« 審議その1関係(行政の恣意性排除と政治家の役割) | トップページ | 公文書管理法案(その3) »

2009年6月 7日 (日)

公文書管理法案審議(その2)

こちらからの続きです。(審議抜粋)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-0cdb.html

個人的なメモ
西村:行政文書の定義では、「当該行政機関の職員が組織的に用いるもの」というふうにされておりますけれども、「組織的に用いる」というのはどういう意味でしょうか。私は、個人的なメモであっても、例えば二人以上で回覧したもの、閲覧したものであれば、これは組織共用文書として行政文書の定義に加えるべきではないか。

増原副大臣:個人的なメモの件でございますけれども、委員が言われている個人的なメモというのはどういうケースを言われているのかということになると思います。外交上の交渉の話なのか、各省折衝の話なのか、あるいは、ある国会議員から調査依頼が来たときにメモった話なのか、これはいろいろケースがあると思いますよ、先ほどの委託事業と同じでして。それを、一体どこまで含めるようにすべきか。これは、意思形成にかかわってくる、そしてそれが組織的に使われるというものであれば、個人的なメモも行政文書に該当することは当然あり得る、そのように考えております。

西村:私の考えですと、先ほど副大臣がおっしゃられた三つとも、すべて組織共用文書に含まれることになると思います。民主党は、この点についても、個人的なメモであっても、二人以上で回覧、閲覧したものについては、組織共用文書として行政文書の定義に含めるという考えであります。その点についてはここでは明確な御答弁はいただけなかった。

文書ファイル
西村:(有識者会議の最終報告書)五ページのところになりますが、「一連の業務プロセスに係る文書が、その個々のプロセスごとに別のファイルに編集され、異なる保存期間で保存されるため、後から一連の業務プロセスの全体像を把握することが困難な場合がある。」というふうに書かれております。これについては、政府はどういうふうに認識しておられますか。有識者会議と同じ課題があるというふうに考えておられますか。

増原副大臣:基本的には、有識者会議と同じような認識を持っております。本法案につきましては第五条の方で、統一的な保存期間基準を定めた政令を策定することにいたしております。また、その有識者会議の最終報告におきましても、「業務遂行上の必要性に対応するとともに、一連の業務プロセスに係る文書の一覧性を高める観点から保存期間が設定されるようにする。」という方向性も示されております。
 これを踏まえて、保存期間基準につきましては、業務遂行上の必要性、一連の業務プロセスに係る文書の一覧性の確保等の観点から、公文書管理委員会の御意見をお伺いしながら、今後検討してまいります。

西村:そこは非常に大きな問題だと思うんですね。一つのファイルの中に、いわゆる決裁文書と意思形成過程に係る文書が一緒に保存されている。恐らくそれは、決裁文書と意思形成過程の文書ですから、保存期間が異なるということになると、一冊のファイルの中に異なる保存期間のものが含まれるということになるわけですね。ところが、法案の第五条の二項では、括弧書きで、「(保存期間を同じくすることが適当であるものに限る。)」と書かれているんです。これは矛盾しますよね。そういたしますと、先ほど私が読み上げた有識者会議の指摘の点というのは解消されないのではないかと思うんです。有識者会議の最終報告に忠実にこの法案をつくるのであるとすれば、この括弧書きの中は削除しなければならないというふうに考えるんですが、いかがですか。

増原副大臣 西村委員御指摘の点につきまして、私も、法案を読んだときにあれっと思ったんですよ。正直申し上げまして、思いました。それで、これはこういうことなんです。例えば、審議会の答申が出ました、こういうものは十年です、閣議決定なり閣議了解、そういうものは大体三十年と保存期間が定められておりますと。これをいかに一覧性のあるものにするかということが、実はベースにそういうものがあってこの五条二項があるというふうにお考えいただきたいと思います。審議会の答申を受けて政省令をつくります、閣議了解をしますというようなケースであれば、十年と三十年であれば、両者を一緒にして三十年にする、こういうことなんです。

西村:保存期間の異なるものが一つのファイルの中にあって、十年のものと三十年のものがあったら、そのファイルの保存期間は三十年ということになるんですか。(増原副大臣「そうです」と呼ぶ)その間は利用できないということですか。ほかの文書については利用できないということですか。(増原副大臣「それはどういう意味ですか」と呼ぶ)閲覧できないのかという意味ですが。

増原副大臣:破棄しないということでありまして、従来は十年で破棄していたものを、これは意思決定の全体の一覧性を確保するために三十年にしておりますということ。

行政文書ファイルの管理簿
西村:行政文書ファイルの管理簿についてでありますけれども、情報公開で情報公開請求をする場合に、ファイル管理簿の上での文書の名前のつけ方が極めてずさんであるために、これが役に立たないという指摘を受けておると思います。私たちでも、ヒアリングをする中でそういうお話を承りました。ファイルの名前と管理簿上の名前を一致させておかなければ全く役に立たないというふうに考えておりますけれども、今後そういった問題が発生しないために、具体的に内閣府ではどういう対応を考えておられるのか、具体的な対応策をお答えください。

増原副大臣 御指摘のようないろいろな問題につきまして我々も重々承知をいたしております。新たな公文書管理法のもとでは、国民へのわかりやすさを意識したファイル名の設定など、行政文書ファイル管理簿の記載方法につきまして、先ほど来申し上げておりますが、委員会の審議、調査も経ましてマニュアル等で定めてまいりたい。

西村:具体的な問題がわかっておられるのに、また有識者会議の最終報告などを受けて検討ということでは、とても、政府の国民に対する説明責任を果たそうという姿勢が欠けているのではないか。

移管と廃棄
西村:最終報告の中で、移管と廃棄については、「移管・廃棄基準の具体化・明確化を図り、移管基準に適合するものについては、原則移管とするとともに、公文書管理担当機関の判断を優先する仕組みを確立する。」というふうに記載をされています。この点について、政府の認識はいかがでしょうか。

増原副大臣:歴史資料として重要な公文書はすべて移管する。また、確実な移管、廃棄の措置を担保するために、あらかじめ移管または廃棄の措置の設定を行います。行政文書ファイル管理簿に記載され、定期的に内閣総理大臣への報告が行われるとともに、公表も行います。問題があると考えられる場合には、内閣総理大臣が実地調査や勧告を行い、改善を行っていく

西村:つまり政府案では、行政機関の長が政令で定めるところによって移管をして、それ以外のものは廃棄する、こういうことになっているわけですね。有識者会議が求めていたのは、公文書管理担当機関の判断を優先する仕組みをつくるということであったはずです。
私たち民主党の考えでは、当面、公文書管理については政治的なリーダーシップが必要だと考えますので、内閣総理大臣に移管、廃棄の最終責任を負ってもらうというふうに考えているんですけれども、政府案ではそのようなことは検討されなかったんでしょうか。なぜ公文書管理担当機関がチェックする仕組みにしなかったんでしょうか。

増原副大臣:委員御指摘の公文書管理機関というのは、内閣府も入れば公文書館も入ればあるいは公文書管理委員会も入ります。ある意味では、関係省庁も全部入ります。政令できちっとルールを定めれば、これは各省庁ということではなくて、政府全体という形になってまいります。毎年それをチェックしていく規定をこのたび入れております、先ほど申し上げましたように。内閣総理大臣への定期的な報告、さらにそれを受けて、もちろんそれも公表いたしますが、さらに実地調査や勧告、これを行うことにいたしておりますので、実質的にそれは担保できる。

西村:今のは大変苦しい答弁だったと思いますね。私たちもいろいろ考えました。公文書管理庁という独立した庁を置くか、それとも内閣府の中に局とか置くか、外局として置くか、担当大臣を置くか置かないかということまで含めていろいろ考えてきたんですけれども、これは政府全体で各行政機関の長で任せてきたから、今のように文書があるとかないとか、それから勝手に捨てられてしまったとか、保存期間前なのに捨てられた文書もありましたね、たくさん。
 そういったことからいたしますと、今の答弁というのは非常に理解に苦しむんですけれども、ですから、ここは私たちの主張としては、やはり内閣府の中にきちんと庁なりを置いて、最終的に総理が最終責任をとって移管、廃棄を行うという仕組みにすべきだ、この主張だけはさせていただきたいと思います。

利用、30年原則
西村:公文書というのは、国民共有の財産であるのと同時に、これからデジタルアーカイブということにもなってくるでしょうから、海外からのアクセスを容易にするということは必要だと思います。
 国際的には、既に、利用制限は原則として三十年を超えないといういわゆるマドリッド原則があるんですけれども、これをきちんと記載して、この移管後の利用促進というものを図るべきではないか。法定化すべきであると私は考えておりますが、この点についての意見を伺います。

増原副大臣 利用制限に関する不服申し立て、取り消し訴訟といったような手当ても既に用意してございます。海外の場合になりますと、どうしてもデジタルアーカイブズが非常に重要になってくる。それから、国際ルールの三十年ということでありますが、先生御指摘の部分は、ICAのマドリッド大会、一九六八年の部分だと思いますが、文書閲覧開始まで三十年を超えないものとすべきであるとの勧告が出されておることは私どもも承知しておりますが、三十年たったら一律に全面公開するということは、それは必ずしも、実務的なケース、いろいろな各国のケースを見ても、そのようになっているわけではございません。本法においては時の経過を踏まえる規定を置いておりまして

西村:戦後の外交史を知る上で、私たち日本人が、日本で公開される日本の行政文書によって知るのではなく、アメリカで公開されるアメリカの行政文書によって知ることができるのはなぜかといえば、やはりここが違いなんだと思うんです。つまり、三十年原則というのをきちんと踏まえて、アメリカは、年月がたったからということで公開をする。しかし、日本は相も変わらず、やれいろいろな障害があるとかなんとか理由をつけて、なかなかそういった分野での情報というのは公開されていかないんですね。ぜひ、この三十年原則を踏まえて、より適切な公文書の管理と情報公開はやるべきだというふうに考えます。今の副大臣の答弁では、私は、正直言うと納得はしていない

 次に、同じく移管後の利用について、第十六条の関係で伺いたいと思います。

利用と恐れ
法案の第十六条では、「特定歴史公文書等」、つまり、行政文書の中から歴史公文書が選択をされて、その中から国立公文書館に移管されたものが特定歴史公文書等ということになるわけですけれども、その特定歴史公文書等の利用権について記載をされている。私は、「これを利用させなければならない。」という十六条の書きぶりは非常に評価をいたしております。
 ただ、「おそれがあると当該特定歴史公文書等を移管した行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」はそこから除くことができるというふうに書かれているわけですね。行政機関の長がおそれがあるかどうかということを判断するという、その判断の主体は削除すべきではないか

増原副大臣:要は、その「相当の理由」に全部尽きるんだろうと私は思っておりますが、外交文書あるいはいろいろなジャンルの文書によっていろいろ違いは出てくるんだろうと思いますけれども、できるだけそういうものはやはり制約すべきではないかと私は思っております。

西村:おそれがあるものはあるでしょう。それは私も認めます。例えば警察あるいは外務省の情報、防衛省の情報、出せないものもあると思います。しかし、それを判断する主体がなぜその当該の行政機関の長なのか。一方で利用原則があるのにその利用を制限するという、何といいますか、冷房と暖房を一緒につけるような、そういうような極めておかしな話になっているわけですから、ここのところは改めるべきだと思います。

|

« 審議その1関係(行政の恣意性排除と政治家の役割) | トップページ | 公文書管理法案(その3) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/82688/29987612

この記事へのトラックバック一覧です: 公文書管理法案審議(その2):

« 審議その1関係(行政の恣意性排除と政治家の役割) | トップページ | 公文書管理法案(その3) »