« 最近のアウトプット | トップページ | 足もとからの脱ダム »

2009年12月 3日 (木)

治水のあり方、有識者会議のあり方

今日、国交省において「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の第一回が行われます。

●諮問した前原大臣の意図はhttp://www.mlit.go.jp/report/press/river03_hh_000208.html
『「できるだけダムにたよらない治水」への政策転換を進めるとの考えに基づき、今後の治水対策について検討を行う際に必要となる、幅広い治水対策案の立案手法、新たな評価軸及び総合的な評価の考え方等を検討するとともに、さらにこれらを踏まえて今後の治水理念を構築し、提言する』とはっきりしている。

思い切りダム推進派を入れ、「ダムにたよらない治水」を提言させることにより説得力を持たせようということだと理解している。

●「座長は、必要があると認めるときは、委員以外の者に対し、会議に出席してその意見を述べる又は説明を行うことを求めることができる」と柔軟性も持たせていることも理解している。

 第一回案内:
 http://www.mlit.go.jp/report/press/river03_hh_000210.html
 内容、委員
 http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/tisuinoarikata/211120arikata.pdf

●しかし、理解しがたい点がある。
①なぜそれが非公開なのか?
②各地で時間経過と社会変化により不要となった事業が進められている中、なぜ結論が平成23年夏か?個別に早急に検討が必要な事業もあるのではないか?
③「ダム推進派」を入れるのは理解できるにしても、なぜ「ダムありきの河川行政に対し批判的なスタンスをとってきた有識者」を入れなかったのか?
④河川法の目的は「治水」「利水」「環境」と3拍子なのに何故「治水」だけか?また1997年に不十分ながらも入った「住民参加」はどこへいったのか?

●改善の余地があると思ったら、迷わず改善する大臣であって欲しい。

●たとえば②について言えば、
平成21年10月9日に発表した「平成21年度におけるダム事業の進め方について(補足説明)」http://www.mlit.go.jp/report/press/river03_hh_000204.htmlにより、平取ダム、サンルダム、思川開発、木曽川水系連絡導水路の本体・関連工事、小石原川ダムの転流工、山鳥坂ダムの用地買収など、「新たな段階に入らない」という方針でこれらは止まっている。しかし、それ以外の事業は「新たな段階に入らない」という方針で容認されている。(中止を宣言した八ツ場ダム関連事業すら止まっていないのはその例。)「できるだけダムにたよらない治水」を選択した場合には、なかには整理・縮小が必要となる事業がありえるが、1年半をかければ整理・縮小の機会を逃して関連事業が進み、その結果「止められない」事業が出るおそれもある。組織の意識改革を含め時間が必要なことは理解できるが、個別に検討すべき事業をどのように扱うのか?

●③の顔ぶれについては、参考までに保坂展人さんが「どこどこ日記」で懸念を表明しているのでリンクを張らせていただきます。
「国交省河川局のダム見直し「逆流」委員会の顔ぶれ」
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/756e2ba3f59e680ebb59636426615fde

●①の「非公開」については、私がもっともガックリきていることであり、前原大臣に手紙を書きました。(以下の通り)。④を含め、理解ができない有識者会議のあり方により、あるべき治水対策のあり方が出されても、納得しがたいものとなる。どのようなスタンスを持った人にもその結論が理解できる方法はただ一つ。「何故か」という理由とそのプロセスが公開されていることであり、それが新政権に最低限期待されていることではないでしょうか。

===============
2009年12月2日
国土交通大臣   前原誠司 様

「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の
公開または非公開の理由を明らかにしてください。

行政刷新会議の事業仕分け人として参加した政野淳子です。
事業仕分けのプロセスは、傍聴はもちろん、報道カメラからインターネット・メディアまで、ありとあらゆる方法で全面公開され、人々の関心と批判を同時に受けていることはご承知の通りです。引き受けたからには、その双方を受けて当然であるという認識で私自身は参加をさせていただきました。

今回、大臣が開催される「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」は、非公開と知り、驚きました。多くの国民から関心と批判を集めていることが分かっているからこそ、公開のもとに行われるべきではないでしょうか。有識者会議に参加をする委員は、このテーマが「公開」を覚悟で引き受けるべき内容であることを知っている識者でなければ、少なくとも国民が望む「有識者」像には合致しません。その正当性が疑われることになります。「有識者」の名誉のためにも公開されることを期待しております。

また、もしも非公開で行うのであれば、その理由は明らかにされ、かつ人々にとって納得のいくものでなければなければならないと信じます。少なくとも情報公開法で認められる非開示事由に相当する理由がなければ、ならないのではないでしょうか?
 ・個人情報が含まれるのでしょうか?(第5条1)
 ・企業秘密が含まれるのでしょうか?(第5条2)
 ・国の安全が害され、他国との信頼関係が損なわれるのでしょうか?(第5条3)
 ・犯罪の予防に支障があるのでしょうか?(第5条4)

これらはどれも当てはまらないことは明らかです。当てはまるとすれば、第5条5
 ・「国の機関(略)の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがある」

でしょうか。しかし、事業仕分けでは、447事業の予算について、事業者と財務省、国会議員と民間仕分け人により公開で議論が行われました。その議論の中身や結論に対する混乱や批判はあっっても、公開に対する批判が一つでもあるでしょうか?旧政権下体制で成立した情報公開法の解釈すら飛び越える改革が、現政権によりすでに行われたとも言えます。

どのような過程を経て政策が決定されるのかを国民が知ることができる社会づくりへと、民主党政権はすでに一歩を踏み出しています。治水のあり方であれ、その歩みに逆行するのであれば、その逆行には正当な理由が厳しく問われます。民主党政権下で、「有識者」として任命を受ける委員たちもまた同様であると思われます。

ご承知の通り、私の本職はジャーナリストでもありますので、明日開催される有識者会議には取材に行かせていただきます。公開をお願いします。また公開できないのであれば、納得できる正当な理由をご用意いただきたく、厳しいお願いで恐縮ですが、よろしくお願い致します。
政野淳子(まさのあつこ)(連絡先ここでは略)
===============

|

« 最近のアウトプット | トップページ | 足もとからの脱ダム »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/82688/32470001

この記事へのトラックバック一覧です: 治水のあり方、有識者会議のあり方:

» きちんと報道しろ!普天間橋下発言・八ツ場腰砕け問題 [kimekime25]
アクセスに 深く感謝いたします。 さて 橋下の関空などによる 関空発言を調べていたら きちんとマスコミが報道しないで フリーのジャーナリストが抜いたために あわてて横並びで報道した経過が この記事で明らかになった。 だらしないのは 橋下の会見を二回無視した 大手マスコミであった。 あれほど橋下を追いかけている サンケイすら記事にしないで スルーしていたが 普天間問題がこじれたときに 突然降ってわいたような 発言として マスコミが報道しただけだった。 ******... [続きを読む]

受信: 2009年12月 7日 (月) 23時35分

« 最近のアウトプット | トップページ | 足もとからの脱ダム »