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2010年6月28日 (月)

ダム見直しの失敗(その5)

第三の失敗に続いて、「第四の失敗 密室の有識者会議」です。

密室の会議とは、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」のことです。

前原国土交通大臣は、八ツ場ダムの見直し(第一の失敗)だけではなく、すべてのダムを見直すことにしました。これ自体は、歓迎すべきことでした。

ただし、国直轄と水資源機構のすべてのダムについては“4段階”に分けて見直すことにしました。これは、官僚に騙されてしまったのか、実際には“5種類”で(第二の失敗)、に分け、実際のところ、56事業のうち42事業でしか進捗を止めていない状態のまま、ズルズルと今後2年間が経過することになってしまいました。

なぜか?大臣は、見直しの議論を「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」に託すことにして、最終的な結論を2011年夏に出す方針を示したからです。

いったん2010年夏までに、治水対策の立て方や、個別ダムの検証の進め方について中間とりまとめを行い、それに従って各地方で個別ダムの検証を始めるという段取りにしたからです。そのスケジュールは有識者会議の第一回目の配布資料にあります。

見直しの段取りの失敗
合計2年間もかけて見直しをするのであれば、その間、工事を進めない手立てを考えなければ、税金の垂れ流しは続きます。

たとえば、工事をすべて止めて、その分、そこに費やすはずだった税金を、例えば、先細る建設業者や社員たちの業種転換を支援する費用にするなど、地方では特にそうですが、「公共事業」が中の産業構造を変えるための費用に費やすとか、その柔軟なやり方ができないなら単に縮減するとか、選択肢はいくつかあったはずですが、見直しの2年間、56事業中42事業で工事を続けるという選択肢を選んだのは、失敗であるとしか言えません。

もしも、2年間経って、見直して不要となれば、無駄になる工事で、ムダに河川環境を破壊し、土建業者から成り立つ地方経済を脱却させ、より早く産業構造転換、業種転換ができるかもしれないチャンスを先送りしてしまったことになります。

また、補助ダムの見直し(第三の失敗)についても、22年度予算までは、それまで「推進」の立場だった道府県が申請してきた通りに補助金をつけて、国費の使い道(政策誘導)を変えるには到りませんでした。

大臣は、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が基準を設けた暁には、それに従って欲しいというスタンスを取っています。限られた地方財源をムダに浪費させてから、あとでこの基準に従って見直してくれというのは筋の通らない話しになってしまいます。見直しをするという時点で、やはり国費の投入を止めることが、今後を見極めてもらうという点からも重要でした。

では、この「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」とはどのようなものなのかが、重要です。

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