« 公文書管理法案(その3) | トップページ | 公文書管理法審議(その4) »

2009年6月 7日 (日)

個人メモについて

(この挿入がどうも紛らわしいので6月7日20:50加筆しますが、
このコマは私の感想です。この間、以下に貴重なコメントもいただいています。
逗子市の条例のお話。ぜひ、ご参考に。)

その2に関連して
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-821b.html

個人メモについては、こだわりたいところだ。個人メモとはつまり私文書である。

今年の1月に日本計画行政学会の関東支部でワークショップを開催した際、急いで米国の国立公文書館・記録管理院が作っているNARA連邦規則(36CFR)の一部抄訳を作った。→こちら「nara_36cfr_j.xls」をダウンロード

なぜなら、そこには、しっかりと「私文書とは何か」を定義、つまり「何が公文書とは見なさないか」というネガを見せることにより、「公文書とは何か」を浮き彫りにする規則が定められているのだ。これを読めば、これ以外はすべて公文書であると公務員が意識・認識した上で業務を行わなければならないという意識も生まれるというものだ。

個人メモ(私文書)について書かれた部分だけを以下、抜粋する。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
§1222.36 私文書とは何か
(a)私文書とは公務とは関係がないまたは公務に影響のない私的たは非公共な性質を持つ文書。私文書は連邦政府の定義から除外され、政府の所有物ではない。私文書の例には以下を含む
(1)政府業務に就く前に職員が集積した文書で公務に実質的には使用していないもの
(2)個人の私的な事柄にしか関係のない、たとえば公務以外の職業団体や個人的な政治的なつながりに関する文書など。
(3)日記、日誌、私的な通信や、その他政府業務執行のための準備、使用、回覧、伝達を行ったものではないメモ
(b)私文書は明らかにそのように区別できなければならない。また常に公文書とは区別して保管するようにしなければならない
(c)個人的な事柄と公務に関する情報が同じ文書に存在する場合は収受の際に、個人的な情報を削除した上で複写し、連邦記録として扱われなければならない。
(d)「個人的」「機密」「私的」または同様のラベルがついていても、業務遂行に使用された文書は該当する法令の条項が適用される連邦記録である。「個人的」という言葉がついているだけでは連邦機関における文書要件を決定づけるには不十分である。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

また、お気づきのように、このルール作りを行っているのは、行政からは独立した国立公文書館・記録管理院だ。日本が本来目指すべきは、行政とは一線を画した機関がこのようなルールを作ることだ。現在、法案審議が行われている以上、何が個人メモで何が公文書かという審議を重ね、より明確化していって欲しい。

時間ができた際に、私が国交省を相手に行った裁判について書いて(こちらでも裁判に到るまでは地団駄を踏みながら書いたけれど)、さらなる情報を提供したい。

まさのあつこ

|

« 公文書管理法案(その3) | トップページ | 公文書管理法審議(その4) »

コメント

個人メモとはつまり私文書である、とは誰の意見なのか。たとえば逗子市の情報公開では、職務上作成した個人メモは「公開対象公文書」です。自分の手帳に書いたメモでも、その部分は公文書なのです。
そもそも自治体の情報公開(公文書管理とは別ですが、いったん公開した公文書は永久保存です)は非常に進んでいて、しかも国の規定より優先して実施されます(憲法92条以下)。進んだ自治体で行っている現状を網羅して、その最上の部分を採用するのは、説得力のあるやり方ではないでしょうか。その場合、条例の文面を見るのでなく、実施している内容を把握することが大切です。

投稿: 篠田 健三 | 2009年6月 7日 (日) 10時57分

貴重な情報をありがとうございます。「個人メモとはつまり私文書」というのは、「個人メモは行政文書として扱われない」という意味の私の意見です。おっしゃる通り、「職務上作成した個人メモは「公開対象公文書」」であるべきですよね。マニアックにその12まで書きましたが、誰が読んでくれるのだろうと思いつつでしたが、書いた甲斐がありました。この逗子市の情報は、国会でもしっかり例示として使ってもらいたいですよね。

投稿: まさの | 2009年6月 7日 (日) 17時03分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/82688/29988088

この記事へのトラックバック一覧です: 個人メモについて:

« 公文書管理法案(その3) | トップページ | 公文書管理法審議(その4) »