石原知事の『大渇水論』と八ツ場のミスマッチ
都官僚の説明を鵜呑みにしているらしい都知事発言について書いておきます。長野原町でダムが必要と言う方の根拠が「石原知事が大渇水に必要だと言うから」というのがありましたので。
石原東京都知事「日本だってですね、いつですな、どういう干ばつにさらされるかわからない」(2009年9月4日記者会見)http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2009/090904.htm
ところが事実は違う。
【その1】八ツ場ダムの計画の目標は石原知事がいう「いつどういうとき」の「干ばつ」でも耐えられるよう設計されているダムではない。東京都水道局のウェブサイトにも出ています。どの程度を想定しているかと言えば、
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[水源開発における利水安全度について]
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/water/jigyo/step21/03.html
(建設省河川局開発課「主要地域が水道水源を依存している河川のダム等の現況利水安全度について」より抜粋)
我が国における水資源の確保は、基本的に10年に1回程度発生する規模の渇水時でも安定的に取水できることを計画目標として、将来の水需要の増加に対してダム等の整備を行ってきています。
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大渇水ではなく、目標自体が10年に1回。そして、
【その2】
では、10年でどれぐらいの渇水が起きているかと言えば東京都水道局の資料がここにある。
「頻発する渇水」というスポーツ新聞なみの小見出しで大袈裟に広報しているが、実際におきているのは「取水制限」。
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/water/jigyo/step21/data/step12.jpg
見てのとおり、取水制限が1日もない年が大半で断水はなし。
あるのは、自主節水(5%)~取水制限(30%)で、断水ではない。
5%から30%、大切に水を使うことでしのげている。
それでは取水制限は1年で何日だったのかと思いきや、
上記のグラフでは日数にわざわざ給水制限率をかけて、普通の人には分からない数に細工している。数字の操作で事実を分かりにくくしているとも言えます。
コンビニにいけば多用な種類のウォーターボトルが販売されているように、良くも悪くも飲料水が手にはいらずに死ぬという砂漠のど真ん中のような事態はない。逆に、水が少ない国々では、日本企業による優れた「膜」の技術で、汚水すら処理して飲める時代です。
上流のダムで貯めて、下流で取水する権利を買う、明治時代から持つ古い水利権(慣行水利権)を優先し、ダムを作らなければ新しい水の権利がひねり出せないという旧来の水利権行政を転換すればそれだけで確保できる水もある。東京都は1都5県の先頭に立って転換を突き上げていかなければならない自治体ではないでしょうか。
それにはまず、八ツ場ダムにおける東京都の受ける「恩恵」が、既存施設の能力に対してどれぐらいのものか、現実を自分の職員に腹を割らせて聞く必要があるのではないでしょうか。
ちなみに、八ツ場あしたの会の嶋津暉之さんの調べにより、八ツ場ダムで貯める利水分は、利根川全体の水の5%に過ぎません。
http://yamba-net.org/modules/problem/index.php?content_id=22#04
単純に考えても、50秒蛇口をひねるとしたら、全員が45秒で止めれば、捻り出せる計算です。
優秀な水行政官僚により、日本はすでに高度成長を乗り切って、これからの時代はまた違う局面を迎えています。
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コメント
数字、間違いのような気がします、5パーセントだとすると2.5秒ではないですか?
投稿: 越後屋 | 2009年9月23日 (水) 22時22分
国土交通省のホームペイジを見ましたが、現在までの工事の
受注実績が載っていません、どこを見ればいいか知っていますか。
投稿: 越後屋 | 2009年9月23日 (水) 22時24分
計算まちがい、ご指摘ありがとうございます。訂正してお詫びします。2.5秒。ほんとですね。いやはやおはずかしい。100秒で95秒では?などのメールもいただいて余裕がなく直せておりませんでした。大変大変、皆様、済みません。
それと、工事実績とか、いままでいくら使ったとか、実際に、利息はどれぐらいつくとか、都合の悪い数字は、事業者である国土交通省はウェブサイトでは説明してくれないですね。国会の質問主意書への答弁で出ていたと思います。何かのついでにリンクをはりますね。
投稿: まさの | 2009年9月28日 (月) 00時25分