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2009年9月26日 (土)

八ツ場ダムの7不思議

八ツ場ダムは、半世紀経つ間に必要性を失った(以下2と7)のはもちろん、実は、かなり無理矢理な、自然の摂理に逆らったダムで、いろいろな意味で未来永劫、利子がついてまわる事業です。各自治体の政策決定者とそれを支える職員の方々には、冷静にこの事業の全体像を把握していただきたいと思います。

事業費(4600億円)の利子(国債、地方債の利子)を含めると9000億円に膨れ上がる。それだけに止まらず、以下の3、4、6にかかる事業費はまた別で、さらに他にも隠れたコストがあります。隠れたコストについてはまた書くことにして、今日は、八ツ場ダムの七不思議ということで、まとめてみました。転載歓迎です。

八ツ場ダムの七不思議

1.半世紀が過ぎてもまだできない:八ツ場ダムは特定多目的ダム法に基づく治水、利水を目的とした多目的ダムだが、1952年のダム計画浮上から57年が経過した。ゼロ歳だった人でも57歳になんなんとす。疲れ果てて反対運動の旗を住民が降ろしたのは1992年。それから17年が経ち、総事業予算の7割が消化されたが、事業完成度は2008年度末で付替国道6%、付替県道2%、付替鉄道75%、代替地造成10%など、完成までの道のりは遠い。3000億円強はどこへ消えたのか?

2.東京五輪の渇水に備える事業?!国内外から大勢の人々が集まるオリンピック渇水に備えるためのダム。といっても石原知事が招致を進める2016年五輪ではない。1964年のことだ。東京都の水需要は1975年から減少を始め、日量最大690万トンの供給力に対し、170万トンが余っている。

3.1日53トンの石灰が必要:上流の草津温泉から流れ出る湯は、ダムを作ってもコンクリートが溶けるほどの強酸性。ゆえに一端は計画が頓挫した。しかし、1963年に石灰を投入する「中和工場」を完成させ計画が復活。以来、1日約53トンの石灰が投入され、ダムを作る限りは未来永劫にそれを続ける必要がある。

4.石灰の沈殿物を貯めるダムと土捨て場が必要:石灰の投入でできる中和生成物を沈殿させるために1965年に品木ダムを建設。その沈殿物を浚渫し、捨てにいく新しい土捨て場も未来永劫に必要になる。

5.3人の首相と3人の世襲がガード:ダム予定地(長野原町)を抱える選挙区からは福田赳夫、中曽根康弘、小渕恵三と3首相が出てこの事業を推進。そんな選挙区は他にはない。世襲した福田康夫、中曽根弘文は隣の小選挙区・参議院と群馬県に陣取り、ご当地は小渕優子が後継(敬称略)。前政権を象徴する因果な事業である。

6.ダム湖周辺は浅間山噴火で崩れた山の残骸:1783年の天明の大噴火で泥流死者1538人を出した浅間山。当時、死体が東京湾まで押し流されたことが古文書に残る。その泥流が積もったグサグサの地質に地すべりの大敵である水を貯めることになるのが八ツ場ダム。22箇所の地すべり地が判明しているがコスト縮減のため、2箇所しか対策をしない。さらなる追加対策予算が必要になると反対団体は指摘する。

7.カスリーン台風への効果はゼロ:1947年のカスリーン台風被害が発端の計画だが、同台風が再来しても効果はゼロであることが国会で暴露された。

上記7については「本当か?」と信じがたいと思う人もいると思うので、国会議事録へのリンクと政府答弁を張り付けておきます。その下に、この官僚答弁の読み方解説★もつけておきます。

衆議院予算委員会第八分科会 平成17年02月25日
○国土交通省河川局長清治真人
八ツ場ダムにつきましては、吾妻川という支川に建設されるダムでございますが、その流域にたくさんの雨が降る場合とそうでない場合とがあるわけでございまして、カスリン台風のときのような雨の降り方においては、八ツ場ダムの効果というのは、八斗島地点について大きいものは期待できないというふうに計算結果も出ております。
http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=28858&SAVED_RID=1&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=9&DOC_ID=778&DPAGE=1&DTOTAL=1&DPOS=1&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&MODE=1&DMY=28872
★実は「大きいものは期待できない」どころか、ゼロだったのが暴露されたのが以下。

○塩川鉄也議員の突っ込み
カスリン台風洪水に対応しての八ツ場ダムの洪水調節効果はゼロなんですよね
http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=28858&SAVED_RID=1&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=9&DOC_ID=778&DPAGE=1&DTOTAL=1&DPOS=1&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&MODE=1&DMY=28872 

○反論できない国土交通省河川局長清治真人
今御指摘のありましたようなダムの効果でありますとか、それから、これからダムがどのくらい必要になるのか、こういうようなこともあわせて検討してまいる所存でございます。
http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=28858&SAVED_RID=1&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=9&DOC_ID=778&DPAGE=1&DTOTAL=1&DPOS=1&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&MODE=1&DMY=28872 
★反論できないとき、官僚は認めずに、話をまるめて、逸らして、ゴックンと飲み込んで分からなくしてしまう。

まさのあつこ

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2009年9月24日 (木)

天に唾する群馬県の大沢知事

八ツ場ダムについては、石原知事に限らず、
不勉強で変なことを言う知事が続出する。

今日は、群馬県知事の八ツ場ダム発言にスポットを当てます。
先日、県議会でも発言し、本日、TVでも流れていた。
ここでも見ることが出来る。↓
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00163461.html 

大沢正明群馬県知事の発言。
「一方的に中止すると言われても、納得できない」というもの。

しかし、実は、群馬県こそは
水没予定地住民に約束をしてきた生活再建案を
一方的に変更・中止してきた張本人です。

それを忘れているのか、政権(知事)交代で、
これまでの知事や「自分」が何をやってきたのか大沢知事は知らないのか・・・。

長野原町(ながのはらまち)にとって、群馬県は、国や下流都県への窓口だった。
だから、実は、長野原町の人々は、下流都県の状況をきちんと知らされていない。
だから、「大渇水だから必要だ」という都知事の言葉 を鵜呑みにしていてこちらがビックリする。自分の生まれ育った土地が何を理由に沈むのかは、沈められるのは嫌だった人々にとっては、頭で理解をする道理はない。それでも公職についている方でもそうだと分かって先日ビックリした。

群馬県から水没住民達への最初の約束
昭和55年(1980年)、長野原町に対しては、群馬県と建設省(当時)が地域居住計画を作り、それに基づいて、生活再建案を示した。

その案の中には、下流都県から資金を出させて、「利根川・荒川水源地域対策基金」を作り、そのお金で「振興公社」を作るという案があった。「雇用」の場を創出することを目的として、それを県が運営し、維持管理をしていくという「約束」だったのだ。県が下流都県を代表して窓口として町に対し、そう「約束」したのだ。

群馬県の約束違反 その1
ところが、平成4年(1992年)、その約束は変わった。
下流都県では、時間も経って、現地の状況も、経済状況も変わってきたということを理由に、「振興公社」(が作るハコモノ)を作って維持管理する金は出すから、その運営は町がやって欲しいということになった。再建案を見直して、実状に合ったものにすることにしたと下流都県の考え方を群馬県が伝えた。最初の約束違反だ。

群馬県の約束違反 その2
約束違反はそれでは終わらなかった。2009年1月、政権交代の前である。時間も経って、現地の状況も、経済状況も、人口も変わってきたことを理由に、今度は、「振興公社」(が作るハコモノ)を作る金は出すが、維持管理の金はでない、人も出せない、町が自己責任でやってくれという話に変わった。

時間も経って、現地の状況も、経済状況も、人口も変わってきたことを理由に、雇用創出の場として、一都五県が約束してきたことを、県は、あたかも子どもの使いのように、無責任に、二度もその約束を破った。

それを棚に上げて、「時間も経って、現地の状況も、経済状況も、人口も変わってきた」ということにもう一つだけ「政権も変わった」という状況であることを、大沢群馬県知事はどう認識しているのだろうか?もの凄く不思議である。非見識なのか、確信犯なのか、不勉強で官僚任せの政治家の典型なのか。

群馬県が長野原町につげて「振興公社」を事実上、中止した張本人でありながら、その責任の重さを振り返ることも反省することもなく、さらには総選挙によって「政権も変わった」という、たった一つだけ加わった、しかし重要な意味を考えることもなく、「一方的に中止すると言われても、納得できない」と、群馬県知事が「どの口で言うのかね」とテレビにつぶやきたくなったのは私だけではないはずだ。

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2009年9月22日 (火)

石原知事の『7割できていて』と完成率のミスマッチ

私自身がここでミスリードしてしまっただろうが(申し訳ない)、
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/files/yamba_project.doc
国交省が見せている「事業進捗率」とは予算の話。

以下で石原知事が言うような「大体7割できていて」論は誤りだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
9月11日【石原東京都知事】
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2009/090911.htm 
もう、大体7割できてきて、あとダムそのものをつくるか、つくらないかって、全部疎開したわけでしょう。道路も鉄道も全部つけかえて、幾ら工費がかかったか、べらぼうなものでしょう。これは、私は、ちょっと中止するという案件にしちゃ、いささか問題があると思いますな。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「7割」には契約が済んだだけのもの、未完工部分を含んでいる。
つまり7割のカネの使い道は決まっているが、工事は進んでいない。
よく報道に使われる十字架のような橋脚。
あれだけ見ても7割完成ではない。

正確にはここをご参照ください。
http://yamba-net.org/modules/problem/index.php?content_id=22#02
八ツ場あしたの会の調べにより、完成率は
国道6%、付替県道2%、付替鉄道75%。

現在のところ工期は2015年、事業予算は4600億円。予算執行の観点から進捗はしていても、肝心の完成率がまだこの程度では、先は長いということを示しています。増額延長されることを考えれば、現時点での中止は、一都五県にとっても考慮すべき選択肢であるはずです。

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石原知事の『大渇水論』と八ツ場のミスマッチ

都官僚の説明を鵜呑みにしているらしい都知事発言について書いておきます。長野原町でダムが必要と言う方の根拠が「石原知事が大渇水に必要だと言うから」というのがありましたので。

石原東京都知事「日本だってですね、いつですな、どういう干ばつにさらされるかわからない」(2009年9月4日記者会見)http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2009/090904.htm

ところが事実は違う。

【その1】八ツ場ダムの計画の目標は石原知事がいう「いつどういうとき」の「干ばつ」でも耐えられるよう設計されているダムではない。東京都水道局のウェブサイトにも出ています。どの程度を想定しているかと言えば、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
[水源開発における利水安全度について]
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/water/jigyo/step21/03.html
(建設省河川局開発課「主要地域が水道水源を依存している河川のダム等の現況利水安全度について」より抜粋)

我が国における水資源の確保は、基本的に10年に1回程度発生する規模の渇水時でも安定的に取水できることを計画目標として、将来の水需要の増加に対してダム等の整備を行ってきています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

大渇水ではなく、目標自体が10年に1回。そして、

【その2】
では、10年でどれぐらいの渇水が起きているかと言えば東京都水道局の資料がここにある。
「頻発する渇水」というスポーツ新聞なみの小見出しで大袈裟に広報しているが、実際におきているのは「取水制限」。
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/water/jigyo/step21/data/step12.jpg
見てのとおり、取水制限が1日もない年が大半で断水はなし。
あるのは、自主節水(5%)~取水制限(30%)で、断水ではない。
5%から30%、大切に水を使うことでしのげている。
それでは取水制限は1年で何日だったのかと思いきや、
上記のグラフでは日数にわざわざ給水制限率をかけて、普通の人には分からない数に細工している。数字の操作で事実を分かりにくくしているとも言えます。

コンビニにいけば多用な種類のウォーターボトルが販売されているように、良くも悪くも飲料水が手にはいらずに死ぬという砂漠のど真ん中のような事態はない。逆に、水が少ない国々では、日本企業による優れた「膜」の技術で、汚水すら処理して飲める時代です。

上流のダムで貯めて、下流で取水する権利を買う、明治時代から持つ古い水利権(慣行水利権)を優先し、ダムを作らなければ新しい水の権利がひねり出せないという旧来の水利権行政を転換すればそれだけで確保できる水もある。東京都は1都5県の先頭に立って転換を突き上げていかなければならない自治体ではないでしょうか。

それにはまず、八ツ場ダムにおける東京都の受ける「恩恵」が、既存施設の能力に対してどれぐらいのものか、現実を自分の職員に腹を割らせて聞く必要があるのではないでしょうか。

ちなみに、八ツ場あしたの会の嶋津暉之さんの調べにより、八ツ場ダムで貯める利水分は、利根川全体の水の5%に過ぎません。
http://yamba-net.org/modules/problem/index.php?content_id=22#04

単純に考えても、50秒蛇口をひねるとしたら、全員が45秒で止めれば、捻り出せる計算です。

優秀な水行政官僚により、日本はすでに高度成長を乗り切って、これからの時代はまた違う局面を迎えています。

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水没予定地の生活再建

9月17日、長野原町議会の取材に行きました。
八ツ場ダム中止は、二つの大きな局面をかかえています。
ひとつは「ダム工事の中止」。ひとつは「生活再建」。

閉会後に個別取材を開始。
ある一人の議員に、生活再建について話が及んだとき

「ダム湖畔での生活再建が国の約束だった」と繰り返す町議さんに、思わず「でも、いままで散々、国に騙されてきたんじゃないんですか?」と聞いてしまった。「工期延長だって補償交渉だって、約束されてきたことを反故にされて、何度も悔しい思いをしたんじゃないんですか?」

本音を知りたいと質問を繰り返すうち、質問が反論になってしまった。申し訳なかった。

それから3~5分、「私たちの57年をどう考えるんだ」と言うのを含めて、怒りの言葉を浴び続けることになった。逆質問に答え、その答えを遮られながら、「そんな程度の言葉しか持たずに長野原に来るな~~~~」と怒鳴られた。

以前、一度だけ、八ツ場ダムのことではないけれども自民党国会議員に恫喝された経験を思い出し、「大きな声」にはたった一度で免疫ができ(本当は2回で今回は3回目だ)、心臓に毛の生えてしまった自分を申し訳なく思いながら、町議の怒りを受け止めた。

長年の抵抗の末に推進を受け入れ、諦めて気持ちを切り替えた後に、今度は政権交代によって中止。積極的推進派にせよ、諦めの末の推進派にせよ、内心の反対派にせよ、心の置き場が宙に浮いたことは間違いない。

国の方針の急変(政権交代による変化)への言葉や理屈ではない反応はもっとも。「そうですね。本当にそうですね」と胸に手をあてて気持ちを受け止めた。部屋の外にいた人が大声に気づいて近づいてきたが、助け船が要るのかいらないのか見定めるように、やりとりを黙って見ていてくれた。最後は「じゃぁまたいらっしゃい」と素に戻られた町議さんの背中を無言で一緒に見送った。

町役場の駐車場で、運転席に座ってドアを開けたまま取材メモを作っていたら、その町議さんが通り、「お疲れさまでした~」と声をかけたら、「またいらっしゃい」と再び、横顔でほほえみ、後ろ姿を見せながら手を振ってくれた。

またお邪魔します。
帰ってきて気づいた。冷静だったつもりが、写真を撮り忘れた。

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みんなの八ツ場パーフェクトガイド

9月17日に長野原議会(9月定例会の最終日)が開かれたので、歴史に残るであろうひとつのプロセスの目撃者となるべく、取材に行ってきました。

その前に、今日はここで、八ツ場ダムのことをよく知らない方が、「この問題ってどうなの?」と知りたい場合の情報のありかを提供します。それと、先日、国交省記者クラブで釈迦に説法してきたこと(つまり八ツ場ダム事業そのものを越えて、日本社会全体として八ツ場ダム事業をやめなければならない理由など)の報告。

●「八ッ場ダム問題のこれから」嶋津暉之 (「水源開発問題全国連絡会」代表)
http://www.iwanami.co.jp/sekai/岩波書店「世界」10月号
八ツ場ダムの発端から現在まで、八ツ場ダムのことが最も分かる
●八ッ場ダムについて流されている情報の誤りについて(八ツ場あしたの会)
http://yamba-net.org/modules/problem/index.php?content_id=22
「その報道、間違ってますよ」と情報を正すための情報
●「公約」と「口約」: きっこのブログ
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2009/09/post-e895.html
上記をしっかり読み込んで、きっこの口調で噛み砕いている。
●地元対話「真摯に聞く」2009年09月19日
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000580909190001
現在の前原誠二国土交通大臣のスタンスがわかる。
●09政権交代 八ッ場ダム中止を問う (2009年9月20日朝日新聞オピニオン欄)
公共事業見直すモデルに  大河原雅子さん 民主党参院議員
http://yamba-net.org/modules/news/index.php?page=article&storyid=680
民主党の考え方がわかる。

●国交省記者クラブで釈迦に説法
「『ダムが中止されれば生活再建もなくなる』かのような不安と誤解を煽る報道が気になる。この問題を執筆してきた者として5分時間をいただいた。政権交代をした今の局面で、『報道』が『権力の一角』として報じるべきことは、これまでの公共事業のあり方の総括ではないか?釈迦に説法ですがペーパーを用意してきました」と、これ→「result_of_ldps_public_works.doc」をダウンロードを5分で解説した。

上記「八ッ場ダムについて流されている情報の誤りについて」を「八ツ場あしたの会」等が記者レクすると聞き、「5分下さい」とお願いをして時間をもらったもの。

中身は「未来世代にとって八ツ場ダムは必要か」(岩波書店世界2008年4月号)からの再掲データです。

ついでに、このままもし八ツ場ダムを作るとどうなるのかというのは、「ダムと地すべりに浪費される巨費」岩波書店 世界2008年12月号にまとめています。これは、「地震の牧尾ダムから八ツ場ダムへの警告」(週刊金曜日2004年6月25日号)や岩波ブックレット「八ッ場ダムは止まるか-首都圏最後の巨大ダム計画」(2005年2月)の第4章「浅間山の下流にダムを造るとどうなるか」などの取材を通して、各地のダム湖が地すべり等によってネバーエンディング工事に陥っていることや、地震でダム湖に大被害がおきて使い物にならなくなっている先例を凝縮してまとめたものです。その後も先例は積み重なりつつありますが。いつか、各地の様子を写真で紹介したいと思っています。

民主党の新国土交通大臣は公約通り、中止を明言したので、古いものをスクラップしながら、新しいあり方を模索していく方向に、私自身、転換していくつもりです。

●ちなみに

八ツ場ダムをストップさせる埼玉の会
http://yambasaitama.blog38.fc2.com/
八ツ場ダムをストップさせる千葉の会
http://yanbachiba.blog102.fc2.com/
にも多くの情報が満載です。

お、いつの間にこんなものが!? 千葉の会、凄い!早い!きれい!

●みんなの八ツ場パーフェクトガイド
http://yanbachiba.web.fc2.com/yambaexp090915.pdf

森田・千葉県知事にも読んで愚直に勉強していただき、下流県の知事として、長野原町の水没予定地の方の生活再建への協力へと頭を切り換えていただけるとよいのですが。

そんなわけで、タイトルでパクらせていただきました。

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2009年9月 9日 (水)

八ツ場ダム予定地から声が向けられている先

政権交代の象徴的な「絵」として
八ツ場ダム予定地である川原湯温泉の人々の声が拾い上げられ始めた。
  (予定地は川原湯温泉以外も含んでいるのだが)
 住民にとっては、進むも地獄、止めるも地獄。
 表だって声を出せない人々、声に出さざるを得ない人々、
 声に出したところですべてを語り尽くせない人々、
 もううんざりして当然の「異常な」57年が過ぎた。

取り上げている側は、さぁ、民主党、どうすると迫っているつもりなのだろうが
実は、とてもよい機会なので、
東京で報道している側も、1都5県の住民であれば、
受益者であり、納税者であり、これまで群馬県の山奥のこととして、
ひとごとであり、まったく「無関心」であり、
為政者に「お任せ」していたことにも、気持ちを向けて欲しいと思う。

八ツ場ダム予定地の人々の声は、
「ダム問題」は山奥の話、自分とは関係がないと思っていた全国の視聴者にも
こうして書いている私にも向けられている。

「お任せ」したために、私たちは、見ず知らずの人々を、
自分たちが払っている税金によって
吉田茂(麻生総理のお祖父さんですよ)内閣の元で着手された
高度成長も人口増加も終わり、必要性を失った事業で

57年もの間、苦しめることになってしまった。

前のコマで、
「過去の進捗、予算配分状況から判断すると、2015年までには終わらない」
と書きましたので、その根拠として、ダム事業は1年でどれぐらい進捗するものか、
国交省のデータを切り張りしました。「yamba_project.doc」をダウンロード

ダウンロードして見てください。↑
マスコミの方は、ぜひ、その中の出典にもあたってください。
(平成19年12月21日関東地整局事業評価監視委員会 資料P.12)
(平成21年2月24日関東地整局事業評価監視委員会 資料P.13)

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政権交代と石原都知事

政権交代10日目。
民主党の公約で中止が決定的となった川辺川ダムと八ツ場ダムのうち、
特に八ツ場ダムについて、
混乱したままの不正確で無責任な情報が、知事や市長、マスコミという
責任ある立場の人々から垂れ流され続けてきた。

これに対し、八ツ場あしたの会などが、これまでの地道な情報収集をもとに
冷静に対処している。たとえば、

●東京都知事発言から一人歩きする「返還金額」について(9月4日)
http://www.yamba-net.org/modules/news/article.php?storyid=874
●群馬県藤岡市長による「暫定水利権の消失」について(9月5日)
http://www.yamba-net.org/modules/news/article.php?storyid=876

気になって、石原都知事の9月4日の記者会見模様をチェック。
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/kako21.htm

記者が「国交省が八ツ場ダムの入札を延期すると発表したが」と質問
都知事は「大方、工事は進んで、ダムを築いて水を貯めるところまで来ている」と返事。

ところが、
地域は、半世紀をかけて見かけも人間関係もズタズタになっているが
ダムは、築くところにまでは到っていない。

2001年に工期延長、2004年に事業費倍増で4600億円に、
2008年に工期延長と繰り返し、現在、2015年完成予定となっているが、
地域再建も住民移転も川原湯温泉の移転もまだなのはもちろん
道路も鉄道も未完成で、土地買収も完了していない。

国土交通省自らが明らかにしているデータがそのことを明確に表している。

Yamba_2

(進捗率の図が私のテク不足で小さいので、抜き書きすると)
用地所得(456ha) --77%(349ha)
家屋移転(470世帯)--73%(345世帯)
代替地造成  --5地区で整備中
付替鉄道(10.4km)-- 83%(8.6km)
付替国道、付替県道(22.8km)-- 59%(13.5km)
データ本体及び関連工事 仮排水トンネル(H.19着手)
                基礎掘削→コンクリート打設→試験湛水(未着手)
http://www.ktr.mlit.go.jp/kyoku/office2/jigyohyoka/pdf/h20/03siryo/siryo1-2.pdf
(平成21年2月24日関東地整局事業評価監視委員会 資料P.13)

都知事の言う「ダムを築いて水を貯める」までには、
用地取得、家屋移転、代替地造成、代替鉄道・国道・県道建設が
すべて完了している必要がある。
過去の進捗、予算配分状況から判断すると、ダムを築いて水を貯めるという状況ではなく、2015年までに終わらず、さらなる延期、増額を繰り返す可能性が高い。

重要な局面において、知事ともあろう人が
「中止なら返還」を求めると豪語する国直轄負担金が
どのように使われてきたのか、データを見ることもなく、
「水を貯めるところまで来ている」と言うのは、あまりにも無責任過ぎるのではないか。

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2009年9月 1日 (火)

無血革命

これが「無血革命」だったのかどうかは、
1年後にはもうすでに一つの歴史となって見え始めているはず。

日本には未だにない「国民のためのツール」がある。

前回、自民党が下野したあと、情報公開法だけはできた。
それとはセットであるべきだった公文書管理法ができたのが今年6月。
たとえば、もう一方のセットである「会議公開法」はまだない。

新政権がどこまで国民に支持され、どこまで続くかは、いわば、
国民のための当たり前の「民主主義」のツールを、
どこまで揃えることができるかにかかる。

国の運営に参加したいと思う国民が十分に参加できるための土台。

●立法府への参加●
たとえば、公職選挙法の改正。既存大政党に有利で新規参入をはばむ、
多くの国民が気づいていない細々したハードルはたくさんある。
(たとえばポスター貼りとか選挙ビラの証紙貼り・・・。
候補者陣営が国民に選挙に関心をもってもらうために
使うべき時間はもっと他にあるはず)

● 司法府への参加●
たとえば、行政訴訟のための原告適格のさらなる拡大、
団体訴権や市民訴訟条項を入れること

●行政府への参加●
たとえば、主要な法律に埋め込まれている「官僚の隠れ蓑」である「審議会」への
ほんとうの意味での国民参加。もちろん「廃止」や「分権」も含めて。

これまでの大臣達は、自分が審議会に何かを「諮問」をしているという自覚やその意味への理解がなかった可能性がある。どんな問題が起きていて、誰が困っていて、何故その諮問をするのか、どう解決するために知恵を絞らせるのかを考えることもないまま、官僚のシナリオに乗って「諮問」をしてきたのではないか。そこから出てくる「答申」が、自分が諮問したことに対する解決策であるということも分かっていない大臣も中にはいたのではないか・・・。

今後、自らの政治生命を賭して、何が問題か、何故その問題が起きているのか、どうすればそれが解決するのかという構想を具現化するために審議会を使い、国民を参加させる構想力を持つ大臣は、歴史に残ることになるだろう。

一言でいえば、「審議会」という「官僚の隠れ蓑」を制する「大臣」が
国民にとって本当に必要な政策を実現する人となる。

●よもやま話●
そこから起草して思うが、
一つの政策実現のために政治生命を駆けることができない政治家はダメだと思う(No guts, No Glory)。それぐらいの具体的な政策をもって議員になった人が、今回はどれぐらいいるのだろうか。

『既得権との闘いには「血」が流れる。
革命を起こすようなもの。今回、血こそ流れないが、
それぐらいのもんだと思わないと』
『無血革命ですよね』
『この闘いは自民党との闘いなんかじゃない。霞ヶ関と血を流す闘い。
このチャンスを絶対逃したらダメ。一気にやらないと。
抵抗やらハレーションが起きて当たり前。
穏やかにやろうなんて思っているとしたらとんでもない』

上記は、ある元官僚との昨日の会話。

● マスコミ大丈夫か?●
選挙期間中にマスコミがギョッとすることを垂れ流していた。
朝日新聞(8月23日朝刊)が、「法務省が」債権法改正を「法制審議会に諮問する方針を固めたと報道。
毎日新聞(8月27日)が、「総務省の情報通信審議会」が答申をまとめ、「総務省は」「来年2月の通常国会への関連法案の提出を目指す」

その中身の是非はともかく、審議会の任命権者は、各省の「大臣」であり
これから政権が変わるよと、予測がついているのに
なぜ、審議会行政をそのまま鵜呑みにするような垂れ流し報道をしてしまうのか。。。

ま、主がいないところで、なんとかが騒ぐような
40日+選挙期間の政治空白期間を作った前政権が悪いといえば悪いのだが。
1年前の解散、前回の参議院選後の解散からずっと政治空白が続いていたとも言えるし、それが自民党大敗の最大の原因だと思うけれど。

ちなみに、法務省の「法制審議会」にも総務省の「情報通信審議会」にも設置法(根拠法)すらないことに気づいた。たとえば、前者は、大臣に任命権をもたせた法制審議会令(昭和二十四年)があるだけだ。

●新大臣たちへの要望●
官僚裁量のコントロールは、審議会のコントロールから始まると思う。各新大臣は、自分の下にどんな審議会があるのかをおさらいするところから仕事を始めてもらいたい。

つまるところ、今後政権交代をしてもしなくても、
最後は常に国権の最高機関である国会の多数決に委ねるにしても、
そのプロセスに、国民(野党も含めて)が公正明大な議論に参加できる下地を
今度こそ整備して欲しい。

自民党政権下で止まっていた時計の針は、やっと動くのか、動かないのか。。。。

●私の夏●
この夏、世の中とはまったくズレた活動をしていた。
春から1969年以降のある分野の国会議事録と国内外の関連資料を
読み続けてきたが、いくつかの結論がようやく夏の終わりに見え始めた。
気づけば総選挙も終わっていた。

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