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2009年6月 7日 (日)

公文書管理法審議(その4)

ブランチを食べ終えて、ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-a64d.html
繰り返しますが、これらは【抜粋】です。議事丸ごとは、こちら↓
衆議院内閣委員会平成21年5月27日(水曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090527012.htm

民主党の西村智奈美議員に続く二人目の質問者、逢坂誠二議員が、
官僚答弁を繰り返す妊婦の大臣に気遣いつつもねばり強く追撃質問しています。

公文書管理担当機関
逢坂誠二議員(以下敬称略):公文書管理担当機関、公文書管理担当機関という言葉が何度も出てまいりましたけれども、今回政府が提出している法案における公文書管理担当機関というのはどこのことを指しておりますか。

山崎政府参考人:現在は、現用文書は総務省の行政管理局、そして歴史公文書は国立公文書館を所管する内閣府というふうに分かれております。新たに設けられます内閣府の行政機関、そして専門的知見を有する国立公文書館、そして有識者の意見をお聞きする公文書管理委員会、この三者が中核になって、各省とも協力しながら適切な文書管理を推進していくというのが本法案の趣旨。

知る権利、最高裁判例、利活用
逢坂:公文書管理は何のために行うかといえば、それは、政府が説明責任を全うするために行うこともこれまた一つの理由でありますけれども、国民が、政府の意思とは関係なしに、自由にその情報を活用できるということも、これは大事なことなわけですね。政府の一方的な上意下達的な説明だけでは私は十分ではないというふうに思うわけです。上川前大臣も、公文書は国民共通の財産だとおっしゃっておられる、今小渕大臣もそうおっしゃっておられるのに、なぜそれを盛り込まなかったのかということが一つと、もう一つ、知る権利という言葉を盛り込むか盛り込まないかはいろいろ議論のあるところでありますけれども、先ほど私が説明したように、主権者である国民が主体的に利用すべきというような言葉を盛り込むことで、法律上の知る権利のいろいろな議論を飛び越えて、その概念だけは体現できる、具体化できるのではないか。

小渕国務大臣:財産という用語についてでありますけれども、これはまた、法律上、通常、金銭的な価値のある権利と解されておりまして、国民の共有の財産という用語を本法案の目的規定に用いるということはなかなか難しい。
 また、知る権利についてでありますけれども、先ほど答弁をさせていただきましたし、委員も御指摘のあるように、今、最高裁判所の判例において認知されるに至っていない。

逢坂:財産がだめだったら、ほかの言葉もあるわけですね。国民共有の資源であるとか、国民共有の資産であるとかという言い方もできるわけでありまして、それによって法の思う概念というのは十分伝わるのではないかと思うんです。

小渕国務大臣:そうしたところも全部含めまして、この「国民主権の理念にのっとり、」や「国民に説明する責務が全うされる」ということをあわせて用いている。

逢坂委員:余り答えになっていない。財産という言葉が法律上難しいのであれば、ほかの言葉を使うことは可能ではないかという問いかけを私はしたわけでありますけれども、再度、いかがですか。

小渕国務大臣:国民からの目線を意識した規定としていくために、そうした委員の御趣旨も踏まえまして、しっかり考えてまいりたいと思っております。

逢坂:国民が利活用するという観点もやはり公文書管理には必要でありまして、後にも議論になりますけれども、検索ファイルなどが非常に使いづらいなんという話もあるわけでありまして、やはり国民がちゃんと利活用できるというような概念も入れておくことが公文書管理法をより強固なものにならしめるのではないか。

小渕国務大臣:最大限、公文書館といたしましては、国民の利用を促進していきたいと考えております。この十六条に記述しておるところであります。

逢坂:この二つは目的規定に検討していくべきだ。

行政文書の定義
逢坂:次に、やはり問題になりますのは二条の「定義」。行政文書というのは何だと思いますか。

小渕国務大臣:職員が職務上作成、取得したものであるということ、また、組織的に用いるものであり、当該行政機関が保有しているもの。

逢坂:行政情報公開法の定義と一緒のことなわけですね。今の行政情報公開法の定義で、これまでの公文書に係るさまざまな国会での議論や、国民への説明責任というのは十分に果たされているというふうにお考えですか。今の定義で十分だというふうにお考えですか。

小渕国務大臣:先ほど申し上げました二つの定義が確実に果たされているのであれば十分ではないかと考えております。

逢坂:公文書管理の出発点はどこかというと、公文書というものは何かというところをしっかり議論することが実は重要なんですね。ここがすべての物事の発生源でありますから、ここの範囲を狭めてしまうと、どんなにいい公文書館をつくろうが、どんなにいい管理のシステムをつくろうが、それは機能しないというか、そもそもターゲットが狭いものになってしまうわけですね。だから、公文書というものの定義はいかなるものか、行政文書というものの定義はいかなるものかということをやはり十分に議論しなければならない。

小渕国務大臣:本法案におきましては、行政機関の意思決定並びに事務及び事業の実績について、文書作成原則を明記しておるところであります。具体的にどのような文書を作成すべきかにつきましては、公文書管理委員会において御議論いただき、文書作成の統一的な基準として政令で規定することといたしております。

逢坂:必ずしも議論がかみ合っていないんですけれども。公文書というものの定義はある一定の時期にこうであるというふうに決めることは、それはそれでいいとは思うのですが、公文書の定義について、やはり不断の見直しをしておく。不断の見直しというのは、切れ目のない見直しを常にするんだという思想がなければまずいというふうに私は思います。それともう一つですが、大臣、やはりちょっと御認識されていないようなんですが、それは、役人の書いた答弁を読んでいるからどうしても御認識されない。本当は、お心の中では御認識されているとは思うんですけれども、政府の説明責任を全うするということだけを何度も言うんですけれども、そうじゃないんですよ。政府の説明責任を全うすると同時に、国民が自由意思で、その行政情報というものを知りたい、活用したいという、そのことを保障してあげることがなければ、それは一方通行の押しつけ的なことになってしまうわけですね。だから、そのことも含めて公文書の定義というものが決められなければいけないと思うんですが、不断の見直しをするということについてはどう思われますか。

小渕国務大臣:国民がしっかりとそうした情報というものを知っていくということについて、こちらとしては、その情報を狭めていくということではないようにと思っております。そうした範囲を狭めることなく、今後しっかりとした議論の上で広げていくことの重要性については十分に承知をしておるところであります。

逢坂:ぜひ、公文書の定義、行政文書の定義のところが出発点でありますから、ここを何度も何度も議論をしていくということが大事だと私は思います。アメリカでは、公文書とは何か、私文書とは何かということについて、具体的な事例をもって、これは私文書だ、だけれどもそれ以外のものは公文書だというようなことを、何度も何度も繰り返し議論をし、かつまた、それを職員に周知するわけですね。だから、そういう不断の見直しが必要だということで、ぜひ大臣にも御認識をいただきたいというふうに思います。

作成義務
逢坂: 私は、この閣法の第四条の「作成」の規定では十分ではないのではないかなというふうに思うんですね。もう少し法律で具体的に書いてもよいのではないか。もちろん「政令で定めるところにより、」というふうには書いてはおるのでありますけれども、私が役人だったら、これを読むと、まあこれだったら作成しなくてもいい文書が山のように出るなというふうにも、私が役人ならですよ、思うのでありますけれども、大臣はこの規定で十分だと思われますか。

小渕国務大臣:公文書管理委員会によって具体的に議論をしていくことになる。

逢坂:有識者会議でも何度も出ていることでありますけれども、意思決定に至る過程を合理的に跡づけることができるようにするとか、あるいは、例えば閣議だとか関係行政機関の長で構成される会議または省議の決定、了解及びその経過みたいなものは必ずちゃんと残すとか、あるいは、複数の行政機関による申し合わせ、打ち合わせ、あるいは行政機関に示す基準の設定みたいなもの、あるいは地方に対していろいろと指示をしているようなこと、そういうことも、どういうプロセスでそれが決められたのかなんということもしっかり残すというようなことも例示をより具体的にしておくことが必要だと思うんですけれども、いかがですか。

小渕国務大臣:今御指摘の点、もっともだと思っておりまして、今委員が例示として並べられたことは基本的に残されるべきものであるかと思っております。
ただ、一つ一つやはり丁寧に管理委員会におきまして議論をしていく必要性があるかと思っておりますので、この法律上ではそうした細かな事例まで明記していないというところであります。

逢坂:もし法律に書けるのであれば、私は可能な範囲で書いた方がよいのではないかなというふうに思います。例えば、今私が言ったようなことを例示として書くことは、それほど法文としては問題のないことだというふうに思いますので、この点は指摘をしておきたいなというふうに思います。

●公文書管理担当機関の独立性
逢坂:公文書管理担当機関というのはどういう位置づけであるべきだというふうにお考えですか。私は、これはやはり独立性の強いものでなければだめなのではないかというふうに思うんですね。アメリカでウォーターゲート事件というものが起きたのは皆さんも御承知だと思います。あのとき、アメリカの公文書館の独立性というのは余り強くなかったんですね、アメリカでウォーターゲート事件が起きたときに。そして、そのときに、当時のニクソン大統領は、その証拠を隠そうとして、ホワイトハウスの執務室でとっていた録音テープや文書を廃棄しようというようなことをやろうとしたわけですね。しかも、それをだれに頼んでやったかというと、文書管理担当の長官に頼んで、それを持ちかけてやろうとしたということがあるんですね。これを契機にして、アメリカでは、これは公文書管理担当機関というのは政府と一体ではだめなんだ、もっと独立性の強いものにしなければいけない、そうしなければ、その時々の権力の恣意性で、文書の範囲だとか、廃棄するだとか保管するだとかが決められてしまう、これではまずいということで、NARA、アメリカの公文書館の独立性を強めるということになったわけですね。今回の日本の法案、やはりこれは必ずしも独立性が強くないというふうに思うんですね。その独立性の強くない公文書管理委員会にいろいろなことを預けて、そこで決めていただくというのは、私は相当に問題が多いのではないかと思うんですけれども、いかがですか。

小渕国務大臣:公文書管理委員会につきましてでありますけれども、この委員会は、審議会等の、いわゆる諮問機関ということで、内閣府に置かれることが適当であるかと考えております。内閣総理大臣が、この公文書管理委員会のメンバーも、その責任とリーダーシップのもとでこのメンバーを決め、この委員会は、内閣総理大臣が権限を行使する上で必要な場合に、その諮問に応じて専門的見地から意見を述べる役割を果たすということであります。

逢坂:公文書管理委員会や公文書管理担当機関は独立性が強くなければだめだという私の指摘に対してはどうお考えですか。

小渕国務大臣:今のこの体制で十分にその機能を発揮できるものと考えております。

逢坂委:今の体制で十分にその独立性は担保できるという根拠は何ですか。

小渕国務大臣:この委員会のメンバーにつきましても、内閣総理大臣の決定のもとで決められることでありますので、しっかりと内閣総理大臣のチェックのもとでこの委員会ができるということで、その管理体制もしっかりとしたものになるかと思っております。

逢坂:私の指摘はそうじゃないんですね。先ほどウォーターゲート事件の例を引っ張り出したのは、大統領であっても自分の都合のいいように文書を廃棄してしまうということだから、アメリカの公文書館は独立性をさらに強めて、政治からある程度離れた場所に置くということに最終的になったわけですね。ですから、今回の法律のしつらえは私も理解はいたします。しかしながら、大臣に、将来の課題として独立性を強めていくということについてどう思うかというふうに私は伺っているんですね。

小渕国務大臣:確かに、委員が御指摘のように、大統領でさえもそうした機密文書を隠してしまうというような事例があるというお話でありましたけれども、そういうことが行われてはもちろん困ることでありますので、この委員会の権限やそうした立場につきましては、しっかりと議論を進めていきたいと考えております。

逢坂:政治のリーダーシップによって、日本の公文書管理というもののあり方を生み出していく、つくり出していく、これは政治がやる以外にないというふうには思うんですけれども、政治がある一定程度のところへ押し上げていった暁には、公文書管理担当機関を、さらに独立性を強めて、ある種、政治の権限から離れた、まさに公平、中立な存在にしていくということは私は大事だというふうに思いますので、ぜひこの点は将来に向かっての検討事項にしていただきたいと思うんですが、どうですか。

小渕国務大臣:今後進めていく上で、やはり公文書管理委員会の役割というものが大変大きなものになっていくのではないかという御懸念というものもそのとおりであるかと思いますので、しっかり議論してまいりたいと考えております。

統一的なルール(政令)と省ごとの規定(文書管理規則)
逢坂:第五条「整理」という規定がございます。第五条の五項に「行政機関の長は、」ということで、ここで、移管をするのか廃棄をするのかということを行政機関の長が定めることになっていますね。公文書管理の基本的な精神は、やはりある種、政治や行政の現場とは違ったところで、公平、中立に管理をしなければならないという観点からするならば、この規定というのは、この主語が行政機関の長になっているのはいかにもまずいのではないか。ここの主語はもっと別な人にする必要があるというふうに思うんですけれども、どう思われますか。

小渕国務大臣:もともと統一的なルールというものがあって、その枠内でそれぞれの省ごとの規定の案というものが定められることになってまいりますので、そのあたりの心配というものは当たらないのではないかと考えております。

逢坂:もともと統一的なルールがあってとおっしゃいました。もともと統一的なルールというのは何ですか。

小渕国務大臣:統一的な管理ルールというものを政令で規定することとなっておりまして、その枠内におきまして、それぞれの省庁におきまして基本的な案というものを作成することになっております。

逢坂:すなわち、現在のこの法案は枠組み法なんですね。眼鏡でいえば、枠だけはあるんですけれども、眼鏡の度数がまだ入っていない。いろいろなことが、有識者会議で決めます、政令で決めます、どっちで決めますと。できる限り法律に落とし込めるものは落とし込むということをしなければ、本当の意味での公平性は保てないし、行政機関の長が自分に都合のいいことをやらない保証はなかなかないんだということを指摘しておきたい。もしこの法案がこのとおり成立するとするならば、大臣、これから、政令をつくるとか、各府省がつくる規則の段階、これは物すごく大事ですよ。ここをちゃんとやらないとえらいことになってしまうというふうに思うんですね。ぜひそのことに対する御認識を、決意を。

小渕国務大臣:公文書の管理につきましては、これまでのさまざまな事案がありまして、それの反省のもとに今回のこの法案があると思っております。ですから、もちろん各府省におきまして勝手やたらのことができるということはあってはならないことですし、そうしたことがないように、しっかりとした統一的な政令を定めるということであります。意思決定というものがしっかり文書にされていくことが大事であると思っておりますし、委員の御指摘はしっかりと受けとめさせていただきたいと思います。

逢坂:逐条の方は若干お休みをして、ほかの話題に行きたいと思いますので、しばしお休みください。体にさわるといけませんので。

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