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2010年2月22日 (月)

治水のインフォームド・ディシジョン

「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が第5回まで開催されている。
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/tisuinoarikata/index.html

パブコメがすでに行われ、19日の締め切りに間に合うよう、
http://www.mlit.go.jp/report/press/river03_hh_000215.html 
書式にそって私も書いて出した。
書式外の意見については、「その他の意見」として出した。

コンセプトは二つ。

一つは、医学の世界で使う言葉を使っていうなら、
「インフォームド・コンセント」(知らせた上での合意)の上の
「治水のインフォームド・ディシジョン」(知らせた上での決定)
もっといえば、情報を与えられた上での自己決定だ。

もう一つは、自然災害に対し、人間や机上の想定や人間が設計する構造物には限界があることを前提とすること。
だから
守れるフリをして被害を拡大させたり、
被害がでると「想定外」でしたと言い逃れたりするのではなく
リスクを開示・共有した上で、
国民全体で自然災害に備える社会がもっとも健全ではないか。
基本的なインフラが整った今、
治水のパターナリズムを止めて、自己決定を促すことが
台風であれ、気候変動であれ、ゲリラ豪雨であれ、大事ではないか?

~私の出したパブコメ~~~~~~~~~~~~~~~

1)幅広い治水対策案の具体的提案について

・国は「ダムに頼らない治水」、すなわち今後は新規ダムを作らない政策変更を行ったことを、都道府県知事の協力を得て、国民に周知徹底する。

・国は、現状の治水施設を前提に、対策が必要な洪水想定をもとに、ハザードマップを作成し、都道府県知事の協力を得て、国民に周知徹底する。(ハザードマップには住民、保険会社、自治会等の意見も反映させる工夫をする。異議申立ても可能にし、可能な限り誰もが不公平感を抱かない工夫を行う)

・ハザードマップが示す災害リスクに応じた災害保険(災害リスクが高ければ保険金も高い、リスクが低ければ保険金も低い)を創設する。

・基礎自治体は緊急対応のための水防活動計画を地域住民が作る支援を行う。

・国等は地域住民が建築構造物等をかさ上げまたは移転するための助成制度を創設する。

・国民(土地・建築構造物等所有者)は次の選択肢を持つ。
 ①ハザードマップを参考に保険に入る。
 ②建築構造物等のかさ上げを行う。
 ③賃貸物件居住者は①⑤を選択するか、②を所有者と相談する
 ④リスクの低い土地への移転。
 ⑤その他の自主的な方策により被害にあった場合は自己責任。

・国は、堤防決壊による人命等を奪う壊滅的被害を回避するために、堤防強化を行う。もしくは農家への直接所得補償制度を検討する際、緊急時の農地の遊水地化について、河川管理者と必要な措置を検討し、住民の意見を反映して決定する。

2)新たな評価軸の具体的提案について
・地すべり対策で費用や工期が増大した(ている)事業をすべて把握し、不適切な地盤・地質等の傾向を明らかにし、リスク回避のため、同様の傾向を持つダム計画事業は(本体着工をしていても)中止しなければならない。

・堆砂が計画よりも早く起きている既存のダム(二風谷ダムなど)をすべて把握し、それをもとに、計画中および工事中の堆砂計画容量の是正、ダムの寿命の想定を行い、B/Cの再検討を行い、中止の判断基準とする。

・熊本県営荒瀬ダムの例を鑑み、撤去費用を、B/Cのコストに算入し、計画中お
よび工事中のダム中止の判断基準とする。

・神奈川県はダムと海岸侵食の因果関係を認めている。海岸侵食対策費をB/Cの
コストとして算入し、ダム中止の判断基準とする。

・ダムにより失われる自然環境・社会環境・文化・風景・景観を、数値ではな
く、人々の言葉・情感・記憶・記録で表して評価する。

~~~~~~~

その他の意見(有識者会議について)

・「これまでの「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の開催状況に
つきましては、http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/tisuinoarikata/index.html
を御参照ください。」とあるが、2ヶ月前に開催された第一回会議の議事録が2ヶ
月後に出てくるペースで、その他の状況は資料を通してしか分かりません。

・非公開な上に、議事録が2ヶ月経たなければ出てこないのであれば、参加意欲
のある国民の関心をそぎ、議事録公開の意味(住民参加)はないに等しいといえ
ます。

・全国津々浦々、ダムに依存した河川行政を行ってきたところから「ダムに頼
らない治水」に変更するのであれば、この会議を公開し、国民の意識変換、事業
者の意識転換、ゼネコンなど業者の意識転換(業態変更への備えを含め)を促す
ためにも、公開してリアルタイムでその議論の内容を知らせていくべきではない
でしょうか。

・国民の意識変換にはたいそう時間がかかるものであり、国交省や一握りの有
識者や、一握りの意識の高い国民の意識が変わればいいというものではありませ
ん。国の政策を変えるということはそれほど生易しいものではないはずです。

・以上のことから、この会議は公開すべきです。

・今回、このようなパブリックコメントをおこなったことは評価できます。会
議のメンバー以外から寄せられた重要な提案については、この会議に呼び、公開
で改めて提案を受け、質疑、議論を公開で行うべきではないでしょうか。

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