき、特定地域振興計画を協議する際に、傍聴者も質問や発言ができるようにすること。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
などなど、問いのすべてとその他に、意見を付けて出した。

自民党が選挙で負けたら(参議院で負けて、その後も時間を引き延ばしてきただけのことで)、現、福田・中曽根・小渕議員の先代たちがはじめた事業が終わり、この法案に命が吹き込まれ、新しい時代へと一歩踏み出されるのか。

確かなことは、
国民の実力に応じた行政や司法や国会しか存在しないということだ。
最近になってイェーリングの「権利のための闘争」を読んだ。
 「世界中のすべての権利=法は闘い取られたものである」
 「権利=法は、単なる思想ではなく、生き生きした力なのである」

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わ~い、カナダde日本語で

キャパシティが小さいのでパンクし続けていた。

6月7日、人気ブログ『カナダde日本語』の
「森田健作の辞職を求める署名に1,000名以上集まる」
http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-1631.html#more
というところに、4月20日に書いた
「八ツ場ダム推進の政治家の発言と「公文書管理」の関係」
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-482e.html
が全文転載された、と群馬から連絡が来ていた。
署名は、きっこのブログで紹介されるや否や、ど~んと集まったらしい
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2009/06/post-111e.html
凄い。
「森田知事の政治責任を追及する6.11決起集会」
というのが、初の県議会に合わせてあったらしい。いけなくてゴメン。

4月20日に書いた通り、八ツ場ダムを推進する議員の生態を見聞しておこうと
これには行ったが、次々と「有名政治家」たちの発言を聞くうちに、
なんだかこんな人たちの発言を報道することに自分の時間を使うことが
嫌になってしまった。

選挙中に八ツ場ダムについては「中立」としていたのに、当選した途端に、「治水利水の両面から考えて、やらなきゃダメですよ!皆さん!私はですね、それを基本的な姿勢として訴えてまいりました」とのたまった森田知事の汚さには反吐が出そうになったし、

最も唖然としたのは、「昭和39年の東京オリンピックの年はたいへんな水不足の年であったと記憶しております。そして2016年の東京オリンピックでは八ツ場ダムができている。それで水は大丈夫という中で東京オリンピックを迎えたいというふうに思うわけでございます」という有力県議の発言だった。この人、土建屋さんである。

1964年の東京オリンピックのために作られた八ツ場ダム計画を、時代をグルっと一回りして、冗談にも次のオリンピックをよくもまぁ引き合いに出せるものだと、そして、その発言にゲラゲラと会場から笑いが起きたことに対して、もう我慢ができなかった。

この人たちの言葉を伝えるのは嫌だ、と思った。
もう要らないよ、このダムは、とそのオリンピック発言で
我に返らない政治家は、おかしいんじゃないか?
一体、ここはどこだ(都庁なんだが)と、気が遠くなってしまった。

(テープ起こしをしてくれる協力者がいたので、
そのままを最低でもブログでアップした)
(その結果、群馬からは、いつもこんなことを聞かされている身にもなってくれ
だからドンドン伝えてくれと・・・。
だから今度から反吐を吐きながらでも頑張ってみる・・・
自信はないがイメージトレーニング)

ちなみに、その時、撮った写真は、
同業者の横田一さんがうまく週刊金曜日で活かしてくれた。

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公文書(歴史文書)の「利用制限」

公文書管理法案 残された課題・・・・

ここまで、公文書管理法案の肝と考えた「公文書」のうち、
行政文書の定義と、作成(取得)義務がかかる範囲や保存期間の問題を中心に発信してきた。(こちらで報告できているのはそのごく一部だが)

文書がきちんと作成され、行政文書であると定義され、保管されないことには残っていかない。情報公開法の基礎となる部分だからだ。

そこが衆議院である程度クリアされ、改めて全体を見ると、作成され、保管され、歴史文書となったあとの課題も小さくはないことが見えてきた。

国立公文書館に移管された歴史文書を、国民は、情報公開法の開示請求にあたる「利用請求」することができる。ただし、情報公開法に非開示事由が許されているように、公文書管理法でも「利用制限」条項がある。その「利用制限」は情報公開法の非開示事由と整合性がある。

「おそれがある」という判断する側の「恣意性」により、存在しても「非開示」「利用制限」をかけることが可能だ。今回、数えてみると23箇所にわたり「おそれ」のあるものに利用制限をかけることが可能になっている。
●外交上のおそれ
●捜査情報に関するおそれ
こうしたものが含まれていて、利用請求を行う場合の仕組みは
 第三者に対する意見書提出の機会の付与等(第十八条)
 利用の方法(第十九条)手数料(第二十条)
 異議申立て及び公文書管理委員会への諮問(第二十一条)
に書かれているが、その仕組みは国民側から見て妥当なものか、
歴史学者たちは十分に精査して、参議院内閣委員に意見を寄せて欲しいと思う。
情報公開法と車の両輪でよくも悪くも整合性があるので、
実は、この部分は歴史学者だけではなく、
リアルタイムで行政を監視する人々にも関係がある。

資料を作ったのでご活用いただければ幸い。「closed_document.doc」をダウンロード
「おそれ」に黄色でマーカーを付けておきました。

ちなみに、国際的には、「利用制限は原則として30年を越えない」とする国際公文書館会議の決議(1968年)がある。
参議院に送られた法案では、「『時の経過』『等に応じ』保存しなければならない」となっているが、衆議院では、「国立公文書館等へ移管された特定歴史公文書等に対する利用制限については、利用制限は原則として30年を越えないものとすべきとする。『30年原則』等の国際的動向・慣行を踏まえ、必要最小限のものとすること」と附帯決議がついた。

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公文書管理法修正案と附帯決議

公文書管理法案の修正案が衆議院のウェブサイトに掲載された。

●「公文書等の管理に関する法律案」提出時
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g17105041.htm 
●可決した修正案
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/syuuseian/1_50B6.htm 
●ただし、上記では分かりにくいと思うので、
入手した新旧対照表のPDFをこちらに上げておきます。
と思ったら大きすぎてこのブログでは無理なので、
瀬畑源さんが載せているのでこちらに
http://www008.upp.so-net.ne.jp/h-sebata/koubunsyo/sin-kyuu.pdf
それから附帯決議はこちら。「public_record_lower_house_resolution.pdf」をダウンロード

ちなみに、
「修正案」は一般の人にはとても読みにくい。
私は政策秘書時代も今も、新旧対照表しか見ない。
ウェブサイトに掲載するなら、新旧対照表を載せた方がいい。

また、附帯決議はそれを議員が読み上げるから「議事録」には残るけど、
法案とともにウェブサイトにはそのままが掲載されない。
しかし「附帯」とはいえ「決議」だし、
修正には盛り込まれなかったが、残された課題が記録されている。
それらは本来、事後的なフォローが必要なものでもある。
多くの場合、あまり意味のない附帯決議があることも事実だが
今回の附帯決議は意味あるものがあるので、ぜひ、上記をクリックして読んで欲しい。

かつて永田町でシゴトしていたときに質問主意書の本文や答弁が、
ウェブサイトに掲載されるのが遅いと、一議員事務所として苦情をもらったことがある。
そこで、「その仕事をやっている衆議院事務局に直接伝えてもらえないか?」と
逆に頼んだ。

「そうします」と。それからしばらくしてもの凄く早くなった。
今はさらに当時から比べると速くなっている。
国会を身近なものにするか、使い勝手のいいものにするかどうかは国民次第。
仕事する側も忙しいから「ついつい」ということはある。
監視して、重大な要望はダイレクトに自力で伝えることが大切。

とはいえ、衆議院事務局さん、これ読んでいたら、以上2点の改善
どうぞよろしくお願いします。
(参議院のサイトには意見を寄せるコーナーがあるんですけど・・・)

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2009年6月11日 (木)

公文書管理法 修正案、主なポイントと課題

昨年から丸1年間追ってきた公文書管理法案。学会なる場所、ジャーナリストとして、一国民として、メディアワーク(メディアへの情報提供)も含めて、やれることは皆やった。とりいそぎここでは一ブロガーとして、昨日、衆議院内閣委員会を通った与野党共同の修正案の主なポイントと残された大きな課題を整理しておく。

○目的の主語に国民が加わった。(第一条)
一方的な政府の説明責務に、国民からの利用が加わった
「公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源とし
て、主権者である国民が主体的に利用し得るものであること」

まさの感想
これは大きい。行政法の目的の「主語」に初めて?
「主権者である国民が」を主語に持つ行政法が誕生したのではないか?
これはちょっと内閣法制局に取材したいなぁ。

○作成すべき文書の範囲が拡大し、例示された(第4条)
「行政機関の職員は、この法律の目的の達成に資するため、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、次に掲げる事項その他の事項について、文書を作成しなければならないものとすること。
1 法令の制定又は改廃及びその経緯
2 1のほか、閣議、関係行攻機関の長で構成される会議又は省議の決定又は了
解及びその経緯
3 複数の行政機関による申合せ又は他の行政機関若しくは地方公共団体に対し
て示す基準の設定及びその経緯
4 個人又は法人の権利義務の得喪及びその経緯
5 職員の人事に関する事項

まさの感想
例示は例示として「その他」がついた上で、政府案では「意思決定」と「実績」だったのが
「意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう」と入ったのは大きい。

しかし「処理に係る事案が軽微なものである場合を除き」は余計。衆議院の審議の中でも、民主党逢坂議員、社民党重野議員、参考人福井秀夫教授から問題にされていた。

他にも運用段階で大きな意味を持つ修正が多くなされたが、一方の残された最大の課題は、

○文書廃棄の判断は依然として行政に残ってしまった。歯止めの仕組みは盛り込まれたが(第8条)

行政機関の長は、保存期間が満了した行政文書ファイル等を廃棄しようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議し、その同意を得なければならないものとすること。この場合において、内閣総理大臣の同意が得られないときは、当該行政機関の長は、当該行政文書ファイル等について、新たに保存期間及び保存期間の満了する日を設定しなければならない。/内閣総理大臣は、行政文書ブァイル等について特に保存の必要があると認める場合には、当該行政文書ファイル等を保有する行政機関の長に対し、当該行政文書ファイル等について、廃棄の措置をとらないように求めることができるものとすること。

まさの感想
政府案では「行政機関の長」が国立公文書館への移管か廃棄かを判断することになっていたのに比べると、「内閣総理大臣」の同意が必要になり、「内閣総理大臣」から廃棄しないよう求める権限も備わった。しかし所詮、行政。例えば行政から独立した国立公文書館・記録管理院の長官の承認なしには捨てられない米国と比べると劣る。審議の中、および附帯決議で、修正案提出者、また民主党の西村議員から、将来を見越した理想像は提示はされた。

上川初代大臣いわく「立法府の意思」として修正案は提出されたが、政府答弁は、あいかわらず「政令で定める」「公文書管理委員会へ諮問する」を連発。

参議院で、行政が死守したがる傾向にある行政の恣意が利く幅に縛りをかける審議が、さらにどこまで行われるかが一つの見どころです。

まさのあつこ

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2009年6月 7日 (日)

公文書管理法案審議抜粋(目次)

★法律案を見たくなった方はこちら↓
http://www.cao.go.jp/houan/171/171-2anbun.pdf (案文)
http://www.cao.go.jp/houan/171/171-2youkou.pdf  (要綱)
http://www.cao.go.jp/houan/171/171-2shinkyu.pdf (関係法の新旧対照)

★たくさん書きすぎたので、本日書いたコマの目次です

【公文書管理法案審議 抜粋の目次】

●公文書管理法 気になる修正協議の行方
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-1cca.html
●修正協議が終わってまだできること、残されたことのチェック
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-d416.html
●公文書管理法案審議(その1)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-0cdb.html
共有財産/知る権利/行政文書の定義/行政文書の作成、取得義務/政策形成過

●審議その1関係(行政の恣意性排除と政治家の役割)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-86fe.html
●公文書管理法案審議(その2)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-821b.html
個人的なメモ/文書ファイル/行政文書ファイルの管理簿/移管と廃棄/利用、
30年原則/利用と恐れ
●公文書管理法案(その3)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-a64d.html
政令、文書管理規則/司法府、立法府/大量破棄/制定プロセスの管理
●個人メモについて
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-a20a.html
●公文書管理法審議(その4)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-1901.html
公文書管理担当機関/知る権利、最高裁判例、利活用/行政文書の定義/
作成義務/公文書管理担当機関の独立性/統一的なルール(政令)と省ごとの規定(文書管理規則)
●知る権利について
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-8942.html
●公文書管理法案審議(その5)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-fd92.html
総務省の文書管理業務の業務・システム最適化計画/紙媒体、電子媒体/総務省と内閣官房公文書管理検討室
/システムの維持管理費/行政文書ファイル管理簿の検索
●公文書管理法案審議(その6)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-24bf.html
保存期間問題
●公文書管理法案審議(その7)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-9ff4.html
委託先のバックデータの取得/行政改革
●公文書管理法案審議(その8)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-1b9a.html
いつの時代から/歴史文書かどうかの判断基準/中間書庫
●中間書庫について
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-c85a.html
●公文書管理法案審議(その9)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-42fe.html
政策形成過程としての「審議会」の議事録/法務省から国会図書館への閲覧禁止要請
●議事録の作成について
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-ca1a.html
●公文書管理法案審議(その10)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-ea93.html
アメリカの公文書館と日本での不存在/
●公文書管理法案審議(その11)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-05e2.html
国民が主体的にかかわる権利/内閣法制局と議員立法/文書管理の司令塔/罰則
/販売目的で発行されるものは除く?/民営化企業/ 補助金など公金で作成する文書/軽微なもの
●公文書管理法案審議(その12)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-8ca9.html
公文書の意義/最近の取り組み/移管率の現状/レコードスケジュール/意思決定過程/集中管理/利用
●公文書管理法案審議(その13)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-0061.html
衆議院内閣委員会 参考人質疑 

次の審議は6月10日(水)だと聞いています。衆議院内閣委員会です。
まさのあつこ

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公文書管理法案審議(その13)

エネルギー切れしました。あとはURLを↓
衆議院内閣委員会 参考人質疑 平成21年5月29日(金曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090529013.htm  
ビデオライブラリはこちら↓
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php 
→右側のカレンダーから2009年5月29日(金)をクリック
→2009年5月29日(金)内閣委員会をクリック

参考人
・尾崎護(公文書管理の在り方等に関する有識者会議座長)
・三宅弘(弁護士・獨協大学法科大学院特任教授)
・福井秀夫(政策研究大学院大学教授 日本計画行政学会常務理事兼行政手続研究専門部会長)
・菊池光興(独立行政法人国立公文書館長)

★この中で注目したい語録は、
建設省に約十五年間勤務した経験を持つ福井秀夫氏によるもの
「証拠等の提出を当事者の判断にゆだねるという当事者主義の行政訴訟制度のもとでは、みずからに不利となる資料やデータは、仮にそれらが存在していたとしても、行政側から積極的に法廷に提出するということは一般的に行われていないのが実態であります。(興味深い発言続く・・・)」

「国会や一般国民からデータや資料を要求した場合には、論点が顕在化しにくく、請求者の目的や意図にもよりますけれども、基本的にはできるだけ不親切にする、提出を実質的に拒むか、そうでなくても、何らかの批判を浴びる可能性がある論点についてはあいまいな形で提出するという傾向があります。(興味深い発言続く・・・)」

「行政の意思決定は、その結果以前に、それに至るプロセスに非常に意味がある、特筆すべき場合が多くあります。しかし、そのようなプロセスが行政文書として保存されることはほとんど望めないのが実情です。本来は、行政の透明性、公正性を確保する観点からは、明確な基準を設けて、プロセスについてもガラス張りに匹敵する透明度の高いものとし、後世の人々だけでなく、現在を生きる国民に情報が同時に共有できるようにすることが望ましいと考えます(興味深い発言続く・・・)」

「私的文書あるいは公的文書の境目は何かということでございますけれども、私的か公的かというのは、公務員が、いや、これが私的だと自分で言い張るものが私的であってはならないということでございます。すなわち、給与の対価として作成されたもの、執務時間中に作成されたものは、幾ら本人が私的だと言い張っても公的文書だということは当然でございまして、その観点から、情報公開法と公文書管理法ではそういった基準を明確にするということが将来の課題だと考えます」

原文はこちらへGO!
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090529013.htm  

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公文書管理法案審議(その12)

ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-05e2.html 
一気書きの限界が来て、休日も終わってしまったが、やっと、この日最後の質問者。
初代・公文書管理担当大臣です。(政変によりたった1年間でコロコロ3人が交代した中で、最も精力的に動き、評価された大臣)

【抜粋】です。議事丸ごとは、こちら↓
衆議院内閣委員会平成21年5月27日(水曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090527012.htm

●公文書の意義
上川陽子議員(以下、敬称略):(略)基本的な考え方ということで三点ほどお伺いをしたいというふうに思います。第一の項目につきましては、公文書の意義についてでございます。(略)

小渕国務大臣:(繰り返しなので略)

上川:公文書の意義につきましては、大変大事な国民の共有財産であるという認識については、今小渕大臣からのお話のとおりでございます。そのことも含めて、本法案におきましての目的の規定の中にもしっかりと書き込むべきではないかというような声も実はいただいておるんですけれども、このことにつきましては、私は、法律の持っている趣旨に照らして考えれば、でき得る限り、最終報告の趣旨も生かしつつ、また今大臣が御指摘いただいたことの大変大事な心髄のところを目的の中にしっかりと書き込んでいくということは大変大事なことではないか。

●最近の取り組み
第二点でございますが、(略)私は、昨年、大臣就任早々に、十九の省庁を視察いたしました。一時間の予定というところを大幅に上回って、かなり細かく現場の中を拝見させていただきまして、省庁によっては、ああ、しっかりやっているなというふうに思うところもあれば、ずさんな管理で、これで仕事がやっていけるのかというような気持ちになるところもございまして、(略)そこで、文書管理の改善努力、公文書管理担当という形で任命をされてから、全体的に見ると一年と数カ月たっているところでありますが、この間の改善努力は大変私も気になるところでありまして、このことについての取り組みの最近の状況についてお伺いしたいというふうに思います。

山崎政府参考人:(繰り返しなので略)また、工夫した取り組みを行っております省庁の事例を参考として対応するため、文書管理に関する優良事例集といったようなものを配付いたしますとともに、情報共有のための連絡会議の開催、各府省への研修といった取り組みを実施しているところでございます。

上川:第三点目でありますが、私は、公文書管理の改革というのに当たりましては、やはり職員の皆さんの徹底した意識改革が大前提ではないか(略)。

増原副大臣:今の財務省、前の大蔵省なんかは文書課というのがあるんですね。省内の分については大体そこが全部やるんですが、やはり日が当たるポストとはとても言えないというところがありました。一方において、私も主計局で勤務いたしましたが、そこに法規課というのがあるんですが、そこでは、財政法とか会計法、これに照らして当該支出が適正かどうか、違法性はないか含めまして、過去の事例も含めて、全部各予算係から上がってくる相談事をきちっと起承転結調べて、そして結論を出してやるんですね。各省庁から来る場合もあります。これは毎年毎年きちんとしたファイルになっていまして、別冊にしてつくってある。目次集は事項ごとにずっと毎年毎年できていくという感じなんですね。(略)一つは、人事考査の面で、今上川委員言われたように、もう少し日の当たるようなものにしていく、これも大事なことだと思います。(略)おろそかになっている研修などにつきましても、どういうふうにやればその充実が図られるかについてまた検討を重ねてまいりたいと思います。

● 移管率の現状
上川:移管率の現状につきまして、これは省庁別にかなり違いがあるということでありますので、そのことも踏まえて、移管率の現状についてまずお伺いしたいと思います。

山崎政府参考人:各府省から国立公文書館に移管される公文書等の移管率でございますけれども、年度によって若干のばらつきがございますけれども、府省全体といたしましてはおおむね〇・七%程度であったところ、平成二十年度には一%程度になったというふうに承知しております。省庁別の状況につきましては、省庁それぞれに事情が異なるところでございますけれども、例えば農林水産省からの移管数は、平成十九年度に約千二百冊であったところ、平成二十年度は約四千冊が移管されるなど、移管促進に熱心に取り組んでいただく事例も出てきているところでございます。

上川:〇・七から平成二十年は一%という御指摘でございまして、その中でも農林水産省の移管率が、例示的ではありましたけれども、アップしたということであります。このアップした理由でございますが、私も大臣就任中に、若林大臣が、農林水産関係の、特に戦後の農地改革の広報資料というものが大変各地域に、地方に残されていた、これを移管したいと決断をなさったということで、これを受けてもしかしたら移管率が高くなったのかなというふうに推察するわけでありますが、この点はいかがでございましょうか。

山崎政府参考人 確かに、上川先生が大臣のときに、若林農水大臣といろいろと調整をしていただきまして、それが移管率向上の大きなきっかけになっているのではないかと思っております。

上川:トップの決断というのが大変大事だなということを改めて痛切に感ずるわけであります。(略)そうはいっても、平成二十年の一%というこの状況は、私は、他の国々の公文書の移管状況あるいは公文書の管理の実態から照らしてみても、必ずしもレベルの高いものではないというふうに思うわけでありますが、他の国々の公文書の移管状況につきましても、比較の中でどう考えているのか。またさらに、この法律が制定されて、できるだけ高い比率で移管していただきたいというふうに思うわけでありますが、大体どのくらいのパーセンテージで現用文書から歴史公文書としての移管をすべきと考えるのか、この辺の見通しにつきまして、今の段階の御見解をお願いしたいというふうに思います。

山崎政府参考人:厳密な統計数字ではございませんけれども、例えば米国におきましては二、三%、カナダも同様でございます。なお、米国につきましては、昨年秋に中山恭子大臣がアメリカのNARAに行かれたときに、ワインシュタイン長官から、はっきり二、三%だという数字を得られております。そのほか、イギリスが五%、ドイツが五から一〇%。それに比べまして、我が国におきましては〇・七あるいは〇・八というのは極めて低い、今は極めて低いというのが現状でございます。そういうことで、本法案が仮に通って、適正な文書管理が行われ、適正な移管が行われた場合について、推測することはなかなか難しいわけでございますけれども、アメリカが二、三%ということでございますので、最終的にはそういう方向になるのではないかなというふうに推測をしているところでございます

●レコードスケジュール
上川:今回の仕組みの中で特に注目している取り組みとして、レコードスケジュールを導入したという点に注目をいたしておりますし、これは大変画期的なものではないか。(略)立法府、司法府の文書の移管についてはどのように検討をしていくつもりなのか、この点につきましてもあわせて御答弁をお願いしたいと存じます。

並木大臣政務官:レコードスケジュールというのは、個々の文書ごとにライフサイクルをあらかじめ定めるというものであります。これまでは、移管、廃棄の判断というのが、保存期間を満了するときに、短期間に慌ただしく行われてきたという実態があります。そういう意味で、今回この法案でこのレコードスケジュールを導入したことによりまして、行政文書の保存期間満了前に、必要に応じて国立公文書館の専門家のサポートを受けつつ、各省庁において移管または廃棄の判断を行っていく。そして、その上で、歴史公文書等に該当するものはすべて国立公文書館へ移管されるということになっておりますので、歴史的に重要な文書がこのレコードスケジュールによって国立公文書館等へ確実に移管されるということになると考えております。

立法府と司法府の文書の移管についてでございますけれども、これは、それぞれの府に事情とか判断もあります。三権分立というところから、義務的にこの協議機関を設けるということは、今回、ちょっと現時点ではできなかったわけですけれども、合意を得ながらお互い協議して定めをつくり、そしてその定めに基づいて、国立公文書館において保存する必要があると認める場合には内閣総理大臣が移管を受けることができるという旨も規定しているところで、これは十四条でございますけれども、そういう規定がございます。

上川:文書が作成された後のどのような段階でこのレコードスケジュールが決められるのか、このことについて政府の方からよろしくお願いしたいと思います。
山崎政府参考人:できるだけ早く設定したいと考えております。また、設定された後は、行政文書ファイル管理簿に記載されますし、また定期的に内閣総理大臣への報告が行われますとともに、公表も行います。そこで明らかになるわけでございます。そして、この報告を受け、移管、廃棄の設定に仮に問題があると考えられる場合には、内閣総理大臣が実地調査あるいは勧告を行いまして改善を図る仕組みとなっておりますので、これらの手段を総動員することによりましてかなりの改善が図られるのではないかと考えております。

上川:このレコードスケジュールのところにおいては、法文上はどのような記述がなされているのかということについて回答をお願いします。(略)立法の趣旨としては、作成された時期にできるだけ近いところでレコードスケジュールが付与されるという趣旨であって、満了前にあらかじめという、こちらの、移管、廃棄のところに近い時期に決定をされるという趣旨ではない、こういう理解でよろしゅうございますか。

山崎政府参考人 上川先生御指摘のとおりでございます。

上川:そうしますと、作成の早い時期にレコードスケジュールが決められるということでありまして、そういう意味では大変安心して、つくってそして保管していくというプロセスが流れに乗る、こういう仕組みになろうかと思います。ただ、その満了した後に廃棄するのか、あるいは歴史公文書であるのかどうか、この判断を、できるだけマニュアルにのっとって、一律に、統一的なルールで決めていくべきと私は思いますけれども、仮にこれがなかなか難しい判断だという場合の対応につきましては、ここは専門的な知見が大変大事ではないかというふうに思うわけであります。この点については新しい法制度の中ではどのような工夫がなされているのか、よろしくお願いします。

山崎政府参考人(繰り返しなので略)

● 意思決定過程
上川:(略)作成すべき文書に関しては、意思決定の結果だけではなく、その意思形成過程についてもきちんと文書が作成されるべきと考えているわけでありますが、この法案の中ではこの点に関してどのように確保されているのか。御答弁をいただきます。

山崎政府参考人:(略)文書の作成、これは第四条でございますけれども、事務事業の実績あるいは意思決定過程をわかるように書くということで、これは有識者会議の提言を踏まえて、ただ、法案作成の過程で、法律の条文としては有識者会議そのままの言葉とはなっておりません。しかしながら、有識者会議の報告書をもとにこの法案をつくったわけでございまして、当然、有識者会議の御提言を反映して法体系を築き上げるというのはもちろんでございますので、今後、政令で定める詳細な基準につきましては、公文書管理委員会で御議論いただいた上で決定されるわけでございますけれども、この有識者会議の趣旨が最大限生かされるようにしていきたいと考えている次第でございます。

上川:文書作成については、意思形成過程も含めて作成義務があるというふうに理解しておりますけれども、この点も確認をさせていただきたいというふうに思います。再度、答弁をお願いします。

山崎政府参考人:昨年十一月にいただきました有識者会議の最終報告では、意思決定過程や事務事業が合理的に跡づけられるように文書を作成すべきといったような御提言をいただいております。それにのっとりまして、この法案、そしてそれに基づく政令で、最大限それを尊重して規定するということを考えております。

● 集中管理
上川:集中管理ということについて、実は現場の視察の中で大変印象深かった事例がございました。これは人事院の視察の場でありましたけれども、保存期間三年以上の文書につきましては、原則、主管課において一年間保存した後に文書管理担当課に引き継いで、文書管理担当課において集中管理をしている、こういう事例でございます。先ほど増原副大臣の話に主計局という話もありましたし、各業務によっても違いがあろうかと思いますけれども、一定の年限が来たら原則すべて集中管理にしていくという形で原課を離れるということ、このことは、文書の自立というか、そういう意味でも大変大きな制度になり得るのではないかというふうに思ったところであります。
 最終報告におきましても、「長期保存される文書を中心に、統一的な管理を推進することにより、組織の改編・廃止があった場合も含めて、ファイルが、劣化・散逸等しないようにする。」ことが提言されているところであります。同じ省の中でもさまざまな形で局や課が統廃合されたりということが起きるわけでありますので、その際の措置としても、一定の年限が来たところで集中管理の方向にでき得る限り持っていく、そういう意味での集中管理のシステムというのは大変重要というふうに考えておりますが、この点につきまして、本法案でどのように確保されているのか、お伺いをいたします。

山崎政府参考人:有識者会議の最終報告におきまして、集中管理の推進につきまして御提言をいただいたところでございます。これを受けまして、この法案の第六条におきまして、「時の経過、利用の状況等に応じ、適切な保存及び利用を確保するために必要な場所」における保存義務を定めております。若干持って回った言い方というような判断もあるかもしれませんけれども、この時の経過というのが、大体、文書というのは各府省の原課、要は何々局何々課というところで保存されるわけでございますけれども、そこは、一定期間終了後、文書管理の統括課に移すというようなやり方もあるでしょうし、また、同じ法案の国立公文書館法第十一条第一項第二号等におきまして、国立公文書館において中間書庫業務を行うことができる規定を設けているところでございます。
 ただ、こういう、ややちょっとおっかなびっくりのような、義務づけまでは至っていない規定を置いておりますのは、この中間書庫を仮に設けるとなりますとかなり経費がかかる話でございまして、内閣府といたしまして、おととしぐらいからこのパイロット事業を始めたところでございますので、そこは引き続き検討すべき点もあるということを踏まえまして、こういう条文になっている次第でございます。 さらに、昨年十一月の関係府省連絡会議におきまして、「作成又は取得から一定期間が経過した行政文書ファイルについて、文書管理担当課による集中管理の実施について検討する。」ということを申し合わせておりまして、引き続き研究あるいは推進を図っていきたいというふうに考えている次第でございます。

上川:今、持って回ったような文言になっているということでありまして、まさに持って回ったような文言になっているということであります。(略)それでは、有識者、専門家の活用というところでございます。(略)現用段階から、文書管理のライフサイクルの全般を通じて、いろいろな形の専門的知見を生かすことができるような仕組みを入れているということでありますが、もう一度この点に関して、どのような改善を図っているのか、この点について御答弁をお願いいたします。

山崎政府参考人(略)

上川:ここは大変重要な点であるということで、再度御質問をさせていただいたわけでありますが、現場の判断に任せないということ、そして、専門的な立場での知見を最大限活用し、適切に文書が移管されるということ、この仕組みを、先ほどのお話でもありましたとおり、作成のなるべく早い段階からしっかりとした道筋をつけていくということだというふうに思っております。ぜひここの点については、制度の実際の運用というところに至るすべての過程の中で透明性の高い形になるように、このフォローにつきましてもよろしくお願いしたいというふうに思っておるところであります。次に、利用の促進ということでの質問をさせていただきたいというふうに思います。

●利用
上川:(略)この公文書の利用促進に関しての方策につきまして、御答弁をお願いいたします。

山崎政府参考人:現用文書の利用につきましては、本法案におきまして、本法に基づく文書管理の徹底が図られることによりまして、文書の不存在といったような件数が減少し、現用文書の情報公開制度の的確な運用を通じて、その一層の利用に資するものと考えております。また、非現用、いわゆる国立公文書館に移管された歴史公文書の利用につきましては、本法案におきまして、移管された文書につきまして、国民からの利用請求を請求権というふうに法的に位置づけました。この法的に位置づけるということは、もし不開示に不服がある場合には不服申し立てができるということでございます。これによりまして、標準処理期間の設定等の行政手続法の関係規定が適用されますとともに、特定歴史公文書等の利用制限に対しまして、利用者が行政不服審査法に基づく不服申し立て、あるいは行政事件訴訟法に基づく取り消し訴訟を行うことができるようになることが明確になりまして、利用に関する手続的保障が格段に整備されるということになります。あわせまして、国立公文書館所蔵の文書のインターネット利用を可能といたしますデジタルアーカイブ化など、特定歴史公文書等のさらなる利用の促進、これは第二十三条でございますけれども、規定もございますので、このデジタルアーカイブ化の促進につきましても一層努めてまいりたいと考えております。

上川:文書のライフサイクルを通じた利用の促進ということについては、シームレスに利用ができるようにということでありますので、情報公開法との絡みも含めて、でき得る限り、この公文書管理法の中に、公開という形の中の規定も明示的に入れ込むべきではないかな。情報公開法の絡みの中で推測するということではなくて、情報公開法との関連の中で利用ということではありますけれども、この公文書管理法の中にも、この利用ということについて、しっかりと公開のルールを入れ込むべきではないかというふうに私自身思っているところであります。(略)今後の取り組みの基本的な考え方につきまして、副大臣から答弁をお願いいたします。

○増原副大臣:行政改革というので、毎年毎年定員削減をしていく、要るところにつけていくというのをやってきておりますね、小さな政府を目指してというのでありますが。今のような状況だと、極めて難しいことだと思います。(略)午前中、本当に司令塔として大丈夫か、こういうふうなお話が出ました。まことに私はお寒い限りであるというふうに思っております。定員あるいは予算の面においてもっとしっかりしたものをつくっていかないと、この法律で目的に書かれてあることが達成できないと思います。そういう意味で、しっかり頑張ってまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから施設面でありますが、二十一年度の当初予算におきまして調査検討費をつけていただいております。これでもってやっていくのでありますが、いずれこれも、施設、これでいいのかという議論は当然出てまいります。そのときに、将来を見据えた形のことをしっかり頭に据えて、この調査検討費の中では、将来設計を施設についてもやはりきちんとしていかないと、今のシャビーなままの部分を前提にした部分はよろしくないと思っておりますので、頑張ってまいりますので、ぜひ先生方の御支援もよろしくお願いいたします。

上川:(略)これから国家事業として取り組むというスタートをこの法案は切るわけでありますが、そのことの実現に向けての取り組みには、段階を経ながら、十全にその整備がなされるように努力をしていかなければいけないということでございます。(略)

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公文書管理法案審議(その11)

そろそろ限界が近づいてきましたが、ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-ea93.html

新しく出てきた論点のみ抜粋させていただいてます。【随分はしょった抜粋】です。
議事丸ごとは、こちら↓衆議院内閣委員会平成21年5月27日(水曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090527012.htm

国民が主体的にかかわる権利
重野安正議員(以下、敬称略):今の大臣の答弁でも、国民というのはこの中ではあくまでも受け身なんですね、受け身。この法律は、まさしく公文書、公の文書でありますが、そういう与えられるものではなくて、それらについて国民は主体的にかかわる権利を持っている、その趣旨がこの法案の目的のところに出ていないという認識を私は持つわけです。そこのところは、やはりこの法律そのものを規定づける極めて重要な要素をはらんでいると思うんです。この法律の主体が国民にあるんだというところがなぜもっと具体的に表現されないのか、改めて聞きます。

山崎政府参考人:国民の共有財産という御指摘でございます。確かに、有識者会議で国民の共有財産という提言をいただいたわけでございますけれども、財産という用語は、通常、金銭的価値のある権利と解されておりまして、こういう用語を本法案で規定するのは適当ではないのではないか、そういうふうに考えたことによりまして、目的規定には含めておりません。(略)最終報告書で国民共有の財産と記述された趣旨は本法案において反映されたのではないかというふうに考えております。

重野:趣旨において国民共有の財産という認識を持つのであれば、今一々説明をしなくてもいいように、国民共有の財産という文言をすたっと入れれば済むことなんですね。なぜこんな回りくどい説明をするようなことになるんですか。

山崎政府参考人 :国民共有の財産というのは、普通は金銭的価値を持つものに対して使う言葉で、それに伴いまして分割請求権という問題が生じまして、共有財産というふうに規定しますと、国民が、では、うちの持ち分をよこせというようなことにもなるのではないかという関係方面の御指摘も踏まえて、このような文言にした次第でございます。

内閣法制局と議員立法
重野:知らしむべからず、よらしむべしという言葉がありますが、あなたはまだそんな発想を持っているんじゃないですか。何で共有の財産といえば金銭的なんという狭い解釈をしなければならないんですか。共有の財産というのはまさしく共有の財産であって、そういう金銭的な云々というふうな説明をあえてするというのは、僕はこれはおかしいと思う。そんな説明で、そんなスタンスでこの法律をつくっているんですか。これは法律の趣旨を規定づける極めて重要な要素ですよ、この問題は。(略)例えば大阪市の条例では、第一条の目的に「市政運営に関する情報は市民の財産である」、このように書いているんですね。これに比較しますと、今の説明を聞けば聞くほど、もうわけがわからぬ。何でそんな回りくどいことを言わなきゃならぬのですか。大臣、この「貴重な共有財産」という文言、この意味をどうとらえておりますか、お聞かせください。

増原副大臣:委員御指摘の点、私どもお聞きしていまして、非常によくわかります。とかく内閣法制局というところは、これまでの事例をずっと調べまして、それで、その用語の使用が適切であるかどうかとか言ったりいたしますが、一方で、議員立法などにおきましては、どんどんと従来の慣例を破った形でもって、新しい感覚でそれを取り入れております。御趣旨は十分私も御指摘の点についてはわかりましたので、いろいろまた、この御審議を踏まえながら考えてまいりたいと思っております。

重野:我々の側も、この法案については、修正協議が進められつつありますが、そういう中でしっかり生かしていくように、そしてそれを正確に受けとめていただきたい。次に、法案を見ますと、目的としまして、公文書の管理と適正な保存は、行政の適正かつ効率的運営のためや、国などの国民への説明責任のためとなっております。いずれも主語は行政であり国なんですね。しかし、公文書は決して国や政府、時の為政者のためにあるものではない。中国の春秋時代の崔杼の例を引くまでもなく、記録は時の為政者のものではないんだ。はっきりしているんですね。日本はその点で余りにも立ちおくれているんだと言わざるを得ない。これは重要な点ですので、大臣の見解を聞いておきたい。

増原副大臣:私も二十六年間国家公務員をやっておりましたけれども、やはりこれまでの我が国の流れを見てみますと、知らしむべからず、よらしむべし、先生が先ほど言われましたけれども、かなり、まだまだ残っているなというふうに思っております。そういう意味で、先ほど西村委員の方から御質問がございましたが、十年おくれてのこの法律案という形になっておるわけでございまして、もっとこういうものは加速していく必要がある、それがやはり民主主義の原点ということであろうというふうに思っておりますので、我々もよくそれを拳々服膺しまして頑張ってまいりたいと思っております。

文書管理の司令塔
重野:公文書管理委員会というのは、まさしく文書管理の司令塔です。(略)法案では、内閣府に置く、こういうふうになっていますが、私は、その重要性にかんがみ、国家行政組織法第三条に基づく組織にするべきだというふうに思いますし、そうすることによってこの公文書管理委員会の機能がより発揮できるのではないか、このように考えるんですが、その点についてはいかがでしょうか。

増原副大臣:三条委員会は、公正取引委員会等のように、強力な権限を持って、法律で授権されてそれを執行していく、そういう委員会でございます。そういう意味では、私どもが考えております公文書委員会というのは、強力に何かを執行していくというようなものではございません。

罰則
重野:今回のこの法整備で意図的な怠業だとか廃棄を防ぐことができるんでしょうか。

山崎政府参考人:法案では、再発防止に資する措置を盛り込んでおります。(略)

重野委員 違反した場合の罰則はどうなっているんですか。

山崎政府参考人 不適切な公文書管理を行った職員につきましては、国家公務員法第八十二条に基づきまして、その事案によっては免職も含めた懲戒処分が可能となっております。この懲戒処分は、刑罰と異なりまして時効がないということでございますから、職員の身分を有する間は相当過去の事案でも処分することが可能となります。なお、公文書管理にかかわる刑罰といたしましては、刑法におきまして、公務所で用いる文書を毀棄した者を三カ月以上七年以下の懲役に処する公文書毀棄罪、刑法第二百五十八条が規定されております。そういうことを踏まえまして、本法案では、直接、改めて罰則を規定しなかったところでございます。

重野:アメリカの連邦記録法での罰則規定はどうなっているんですか。

山崎政府参考人:米国におきましては、合衆国法典第十八編、刑事及び刑事訴訟という節の中に規定がございまして、合衆国裁判所の書記官あるいは公務員に対しまして、または合衆国の公的機関、司法官、公務員に対して提出もしくは寄託された記録等を消滅、破壊、毀損等、そういう意図を持って持ち去る者は、罰金または三年以下の懲役あるいはその両方を科せられる、こういう規定になっております。

販売目的で発行されるものは除く?
重野:前後して恐縮ですが、公文書の定義について尋ねますけれども、第二条に、「不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの」「を除く。」となっておりますが、除かれた理由は一体何なんでしょうか。これらも公文書の一つだというふうに私は認識するのでありますが、いかがですか。

山崎政府参考人:行政機関あるいは独立行政法人等が発行いたします出版物を含めまして、不特定多数の者に販売する目的で発行された図書等につきましては、一般に、容易に入手、利用が可能であるところでございます。一方、こうした文書につきましては、随時、定期的に新たな版が出版されることが多く、一般の行政文書、法人文書と同様の管理を義務づけることは、新たな取得のために分類、保存期間等の設定を行う必要が生じるなど、行政機関や独立行政法人等の事務負担の面から問題があると考えまして、またその実益も乏しいことから、本法の目的の一つであります行政運営の効率化にも反するではないかというふうに考えた次第でございます。
なお、行政機関でありますとかあるいは独立行政法人におきまして、業務上の必要性から保有されております文書、雑誌等につきましては、主として特定部分、その組織の業務に関係する記事でありますとかそういう部分を抜粋して用いられることが多くなっておりますけれども、そうした文書につきましては、当然、行政文書として管理されることになる次第でございます。

民営化企業
重野:同じように、今度は、今まではいわゆる国あるいは地方がやっていた、それが、今この民営化の流れの中で民営化された企業というのもたくさんあるわけですが、その民営化される以前の文書、これについてもしっかり管理すべきだと思います。まず、その点についてどうなっていますかということが一つ。また、公益法人や民間企業であっても、国の補助金など公金による業務でつくられた文書、たくさんあると思うんですね。それも含むべきだと考えますが、その点についてはいかがですか。

山崎政府参考人:民営化以前に公社やあるいは特殊法人等であった企業が有する文書については、かつて公的な性格を有していたといたしましても現在は民間企業であることから、民間企業になってしまったものにつきましては、行政機関が有する文書同様の公文書等とすることは適当ではないと考えております。ただ、今回、法案におきまして、民間におきます歴史的に重要な文書を国立公文書館に寄贈できる、そういう規定は設けておりますので、その規定に沿って、重要な文書が適切に入るように要請あるいは努力することは可能であると考えております。

補助金など公金で作成する文書
山崎政府参考人:お尋ねの二点目でございますけれども、補助金など公金で行う文書でございますけれども、これにつきましては、当該支出を行いました行政機関におきまして、事業終了後に必要な文書を取得することが通例でございまして、それを取得した時点で当該行政機関の行政文書になると考えております。これは、独法につきましても基本的に同様でございます。 その一方で、公金を支出して行われる事業はさまざまでございまして、例えば研究者への補助金でありますとか、さまざまでございますので、当該事業に関して支出先において作成された文書をすべて行政文書と取り扱うことは必ずしも適切ではないのではないかというふうに考えている次第でございます。

軽微なもの
重野:関連して、法案の第四条には、「軽微なものである場合を除き、」という文言があります。この「軽微」を理由に文書が破棄されることが起こるんじゃないか。とりわけ、先ほどの意思形成にかかわる資料が「軽微」として廃棄されることを私は危惧いたします。その点についての見解を。

山崎政府参考人:法案第四条におきまして「処理に係る事案が軽微なもの」というふうにされておりますのは、行政機関内部におきます日常的な業務連絡でありますとか、あるいは所管事項に関します簡単な照会等、作成しなくても国民への説明責任あるいは業務遂行の観点から支障が生じないものを想定しております。これらにつきましても文書の作成を義務づけることは、行政機関の事務負担の面から考えて、あるいは実益的にも乏しいのではないかというふうに考えている次第でございます。なお、政令等におきまして、作成、保存すべき文書の範囲について規定することとしておりまして、その中で、「処理に係る事案が軽微」という判断基準を具体的に盛り込むことを予定しております。

重野:今の答弁を聞いていると、公文書を国民に広く開示するという精神が乏しいと私は思うんですね。まだまだ、抱え込んで、知らしむべからず、よらしむべし、やはりそれがあるんだと実感しますよ(略)私の質問を終わります。

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公文書管理法案審議(その10)

そろそろくたびれてきましたが(ヘロヘロ)ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-42fe.html 

アメリカの公文書館と日本での不存在
吉井:外務文書の方を見ておきたいんですけれども、砂川事件をめぐって東京地裁が五九年三月に米軍基地の存在を違憲として被告を無罪とした、有名な伊達判決というのがあります。これに関して事件の元被告が、最高裁、内閣府、外務省に、日本側の公文書を二〇〇九年三月に開示請求したんですね。これに対して三機関とも、そういう文書は存在しませんと不開示を決定しました。ところが、二〇〇八年四月、昨年四月ですが、新原昭治氏の砂川事件をめぐる公文書開示請求で、実はアメリカの公文書館では外交文書が見つかっているんですよ。それが出てきているんです。その中では、伊達判決をめぐる当時の、ダグラス・マッカーサー二世アメリカ駐日大使が、藤山愛一郎外相に高裁への控訴を飛ばす最高裁への跳躍上告を提案してみたり、田中耕太郎最高裁長官が大使と極秘会談を持って、短期間で判決を出す言質を得ていることなどが明らかになっております。つまり、アメリカの公文書館では全部明らかになっているんですよ。アメリカ公文書館には公文書が残されているのに、なぜ日本政府は存在しないと言うのか。(略)これは本当に恥ずかしい話だと思うんですね。

それで、特に法務省の文書についてはアメリカ兵犯罪の第一次裁判権放棄に関する通達や非公表の日米合意などが記されているんですが、日本政府の裁判権放棄の密約は、日本でのアメリカ兵を特別扱いにして、アメリカ兵の犯罪を助長させるということにもなっているんです。実は、これについては、日本図書館協会は、全国のすべての図書館が加盟しているんですよ、国会図書館に対して閲覧禁止措置を見直すよう要請しているんですね。国民が情報を受け取る自由を妨げる行為は、私は戦前の検閲と同じことになると思うんですよ。社会的、政治的圧力による自己規制は図書館の運営原則に反しているというふうに図書館協会は言っているんです。もともと図書館法では、真理が我々を自由にすると前文でうたっているんですよ。だから、法務省のやっていることは図書館法にも反するし、今回の公文書管理やあるいは情報公開にも反するし、アメリカの公文書館と比べてみても、法務省や外務省のやっていることは余りにも恥ずかし過ぎる。私は、こういうことについては、やはり大臣として、法務省や外務省、あるいは防衛省とか関係するところに対して、内閣を挙げて、この法律を出しているのは、公文書の管理はきちんとやりましょうと。外交関係がありますから、私も直ちに全部出せと言っているんじゃないんですよ。アメリカだって三十年たったら公開するわけでしょう。三十年たったものがアメリカでは公開されて、わかったんですよ。しかし、日本は、その文書は存在しないんだといううそまでついて公開しようとしない。こういうことでは公文書管理のこの法律が生かされないと私は思うんですよ。やはり提案するからにはこれはきちっとする、それも内閣を挙げてやるんだという姿勢を内閣として徹底していただきたいと思うんですが、これは小渕大臣に伺っておきます。

小渕国務大臣:御指摘の点に関しましては、まさにごもっともなことであるかと思います。ただ、他国が公開をしているから日本も全部公開しますという、一律に公開する仕組みということはなかなか難しいかと思いますけれども、やはり他国の公開事情のこともしっかり勘案しまして、可能な限り積極的な公開を進めていきたいと考えております。

吉井:そこで、私、最初に伺った基準の問題に戻るんです。日本が第三者機関を中心にして基準をきちんとつくって、今直ちに出すことが外交上問題あったとしても、例えばアメリカの場合、大体おおむね三十年たったら全部公開するわけですね。たとえそのときに恥ずかしい思いをするにしても、自由に物を言いたいという点は、恥ずかしいことを言ったために三十年先に恥をかくという人はかなわぬかもしれぬけれども、やはり公開しなきゃだめなんですよ。私は、やはりそういう姿勢を貫くことが必要だというふうに思うわけです。それで、不存在ということがありますから、あわせてこの機会に伺っておきますが、法律案が施行すれば不存在により開示できないという事案はなくなると理解していいのかどうか、これを伺っておきたいと思うんです。

実は私、あらかじめ国会図書館に調べてもらったんですが、二〇〇一年は三千百五十一件が不存在になっているんですね。不開示の部分は、一部開示合わせて、全体の開示したものの中の一六・一%だったんです。二〇〇二年は九・六%、二〇〇三年は一〇・三%、二〇〇四年は一一・〇%、二〇〇五年は一六・六%、二〇〇六年が一九・七%、そして二〇〇七年度は八・七%。大体一〇%から二〇%は、情報公開を求められたら存在しませんというんですね。でも、本当に廃棄しておったらそれ自体問題なんですけれども、存在しないということを口実にして公開しないというのは、これはまた私は、公文書管理のあり方として大きな問題だと思うんです。
 そういう点では、まず今回の法律に基づいて、不存在ということを理由にして公開しないようなことはしない、させないということを最後に小渕大臣に決意を伺っておいて、質問を終わるようにしたいと思います。

小渕国務大臣:もともと、文書が存在しない限り文書管理のしようがないということでありますので、やはり何よりも文書が存在しているということが大事でありますので、不存在という事態が起こらないようにしっかり努めてまいりたいと考えております。

吉井:時間が参りましたので、終わります。

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議事録の作成について

(この挿入がどうも紛らわしいので6月7日20:43加筆しますが、
このコマは私の感想です)

防衛省は、ここで
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-42fe.html
宇宙開発利用推進委員会について「率直な意見交換を行うため非公開といたしまして、委員会における個々の発言者の氏名あるいは発言内容のすべてを公開することは差し控えさせていただいております。そのかわり、議論の透明性を確保する観点から、主要な発言内容等を記録した議事要旨を作成し、これを公開してきている」と言う。

ここでは詳しく書かないけれど、たとえばアメリカの州では「サンシャイン法」(会議公開法)などで、非公開にするにしても議事録は作成しなければならない。そして住民からチャレンジ(開示請求)された場合は、改めて開示するかどうかを判断する仕組みがある。

最初から行政が「非公開」と決めて、議事録すら作成しないのは、民主主義に反する。反則だ。

吉井議員が指摘しているように、山崎政府参考人が、「第四条におきまして、行政機関の意思決定に関する文書作成原則を法制化いたしました」と答弁していることともまったく矛盾する。

また、議事要旨というのは、議事録なしで作ると、「恣意」が生じる。たとえば、私はこうして国会議事録を「抜粋」しているが、「抜粋」には私の恣意が必ずはいるので、だから原文もきちんと示している。

防衛省は「出席者の自由な意見を提示することを重視する会議」としているが、より優先順序が高いのは「世界平和」だ。その目的を前にして、公開されたら自由な意志が言えない人は、最初から参加しなければいい。最初から全部を公開しろと言っているのではない。国民からそれは公開すべきだとチャレンジを受けたときに、判断され、公開されるための「記録」を公文書として保持しておくことが重要なのだ。それだけの責任を伴う会議でなければ、国家として開催する意味はない。それでは井戸端会議だ。

まさのあつこ

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公文書管理法案審議(その9)

ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-1b9a.html

政策形成過程としての「審議会」の議事録
吉井:防衛省には宇宙開発利用推進委員会というのが設けられています。宇宙基本法を根拠に、防衛省が宇宙で軍事利用を具体的にどう進めるかの議論をしています。この委員会は、これまで三回行われていると思うんですが、議事録は公開されていないんですね。議事要旨というのをいただきましたが、余りにもお粗末な、メモ書き程度の紙一枚です。議事録を作成していないのではないかというふうに思われますが、今回の法案を提出している以上、防衛省は、やはり文書管理の不適切事案を反省して、改善して、そして議事録をきちんと作成する。つまり、議事録を残しておかないと、公文書館をつくっても公文書として来ないわけですよ。これについて、どういう扱いをしているのかを伺っておきます。

松本政府参考人:本委員会については、率直な意見交換を行うため非公開といたしまして、委員会における個々の発言者の氏名あるいは発言内容のすべてを公開することは差し控えさせていただいております。そのかわり、議論の透明性を確保する観点から、主要な発言内容等を記録した議事要旨を作成し、これを公開してきているところでございます。本会議については、発言者の発言を正確に記録する必要がある会議というよりも、むしろ、私ども、出席者の自由な意見を提示することを重視する会議というふうに考えておりますので、そういった観点から、議事録というのは作成しておりません。そのかわりに議事要旨というのをつくりまして、公表させていただいているところでございます。

吉井委員 その議事要旨ですね、これは、武田防衛大臣政務官あいさつというのが四行、講演者の氏名が三人出ていて、岸大臣政務官あいさつ、これが四行。これは恥ずかしく思いませんか。こういうものを議事要旨とは言わないんですよ。余りにもひどいものをつくっておいて、議事要旨だと。僕はこの件に関して質問主意書を政府に出して、答弁書をもらっているんですが、防衛省の第二回目の宇宙開発利用推進委員会では、三名の外部の人を講師として招聘しているんです、この議事要旨に出ているんですけれども。慶応大学の青木節子さんと、航空宇宙工業会技術顧問の中田勝敏さん、現在この方は宇宙戦略本部事務局の技術参与をやっている方ですが、講演に招いているわけですよ。そもそも、開催すること自体の文書決裁がないんです。さらに、青木節子さんと中田勝敏さんを講師招聘することについては文書決裁がないんです、とっていないんです。しかし、謝金は支払われているんです。これは行政の文書主義を否定する行為なんですね。こういうことをやると、これは公文書管理以前の問題なんですよ。公文書がそもそも作成されていないんです。だから正式議事録もない。そうなると、幾ら公文書管理だと言ってみても、これは、その公開もない、記録もない、何もない。これではもう本当に法律以前ですから、まずこういう事態は、これは内閣を挙げて改めさせるということにしないと。これを小渕大臣に伺っておきます。

松本政府参考人:宇宙開発利用推進委員会で、講師の招聘等を文書決裁を行っていないというお話がございましたが、私ども、宇宙開発利用推進委員会設置要綱というものを決裁をとって定めておりまして、そこの中で、委員長の権限として、部外有識者の招聘という事項がございます。こういった文書の規定に基づきまして部外の有識者を招いたということでございます。また、謝金の支払いにおいても、当然のことながら、決裁をとってやっております。

小渕国務大臣 今のお話を聞いておりますと、しっかりとした意思決定過程における文書が残っていないという事実が明らかになっているのだと思っております。公文書管理法以前の問題ではないかという御指摘でありましたので、しっかりと問題意識を持って、それぞれの各省庁におきまして、意識改革といいますか、しっかりとした意識のもと、こうした公文書を歴史的文書として残していくという思いでやっていただかなければなりませんし、もちろんこの法案の中には、文書作成原則を法制化すること、あるいは定期的な報告や実地調査によりチェックをするということもしっかり入っておりますので、この法案が成立すればこうしたずさんな管理というものがないようにできることと思っております。

吉井:昨年十二月九日の答弁書をいただいているんですが、この中では、青木節子さんとそれから今挙げました中田さん、このお二人については文書による決裁は行われていないと、ちゃんと答弁書に書いているんですからね。だから、そういういいかげんな言いわけをしちゃいかぬということをまず言っておきたいと思うんです。私は答弁書を持ってきて言っているんです。それで、法案が成立すると、文書主義が徹底されて管理がしっかり行われ、都合の悪い文書を廃棄、隠ぺいすることがなくなる、文書が存在しないから開示できない、こういう理由からの非公開というのはまずなくなると思いますが、これはなくなりますね。これは一言でいいです。

山崎政府参考人 委員御指摘のとおり、なくなるものと思われます。

●法務省から国会図書館への閲覧禁止要請
吉井:法務省の方で、日本に駐留するアメリカ兵犯罪に関する日米間の密約を裏づける法務省文書があるんです。法務省刑事局が七二年三月に作成した合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料。内容は、アメリカ兵の犯罪に対し、日本側が優先的に裁判を行う権利の大部分を放棄するよう指示している一九五三年の通達など、アメリカ側の特権事項が書いてあるんですね。これまで国会図書館で実は閲覧可能だったんです。ところが、法務省は国会図書館に閲覧制限をやってくださいと要請するという形をとって、この圧力によって、二〇〇八年六月下旬から国会図書館は閲覧禁止の措置になっているんですね。その批判を受けて、国会図書館も二〇〇八年十一月から、墨塗りにして一部閲覧できるようにした。問題は、墨塗り部分が非常に重要な意味を持っているんですが、日本側が優先的に裁判を行う権利の大部分を放棄するよう指示した箇所なんですよ。なぜ国会図書館にそういう指示をしたのか、伺っておきます。

甲斐政府参考人:御指摘の資料は、法務省刑事局において作成いたしました合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料でございますが、平成二十年五月に、秘文書でございます本件資料が国立国会図書館に所蔵され、一般の閲覧に供されていることが判明いたしました。そこで、同月、同図書館に対して、同館規則に従い利用制限の措置をお願いしたというところでございまして、六月には同図書館において閲覧禁止の措置がとられたものと承知しております。法務省刑事局が本件資料につきまして利用制限の申し出を行いましたのは、同資料には米国との間の協議の内容でございますとか刑事裁判権の行使に関する記載というものがございまして、公にすることにより米国との信頼関係の維持や、捜査、公判の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものと判断したからでございます。

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中間書庫について

(この挿入がどうも紛らわしいので6月7日20:43加筆しますが、
このコマは私の感想です)

ここで
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-1b9a.html

山崎政府参考人は吉井議員の質問に対し、「国立公文書館法の業務規定のところに中間書庫的事業を行うことができる規定を設けたところ」と答弁しているのだけど、実は、旧法と変わっていない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
国立公文書館法(旧) 業務の範囲(11条)
・ 移管を受けた歴史資料として重要な公文書等を保存し、及び一般の利用に供する。
・ 国立公文書館又は国の機関の保管に係る歴史資料として重要な公文書等の保存及び利用に関する情報の収集、整理及び提供を行う。
・ 歴史資料として重要な公文書等の保存及び利用に関する専門的技術的な助言を行うこと。
・ 歴史資料として重要な公文書等の保存及び利用に関する調査研究を行うこと。
・ 歴史資料として重要な公文書等の保存及び利用に関する研修を行うこと。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
↓ほとんど変わらず
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
国立公文書館法(新)業務の範囲(11条)
・特定歴史公文書等を保存し、及び一般の利用に供する。
・ 行政機関からの委託を受けて、行政文書の保存を行う。
・ 歴史公文書等の保存及び利用に関する情報の収集、整理及び提供を行う。
・ 歴史公文書等の保存及び利用に関する専門的技術的な助言を行うこと。
・ 歴歴史公文書等の保存及び利用に関する調査研究を行うこと。
・ 歴歴史公文書等の保存及び利用に関する研修を行うこと。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

山崎政府参考人は「一定期限たったら例えば集中的に管理するとか、そういうことも念頭に置いた文言は盛り込んだつもり」「国立公文書館法の中間書庫の事業を行う規定ができます」とも言うのだが、今でも、役所におけなくなった資料を民間倉庫を借りているので、これについても、この答弁だけでは不十分ではないでしょうか。あとからもう少し出てくるのかもしれませんが。

まさのあつこ

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公文書管理法案審議(その8)

ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-9ff4.html 
この辺から繰り返しの部分をはしょって新しく出てきた論点のみ抜粋させていただきます。ここからは単なる抜粋ではなく、【随分はしょった抜粋】です。重要な点は引き続き、繰り返し出てきています。議事丸ごとは、こちら↓
衆議院内閣委員会平成21年5月27日(水曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090527012.htm

● いつの時代から
吉井英勝議員(以下、敬称略)::レクチャーを聞いていたときには、例えば奈良時代の古文書も公文書だということのお話もありました。いつの時代のものからを公文書として考えていくことになるのか、これを伺っておきたいと思うんです。

山崎政府参考人:その文書がいつ作成、取得されたものであろうと、行政文書、法人文書あるいは公文書館に移管された特定歴史公文書等に該当するものであれば公文書等に当てはまるということとしているところでございます。どんな古い文書であろうと公文書等に含まれ得るというところでございます。

吉井:今回の法案は、行政の文書主義の原則を法文化するというところが大事なところだと思うんですね。

山崎政府参考人:本法案におきましては、第四条におきまして、行政機関の意思決定に関する文書作成原則を法制化いたしました

●歴史文書かどうかの判断基準
吉井:行政機関が保有する公文書が保存年限に達した場合には、それを公文書館に移管するのは文書が歴史公文書に該当する場合であって、歴史公文書に該当しなければ、保存年限が来れば廃棄するわけですね。法案では、文書が歴史公文書に当たるかどうかの基準がやはり明確に規定されていないというふうに思うんですよ。法律施行後に国立公文書館が作成する判断基準に従って各行政機関の長が決定する、各行政機関の長にフリーハンドがゆだねられるという状況ですね。これでは、行政の意思形成過程を示した文書が、行政府の恣意的判断によって、公文書館に移管されることなく、保存年限に達すれば廃棄されてしまうということが非常に懸念される問題があります。これは、国民の知る権利を否定する重大な問題じゃないかと思うんですが、なぜ公文書館に移管する文書を歴史公文書に限定するのか。

山崎政府参考人:どういう歴史的文書について保存すべきか、また、どういう文書は保存する必要がないか、こういうようなものについて、政令で各府省共通の基準を設定いたします。(略)こういうレコードスケジュールの導入によりまして、各府省統一基準にのっとって、保存すべき文書は歴史公文書等として国立公文書館に移管され、保存される、こういうことにした次第でございます。

● 中間書庫
吉井:大事なことは、基準の問題だと思うんです。各省庁が、一応ぼんやりした基準があるにしろ、それに基づいて保存期間を決めて、過ぎたら破棄だとか何だとかやるとやはりまずいわけで。やはり中間書庫的機能を持つもので全部、役所が勝手に廃棄したり処分するんじゃなくて、預かって、もう一つはきちんとしたルールを定めておいて、ルールに照らして判断をする。そういう仕組みというものを考えていかないと、本当に公文書の管理というのがきちんとできるかどうかというのは大変問題のあるところだと思うんですが、この法案のどこを読み取れば、中間書庫的機能を持つ問題とか、あるいはその基準をどうつくるかということを読み取ることができるのかを伺っておきたいと思います。

山崎政府参考人:本法案におきましては、国立公文書館法の業務規定のところに中間書庫的事業を行うことができる規定を設けたところでございます。また、整理、保存のところに、時の経過に配慮して保存というふうに規定したところでございますけれども、これは、時の経過によって、例えば全部原課で保存するのではなく、一定期限たったら例えば集中的に管理するとか、そういうことも念頭に置いた文言は盛り込んだつもりでございます

吉井:文言は入ったんですが、中間書庫的機能を持つものはつくるんですね。

山崎政府参考人:現在パイロット事業で既に行っておりますし、本法案におきましても、先ほど申しましたとおり、国立公文書館法の中間書庫の事業を行う規定ができますので、それに沿って検討してまいりたいと考えております。

吉井:これは検討の段階から実現に移る段階の話だというふうに思います。

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公文書管理法案審議(その7)

ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-24bf.html

●委託先のバックデータの取得
逢坂:ところで、大臣、日本の予算の中で、一年間にいわゆる委託費というのはどれぐらいあると思いますか。委託費というか、外に対していろいろ、例えば設計委託とか、あるいはBバイCなんかをやるときに民間業者にいろいろ調査してもらって、事業効率がいいとか悪いとかとやる委託費、これが二十一年度予算で、表に委託という文字があるものだけで約八千億円あります、八千億円。それから、表に委託というのが出ていない、補助金とかなんとかの中で、独立行政法人とかにお願いするものの中に委託費が含まれているものがこれにカウントされておりません。例えば今回話題になっております国立メディア芸術総合センター、これの設計費なんというものは、あれも設計委託なんですけれども、それはこの八千億の中に入っていないんですね。だから、日本の行政機関は相当多くの部分を外部に委託して仕事をしているということがこの金額からもわかるのかなというふうに思うんです。多分一兆円近いお金が委託費になっているのではないか。この中にはあれは入っておりません、例えば庁舎の清掃管理委託とかは入らないで、このぐらいの額なんですね。こういう委託に係る文書、何か調査を委託して成果物が来るということになったときに、成果物の根拠になったようなデータとか、それを開示してほしいというふうにこれまでいろいろな場面でお願いをすると、それは私どもの文書ではありませんので開示できませんとか、文書が不存在ですという言い方をして、なかなか行政機関ではこの部分を開示してくれないんですね。だから、道路やダムの費用対効果を考えるときの根拠のもとデータ、生データが知りたいと思ったら、国民はなかなか知れなかったわけであります。これは、大臣、問題だと思いませんか。

小渕国務大臣 やはりそうしたところも含めて、わからないでは済まないことですので、問題であると思います。

逢坂:ぜひ、公文書の統一的なルールをつくるとか規則をつくるときに、ここも配慮が必要だと思うんですね。委託であってももとデータは必ず我々の方に、民間事業者であっても開示をして、我々がそれをハンドリングできるんだというふうにしなければ、本当の意味での政策の発生源がわからなくなってしまうんですね。この点、しっかり担保をしていただくということで、大臣、いかがでしょうか。

小渕国務大臣:委託先のバックデータというものもしっかり委託元である各府省ができる限り取得をして、保存していくことが望ましいと考えております。しかし、それぞれの事案によりましては、例えば委託先の秘密のものということもありますので、おのおのにおきましては、その委員会におきまして議論していただきたいと考えております。

逢坂:業務を進める上でのノウハウみたいなものとか、そういうのはまさに秘密、それぞれの事業者の専門性だと思うんですね。ところが、やはり生データみたいなものというのはそうじゃないので、それはしっかり担保できるようにしてもらわなきゃ困ると思います。

●行政改革
逢坂:最後に、一つだけ申し上げておきたいと思います。公文書管理法制あるいは公文書管理の体制に、資源、人や物や金を使うことについて、行政の焼け太りだという指摘が一部にあるようでございます。あるいは、行政改革に逆行するというような指摘が一部にあるようなんですが、私の経験からしますと、それは全く逆だというふうに思われます。公文書の管理をしっかりやることで、私は、相当程度行革が進むのではないか、情報公開にもつながりますし、役所内の事務室の整理にもつながりますし、かけたコストがその倍、倍というのは言い過ぎかもしれませんが、倍にも、二倍にもなって、実はプラス効果となって返ってくるということがあると思いますので、ぜひ大臣、行政文書に資源を割くことは行革に逆行するということに対しては、そうではないという認識をお持ちいただきたいと思いますが、その点の認識を聞いて、終わりたいと思います。

小渕国務大臣 確かに、こうしたお話をしますと、行革に反しているのではないかというお声が聞こえてまいります。しかし、委員が御指摘のように、本当に大事なことでありますし、将来的なことを考えたら、逆に効率的になることであると考えております。人員の問題につきましても、現在の状況ではかなり少ない人数でやっておるわけでありまして、これを拡充また育成していかなければなりません。委員の御指摘をしっかり踏まえながら、決して行革に反するものではなく、将来的には大変大きな成果を残していくということをしっかり言ってまいりたいと思っております。

~~~
まさの感想メモ:この辺までくると、副大臣たちの少しづつ踏み込んだ決意や答弁に学び、大臣の答弁も柔らかくなっている。重要な答弁が現れてきた。繰り返し繰り返し、政治家同士が議論し、国民にとって何が問題とされ、国会として、どのように行政を律していかなければならないのかが認識されていったように見受けます。

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公文書管理法案審議(その6)

ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-fd92.html 

保存期間問題
逢坂:次に、「二〇〇八年国会審議における行政文書の保存期間問題」というペーパーを、資料を用意させていただきました。裏表で六ページにわたるものでございます。これは日本計画行政学会のある報告の中からおかりをしてきたものでございますけれども、これ以上にももしかしたら国会審議の中でいろいろと議論はあったのかもしれませんけれども、とりあえずここで拾っているものはこの程度の件数があります。随分やはり行政文書について国会でも指摘がされているわけであります。五ページ目です。これの下から二段目に、これは、六月三日、民主党の富岡議員が八ツ場ダムの問題についていろいろと議論をしているわけでありますね。八ツ場ダムの問題についていろいろ議論をしている中で、八ツ場ダムをつくるときのいわゆる費用対便益、その積算根拠になった資料はないかという質問をしているのに対して、隣におりますけれども、平井たくや国土交通副大臣が、これはないというふうに答えているわけですね。それで、「これ、私もないはずがないと思っておりまして、捜していただいたんですけれども、これが本当にないわけでありまして、」と副大臣も答えざるを得ないような状況になっているんですね。御案内のとおり、八ツ場ダムはまだ事業継続中のものであります。その事業をスタートさせるときの費用便益に関する資料がないなどということは、これはどう考えてみてもおかしいわけであります。そこで、国土交通省にお伺いしたいんですけれども、今回の法案ができ上がるとなったときに、こういう問題というのはなくなるんですか、国土交通省としては。ちゃんとなくそうとしてくださいますか。どうされますか。

西銘大臣政務官:国土交通省といたしましては、この公文書管理法案が成立をしました後には、法案の趣旨を踏まえまして、現在の文書管理規則を必要に応じて改正し、また、保存期間を過ぎた文書が事務的、機械的に廃棄されることのないよう、文書の性格に応じ適切な保存期間の設定、また、必要な場合には保存期間の延長などの措置を講じ、より一層適切な行政文書の保存に努めてまいりたいと考えております。(発言する者あり)

逢坂:隣の席からも、もっと踏み込めという話がございましたけれども、ぜひ、役人答弁ではなくて、政治のリーダーシップでこれはいかなきゃいけない。先ほども言ったとおり、行政文書の管理というのは、私は、何も役人の皆さんが悪いというふうに言うわけではないのでありますけれども、やはり、ある種第三者の目線でやらなければだめなんだというふうに思うので、もう一歩しっかり踏み込んで、絶対そういうことはないようにしますというふうに、もうちょっと御自分の言葉でいかがですか。

西銘大臣政務官:先生おっしゃっている意味は十二分にわかりますので、この法案の趣旨が十二分に生かされるように、国土交通省の文書管理規定もその趣旨に沿うような形で、二度と副大臣が答弁したような事態が起こらないようにしっかりと対応してまいりたいと考えております。

逢坂:もう一つの事例をちょっと出したいと思います。郵政民営化準備室というのが二〇〇四年から二〇〇五年にございました。これは有名な話になりました。この郵政民営化準備室がアメリカ側と、我々が知っているだけで十八回にわたって何らかの協議、交渉、面談なんかをやっているわけであります。ところが、この問題について国会でいろいろとお話を伺いますと、当初、竹中総務大臣は、これは外交上のことなので相手側の了解を得なければならないからこの十八回の協議内容についてはお出しできません、相手の了解をとる必要がありますというふうに最初は答弁をいたしておりました。ところが、竹中大臣から今度は増田大臣にかわったあたりで国会答弁が変わってまいりました。それは儀礼的なものだった、アメリカから来てあいさつをしに来た程度のものだったからメモ程度しかないんだということだったんですね。それからまた、だんだん時間がたつと、メモ程度しかなくて、郵政民営化準備室からまた組織がかわってきたので組織がかわる段階でメモも廃棄をしたらしい、どうもどこにもないんだという話になっているわけなんですね。郵政民営化は、日本の将来をどうするかで、もう国を挙げた大議論になったテーマですね。その政策の発生源であるところの議論について、いや、外交上だから出せないと言っていたのが、最終的には、メモだから廃棄しましたなんということは、これはまことにお粗末きわまりない、民主主義国家として信じられないことだというふうに思うのであります。今回の公文書管理法案ができたらこういう問題はなくなるんでしょうか。あるいは、こういう問題を起こさないためにどういう対応をするおつもりでおりますか。

利根川政府参考人:私どもの方で当時の準備室の担当者に話を聞きましたところ、面談メモを作成したことはあったと思うけれども、先ほど先生御指摘のとおり、儀礼的なものでありますとか、あるいは問い合わせでありますとか、あるいは各種陳情的なものであるというようなことで、保存を要するほどのものではないことから廃棄をしたということではないかというようなことを伺っておりまして、その旨、私どもの室長からも御説明させていただいたところでございます。したがいまして、御指摘のメモに関しましては軽微なものであったということで当室に引き継がれていないということではございますけれども、あのような非常に政治主導でつくられた法案とは違う、積み上げ的にプロセスを経てつくられるような場合に、その内容に影響するような会合や何かが役所の中であったというような場合におきましては、私どもは本法案を所管する部局ではございませんけれども、本法案の趣旨にのっとりましてメモを作成し、一定の期間は保存するといった適切な措置が講じられることになるものというふうに考えております。

逢坂:今皆さんお笑いになっておりましたけれども、まさにこの事例は、今回の法案の第四条の問題でありますとか、第二条の公文書の定義、行政文書の定義の問題でありますとか、五条の廃棄の問題でありますとか、しかも、それは行政機関の長の裁量によってやっているわけですね。やはりこういうことを起こしてはいけないわけですね。そのためにこの法案をつくっているんですが、ただ、今の答弁からは、ではこの法案が成立した暁には本当にそれがちゃんと跡づけられるのかというところについては、私は心もとないような気がするんですね。小渕大臣、今の話を聞いてどう思いますか。

小渕国務大臣:御指摘のように、今の話を聞いておりましたり、あるいは出していただきました資料を見ておりますと、これまでの公文書管理のずさんな状況というものがまさに浮き彫りになっておると思っております。こうした状況というものが今後決してないようにしていくためにこの公文書の法案というものが出てきておるわけでありますし、先ほども申し上げた、しっかりとした統一的なルールを政令で定め、その範囲内においてそれぞれの役所においてしっかりとした案を策定していただきたいと考えておりまして、本当にこうしたことが二度とないような形になりますようにこの法律を制定するということであります。

逢坂:ぜひ、今度統一的なルールをつくる、あるいは各行政機関が規則をつくるというときには今のことも頭に置きながら、これじゃやはりだめなんだと。各行政機関の長が、これは儀礼的で簡単だなんと言って、でも、本当に儀礼的だったのか、簡単であったのか、後でそれを証明できないんですから。しかも、あのたった一年の間に十八回もやっているわけですよね。なぜ日本の郵政民営化にアメリカがあそこまで来て、十八回もごあいさつに来なきゃならないのか。これはやはり、はてな、はてな、はてなというふうになるわけですね。ぜひこれは解決されるように、大臣、頼みますよ。本当によろしくお願いしますね。

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公文書管理法案審議(その5)

ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-1901.html

総務省の文書管理業務の業務・システム最適化計画
逢坂:総務省では、文書管理業務の業務・システム最適化計画というのをお持ちになって、これは二〇〇八年二月十三日に改定したものによって、総務省が、何か各府省を横断化する文書管理システムをつくり上げようとしている。十九年からもういろいろ作業が始まっていて、これまでに、システムの最適化に係る設計開発業務に約五億円、それからソフトウエアの賃貸借一式に約九億円、それから運用の請負一式に、二十一年度から二十四年度までに三億円ということで、これまで都合十七億円を投資しているわけですね。十七億円を投資して、総務省として各府省横断的な文書管理業務の最適化をしていくんだということをおやりになっているんですが、私、これはちょっと何か変なんじゃないかなという気がするんですね。 今まさに公文書管理法案が議論されていて、これから各府省でいろいろなことを決めていきましょうという段階で、もう既に十七億使ってこういうことをやっているというのは、どうもちょっと腑に落ちないのでありますけれども、今回の法案と総務省がやられているシステム最適化計画との整合性というのは、倉田副大臣、どのようにとるおつもりですか。

倉田副大臣:各省庁が各別に運用管理していた文書の管理につきまして標準化、一元化していこう、これによって文書管理業務を全体的に効率化する、結果として費用の削減もできる、こういうことでございます。今回の法案は、公文書のライフサイクルを通じた管理ルールを定めよう、こうしているわけです。最適化計画によるシステムは、例えば文書の散逸を防いだり誤った廃棄を防いだり等、防止する機能など、適切な文書管理を行うという基盤整備を行っているわけであります。したがって、今回の法案ができた場合に、その運用の基盤としてこれに資することになる、こういうぐあいに考えております。

●紙媒体、電子媒体
逢坂:今回のシステムのイメージ図を見ますと、これはどうも紙ベースではなくて電子媒体でやるのかなというふうに思うんですけれども、そこで、総務省の政府参考人にお伺いするんですけれども、これは電子媒体ということでよろしいのでありましょうか。私は、電子媒体のメリットというのはあるとは思うんですけれども、電子媒体には相当デメリットも多いんですね。電子媒体のデメリットも考えた上でこういうことをやろうとしているんですか。そのあたりはいかがですか。あるいは、電子媒体のメリットについて何らかの認識はございますか。

田部政府参考人:基本的に、電子媒体でやりますと非常に効率的に業務が遂行するということで今最適化もやっておるわけでございますので、基本的な考え方としては、電子媒体で業務を遂行することに相当なメリットがあるというふうに考えてございます。(逢坂委員「デメリットは考えておりませんか」と呼ぶ)
 当然、それに移行する際に、いろいろなシステムの整備なりあるいは業務の見直し、そういったものが必要になるというふうには考えてございます。

逢坂:非常に認識が甘いですね。実は、紙媒体というのは古臭くてだめなシステムのように思われるかもしれないんですけれども、紙ベースの記録は千年残っているという実証がございます。電子媒体が千年残るという実証はまだございません。一覧性というのは、ぱっと見て情報が全部入ってくるという点においては、電子媒体よりも数段すぐれております。一覧性というのは、紙面をざっと開いて、自分が見たい記事、見たくない記事を含めて目に飛び込んでくるという、それにおいては電子媒体よりも紙媒体の方が数段すぐれている。電子媒体は、その意味においてやはり数段下なんですね。それから、電子媒体は、記録するメディア、これが日々進歩をしていますから、電子媒体で何らかの形で保管をしたとしても、五年後、十年後に媒体変換ということはこれまでの歴史を見ると必ずあるんですね。そのときに、やはり相当なコスト、手間、そこでいろいろな判断が必要になってくるということなんですね。ほかにも電子媒体のデメリットはいろいろあるんですが、メリットがあることは事実なんですけれども、こういうことをもう既に十七億をかけてやられていて、電子だから全部いいんだみたいになっていくことは相当に危険だというふうに私は思います。特に公文書においては、先ほど来議論になっておりますように、公文書というもの、行政文書というものの定義が非常に重要なわけですね。アメリカの例に見られるように、メモだとか電子メールだとか、いろいろなものも広く含めている、手書きの草稿まで含めるわけですね。電子媒体で電子決裁なんかがたくさん使われるようになると、そういう手書きのメモや草稿なんというものは全部忘れ去られる可能性があるんですね。だから、そういう意味でいうと、電子媒体はすごくいいように思うけれども、実は危険な部分もあるということを承知してやらなければいけないのではないかと私は思っていますが、副大臣、いかがですか、今の私の話を聞いて。

倉田副大臣:おっしゃる要素が私にはよくわかります。これまでの文書の部分については、その項目等を電子記録にはしておく、けれども、そのもともとのものをどうしていくのかということはより適切に考えていかなければならない、そう思います。

逢坂:これはまたどこか別の場でやりたいと思うんですけれども、行政文書の電子化というのは極めて危うい部分があるということをぜひ皆さんにも御認識いただきたいんです。

総務省と内閣官房公文書管理検討室
逢坂:総務省に改めてお伺いをしますが、総務省では、この公文書管理法制とは別に、こういうシステムをこれまで、公文書管理法制の議論が始まる前からやっているわけですから、別にこのシステムのことをいろいろやっておられたわけですけれども、今回の公文書管理法案、閣法の策定過程で、総務省として、内閣官房の公文書管理検討室に対して、何かこのことで注文をつけられましたか、今回の法案をつくる上において。私たちはもう既にこういうシステムを検討、準備している、だから今度の法案に当たってはこういうことをやはり入れてもらわなきゃ困るとか、今度の法案を我々と独立したところでやられちゃちょっと整合性がとれないというようなことも含めて、何か注文はつけられましたか。

田部政府参考人:(文書管理の在り方等に関する有識者会議の)最終報告におきまして、分類基準に沿って適切に管理できる機能、適切な文書管理のための本システムの整備すべき機能、こういったことについての御指摘もいただいているところでございます。

逢坂:分類について適切にやれるようにという、そのことだけだったんですか。ほかはなかったですか。主張は、総務省としてはなかったですか。

田部政府参考人:詳細はあれですけれども、電子決裁についての取り決めとか、そういったものも入ってございます。

逢坂委員:公文書管理ということは、日本で、まさに入り口に今立っているわけですね。これからスタートなんですね。そのときにまた新たなシステムが入るということでありますから、これは、相当に注意を持って、整合性を持ってやらなければ、日本の公文書が本当にむちゃくちゃなことになる可能性を、そういうおそれを感ずるんですね。ですから、ぜひこのシステムの運用に当たっては、慎重さを持って、今の公文書管理法制の精神をちゃんと踏まえたものになるように、大臣、具体的に何かやる必要があるんじゃないでしょうか。倉田副大臣、いかがですか。

倉田副大臣:電子化、電子化ですべてが解決するというような考え方をしているわけではありませんので、本当の意味で、決定内容だとか、あるいはその思考過程だとかいうようなものも何らかの形で残っていくことは重要だと思いますので、よく認識して今後も対処してまいります。

システムの維持管理費
逢坂:このシステムがフル稼働したら、年間の維持管理費、どれぐらいだというふうに見込まれておりますか。

田部政府参考人:現在、年間二十五億ほどかかってございます。これが十一億削減されまして、十四億円という運用経費になります。(逢坂委員「ちょっと言っている意味がわからない」と呼ぶ)年間二十五億円の運用経費が現在かかってございまして、新しいシステムになりますと十一億円削減されまして、年間十四億円の運用経費ということになります。

逢坂:今二十五億かかっているというのは、今の紙ベース、現状の、今のシステムを動かしているということではなくてということですか。今、そもそも総務省として行政文書の管理に二十五億かけているという意味ですか。

田部政府参考人:現在、各省で運用しておりますシステム、そういったものの総体の費用でございます。

行政文書ファイル管理簿の検索
逢坂:現在のところについて再度お伺いしたいんですけれども、電子政府の総合窓口というのが政府のホームページにございますね。ここに行政文書ファイル管理簿の検索というところがあって、行政文書ファイルを、国民の皆様に、検索してどうぞ御利用くださいというところがあるわけであります。
ところが、私がいろいろこれを操作してみたり、あるいは私以外の者が使ってみると、極めて使い勝手が悪い、評判が悪いもので、こんなもの、全然ファイル検索にならないじゃないかという声があるのでありますけれども、この行政文書ファイル管理簿の検索に対する現状の認識について、どう思われますか、副大臣。

倉田副大臣 私は、自分ではやらぬものですから、けさ、秘書がやるのを横でのぞいて、見ておったんですけれども、なかなか具体的に知りたいことがわかりにくい。今後ちょっと、もう少し詳しい項目、中身がわかるようなことまで表示をやっていくべきではないかな、こんなことを感じております。

逢坂:今、御実感されたように、余り使えないんですね。それで、ファイル名、行政文書ファイルの名前を、ある種恣意的というか、皆さんが自由につけられるわけですから、それにうまくヒットしなければ目的の文書に到達できないわけですね。そこで、こういうものをやるときにはメタデータという考え方があって、メタデータというのは、ファイル名は確かに何々に関する文書というふうになっているけれども、その中に何が含まれているのか。例えば、交付税であるとか特別交付税であるとか、あるいは漁業であるとかという、検索にかかりやすい言葉もあわせて埋め込んでおいて、検索にヒットできるように、メタデータを埋め込むということは必須のことなんですね。それをやらないで、ファイル名だけで検索させようとすると、それは全くやはり使えないものになりますので、ぜひその方向で、今後この新しい公文書管理法制ができた暁にもそういう対応をしていただくように、副大臣、よろしいですね。

倉田副大臣:情報の件名とか、あるいは作者、つくった人間、あるいは保存期間だとか、幾つかのものを、すぐにそういう表示が出てくるようなシステム、これを考えていかなければならない、そのようにしていこうと思います。

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知る権利について

(この挿入がどうも紛らわしいので6月7日20:48加筆しますが、
このコマは私の感想です)

ここで出てくる「知る権利」についてですが
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-1901.html

情報公開法制定時からずっと続いている議論で、「開示請求権」と裏表だから、この言葉にこだわらなくていいという議論をはじめ、「諦め」がちなムードがあると思う。この言葉にこだわり過ぎると他のことが議論できなくなるとか、具体的な開示請求権に比べると曖昧な概念でしかないとか、とかく「知る権利」という言葉ばかりを語れば「とんがった人」として排除されかねない雰囲気もあった。でも、実際はやはり、開示請求権はあっても、知る権利が確保されていないというのが、私のこの10年の実感。

今回も、官僚答弁を棒読みする大臣が「今、最高裁判所の判例において認知されるに至っていない」と平然と述べている。

行政は、自分たちの不可侵な領土に侵略されるような心理で「知る権利」から防衛しようとする。たとえて言うなら、行政は、今なら国民の知りたい欲求を「不法侵入」だと言って遠ざけることができる状態。国民から言えば行政が「不法占拠」していると言いたい状態だ。

国会こそが、国権の最高機関であって、唯一の立法機関なんだからなんだから、「今、最高裁判所の判例において認知されるに至っていない」ことを理由に「知る権利」を立法によって確立させないのは、理由になっていない。

答えは常にシンプルだ。
第四十一条  国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

最高裁判決を盾に答弁を書く官僚に、公文書管理担当大臣が見事に騙された図が、2009年のできごとして歴史に刻まれたのだ。あ~あ。

まさのあつこ

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公文書管理法審議(その4)

ブランチを食べ終えて、ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-a64d.html
繰り返しますが、これらは【抜粋】です。議事丸ごとは、こちら↓
衆議院内閣委員会平成21年5月27日(水曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090527012.htm

民主党の西村智奈美議員に続く二人目の質問者、逢坂誠二議員が、
官僚答弁を繰り返す妊婦の大臣に気遣いつつもねばり強く追撃質問しています。

公文書管理担当機関
逢坂誠二議員(以下敬称略):公文書管理担当機関、公文書管理担当機関という言葉が何度も出てまいりましたけれども、今回政府が提出している法案における公文書管理担当機関というのはどこのことを指しておりますか。

山崎政府参考人:現在は、現用文書は総務省の行政管理局、そして歴史公文書は国立公文書館を所管する内閣府というふうに分かれております。新たに設けられます内閣府の行政機関、そして専門的知見を有する国立公文書館、そして有識者の意見をお聞きする公文書管理委員会、この三者が中核になって、各省とも協力しながら適切な文書管理を推進していくというのが本法案の趣旨。

知る権利、最高裁判例、利活用
逢坂:公文書管理は何のために行うかといえば、それは、政府が説明責任を全うするために行うこともこれまた一つの理由でありますけれども、国民が、政府の意思とは関係なしに、自由にその情報を活用できるということも、これは大事なことなわけですね。政府の一方的な上意下達的な説明だけでは私は十分ではないというふうに思うわけです。上川前大臣も、公文書は国民共通の財産だとおっしゃっておられる、今小渕大臣もそうおっしゃっておられるのに、なぜそれを盛り込まなかったのかということが一つと、もう一つ、知る権利という言葉を盛り込むか盛り込まないかはいろいろ議論のあるところでありますけれども、先ほど私が説明したように、主権者である国民が主体的に利用すべきというような言葉を盛り込むことで、法律上の知る権利のいろいろな議論を飛び越えて、その概念だけは体現できる、具体化できるのではないか。

小渕国務大臣:財産という用語についてでありますけれども、これはまた、法律上、通常、金銭的な価値のある権利と解されておりまして、国民の共有の財産という用語を本法案の目的規定に用いるということはなかなか難しい。
 また、知る権利についてでありますけれども、先ほど答弁をさせていただきましたし、委員も御指摘のあるように、今、最高裁判所の判例において認知されるに至っていない。

逢坂:財産がだめだったら、ほかの言葉もあるわけですね。国民共有の資源であるとか、国民共有の資産であるとかという言い方もできるわけでありまして、それによって法の思う概念というのは十分伝わるのではないかと思うんです。

小渕国務大臣:そうしたところも全部含めまして、この「国民主権の理念にのっとり、」や「国民に説明する責務が全うされる」ということをあわせて用いている。

逢坂委員:余り答えになっていない。財産という言葉が法律上難しいのであれば、ほかの言葉を使うことは可能ではないかという問いかけを私はしたわけでありますけれども、再度、いかがですか。

小渕国務大臣:国民からの目線を意識した規定としていくために、そうした委員の御趣旨も踏まえまして、しっかり考えてまいりたいと思っております。

逢坂:国民が利活用するという観点もやはり公文書管理には必要でありまして、後にも議論になりますけれども、検索ファイルなどが非常に使いづらいなんという話もあるわけでありまして、やはり国民がちゃんと利活用できるというような概念も入れておくことが公文書管理法をより強固なものにならしめるのではないか。

小渕国務大臣:最大限、公文書館といたしましては、国民の利用を促進していきたいと考えております。この十六条に記述しておるところであります。

逢坂:この二つは目的規定に検討していくべきだ。

行政文書の定義
逢坂:次に、やはり問題になりますのは二条の「定義」。行政文書というのは何だと思いますか。

小渕国務大臣:職員が職務上作成、取得したものであるということ、また、組織的に用いるものであり、当該行政機関が保有しているもの。

逢坂:行政情報公開法の定義と一緒のことなわけですね。今の行政情報公開法の定義で、これまでの公文書に係るさまざまな国会での議論や、国民への説明責任というのは十分に果たされているというふうにお考えですか。今の定義で十分だというふうにお考えですか。

小渕国務大臣:先ほど申し上げました二つの定義が確実に果たされているのであれば十分ではないかと考えております。

逢坂:公文書管理の出発点はどこかというと、公文書というものは何かというところをしっかり議論することが実は重要なんですね。ここがすべての物事の発生源でありますから、ここの範囲を狭めてしまうと、どんなにいい公文書館をつくろうが、どんなにいい管理のシステムをつくろうが、それは機能しないというか、そもそもターゲットが狭いものになってしまうわけですね。だから、公文書というものの定義はいかなるものか、行政文書というものの定義はいかなるものかということをやはり十分に議論しなければならない。

小渕国務大臣:本法案におきましては、行政機関の意思決定並びに事務及び事業の実績について、文書作成原則を明記しておるところであります。具体的にどのような文書を作成すべきかにつきましては、公文書管理委員会において御議論いただき、文書作成の統一的な基準として政令で規定することといたしております。

逢坂:必ずしも議論がかみ合っていないんですけれども。公文書というものの定義はある一定の時期にこうであるというふうに決めることは、それはそれでいいとは思うのですが、公文書の定義について、やはり不断の見直しをしておく。不断の見直しというのは、切れ目のない見直しを常にするんだという思想がなければまずいというふうに私は思います。それともう一つですが、大臣、やはりちょっと御認識されていないようなんですが、それは、役人の書いた答弁を読んでいるからどうしても御認識されない。本当は、お心の中では御認識されているとは思うんですけれども、政府の説明責任を全うするということだけを何度も言うんですけれども、そうじゃないんですよ。政府の説明責任を全うすると同時に、国民が自由意思で、その行政情報というものを知りたい、活用したいという、そのことを保障してあげることがなければ、それは一方通行の押しつけ的なことになってしまうわけですね。だから、そのことも含めて公文書の定義というものが決められなければいけないと思うんですが、不断の見直しをするということについてはどう思われますか。

小渕国務大臣:国民がしっかりとそうした情報というものを知っていくということについて、こちらとしては、その情報を狭めていくということではないようにと思っております。そうした範囲を狭めることなく、今後しっかりとした議論の上で広げていくことの重要性については十分に承知をしておるところであります。

逢坂:ぜひ、公文書の定義、行政文書の定義のところが出発点でありますから、ここを何度も何度も議論をしていくということが大事だと私は思います。アメリカでは、公文書とは何か、私文書とは何かということについて、具体的な事例をもって、これは私文書だ、だけれどもそれ以外のものは公文書だというようなことを、何度も何度も繰り返し議論をし、かつまた、それを職員に周知するわけですね。だから、そういう不断の見直しが必要だということで、ぜひ大臣にも御認識をいただきたいというふうに思います。

作成義務
逢坂: 私は、この閣法の第四条の「作成」の規定では十分ではないのではないかなというふうに思うんですね。もう少し法律で具体的に書いてもよいのではないか。もちろん「政令で定めるところにより、」というふうには書いてはおるのでありますけれども、私が役人だったら、これを読むと、まあこれだったら作成しなくてもいい文書が山のように出るなというふうにも、私が役人ならですよ、思うのでありますけれども、大臣はこの規定で十分だと思われますか。

小渕国務大臣:公文書管理委員会によって具体的に議論をしていくことになる。

逢坂:有識者会議でも何度も出ていることでありますけれども、意思決定に至る過程を合理的に跡づけることができるようにするとか、あるいは、例えば閣議だとか関係行政機関の長で構成される会議または省議の決定、了解及びその経過みたいなものは必ずちゃんと残すとか、あるいは、複数の行政機関による申し合わせ、打ち合わせ、あるいは行政機関に示す基準の設定みたいなもの、あるいは地方に対していろいろと指示をしているようなこと、そういうことも、どういうプロセスでそれが決められたのかなんということもしっかり残すというようなことも例示をより具体的にしておくことが必要だと思うんですけれども、いかがですか。

小渕国務大臣:今御指摘の点、もっともだと思っておりまして、今委員が例示として並べられたことは基本的に残されるべきものであるかと思っております。
ただ、一つ一つやはり丁寧に管理委員会におきまして議論をしていく必要性があるかと思っておりますので、この法律上ではそうした細かな事例まで明記していないというところであります。

逢坂:もし法律に書けるのであれば、私は可能な範囲で書いた方がよいのではないかなというふうに思います。例えば、今私が言ったようなことを例示として書くことは、それほど法文としては問題のないことだというふうに思いますので、この点は指摘をしておきたいなというふうに思います。

●公文書管理担当機関の独立性
逢坂:公文書管理担当機関というのはどういう位置づけであるべきだというふうにお考えですか。私は、これはやはり独立性の強いものでなければだめなのではないかというふうに思うんですね。アメリカでウォーターゲート事件というものが起きたのは皆さんも御承知だと思います。あのとき、アメリカの公文書館の独立性というのは余り強くなかったんですね、アメリカでウォーターゲート事件が起きたときに。そして、そのときに、当時のニクソン大統領は、その証拠を隠そうとして、ホワイトハウスの執務室でとっていた録音テープや文書を廃棄しようというようなことをやろうとしたわけですね。しかも、それをだれに頼んでやったかというと、文書管理担当の長官に頼んで、それを持ちかけてやろうとしたということがあるんですね。これを契機にして、アメリカでは、これは公文書管理担当機関というのは政府と一体ではだめなんだ、もっと独立性の強いものにしなければいけない、そうしなければ、その時々の権力の恣意性で、文書の範囲だとか、廃棄するだとか保管するだとかが決められてしまう、これではまずいということで、NARA、アメリカの公文書館の独立性を強めるということになったわけですね。今回の日本の法案、やはりこれは必ずしも独立性が強くないというふうに思うんですね。その独立性の強くない公文書管理委員会にいろいろなことを預けて、そこで決めていただくというのは、私は相当に問題が多いのではないかと思うんですけれども、いかがですか。

小渕国務大臣:公文書管理委員会につきましてでありますけれども、この委員会は、審議会等の、いわゆる諮問機関ということで、内閣府に置かれることが適当であるかと考えております。内閣総理大臣が、この公文書管理委員会のメンバーも、その責任とリーダーシップのもとでこのメンバーを決め、この委員会は、内閣総理大臣が権限を行使する上で必要な場合に、その諮問に応じて専門的見地から意見を述べる役割を果たすということであります。

逢坂:公文書管理委員会や公文書管理担当機関は独立性が強くなければだめだという私の指摘に対してはどうお考えですか。

小渕国務大臣:今のこの体制で十分にその機能を発揮できるものと考えております。

逢坂委:今の体制で十分にその独立性は担保できるという根拠は何ですか。

小渕国務大臣:この委員会のメンバーにつきましても、内閣総理大臣の決定のもとで決められることでありますので、しっかりと内閣総理大臣のチェックのもとでこの委員会ができるということで、その管理体制もしっかりとしたものになるかと思っております。

逢坂:私の指摘はそうじゃないんですね。先ほどウォーターゲート事件の例を引っ張り出したのは、大統領であっても自分の都合のいいように文書を廃棄してしまうということだから、アメリカの公文書館は独立性をさらに強めて、政治からある程度離れた場所に置くということに最終的になったわけですね。ですから、今回の法律のしつらえは私も理解はいたします。しかしながら、大臣に、将来の課題として独立性を強めていくということについてどう思うかというふうに私は伺っているんですね。

小渕国務大臣:確かに、委員が御指摘のように、大統領でさえもそうした機密文書を隠してしまうというような事例があるというお話でありましたけれども、そういうことが行われてはもちろん困ることでありますので、この委員会の権限やそうした立場につきましては、しっかりと議論を進めていきたいと考えております。

逢坂:政治のリーダーシップによって、日本の公文書管理というもののあり方を生み出していく、つくり出していく、これは政治がやる以外にないというふうには思うんですけれども、政治がある一定程度のところへ押し上げていった暁には、公文書管理担当機関を、さらに独立性を強めて、ある種、政治の権限から離れた、まさに公平、中立な存在にしていくということは私は大事だというふうに思いますので、ぜひこの点は将来に向かっての検討事項にしていただきたいと思うんですが、どうですか。

小渕国務大臣:今後進めていく上で、やはり公文書管理委員会の役割というものが大変大きなものになっていくのではないかという御懸念というものもそのとおりであるかと思いますので、しっかり議論してまいりたいと考えております。

統一的なルール(政令)と省ごとの規定(文書管理規則)
逢坂:第五条「整理」という規定がございます。第五条の五項に「行政機関の長は、」ということで、ここで、移管をするのか廃棄をするのかということを行政機関の長が定めることになっていますね。公文書管理の基本的な精神は、やはりある種、政治や行政の現場とは違ったところで、公平、中立に管理をしなければならないという観点からするならば、この規定というのは、この主語が行政機関の長になっているのはいかにもまずいのではないか。ここの主語はもっと別な人にする必要があるというふうに思うんですけれども、どう思われますか。

小渕国務大臣:もともと統一的なルールというものがあって、その枠内でそれぞれの省ごとの規定の案というものが定められることになってまいりますので、そのあたりの心配というものは当たらないのではないかと考えております。

逢坂:もともと統一的なルールがあってとおっしゃいました。もともと統一的なルールというのは何ですか。

小渕国務大臣:統一的な管理ルールというものを政令で規定することとなっておりまして、その枠内におきまして、それぞれの省庁におきまして基本的な案というものを作成することになっております。

逢坂:すなわち、現在のこの法案は枠組み法なんですね。眼鏡でいえば、枠だけはあるんですけれども、眼鏡の度数がまだ入っていない。いろいろなことが、有識者会議で決めます、政令で決めます、どっちで決めますと。できる限り法律に落とし込めるものは落とし込むということをしなければ、本当の意味での公平性は保てないし、行政機関の長が自分に都合のいいことをやらない保証はなかなかないんだということを指摘しておきたい。もしこの法案がこのとおり成立するとするならば、大臣、これから、政令をつくるとか、各府省がつくる規則の段階、これは物すごく大事ですよ。ここをちゃんとやらないとえらいことになってしまうというふうに思うんですね。ぜひそのことに対する御認識を、決意を。

小渕国務大臣:公文書の管理につきましては、これまでのさまざまな事案がありまして、それの反省のもとに今回のこの法案があると思っております。ですから、もちろん各府省におきまして勝手やたらのことができるということはあってはならないことですし、そうしたことがないように、しっかりとした統一的な政令を定めるということであります。意思決定というものがしっかり文書にされていくことが大事であると思っておりますし、委員の御指摘はしっかりと受けとめさせていただきたいと思います。

逢坂:逐条の方は若干お休みをして、ほかの話題に行きたいと思いますので、しばしお休みください。体にさわるといけませんので。

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個人メモについて

(この挿入がどうも紛らわしいので6月7日20:50加筆しますが、
このコマは私の感想です。この間、以下に貴重なコメントもいただいています。
逗子市の条例のお話。ぜひ、ご参考に。)

その2に関連して
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-821b.html

個人メモについては、こだわりたいところだ。個人メモとはつまり私文書である。

今年の1月に日本計画行政学会の関東支部でワークショップを開催した際、急いで米国の国立公文書館・記録管理院が作っているNARA連邦規則(36CFR)の一部抄訳を作った。→こちら「nara_36cfr_j.xls」をダウンロード

なぜなら、そこには、しっかりと「私文書とは何か」を定義、つまり「何が公文書とは見なさないか」というネガを見せることにより、「公文書とは何か」を浮き彫りにする規則が定められているのだ。これを読めば、これ以外はすべて公文書であると公務員が意識・認識した上で業務を行わなければならないという意識も生まれるというものだ。

個人メモ(私文書)について書かれた部分だけを以下、抜粋する。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
§1222.36 私文書とは何か
(a)私文書とは公務とは関係がないまたは公務に影響のない私的たは非公共な性質を持つ文書。私文書は連邦政府の定義から除外され、政府の所有物ではない。私文書の例には以下を含む
(1)政府業務に就く前に職員が集積した文書で公務に実質的には使用していないもの
(2)個人の私的な事柄にしか関係のない、たとえば公務以外の職業団体や個人的な政治的なつながりに関する文書など。
(3)日記、日誌、私的な通信や、その他政府業務執行のための準備、使用、回覧、伝達を行ったものではないメモ
(b)私文書は明らかにそのように区別できなければならない。また常に公文書とは区別して保管するようにしなければならない
(c)個人的な事柄と公務に関する情報が同じ文書に存在する場合は収受の際に、個人的な情報を削除した上で複写し、連邦記録として扱われなければならない。
(d)「個人的」「機密」「私的」または同様のラベルがついていても、業務遂行に使用された文書は該当する法令の条項が適用される連邦記録である。「個人的」という言葉がついているだけでは連邦機関における文書要件を決定づけるには不十分である。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

また、お気づきのように、このルール作りを行っているのは、行政からは独立した国立公文書館・記録管理院だ。日本が本来目指すべきは、行政とは一線を画した機関がこのようなルールを作ることだ。現在、法案審議が行われている以上、何が個人メモで何が公文書かという審議を重ね、より明確化していって欲しい。

時間ができた際に、私が国交省を相手に行った裁判について書いて(こちらでも裁判に到るまでは地団駄を踏みながら書いたけれど)、さらなる情報を提供したい。

まさのあつこ

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公文書管理法案(その3)

こちらからの続きです。(審議抜粋)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-821b.html

政令、文書管理規則
西村:文書管理の際の基準の設定について、行政機関の長が定めることが望ましいとお考えか、それとも、公文書管理担当機関が統一的に定めることが望ましいか。

増原副大臣:具体的なルールについては政令で定めるということになっております。当然のことながら、これは内閣府が主導して統一的な基準をつくってやりますということであります。

西村:私の質問は、基準は行政機関の長が定めるのが望ましいと思うか、それとも統一的な基準として公文書管理担当機関が定めることが望ましいか、どちらですかと伺ったんですよ。どちらですか。

増原副大臣 内閣全体として政令を定めていく、統一ルールは政令のレベルで定める。

(ばっさり省略)
・IT化への対応
・デジタルアーカイブ化での著作権など
・研修など

司法府、立法府
西村:この有識者会議の中で、公文書管理担当機関に関連して、組織のあり方として、国立公文書館を現在の独法形式から特別の法人とすべきであると。つまり、今も国会や裁判所などの記録は移管できるということになっておりますけれども、この移管は進んでいません。ですから、特別の法人として、そのような政府とのいろいろな連携、そしてまた、司法府、立法府からの文書の移管ということをよりスムーズに進めるために特別の法人にするということについて最終報告の中でも提起をされているわけですけれども、この点について政府としてはどうお考えですか。

増原副大臣:政府側としましては、立法府、司法府からの文書の移管に関する協議機関の設置の是非につきましては、それぞれ立法府、司法府の事情や判断もあることから、三権分立の観点から見て、内閣の提出法案の中に、協議機関を設置し両府の参画を義務づける、この規定を入れるということは難しかったということでございます。引き続き、これからもいろいろ立法府、司法府との協議も続けてまいりたい、そのように考えております。

大量破棄
西村:十年前の行政情報公開法が施行されたとき、実は、行政情報公開法の施行目前に霞が関から大量の文書が廃棄されたということが市民団体の調査などによってもわかっております。上川前担当大臣が、平成二十年の三月の時点で、有識者会議の議論を行っている間、当分の間は、保有する行政文書の廃棄を一たん中止していただきますようお願いしますと、これは閣僚懇談会において発言をされておられます。小渕現大臣は、平成二十年の十一月に、この最終報告がまとまったことに関連して、「今後の行政文書の管理に関する取組について」ということで、「行政文書・公文書等の管理・保存に関する関係省庁連絡会議申合せ」ですか、ここにおいてペーパーを出されておられるようでありますけれども、これがどう担保されているのか。
 ここで、ぜひ大臣からは断言をしていただきたいんです。情報公開法の施行前のように、霞が関からあんなに大量に、一気に文書が消えるようなことは、私の責任においてありません、しませんということをぜひ言っていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

小渕国務大臣、委員が御指摘のように、前回の轍を踏まないように、今回の法律整備前にそのような廃棄が行われることのないように、徹底して関係省庁に発言してまいりたいと考えております。

制定プロセスの管理
西村:最後に、今回の公文書管理法の制定プロセスというのも、私は、これは後世に残す極めて貴重な資料としていろいろ残していくべきだろうと思います。きのうファクスで送っていただいたこの文書、上川前大臣の閣僚懇談会での発言、そして小渕現大臣の閣僚懇談会での発言等も、これも貴重な発言でありますので行政文書として定義されるべきものだと思いますけれども、その点について一点伺います。
 二点目は、これからつくられる政令、そしてさまざまな規則の制定過程も、きちんと後から合理的に裏づけできるように、まさに他の省庁のお手本になるようなファイル作成、そして管理、公開というような、まさに他の省庁のお手本になるような取り組みを進めていただきたいと思いますけれども、この点についていかがでしょうか。

小渕国務大臣 この法律の趣旨というものは、その意思決定の過程をしっかりと行政文書として適切に作成、管理をしていくということでありますので、この法律につきましての意思決定過程もしっかりと文書として管理をしていきたい、そして、委員の御指摘のように、各省庁の今後のモデルケースとなるように努めてまいりたいと考えております。(西村(智)委員「これはどうですか、閣僚懇談会」と呼ぶ)それも含めてしっかりと管理をしていきたいと考えております。

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公文書管理法案審議(その2)

こちらからの続きです。(審議抜粋)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-0cdb.html

個人的なメモ
西村:行政文書の定義では、「当該行政機関の職員が組織的に用いるもの」というふうにされておりますけれども、「組織的に用いる」というのはどういう意味でしょうか。私は、個人的なメモであっても、例えば二人以上で回覧したもの、閲覧したものであれば、これは組織共用文書として行政文書の定義に加えるべきではないか。

増原副大臣:個人的なメモの件でございますけれども、委員が言われている個人的なメモというのはどういうケースを言われているのかということになると思います。外交上の交渉の話なのか、各省折衝の話なのか、あるいは、ある国会議員から調査依頼が来たときにメモった話なのか、これはいろいろケースがあると思いますよ、先ほどの委託事業と同じでして。それを、一体どこまで含めるようにすべきか。これは、意思形成にかかわってくる、そしてそれが組織的に使われるというものであれば、個人的なメモも行政文書に該当することは当然あり得る、そのように考えております。

西村:私の考えですと、先ほど副大臣がおっしゃられた三つとも、すべて組織共用文書に含まれることになると思います。民主党は、この点についても、個人的なメモであっても、二人以上で回覧、閲覧したものについては、組織共用文書として行政文書の定義に含めるという考えであります。その点についてはここでは明確な御答弁はいただけなかった。

文書ファイル
西村:(有識者会議の最終報告書)五ページのところになりますが、「一連の業務プロセスに係る文書が、その個々のプロセスごとに別のファイルに編集され、異なる保存期間で保存されるため、後から一連の業務プロセスの全体像を把握することが困難な場合がある。」というふうに書かれております。これについては、政府はどういうふうに認識しておられますか。有識者会議と同じ課題があるというふうに考えておられますか。

増原副大臣:基本的には、有識者会議と同じような認識を持っております。本法案につきましては第五条の方で、統一的な保存期間基準を定めた政令を策定することにいたしております。また、その有識者会議の最終報告におきましても、「業務遂行上の必要性に対応するとともに、一連の業務プロセスに係る文書の一覧性を高める観点から保存期間が設定されるようにする。」という方向性も示されております。
 これを踏まえて、保存期間基準につきましては、業務遂行上の必要性、一連の業務プロセスに係る文書の一覧性の確保等の観点から、公文書管理委員会の御意見をお伺いしながら、今後検討してまいります。

西村:そこは非常に大きな問題だと思うんですね。一つのファイルの中に、いわゆる決裁文書と意思形成過程に係る文書が一緒に保存されている。恐らくそれは、決裁文書と意思形成過程の文書ですから、保存期間が異なるということになると、一冊のファイルの中に異なる保存期間のものが含まれるということになるわけですね。ところが、法案の第五条の二項では、括弧書きで、「(保存期間を同じくすることが適当であるものに限る。)」と書かれているんです。これは矛盾しますよね。そういたしますと、先ほど私が読み上げた有識者会議の指摘の点というのは解消されないのではないかと思うんです。有識者会議の最終報告に忠実にこの法案をつくるのであるとすれば、この括弧書きの中は削除しなければならないというふうに考えるんですが、いかがですか。

増原副大臣 西村委員御指摘の点につきまして、私も、法案を読んだときにあれっと思ったんですよ。正直申し上げまして、思いました。それで、これはこういうことなんです。例えば、審議会の答申が出ました、こういうものは十年です、閣議決定なり閣議了解、そういうものは大体三十年と保存期間が定められておりますと。これをいかに一覧性のあるものにするかということが、実はベースにそういうものがあってこの五条二項があるというふうにお考えいただきたいと思います。審議会の答申を受けて政省令をつくります、閣議了解をしますというようなケースであれば、十年と三十年であれば、両者を一緒にして三十年にする、こういうことなんです。

西村:保存期間の異なるものが一つのファイルの中にあって、十年のものと三十年のものがあったら、そのファイルの保存期間は三十年ということになるんですか。(増原副大臣「そうです」と呼ぶ)その間は利用できないということですか。ほかの文書については利用できないということですか。(増原副大臣「それはどういう意味ですか」と呼ぶ)閲覧できないのかという意味ですが。

増原副大臣:破棄しないということでありまして、従来は十年で破棄していたものを、これは意思決定の全体の一覧性を確保するために三十年にしておりますということ。

行政文書ファイルの管理簿
西村:行政文書ファイルの管理簿についてでありますけれども、情報公開で情報公開請求をする場合に、ファイル管理簿の上での文書の名前のつけ方が極めてずさんであるために、これが役に立たないという指摘を受けておると思います。私たちでも、ヒアリングをする中でそういうお話を承りました。ファイルの名前と管理簿上の名前を一致させておかなければ全く役に立たないというふうに考えておりますけれども、今後そういった問題が発生しないために、具体的に内閣府ではどういう対応を考えておられるのか、具体的な対応策をお答えください。

増原副大臣 御指摘のようないろいろな問題につきまして我々も重々承知をいたしております。新たな公文書管理法のもとでは、国民へのわかりやすさを意識したファイル名の設定など、行政文書ファイル管理簿の記載方法につきまして、先ほど来申し上げておりますが、委員会の審議、調査も経ましてマニュアル等で定めてまいりたい。

西村:具体的な問題がわかっておられるのに、また有識者会議の最終報告などを受けて検討ということでは、とても、政府の国民に対する説明責任を果たそうという姿勢が欠けているのではないか。

移管と廃棄
西村:最終報告の中で、移管と廃棄については、「移管・廃棄基準の具体化・明確化を図り、移管基準に適合するものについては、原則移管とするとともに、公文書管理担当機関の判断を優先する仕組みを確立する。」というふうに記載をされています。この点について、政府の認識はいかがでしょうか。

増原副大臣:歴史資料として重要な公文書はすべて移管する。また、確実な移管、廃棄の措置を担保するために、あらかじめ移管または廃棄の措置の設定を行います。行政文書ファイル管理簿に記載され、定期的に内閣総理大臣への報告が行われるとともに、公表も行います。問題があると考えられる場合には、内閣総理大臣が実地調査や勧告を行い、改善を行っていく

西村:つまり政府案では、行政機関の長が政令で定めるところによって移管をして、それ以外のものは廃棄する、こういうことになっているわけですね。有識者会議が求めていたのは、公文書管理担当機関の判断を優先する仕組みをつくるということであったはずです。
私たち民主党の考えでは、当面、公文書管理については政治的なリーダーシップが必要だと考えますので、内閣総理大臣に移管、廃棄の最終責任を負ってもらうというふうに考えているんですけれども、政府案ではそのようなことは検討されなかったんでしょうか。なぜ公文書管理担当機関がチェックする仕組みにしなかったんでしょうか。

増原副大臣:委員御指摘の公文書管理機関というのは、内閣府も入れば公文書館も入ればあるいは公文書管理委員会も入ります。ある意味では、関係省庁も全部入ります。政令できちっとルールを定めれば、これは各省庁ということではなくて、政府全体という形になってまいります。毎年それをチェックしていく規定をこのたび入れております、先ほど申し上げましたように。内閣総理大臣への定期的な報告、さらにそれを受けて、もちろんそれも公表いたしますが、さらに実地調査や勧告、これを行うことにいたしておりますので、実質的にそれは担保できる。

西村:今のは大変苦しい答弁だったと思いますね。私たちもいろいろ考えました。公文書管理庁という独立した庁を置くか、それとも内閣府の中に局とか置くか、外局として置くか、担当大臣を置くか置かないかということまで含めていろいろ考えてきたんですけれども、これは政府全体で各行政機関の長で任せてきたから、今のように文書があるとかないとか、それから勝手に捨てられてしまったとか、保存期間前なのに捨てられた文書もありましたね、たくさん。
 そういったことからいたしますと、今の答弁というのは非常に理解に苦しむんですけれども、ですから、ここは私たちの主張としては、やはり内閣府の中にきちんと庁なりを置いて、最終的に総理が最終責任をとって移管、廃棄を行うという仕組みにすべきだ、この主張だけはさせていただきたいと思います。

利用、30年原則
西村:公文書というのは、国民共有の財産であるのと同時に、これからデジタルアーカイブということにもなってくるでしょうから、海外からのアクセスを容易にするということは必要だと思います。
 国際的には、既に、利用制限は原則として三十年を超えないといういわゆるマドリッド原則があるんですけれども、これをきちんと記載して、この移管後の利用促進というものを図るべきではないか。法定化すべきであると私は考えておりますが、この点についての意見を伺います。

増原副大臣 利用制限に関する不服申し立て、取り消し訴訟といったような手当ても既に用意してございます。海外の場合になりますと、どうしてもデジタルアーカイブズが非常に重要になってくる。それから、国際ルールの三十年ということでありますが、先生御指摘の部分は、ICAのマドリッド大会、一九六八年の部分だと思いますが、文書閲覧開始まで三十年を超えないものとすべきであるとの勧告が出されておることは私どもも承知しておりますが、三十年たったら一律に全面公開するということは、それは必ずしも、実務的なケース、いろいろな各国のケースを見ても、そのようになっているわけではございません。本法においては時の経過を踏まえる規定を置いておりまして

西村:戦後の外交史を知る上で、私たち日本人が、日本で公開される日本の行政文書によって知るのではなく、アメリカで公開されるアメリカの行政文書によって知ることができるのはなぜかといえば、やはりここが違いなんだと思うんです。つまり、三十年原則というのをきちんと踏まえて、アメリカは、年月がたったからということで公開をする。しかし、日本は相も変わらず、やれいろいろな障害があるとかなんとか理由をつけて、なかなかそういった分野での情報というのは公開されていかないんですね。ぜひ、この三十年原則を踏まえて、より適切な公文書の管理と情報公開はやるべきだというふうに考えます。今の副大臣の答弁では、私は、正直言うと納得はしていない

 次に、同じく移管後の利用について、第十六条の関係で伺いたいと思います。

利用と恐れ
法案の第十六条では、「特定歴史公文書等」、つまり、行政文書の中から歴史公文書が選択をされて、その中から国立公文書館に移管されたものが特定歴史公文書等ということになるわけですけれども、その特定歴史公文書等の利用権について記載をされている。私は、「これを利用させなければならない。」という十六条の書きぶりは非常に評価をいたしております。
 ただ、「おそれがあると当該特定歴史公文書等を移管した行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」はそこから除くことができるというふうに書かれているわけですね。行政機関の長がおそれがあるかどうかということを判断するという、その判断の主体は削除すべきではないか

増原副大臣:要は、その「相当の理由」に全部尽きるんだろうと私は思っておりますが、外交文書あるいはいろいろなジャンルの文書によっていろいろ違いは出てくるんだろうと思いますけれども、できるだけそういうものはやはり制約すべきではないかと私は思っております。

西村:おそれがあるものはあるでしょう。それは私も認めます。例えば警察あるいは外務省の情報、防衛省の情報、出せないものもあると思います。しかし、それを判断する主体がなぜその当該の行政機関の長なのか。一方で利用原則があるのにその利用を制限するという、何といいますか、冷房と暖房を一緒につけるような、そういうような極めておかしな話になっているわけですから、ここのところは改めるべきだと思います。

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審議その1関係(行政の恣意性排除と政治家の役割)

この中のこの副大臣答弁について↓↓↓

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増原副大臣:私も、大蔵省にいましたときに財政演説の草稿をつくった立場でありますが、案件それぞれ、最終的にはそこでは財政演説が公文書になるわけでありますけれども、その前に、まず、私は企画官であったんですが、係長クラスから、パーツをそれぞれ割り振って、出させます。それを私が全部まとめてたたき台をつくる。それが課長のところに行って赤字がたくさん入る。局長のところに行って入る。さらには、あのときは渡辺美智雄大蔵大臣でしたが、大変な赤字が入りました。だから、どれをもって意思決定の過程で、どこまでを公文書とするかというのは、かなり難しい問題であると思っております。
=======================================

まさのメモ:
ここでいうすべてが重要な公文書ではないか。
どこまでがどのような判断材料(公文書)をもとに、企画官が行政判断をして、どのような草案をまとめ、課長が何(公文書or恣意的判断)をもとに赤字を入れ、局長が何(公文書or恣意的判断)をもとに赤字を入れ、そして最後に大臣が何(官僚がもたらす情報or政治判断)をもとに財政演説をおこなったのか。そのすべてが保存され、開示の対象になってこそ、判断の適切さが公正明大に担保され、国民が警戒し、忌み嫌う行政官による行政のための恣意的な判断を抑制できる。

これこそが、行政文書管理の意義ではないか。恣意性の高い行政に都合のいい判断を排除して民主主義の土台を作ること。白黒つかない政治判断は、最終的に政治家が行い、その結果責任を政治家が行う。それが「行政」とそのトップである大臣の役割分担だ。昨年9月、日本計画行政学会のワークショップでもこのことは議論されている。

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公文書管理法案審議(その1)

衆議院内閣委員会平成21年5月27日(水曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090527012.htm
の審議から、テーマごとに小見出しをつけながら【抜粋】してみる。
抜粋だからそのつもりで。
さらなるツメが必要ではないかと思う部分、あとで考えたい部分に下線も引いておく。

●共有財産
西村智奈美議員(以下敬称略):この最終報告の最初には「公文書の意義」ということで記載があります。公文書というのは「未来に生きる国民に対する説明責任を果たすために必要不可欠な国民の貴重な共有財産である。」というふうに書かれているとともに、「公文書は「知恵の宝庫」であり、国民の知的資源でもある。」というふうに書かれています。政府として、この最終報告に書かれている記載と同じような認識を持っておられるかどうか、伺います。

小渕大臣:国の活動や歴史的な事実の正確な記録である公文書は、民主主義の根幹を支える基本的なインフラであります。過去、歴史から教訓を学ぶとともに、未来に生きる国民に対する説明責任を果たすために必要不可欠な国民の貴重な共有財産であると認識をしております。

知る権利
西村:やはり法案の中では、いわゆる国民の知る権利についての保障がきちんとされるべきだった。なぜ盛り込まれなかったのでしょうか。

小渕大臣:いわゆる知る権利につきましては、その内容や憲法上の位置づけについて学術上さまざまな理解の仕方があり、また、請求権的な権利としての知る権利は最高裁判所の判例において認知されるに至っていない。
 そのため、本法案におきましては、あえてそのような文言を使わず、情報公開法と同様に、「国民主権の理念にのっとり、」や「国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにする」という文言を用いているところであります。

西村:知る権利というのは明記できるし、明記すべきだというふうに考えております。そこは主張として申し上げます。

行政文書の定義
西村:(有識者会議の)最終報告の中では、「経緯も含めた意思形成過程や事務・事業の実績を合理的に跡付けることができる」ように文書を作成、保存しなさい、こういう方向性が書かれておりますけれども、この点について、公文書管理法案の中ではこの意思形成過程についてどのように示されているのでしょうか。

増原副大臣:我々としましては、それを踏まえて第四条に、意思決定について文書を作成することを法律上義務づけるということにいたしております。
 その具体的な範囲につきましては、有識者で構成する、新たに設けます公文書管理委員会の御意見を伺いながら政令で定めることを予定しておりまして、今後、本国会での御審議あるいは最終報告の提言に沿って検討を進めてまいりたい、そのように考えております。

西村:政令で定める、そして今後の議論にゆだねたいというのは、余りにも見えない法案であると思うんですね。本来であれば、行政文書の定義、それは事細かく書くことは難しいのかもしれませんけれども、最低限の基準なりを示して、法定化した上で法案審議に付することは必要なのではないかというふうに考えております。ですから、政令に任せるという空手形ではとても、なかなか納得できない。

行政文書の作成、取得義務
西村:行政文書の作成、作成と、言葉を聞いていますと、とかく行政機関の中だけでつくられる文書についてのみが対象範囲として頭の中に浮かぶんですけれども、本来、行政文書というのはもっと広い定義なのではないか。意思形成過程にかかわる委託調査によるデータは極めて重要なものだと思いますけれども、作成だけではなくていわゆる取得、この取得義務に関してはどういうふうにお考えでしょうか。

増原副大臣:御指摘の点につきましては、委託元である各省庁が、委託事業の成果物の活用や適正な事業執行が行われたかどうかを確認するためなどの必要性を的確に判断して文書等を取得することが適当であると考えております。
 このため、政令等の文書管理ルール上の委託事業に係るもとデータの取り扱いにつきましては、これはそれぞれ、昨年の予算委員会でもありましたように、道路関係でBバイCについての委託の分がありました。かなり膨大なデータとなっておりますが、あるいは、そうでない、簡易なデータもあるんだろうと思います。その取り扱いにつきましては、有識者で構成する公文書管理委員会の意見も伺いながら、そのあり方について今後検討していく必要があると思います。

政策形成過程
増原副大:私も、大蔵省にいましたときに財政演説の草稿をつくった立場でありますが、案件それぞれ、最終的にはそこでは財政演説が公文書になるわけでありますけれども、その前に、まず、私は企画官であったんですが、係長クラスから、パーツをそれぞれ割り振って、出させます。それを私が全部まとめてたたき台をつくる。それが課長のところに行って赤字がたくさん入る。局長のところに行って入る。さらには、あのときは渡辺美智雄大蔵大臣でしたが、大変な赤字が入りました。だから、どれをもって意思決定の過程で、どこまでを公文書とするかというのは、かなり難しい問題であると思っております。

西村:今すぐここで、取得データについても、これは取得義務がある、行政文書の範囲に含めるというふうに副大臣がおっしゃってくだされば、それは入るんですよ。どうですか。答えてください。

増原副大臣:委託事業につきましては、委託をすれば、そのデータは全部委託をした者の、要は行政庁のものになると思います。そのうちどこまでを公文書という形にしていくかという議論ではないでしょうか。そこのところはケース・バイ・ケースによっていろいろあるのではないかということから、公文書管理委員会の意見も伺って決めていきたい、こういうことであります。

西村:有識者会議の意見というのはこの最終報告に尽きているんですよ。その有識者会議の最終報告の中で「経緯も含めた意思形成過程や事務・事業の実績を合理的に跡付けることができる文書が作成・保存されるようにする。」というふうに書いてあるんですよ。だから、そうすべきなんです。ですから、委託データ、調査結果のもとデータなども、これは取得義務を課すべきだというふうに強く主張をしたいと思います。

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修正協議が終わってまだできること、残されたことのチェック

公文書管理法案の修正については、瀬畑源さんのブログ
http://h-sebata.blog.so-net.ne.jp/2009-06-05 
で見ていただくことにして・・・、

★ちなみに、衆議院では合意した修正案について今週審議の上、裁決だという。

そこで、こちらでは、国権の最高機関である国会で決めるべきことが、
(第四十一条  国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である)
「政令」や「文書管理規則」が白紙委任されたままになっていないか、
国会議事録をチェックしていく(体力が尽きない限り)。

今のところ、審議全文はこちら。衆議院内閣委員会
第12号 平成21年5月27日(水曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090527012.htm
第13号 平成21年5月29日(金曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090529013.htm 

映像でみたい人は、こちらにある要領で。
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-3f88.html
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-1d54.html

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2009年6月 4日 (木)

公文書管理法 気になる修正協議の行方

週刊ダイアモンドで取材をさせてもらった逢坂誠二衆議院議員の
今朝のメルマガ(6月4日)http://www5a.biglobe.ne.jp/~niseko/
修正協議大詰めのニュース。

>本日10時から実務者協議、
>15時から内閣委員会理事懇談会が
>行われる予定です。

とある。後で取材しなければ。
この修正協議の過程もガラス張りでやってくれると
一番分かりやすいのだが。
というか、国会の場で「審議」の形でけんけん諤々やってみせてくれると
誰が本気で何を実現しようとしているか見えるし、
国民も盛り上がるのだが。

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2009年6月 3日 (水)

ナギの会から(辰巳ダム)

三重に行く前に転載許可をもらったので、
終わっている情報もありますが(すみません)
石川県の渡辺寛さんから、辰巳ダム裁判を含めての情報です。

―― 渡辺 寛です(@ナギの会/辰巳の会(金沢))

【その1】―――
明日30日(土)、北陸朝日(HAB)と石川テレビで重要?番組が放送
されます。ぜひごらんください。

 ◆石川テレビ:午後1時30分から(55分)
 「能登原発をテーマにしたFNSドキュメンタリー大賞受賞作。
 「風と土は好きなのに-能登半島 原発のある町-」

 ◆北陸朝日放送:午後3時から(55分)
  浅野川洪水の総特集番組です。
  「山河なし~浅野川水害・濁流は警告する~」
  「濁流の警告・浅野川水害の残したもの流木は語る」

【その2】―――
去る21日、石川県の防災会議が開かれ、今年度の水防計画が決まりま
したが、この中でとんでもない問題が隠されているのが分かりました。
詳しくは「ナギの会HP」更新情報からみてください。
  http://nagi.popolo.org/2009nisshi.htm
来週早々、県に公開質問する予定です。

【その3】―――
辰巳ダム裁判はテレビで見るような丁々発止というような具合には行か
ないのですが、着実に進んでいます。
今後の予定:6月26日(金)、現地検証(9:30~)
      7月10日(金)、第6回口頭弁論(13:10~)
中登史紀さんがこれまでの裁判や土地収用委員会の様子などをスケッチ
されています。
 http://www.nakaco.com/kousin.htm

【その4】―――
昨年の浅野川洪水のあと、中流域は堆積した土砂の除去は進んでいるの
ですが、我が家近くの浅野川下流域の状態は、とんてもなく土砂の堆積
が進んでいます。出水期を間近にし心配の種が増えます。
北陸中日新聞がこの問題を大きく伝えました。
 掲示板№437 に紹介しました。
 http://nagi.popolo.org/bbs2/img/437.jpg

【その5】―――
浅野川洪水写真が卓上パネルになりました。
昨年の浅野川洪水を忘れないために「浅野川水害メモリアルの会」が卓
上のパネルに仕上げました。3カットの写真をもとに、60枚のA5版
のパネル。地元トップグラフィックデザイナー小川さんのレイアウトに
よるシンプルで充実したものです。
問い合わせは茶房犀せい(076-232-3210)へ。
ブログはhttp://suigai2008.blog35.fc2.com/

【その6】―――
浅野川洪水で浸水被害をうけた住民58名が「浅野川水害訴訟」を提起
しました。
第1回口頭弁論は、6月12日(金曜日)14時~ です。
詳しくはこちら:http://blog.asanogawa.com/
10名の弁護士が参加。争点は、堤防切り欠き部を閉めなかった県と用
水の水門からの逆流を防げなかった金沢市の責任。

浅野川と犀川は導水路でつながった一つの水系となっています。二つの
裁判で県の河川管理責任を追究することになりますね。

【その7】―――
辰巳ダム裁判を提訴して1年になります。
これを記念して「金沢の治水を考える集会(仮題)」を準備しています。

◆7月11日(土) 午後開会(時間未確定)
◆講師:宮本博司氏
 略歴 1952京都市生まれ。京都大学大学院修士課程土木工学専攻終了。
 1978年に旧建設省に入り、河川行政に取り組む。苫田ダム、長良川河
 口堰担当を経て、国交省近畿地方整備局淀川河川事務所長として、淀
 川水系流域委員会の立ちあげに関わる。同局河川部長を経て本省河川
 局防災課長を最後に2006年辞職。現在は(株)樽徳商店会長。新淀川水
 系流域委員会に一市民として応募。選挙により同委員会委員長に就任。

詳細については、現在準備中です。追ってお知らせします。

以上、簡単ですけど、詳しくは、ナギの会HPをぜひご覧下さい。
ナギの会HP→ http://nagi.popolo.org/

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公文書管理法案参考人質疑

三重にいったり、林業分野のシゴトに没頭したり、その他諸々で、
アップロードが遅くなりましたが、参考人質疑が行われました。

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php
→右側のカレンダーから2009年5月29日(金)をクリック
→2009年5月29日(金)内閣委員会をクリック

開会日 : 2009年5月29日 (金)
会議名 : 内閣委員会
収録時間 : 2時間 49分

参考人

尾崎護(参考人 公文書管理の在り方等に関する有識者会議座長)
三宅弘(参考人 弁護士・獨協大学法科大学院特任教授)
福井秀夫(参考人 政策研究大学院大学教授 日本計画行政学会常務理事兼行政手続研究専門部会長)
菊池光興(参考人 独立行政法人国立公文書館長)

質問者

加藤勝信(自由民主党)
佐々木隆博(民主党・無所属クラブ)
田端正広(公明党)
吉井英勝(日本共産党)
重野安正(社会民主党・市民連合)

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