« 公文書管理法案審議(その10) | トップページ | 公文書管理法案審議(その12) »

2009年6月 7日 (日)

公文書管理法案審議(その11)

そろそろ限界が近づいてきましたが、ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-ea93.html

新しく出てきた論点のみ抜粋させていただいてます。【随分はしょった抜粋】です。
議事丸ごとは、こちら↓衆議院内閣委員会平成21年5月27日(水曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090527012.htm

国民が主体的にかかわる権利
重野安正議員(以下、敬称略):今の大臣の答弁でも、国民というのはこの中ではあくまでも受け身なんですね、受け身。この法律は、まさしく公文書、公の文書でありますが、そういう与えられるものではなくて、それらについて国民は主体的にかかわる権利を持っている、その趣旨がこの法案の目的のところに出ていないという認識を私は持つわけです。そこのところは、やはりこの法律そのものを規定づける極めて重要な要素をはらんでいると思うんです。この法律の主体が国民にあるんだというところがなぜもっと具体的に表現されないのか、改めて聞きます。

山崎政府参考人:国民の共有財産という御指摘でございます。確かに、有識者会議で国民の共有財産という提言をいただいたわけでございますけれども、財産という用語は、通常、金銭的価値のある権利と解されておりまして、こういう用語を本法案で規定するのは適当ではないのではないか、そういうふうに考えたことによりまして、目的規定には含めておりません。(略)最終報告書で国民共有の財産と記述された趣旨は本法案において反映されたのではないかというふうに考えております。

重野:趣旨において国民共有の財産という認識を持つのであれば、今一々説明をしなくてもいいように、国民共有の財産という文言をすたっと入れれば済むことなんですね。なぜこんな回りくどい説明をするようなことになるんですか。

山崎政府参考人 :国民共有の財産というのは、普通は金銭的価値を持つものに対して使う言葉で、それに伴いまして分割請求権という問題が生じまして、共有財産というふうに規定しますと、国民が、では、うちの持ち分をよこせというようなことにもなるのではないかという関係方面の御指摘も踏まえて、このような文言にした次第でございます。

内閣法制局と議員立法
重野:知らしむべからず、よらしむべしという言葉がありますが、あなたはまだそんな発想を持っているんじゃないですか。何で共有の財産といえば金銭的なんという狭い解釈をしなければならないんですか。共有の財産というのはまさしく共有の財産であって、そういう金銭的な云々というふうな説明をあえてするというのは、僕はこれはおかしいと思う。そんな説明で、そんなスタンスでこの法律をつくっているんですか。これは法律の趣旨を規定づける極めて重要な要素ですよ、この問題は。(略)例えば大阪市の条例では、第一条の目的に「市政運営に関する情報は市民の財産である」、このように書いているんですね。これに比較しますと、今の説明を聞けば聞くほど、もうわけがわからぬ。何でそんな回りくどいことを言わなきゃならぬのですか。大臣、この「貴重な共有財産」という文言、この意味をどうとらえておりますか、お聞かせください。

増原副大臣:委員御指摘の点、私どもお聞きしていまして、非常によくわかります。とかく内閣法制局というところは、これまでの事例をずっと調べまして、それで、その用語の使用が適切であるかどうかとか言ったりいたしますが、一方で、議員立法などにおきましては、どんどんと従来の慣例を破った形でもって、新しい感覚でそれを取り入れております。御趣旨は十分私も御指摘の点についてはわかりましたので、いろいろまた、この御審議を踏まえながら考えてまいりたいと思っております。

重野:我々の側も、この法案については、修正協議が進められつつありますが、そういう中でしっかり生かしていくように、そしてそれを正確に受けとめていただきたい。次に、法案を見ますと、目的としまして、公文書の管理と適正な保存は、行政の適正かつ効率的運営のためや、国などの国民への説明責任のためとなっております。いずれも主語は行政であり国なんですね。しかし、公文書は決して国や政府、時の為政者のためにあるものではない。中国の春秋時代の崔杼の例を引くまでもなく、記録は時の為政者のものではないんだ。はっきりしているんですね。日本はその点で余りにも立ちおくれているんだと言わざるを得ない。これは重要な点ですので、大臣の見解を聞いておきたい。

増原副大臣:私も二十六年間国家公務員をやっておりましたけれども、やはりこれまでの我が国の流れを見てみますと、知らしむべからず、よらしむべし、先生が先ほど言われましたけれども、かなり、まだまだ残っているなというふうに思っております。そういう意味で、先ほど西村委員の方から御質問がございましたが、十年おくれてのこの法律案という形になっておるわけでございまして、もっとこういうものは加速していく必要がある、それがやはり民主主義の原点ということであろうというふうに思っておりますので、我々もよくそれを拳々服膺しまして頑張ってまいりたいと思っております。

文書管理の司令塔
重野:公文書管理委員会というのは、まさしく文書管理の司令塔です。(略)法案では、内閣府に置く、こういうふうになっていますが、私は、その重要性にかんがみ、国家行政組織法第三条に基づく組織にするべきだというふうに思いますし、そうすることによってこの公文書管理委員会の機能がより発揮できるのではないか、このように考えるんですが、その点についてはいかがでしょうか。

増原副大臣:三条委員会は、公正取引委員会等のように、強力な権限を持って、法律で授権されてそれを執行していく、そういう委員会でございます。そういう意味では、私どもが考えております公文書委員会というのは、強力に何かを執行していくというようなものではございません。

罰則
重野:今回のこの法整備で意図的な怠業だとか廃棄を防ぐことができるんでしょうか。

山崎政府参考人:法案では、再発防止に資する措置を盛り込んでおります。(略)

重野委員 違反した場合の罰則はどうなっているんですか。

山崎政府参考人 不適切な公文書管理を行った職員につきましては、国家公務員法第八十二条に基づきまして、その事案によっては免職も含めた懲戒処分が可能となっております。この懲戒処分は、刑罰と異なりまして時効がないということでございますから、職員の身分を有する間は相当過去の事案でも処分することが可能となります。なお、公文書管理にかかわる刑罰といたしましては、刑法におきまして、公務所で用いる文書を毀棄した者を三カ月以上七年以下の懲役に処する公文書毀棄罪、刑法第二百五十八条が規定されております。そういうことを踏まえまして、本法案では、直接、改めて罰則を規定しなかったところでございます。

重野:アメリカの連邦記録法での罰則規定はどうなっているんですか。

山崎政府参考人:米国におきましては、合衆国法典第十八編、刑事及び刑事訴訟という節の中に規定がございまして、合衆国裁判所の書記官あるいは公務員に対しまして、または合衆国の公的機関、司法官、公務員に対して提出もしくは寄託された記録等を消滅、破壊、毀損等、そういう意図を持って持ち去る者は、罰金または三年以下の懲役あるいはその両方を科せられる、こういう規定になっております。

販売目的で発行されるものは除く?
重野:前後して恐縮ですが、公文書の定義について尋ねますけれども、第二条に、「不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの」「を除く。」となっておりますが、除かれた理由は一体何なんでしょうか。これらも公文書の一つだというふうに私は認識するのでありますが、いかがですか。

山崎政府参考人:行政機関あるいは独立行政法人等が発行いたします出版物を含めまして、不特定多数の者に販売する目的で発行された図書等につきましては、一般に、容易に入手、利用が可能であるところでございます。一方、こうした文書につきましては、随時、定期的に新たな版が出版されることが多く、一般の行政文書、法人文書と同様の管理を義務づけることは、新たな取得のために分類、保存期間等の設定を行う必要が生じるなど、行政機関や独立行政法人等の事務負担の面から問題があると考えまして、またその実益も乏しいことから、本法の目的の一つであります行政運営の効率化にも反するではないかというふうに考えた次第でございます。
なお、行政機関でありますとかあるいは独立行政法人におきまして、業務上の必要性から保有されております文書、雑誌等につきましては、主として特定部分、その組織の業務に関係する記事でありますとかそういう部分を抜粋して用いられることが多くなっておりますけれども、そうした文書につきましては、当然、行政文書として管理されることになる次第でございます。

民営化企業
重野:同じように、今度は、今まではいわゆる国あるいは地方がやっていた、それが、今この民営化の流れの中で民営化された企業というのもたくさんあるわけですが、その民営化される以前の文書、これについてもしっかり管理すべきだと思います。まず、その点についてどうなっていますかということが一つ。また、公益法人や民間企業であっても、国の補助金など公金による業務でつくられた文書、たくさんあると思うんですね。それも含むべきだと考えますが、その点についてはいかがですか。

山崎政府参考人:民営化以前に公社やあるいは特殊法人等であった企業が有する文書については、かつて公的な性格を有していたといたしましても現在は民間企業であることから、民間企業になってしまったものにつきましては、行政機関が有する文書同様の公文書等とすることは適当ではないと考えております。ただ、今回、法案におきまして、民間におきます歴史的に重要な文書を国立公文書館に寄贈できる、そういう規定は設けておりますので、その規定に沿って、重要な文書が適切に入るように要請あるいは努力することは可能であると考えております。

補助金など公金で作成する文書
山崎政府参考人:お尋ねの二点目でございますけれども、補助金など公金で行う文書でございますけれども、これにつきましては、当該支出を行いました行政機関におきまして、事業終了後に必要な文書を取得することが通例でございまして、それを取得した時点で当該行政機関の行政文書になると考えております。これは、独法につきましても基本的に同様でございます。 その一方で、公金を支出して行われる事業はさまざまでございまして、例えば研究者への補助金でありますとか、さまざまでございますので、当該事業に関して支出先において作成された文書をすべて行政文書と取り扱うことは必ずしも適切ではないのではないかというふうに考えている次第でございます。

軽微なもの
重野:関連して、法案の第四条には、「軽微なものである場合を除き、」という文言があります。この「軽微」を理由に文書が破棄されることが起こるんじゃないか。とりわけ、先ほどの意思形成にかかわる資料が「軽微」として廃棄されることを私は危惧いたします。その点についての見解を。

山崎政府参考人:法案第四条におきまして「処理に係る事案が軽微なもの」というふうにされておりますのは、行政機関内部におきます日常的な業務連絡でありますとか、あるいは所管事項に関します簡単な照会等、作成しなくても国民への説明責任あるいは業務遂行の観点から支障が生じないものを想定しております。これらにつきましても文書の作成を義務づけることは、行政機関の事務負担の面から考えて、あるいは実益的にも乏しいのではないかというふうに考えている次第でございます。なお、政令等におきまして、作成、保存すべき文書の範囲について規定することとしておりまして、その中で、「処理に係る事案が軽微」という判断基準を具体的に盛り込むことを予定しております。

重野:今の答弁を聞いていると、公文書を国民に広く開示するという精神が乏しいと私は思うんですね。まだまだ、抱え込んで、知らしむべからず、よらしむべし、やはりそれがあるんだと実感しますよ(略)私の質問を終わります。

|

« 公文書管理法案審議(その10) | トップページ | 公文書管理法案審議(その12) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/82688/29991347

この記事へのトラックバック一覧です: 公文書管理法案審議(その11):

« 公文書管理法案審議(その10) | トップページ | 公文書管理法案審議(その12) »