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2009年7月 5日 (日)

外交ってこうやるんだなぁ

この続きです。
今更ながらスターン・レビューを読んでいくと、次の政権与党に学んで欲しいところはもっとある。

結局、スターン・レビューがいわんとしているとこは、EU ETS(EU 排出量取引)という世界最大の炭素市場の第3期(2013年~2017年)を視野に入れて、「EU ETSを将来の国際炭素市場の中心に据えるため、長期ビジョンを明確に描く」好機である、というものでもある。「投資家に対するより大きな予測可能性を保障する」ためのものとしてこのレビューがある。

この枠組みの中で、日本がどう扱われているかと見ていくと、「EU ETSを、最近現れてきた排出両取引(米国や日本における)と結びつけられるようにし、発展途上国における排出削減量も利用できる仕組みを維持・発展させることは、市場の流動性を高め、世界炭素市場の中核を作るのに役立つ」

つまり、米国・日本を取り込んで、炭素市場をEUがリードしていこうというメッセージを、どのEU諸国よりも早くイギリスが発することで、世界のみならず、EUの中でもリーダーとなろうという外交戦略でもあるんですね、きっと。

「スターン・レビュー」というニュートラルな研究者の名前を全面に出しているが、本当は政治的なメッセージ。国内外の政治シーンをリードする強力な力を持つことを狙った。いや、温暖化対策で有利になろう(世界をリードしよう)というイギリス産業界に対するメッセージ(産業界よ、次の時代を準備せよと発したメッセージ)でもあったのか。

時代に乗り遅れまいとする産業界は、このレビューをつぶさに見て、その判断についていくかどうするかを、独自に判断すればいいわけでもあるし、このレビューがいい加減だと思えばついていかない選択肢もある。

政策判断の根拠が全然わからないわが国の現・政権与党とは全然違う。

2006年10月に出た「スターン・レビュー」のこんな読み方に今ごろになって気づいたワタシもナニですが、ぜひ、次の政権与党や、そのための1票を持っている皆々様には、こんな読み方もあるってことを知って欲しい。

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