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2010年7月10日 (土)

ダム見直しの失敗(その17)

そろそろくたびれて来ました(って自分が言ってはいけませんが^ ^;。

これを書いたら、いったん、休憩です。
利水については今回が最終です。

治水と利水の共通点です。
いえ、公共事業における共通点と言っても過言ではありません。

高度成長期には理由があった。
人口増大と経済発展に備えて、インフラ整備をしなければならない。
そこで、需要予測を行って、計画を進めた。

ところが、空港しかり、道路しかり、橋しかり、港湾しかり、
需要予測は、実態と乖離して過大だったことが
作ったあとで、証明されるようになりました。

治水についても、いくつもの想定が重なって、
現実には達成できないほどの過大な治水計画(=洪水想定)になっていることは
初級編、中級編一つ目二つ目上級編で書いてきた通りです。

利水も同じです。
下記は、八ツ場ダム住民訴訟が一都五県で行われる中で、原告団が調査をして分かったことです。

Tokyo_water_2

東京都の水需要予測の見直し(細線)と実績(太線)です。
↑クリックしていただくと全体がでます。

実態が余りにも需要予測と離れていたために
なんども需要予測を見直してきたにもかかわらず、
やはり、「ダム計画」ありきの見直ししかしてこなかったということが
よく分かるグラフです。

裁判所は「行政裁量」に踏み込むことを避け、
「違法だ」と断じることができていないだけで、
たとえば、こんなにも需要と実績が乖離していれば、
一般国民なら、「最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」(地方自治法2条14項)に違反していると断じるのではないでしょうか。
でも、こうした行政訴訟は、
裁判員制度が導入されていないんですね。
本来は、こうした場にこそ、国民が司法参加をすべきなのですが。

ここまで見てきたように
「治水」、「利水」といった基本でさえも、
河川官僚にしか分からないルールを設けて、審議会という隠れ蓑で
行われてきたのが河川行政です。

1997年に「環境」が目的に加わりましたが、
この傾向はまったくといって良いほど変わらなかったと
私は思います。(環境についてに続く)

ここまで読んでくださった方に、心から感謝します。

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コメント

ぼくにはまだまだわからないところが多いですが、まさのさんが詳しく書いてくれるので一生懸命読ませてもらいました。お礼を言いたくてメールしました。川上ダム建設はストップしてほしいです。川や木、草花や鳥たちもみんなそう願っています。

投稿: オオサンショウウオのクロ | 2010年7月10日 (土) 16時23分

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