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2010年7月11日 (日)

ダム見直しの失敗(その18)

「第三の教訓 これまでの環境ってどういうことだったのか」についてです。
ちょっと俯瞰してみましょう。

今年2010年は「国際生物多様性年」です。
生物多様性条約と気候変動枠組条約は、
1992年に開催された地球サミット(ブラジル、リオデジャネイロ)で
生まれた「双子の条約」であると言われていますが、
世間一般では、気候変動(温暖化)に対する危機感ほどは、
生物多様性の損失に対する危機感は共有されていないですね?

「温暖化」をキーワードにさまざまな省庁が
「予算」を取ったり「事業」を進めたりする理屈づけに使っていますが、
(そんな予算使うぐらいだったら、環境税をかけて税収を上げるべきだと
私は思いますが、それはさておき・・・)

「生物多様性」に関しては、
企業には「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」など動きが始まっていますが、
省庁に関して言えば、環境省を含めて消極的だと言わざるをえません。

さて、河川行政における「環境」はどのような扱いを受けてきたかです。
例に漏れず、国交省でも「温暖化」でさまざまな予算を取っていますが
「生物多様性」に関しては、馬耳東風状態が続いています。

ただし、1997年の河川法改正で「河川環境の整備と保全」
目的に入ったことは周知の通り。
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(目的) 第一条  この法律は、河川について、洪水、高潮等による災害の発生が防止され、河川が適正に利用され、流水の正常な機能が維持され、及び河川環境の整備と保全がされるようにこれを総合的に管理することにより、国土の保全と開発に寄与し、もつて公共の安全を保持し、かつ、公共の福祉を増進することを目的とする。
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知られていないのは、
「環境」を理由に、「環境破壊」が起きてきたことです。
犯人の正体はズバリ、「河川維持流量」と言います。
目的にも掲げられている「流水の正常な機能が維持され」る流量のことです。
別名「不特定容量」と言います。

このことに気づかされたのは京都。
設楽ダムのことを人前でお話していたら、あとで、ある大学教授が
「キミ、キミ! キミは「不特定容量」のことを
よく理解しておらん。今度、聞きにいらっしゃい!」と言うので
後日、国交省職員にも講義されたことのあるこの先生に、
コンコンと4時間にわたってお話を聞かせていただき、
ぎょぇっ<(@。@)>とビックリした話です。

ダムこそは、川の自然な流れを堰き止め、山からの栄養
海からの栄養、そして上下流の生物の行き来をとめてしまう人工物です。

ところが実は、水道や工業用水、農業用水など、利水目的を失ってしまい、
結果的に、環境、すなわち「河川維持流量」=「不特定容量」を目的に
ダムが作られることになってきています。

もちろん、このことが有識者の見直しのタタキ台では触れられていません。
(続く)

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