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2009年6月 7日 (日)

公文書管理法案審議(その5)

ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-1901.html

総務省の文書管理業務の業務・システム最適化計画
逢坂:総務省では、文書管理業務の業務・システム最適化計画というのをお持ちになって、これは二〇〇八年二月十三日に改定したものによって、総務省が、何か各府省を横断化する文書管理システムをつくり上げようとしている。十九年からもういろいろ作業が始まっていて、これまでに、システムの最適化に係る設計開発業務に約五億円、それからソフトウエアの賃貸借一式に約九億円、それから運用の請負一式に、二十一年度から二十四年度までに三億円ということで、これまで都合十七億円を投資しているわけですね。十七億円を投資して、総務省として各府省横断的な文書管理業務の最適化をしていくんだということをおやりになっているんですが、私、これはちょっと何か変なんじゃないかなという気がするんですね。 今まさに公文書管理法案が議論されていて、これから各府省でいろいろなことを決めていきましょうという段階で、もう既に十七億使ってこういうことをやっているというのは、どうもちょっと腑に落ちないのでありますけれども、今回の法案と総務省がやられているシステム最適化計画との整合性というのは、倉田副大臣、どのようにとるおつもりですか。

倉田副大臣:各省庁が各別に運用管理していた文書の管理につきまして標準化、一元化していこう、これによって文書管理業務を全体的に効率化する、結果として費用の削減もできる、こういうことでございます。今回の法案は、公文書のライフサイクルを通じた管理ルールを定めよう、こうしているわけです。最適化計画によるシステムは、例えば文書の散逸を防いだり誤った廃棄を防いだり等、防止する機能など、適切な文書管理を行うという基盤整備を行っているわけであります。したがって、今回の法案ができた場合に、その運用の基盤としてこれに資することになる、こういうぐあいに考えております。

●紙媒体、電子媒体
逢坂:今回のシステムのイメージ図を見ますと、これはどうも紙ベースではなくて電子媒体でやるのかなというふうに思うんですけれども、そこで、総務省の政府参考人にお伺いするんですけれども、これは電子媒体ということでよろしいのでありましょうか。私は、電子媒体のメリットというのはあるとは思うんですけれども、電子媒体には相当デメリットも多いんですね。電子媒体のデメリットも考えた上でこういうことをやろうとしているんですか。そのあたりはいかがですか。あるいは、電子媒体のメリットについて何らかの認識はございますか。

田部政府参考人:基本的に、電子媒体でやりますと非常に効率的に業務が遂行するということで今最適化もやっておるわけでございますので、基本的な考え方としては、電子媒体で業務を遂行することに相当なメリットがあるというふうに考えてございます。(逢坂委員「デメリットは考えておりませんか」と呼ぶ)
 当然、それに移行する際に、いろいろなシステムの整備なりあるいは業務の見直し、そういったものが必要になるというふうには考えてございます。

逢坂:非常に認識が甘いですね。実は、紙媒体というのは古臭くてだめなシステムのように思われるかもしれないんですけれども、紙ベースの記録は千年残っているという実証がございます。電子媒体が千年残るという実証はまだございません。一覧性というのは、ぱっと見て情報が全部入ってくるという点においては、電子媒体よりも数段すぐれております。一覧性というのは、紙面をざっと開いて、自分が見たい記事、見たくない記事を含めて目に飛び込んでくるという、それにおいては電子媒体よりも紙媒体の方が数段すぐれている。電子媒体は、その意味においてやはり数段下なんですね。それから、電子媒体は、記録するメディア、これが日々進歩をしていますから、電子媒体で何らかの形で保管をしたとしても、五年後、十年後に媒体変換ということはこれまでの歴史を見ると必ずあるんですね。そのときに、やはり相当なコスト、手間、そこでいろいろな判断が必要になってくるということなんですね。ほかにも電子媒体のデメリットはいろいろあるんですが、メリットがあることは事実なんですけれども、こういうことをもう既に十七億をかけてやられていて、電子だから全部いいんだみたいになっていくことは相当に危険だというふうに私は思います。特に公文書においては、先ほど来議論になっておりますように、公文書というもの、行政文書というものの定義が非常に重要なわけですね。アメリカの例に見られるように、メモだとか電子メールだとか、いろいろなものも広く含めている、手書きの草稿まで含めるわけですね。電子媒体で電子決裁なんかがたくさん使われるようになると、そういう手書きのメモや草稿なんというものは全部忘れ去られる可能性があるんですね。だから、そういう意味でいうと、電子媒体はすごくいいように思うけれども、実は危険な部分もあるということを承知してやらなければいけないのではないかと私は思っていますが、副大臣、いかがですか、今の私の話を聞いて。

倉田副大臣:おっしゃる要素が私にはよくわかります。これまでの文書の部分については、その項目等を電子記録にはしておく、けれども、そのもともとのものをどうしていくのかということはより適切に考えていかなければならない、そう思います。

逢坂:これはまたどこか別の場でやりたいと思うんですけれども、行政文書の電子化というのは極めて危うい部分があるということをぜひ皆さんにも御認識いただきたいんです。

総務省と内閣官房公文書管理検討室
逢坂:総務省に改めてお伺いをしますが、総務省では、この公文書管理法制とは別に、こういうシステムをこれまで、公文書管理法制の議論が始まる前からやっているわけですから、別にこのシステムのことをいろいろやっておられたわけですけれども、今回の公文書管理法案、閣法の策定過程で、総務省として、内閣官房の公文書管理検討室に対して、何かこのことで注文をつけられましたか、今回の法案をつくる上において。私たちはもう既にこういうシステムを検討、準備している、だから今度の法案に当たってはこういうことをやはり入れてもらわなきゃ困るとか、今度の法案を我々と独立したところでやられちゃちょっと整合性がとれないというようなことも含めて、何か注文はつけられましたか。

田部政府参考人:(文書管理の在り方等に関する有識者会議の)最終報告におきまして、分類基準に沿って適切に管理できる機能、適切な文書管理のための本システムの整備すべき機能、こういったことについての御指摘もいただいているところでございます。

逢坂:分類について適切にやれるようにという、そのことだけだったんですか。ほかはなかったですか。主張は、総務省としてはなかったですか。

田部政府参考人:詳細はあれですけれども、電子決裁についての取り決めとか、そういったものも入ってございます。

逢坂委員:公文書管理ということは、日本で、まさに入り口に今立っているわけですね。これからスタートなんですね。そのときにまた新たなシステムが入るということでありますから、これは、相当に注意を持って、整合性を持ってやらなければ、日本の公文書が本当にむちゃくちゃなことになる可能性を、そういうおそれを感ずるんですね。ですから、ぜひこのシステムの運用に当たっては、慎重さを持って、今の公文書管理法制の精神をちゃんと踏まえたものになるように、大臣、具体的に何かやる必要があるんじゃないでしょうか。倉田副大臣、いかがですか。

倉田副大臣:電子化、電子化ですべてが解決するというような考え方をしているわけではありませんので、本当の意味で、決定内容だとか、あるいはその思考過程だとかいうようなものも何らかの形で残っていくことは重要だと思いますので、よく認識して今後も対処してまいります。

システムの維持管理費
逢坂:このシステムがフル稼働したら、年間の維持管理費、どれぐらいだというふうに見込まれておりますか。

田部政府参考人:現在、年間二十五億ほどかかってございます。これが十一億削減されまして、十四億円という運用経費になります。(逢坂委員「ちょっと言っている意味がわからない」と呼ぶ)年間二十五億円の運用経費が現在かかってございまして、新しいシステムになりますと十一億円削減されまして、年間十四億円の運用経費ということになります。

逢坂:今二十五億かかっているというのは、今の紙ベース、現状の、今のシステムを動かしているということではなくてということですか。今、そもそも総務省として行政文書の管理に二十五億かけているという意味ですか。

田部政府参考人:現在、各省で運用しておりますシステム、そういったものの総体の費用でございます。

行政文書ファイル管理簿の検索
逢坂:現在のところについて再度お伺いしたいんですけれども、電子政府の総合窓口というのが政府のホームページにございますね。ここに行政文書ファイル管理簿の検索というところがあって、行政文書ファイルを、国民の皆様に、検索してどうぞ御利用くださいというところがあるわけであります。
ところが、私がいろいろこれを操作してみたり、あるいは私以外の者が使ってみると、極めて使い勝手が悪い、評判が悪いもので、こんなもの、全然ファイル検索にならないじゃないかという声があるのでありますけれども、この行政文書ファイル管理簿の検索に対する現状の認識について、どう思われますか、副大臣。

倉田副大臣 私は、自分ではやらぬものですから、けさ、秘書がやるのを横でのぞいて、見ておったんですけれども、なかなか具体的に知りたいことがわかりにくい。今後ちょっと、もう少し詳しい項目、中身がわかるようなことまで表示をやっていくべきではないかな、こんなことを感じております。

逢坂:今、御実感されたように、余り使えないんですね。それで、ファイル名、行政文書ファイルの名前を、ある種恣意的というか、皆さんが自由につけられるわけですから、それにうまくヒットしなければ目的の文書に到達できないわけですね。そこで、こういうものをやるときにはメタデータという考え方があって、メタデータというのは、ファイル名は確かに何々に関する文書というふうになっているけれども、その中に何が含まれているのか。例えば、交付税であるとか特別交付税であるとか、あるいは漁業であるとかという、検索にかかりやすい言葉もあわせて埋め込んでおいて、検索にヒットできるように、メタデータを埋め込むということは必須のことなんですね。それをやらないで、ファイル名だけで検索させようとすると、それは全くやはり使えないものになりますので、ぜひその方向で、今後この新しい公文書管理法制ができた暁にもそういう対応をしていただくように、副大臣、よろしいですね。

倉田副大臣:情報の件名とか、あるいは作者、つくった人間、あるいは保存期間だとか、幾つかのものを、すぐにそういう表示が出てくるようなシステム、これを考えていかなければならない、そのようにしていこうと思います。

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