« ダム見直しの失敗(その18) | トップページ | ダム見直しの失敗(その20) »

2010年7月11日 (日)

ダム見直しの失敗(その19)

さて、前のコマで書いた「河川維持流量」=「不特定容量」の具体例でお見せします。
豊川水系の設楽(したら)ダム(愛知県北設楽郡設楽町)がその一つです。
下記は、水需要の見直しや堆砂(ダムに溜まる土砂)の見直しにより、
ダム計画が見直されたことを示す図です。ところが・・・、

総貯水容量9800万m3のうち、不特定容量が6000万m3です。
このダムの目的の6割が「河川維持流量」=「不特定容量」です。

Shitara_dam_2 

出典:「設楽ダムだより(国土交通省中部地方整備局2005年12月)」
http://www.cbr.mlit.go.jp/shitara/01menu/05damdayo/pdf/12.pdf

川の流れを守る(河川流量を維持する)ことはよいとして、
それがダム建設の目的になってきているのです。

利用し尽くした川の水をできるだけ少なく取水する
という考え方へ向かうなら分かります。

ところが、他で取水して川をカラカラにした上で、
人工的にまたダムを作って、そこから自然の川に流量を補給する
という
本末転倒な考え方になってきているのです。

この考え方のままでよいのか?
それともこの考え方を変えるべきか?
変えない限りは、この設楽ダムのような計画が止まりません。

川に水を流すために、たとえば設楽ダムを作り、
たとえば絶滅危惧種ネコギギの生息環境を破壊し、
濁ったダムの水が、「死の川」を豊かに流れるという風景を
私たちは子孫に残すことになります。

これが、今年、生物多様性条約第10回締約国会議が開かれる愛知県で起きようとしていることです。

では、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の中間とりまとめ(タタキ台)では、環境についてどう触れられているかを次のコマでざっと整理します。

|

« ダム見直しの失敗(その18) | トップページ | ダム見直しの失敗(その20) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/82688/35713815

この記事へのトラックバック一覧です: ダム見直しの失敗(その19):

« ダム見直しの失敗(その18) | トップページ | ダム見直しの失敗(その20) »