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2009年8月 2日 (日)

「国地方係争処理委員会」

政権交代が近づいてきてワサワサといろいろな変化がいろいろな所に起きていると思う。
最もビックリしたものの一つは、大阪府から「大阪府試案」とされた「“虹色に輝く日本”をつくろう」なる文章が届いたことだ。

大阪府には直接と事後の電話取材で2,3度取材をして、地味な2,3の記事を書いただけなのに来たので、おそらく、全てのメディア関係者に送ったのだろう。

試案といっても、中身も見かけも、素人じみた下手くそなリリースで、突っ込みどころ満載なのだが、「とにかく地方がしっかりしなければ」という青臭いまでの前のめりな思いが伝わってくるので、不思議なものだ。

大阪府を初めて取材したのは、橋下知事が、「府民から国事業直轄負担金を支払うなという声がでたら、支払いを拒むのも辞さない」と発言をしてわりとすぐだ。片山元鳥取知事が「自分が知事だった頃は『闘う全国知事会』だったのに、闘わなくなった」と嘆く論考を雑誌「世界」でやっていた頃と重なっていた。確かに昨年の今ごろは、まだ全国知事会はおとなしいものだった。

府周辺を回っているうち、ある地方議員の方から、「国直轄負担金の話なんて、知事会はもう何年いっているのやら。毎年要望をだしている」というのを聞いて、全国知事会に確かめると、確かに1964年から毎年要望が出ていることが分かって呆れた。知事たちは、きっと長年に渡って、それに何の問題があるのかも分からずに、毎年、年中行事のように、削除することなく前年からあった要望を繰り返していたのだ。「財政再建」が急務だった行政経験はド素人の、しかし経営感覚のある知事だから、その不透明な使い方をおかしいと気づいたのだろう。「何に使っているのか分からないなら払わない」という当たり前の感覚を持てるのか、思った。

そこで、労組関係の人が読む「まなぶ」という雑誌で08年10月に次のように書いた。
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全国知事会はすでに1964年にその軽減を謳い、翌年には維持管理費にかかる地方の直轄事業負担金の全廃を訴えてきた。今年7月に提出した「2009年度国の施策並びに予算に関する提案・要望」でも、国直轄事業負担金を「極めて不合理なものである」と廃止を訴えた。
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でも、大見得きったわりに、その結果は、国交省にまんまとだまくらかされたような尻すぼみなセコイ結果だったので(支払い拒否ではなく、払う金額をマケテもらうというような方向だった)、批判的に書いた。知事がだまくらかされて、そのような結果が出たのだと想定した上で、もし本気ならば、と考えて、次のように書いた。
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「そもそも、国に支払いを押し付けられるハコモノ事業の要・不要を、他事業と比較検討し、事業への協力を拒むことができなければ地方の自立などありえない。こんなときのために、99年に改正された地方自治法で新たに設けられた「国地方係争処理委員会」で、自治体は国に対し、対等の立場で異議を申し立てる方法もできている」
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ちなみに、根拠法は「地方自治法第250条の7」 で、昨年の取材時点では、この条項が使われたことはまだなかった。「本気」なら、最終手段として、こういう手もある、という入れ知恵のつもりだった。

1年が経ち、この間、国直轄負担金を見てきたが、各地の知事がこの問題に気づいて異論を発するようになった。全国知事会はあっと言う間に、闘う知事会へと様相が一変していった。途中、某誌に企画をいれてみたが、どういう変化が出てくるかまだ分からない時点だったので、保留になったまま、私も忘れていた(今は個人的な事情で記事が書けないモードになっているのでここでお茶を濁しておく)。

さて、政党のマニフェストを見ると、「国直轄負担金の廃止」と謳われているものがある。
けしかけるように書いたマイナーな記事が、そういう方向に向かう一助になったのかどうかは分からない。でも、その責任を少なからず勝手に感じているので、この件の考え方を、次のコマで、少し整理しておく。

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