« 環境アセス法改正に向けたパブコメ | トップページ | 治水のインフォームド・ディシジョン »

2010年2月15日 (月)

会議から2ヶ月で議事録公開の意味(ワナ)

第1回「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」議事録が掲載された。
http://www.mlit.go.jp/common/000053173.pdf
この時、公開の理由を教えてくださいと、3回、しつこく外野から発言したが、
そのうちの1回だけ、議事録に残っている(苦笑)。

○カメラ取りの冒頭部分だけ公開していた間は発言者名とともに議事録が残っているが
本番のところは、「委員」としかなっていない。

○非公開の理由を事務局(国交省)が
「「会議は原則として非公開で開催する。」ということにさせていただきたいと思います。自由なご発言をしていただくために非公開にしたいということで、このようにさせていただいています」としている。

○また、大臣、副大臣、大臣政務官の発言も「政務三役」となっている。
情けないことである。いわゆる政務三役は、官僚が、旧与党に攻撃のタネを与えようとさまざまなワナを準備している、などと考えもしないのだろうか・・・・。こういうことが国民の「不信」を呼ぶことを十分分かっている者が非公開にしましょうという提案をする(ワナをかける)こともあるのだと考えるべきではないのか・・・・。ワナはワナにかかる者に分からないようにかけるからワナなのであり・・・。

○ある委員(中川座長の発言ではないかと想像する。想像されたくなければ公開すべきだ)が「これからの議論の展開で、ダムによらないではなくて、できるだけの余裕があります。フレキシブルに考えていただければいいんじゃないかと思います。」と冒頭からまとめ、それに対して、さっそく「政務三役」の誰かが「はい」と返事をしてしまっている。

○さらに言えば
「ダムって必ずしも治水だけであるわけでもない」からはじまって、この会議の目的や運営規則についてもまったく意思統一がなされていないことが分かる。

○この会議は、誰が見ても残念ながら最初から失敗だ。

昨年12月3日に開催された議事録が2月1日に公開された。
この会議の失敗に国民が気づくのが2ヶ月遅れたことを意味する。

この2ヶ月の遅れは致命的である。
なぜなら、今日までにすでに3回も会議が進んでしまっているからだ。
この間、予算案が固まった。

国民の監視の目が入らないまま、2ヶ月が浪費された。

○河川官僚は「来年夏以降、中間とりまとめ公表の上にございます「個別ダム検証の進め方」についても、具体的な枠組みについてご議論を頂戴したいと考えております」と、個別ダム検証の進め方を具体的に決めるのは夏以降と提案し、お墨付きを有識者から得ることに成功している。
これも「時間稼ぎ」だ。この間、ダムを中止すればムダになる工事がどんどん要不要が判断されることもなく浪費されている。

○ある委員(中川座長の発言ではないかと想像する。想像されたくなければ公開すべきだ)が、

「言うておきますが、私が考えているのはとんちんかんか知りません。○○先生(委員)は、森林保全によって洪水低減効果がほんとうに期待できるのかどうか。そういうことです。もっと突っ込んでみれば、例えば建設労務者が森林業を始められるのかどうか。○○先生(委員)は、洪水災害に備えるソフト対策。洪水の予報とか情報の伝達とか、避難誘導システムとか、それの有効性と信頼性についての評価をしていただく。○○先生(委員)は、河川流域の自然的、社会的、今やっておられる研究に即した治水のあり方、非常に難しいけれども、そういうことを考えていただきたい。さらに自然環境とか生態工学的な立場からの各種の治水対策を評価していただきたい。○○先生(委員)は、洪水、あるいは流砂の動態に着目したような各種治水対策について、ご専門から評価をしていただく。○○先生(委員)は、河川流域の主として気象学的、水文学的特性と、河道の特性から見た治水対策、その実現の可能性。勝手に私が書いたのだから、全然違ってもよろしいです。皆さんの専門から勝手に推測して書いたので、自由に書いていただきたいんです。私は、私も言うておかなければいけない。
【政務三役】 先生、○○先生(委員)が……。
【委員】 ○○先生(委員)を落としていました。公共政策から見た、いわゆる社会経済面から見た事業投資効果ですね、そういうものを含めて、治水対策のその面からの方向性をお書きいただいたら結構だと。 私はもともとダム屋ですから、ダムに関する問題点と、代替策の実現性の検討、そういうものを書いて、提出したいと。そういうものを次回までにお願いできればと思います。駄目なものは駄目と言うていただいたら、それで結構です。はっきりしますから。」

と宿題を出している。

○しかし、その後の議論を聞いていても、少なくとも第一回の議論では、多くが積極的に「ダムにたよらない治水」政策に従おうという考え方には見えない。これまでとは、違う物差しで、と言っているのに。

「ダムに頼ったほうがいい場合もあるわけです。そうでない場合も、いろんな事情があるわけです。これはいろんな方が言われたように、ダムはないほうがいいんだとか、なしでいこうという議論をしてしまうと、我々の先輩方がいろいろ考えてきた治水、ダムは水を治めるという意味での知恵なんですから、そんなに悪いものではない」なんて発言もそこここに目立つ。

「最初からダムありき、ないとかというような議論をしてしまうと非常におかしなことが起こる。だから、その辺、○○さん(委員)、フレキシブルに。先生、得意のところで、よろしくお願いします。」と、あうんの呼吸を委員が座長(ではないかと想像する)に求めているようだ。

大臣の諮問した方向性は「検討はしましたがうまい解決策はありませんでした」という結論が出てもおかしくはないように思えてきた・・・。

|

« 環境アセス法改正に向けたパブコメ | トップページ | 治水のインフォームド・ディシジョン »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/82688/33384187

この記事へのトラックバック一覧です: 会議から2ヶ月で議事録公開の意味(ワナ):

« 環境アセス法改正に向けたパブコメ | トップページ | 治水のインフォームド・ディシジョン »