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2010年10月29日 (金)

(22) 20.辻褄が合わなくなるⅣ

「国交省河川局の操作・捏造を疑っていたら、別の扉の次の扉が開いた」
(22) 20.辻褄が合わなくなるⅣ(
フォ~ v^^ v)
 または<ハシゴをはずされた御用学者の巻き>

(長いです。忙しい方は是非★までは読んでいただけると嬉しいです)。

毎日のように進展がある。辻褄はドンドン合わなくなる^0^;。
「自殺だけはするな、国民のためだ」と河川官僚さんに声をかけたくなる。
ねつ造を認めれば治水の歴史は変わるが、陽はまた昇る。ど~んと行け!

河川官僚がど~んと行くと、どういうことになるかと言えば、
御用学者はハシゴをはずされるんですね^^;。

「非公開で御用学者ばっかり!」と悪名が高かった「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の御用学者のことです。

八ツ場ダム住民訴訟を行ってきた原告や弁護団が繰り返してきた開示請求で
一律全部「48mm」と開示してきた飽和雨量
さらに、2005年の社会資本整備審議会でも布村課長(当時)が経年変化もなしである、「変わらない」と説明していた

そしてこれにならって官僚のご説明を鵜呑みにして「科学者の良心」を捨ててきたのが御用学者です。ところが、今回、徹頭徹尾「48mm」と言ってきた飽和雨量を、10月12日に馬淵大臣が、河野太郎議員に国会で聞かれて

(昭和33年)31.77 mm
(昭和34年)65 mm
(昭和57年)115 mm
(平成10年)125mm

とバラバラな数値だったことを暴露した。

もとい。河川官僚が、自分達が言ってきたのとは違う数値を入れ「公文書偽造」によってダム事業の必要性をねつ造してきたことがバレそうになり、自分の身が危うくなって、ついに大臣の口から真実を語らせたというわけです。すると、今まで密かに大臣や御用学者にしてきた官僚の「ご説明」とは辻褄はドンドン合わなくなる^0^;。

今となっては、
第4回「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」 
2010年2月8日議事録がその証拠となります。

なお、忙しい方のために、議事録の抜粋の前に解説をしておきます。

河川局が言い張ってきた「48mm」に対し、緑のダムはない、新聞記事がおかしいと言い張り、御用学者が高圧的な物言いで、政務三役と良識的な学者の基本的な疑問を蹴散らそうとした箇所を引用します。しかし、今回、国会で公表されたバラバラな数値は、政務三役と良識的な学者の主張が正しかったことを証明しています。★

なお、透明性の悪いこの議事録は、委員名や固有名詞が伏せられていますが、読む人が読めば分かるようになっています。G台風=カスリン台風、O(地名)=八斗島、○○ダム=八ツ場ダムなどですね。○○先生達もおおよそ分かりますが、ここは情けで言わずにおきましょう。なお「新聞記事」とは、「48mm」は疑問と言った関良基准教授の見解を取り上げた東京新聞記事のことです。

第4回「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」2010年2月8日議事録
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/tisuinoarikata/dai4kai/dai4kai_gijiroku.pdf 
から抜粋(時間がある方は、全文をご参考ください)。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
P.25
【委員】 (略)新聞記事みたいなのが最後に出てきますよね。ここに「飽和雨量を過少設定」、こんなの全くナンセンスで、(略)

【委員】(略)だから、今まで、こんな1個のタンクモデルでも合うし、貯留関数法という1個のやつでも合うのは、平均値使えば大体合うんです。だから、最後の新聞記事は、相当、水文学を知らん人が書いた記事だと認識しておいてください

P.26
【委員】(略)だから、緑のダムなんていうのは、僕もそんなものはあり得るわけがないし、幻のダムと思います。マスコミはそういうこと言うとね、これまた一般のちょっとインテリの人はその気になって「ありますよ」って僕に反論します。「山に行ったら砂防ダムがあって、釣りしたらわかる」とか、そんなの全然関係ないんで。そういうので洪水が起こったり起こらなかったりするわけやないということだけは、少なくとも私がそういうことを携わった上では言っておきます。そうでないと、そんな、おかしいことが起こったら、治水対策なんて全然できなくなるので。これだけ私もつけ加えて。

【政務三役】 この議論は結構大切なポイントだと思っているので、先生方は専門家で、さらっと流されるみたいですけれども、我々ど素人を説得するような説明をしていただかないと、さらっといけません。この問題は。全部を48ミリにセットして、それで計算するっていうのはやっぱりおかしいですよ、どう考えたって。

P.27
(略)
【委員】 ○○先生(委員)、○○先生(委員)と、私の意見が違うのは、(略)きょうお出しした最後の新聞記事のやつは、(略)この計算事例は、その学術会議の認識からずれていませんかということを僕は言った。ちょっと数字が小さくて、流量を過大にしてやしませんかと。これは私の経験と照らしてなんですけどね。ここにある数字がね。というのを私は申し上げたんです。だから、それはだけど、研究者として議論するにはやはり、ここに書いてあるとおり、「今後の検討を待たねばならないが」と、こういうところだと思います。

P.28
(略)
【政務三役】(略)ただ、そこまでをその48ミリで全部統一して計算しているわけですね。それは山の形とか、G台風のときの植林のあり方とか、さっきの○○先生(委員)が出された、いわゆる森林の高齢化の分布みたいなことにしたときに、どれだけ保水能力が変わるかということは、結構大きなポイントだと思いますが。どれぐらいの山全体の保水能力があるのか。

【委員】 (略)それを全部1つの計算でやると平均値ぐらいとっておけば、そんなに違いがありませんと。だけど、その値を、じゃあ、ここが合っているか、ここが合っているかといったら違うんですよ。全部合わさった下流のここで議論するときには、ここの平均値を使うことはそんなに問題はありませんと。その48が53になるというぐらいの値のずれはありますけれども

【委員】 わからんでしょうか。

【委員】 全くの素人で、わかったようなわからないような質問なのですが、流域のナンバーが1から54まで全部の地点で飽和雨量が48というのは、そういうものなんですか。それが新聞で問われているところだと思いますし、(略)

【委員】 ここの計算は僕はよくわからないんですけど、○○さん(委員)は知ってるの?

P.29
【委員】 これはよくある計算で。

【委員】 新聞の記事は、私、小さい字が読めないものですから見出しだけですけれども、通常130ミリをすべて48ミリにしたのがデータとして疑いがあるというのが、ここで言われているところではないのかなという気がして、全部48ということは、どういう科学的根拠でそういう数字が出ているのか。

【政務三役】 G台風から求めたO(地名)の推定流量が2万2,000立方メートル毎秒で、基本高水のピーク流量が2万2,000立方メートル毎秒になっているわけじゃないですか。そのときの山の状況と、今の山の状況は変わっていますねというのが、きょうの○○先生(委員)のお話ですよね。日本全体でも戦後の山にはかなり植林もされていると

【委員】 私は、別にきょうの話は○○ダムを論じようと思ったのではございませんで、長期間の治山治水の行政と、それがもたらしたもの、それを踏まえて将来どう考えるかというつもりでお話をしたんです。(略)

【委員】 私自身、専門じゃないところなんですが、非常に不思議な気がしているんですけれども、緑のダムがだめだとお2人が言われているので……。

【委員】 だめだと言うのではなく、森林の効果はあるけれども、これは限定的でしかもその効果は流出解析の中に取り込まれているということなのです。

P.30
(略)
【委員】 (略)そういうやり方は流域の状況を反映させながら、そこに雨が降って、どれだけ水が出てくるかを算出する数値モデルです。そこはね、理屈がきちんとあります。それで、モデルには係数がありますので実績の値に合うように係数や定数を決めます

【委員】 先生ね、端的に質問します。

【委員】 だからね、緑のダムっていうのはないんです。とにかく、森林はあるわけ。森林の保水能力というのはあるわけ。それはだれも否定していない。それを勘案した上で、この流出解析をやっていく。洪水がどれだけ出てくるか、雨が降ったらどうか、そういう解析なんですよ。

【委員】 いや、あの……。

【委員】 大きな流域ですよ、これ。1万とか。こんなちっこいところやないんですよ。そんな大きな流域の中で雨が降る。森林がある。それから、森林のない畑のところ。そういうぐらいの細かいのは無理にしても、ある程度のことは勘案しながら流出解析をやる。(略)

【委員】 先生ね、素人の質問はこういうことだと思うんですよ。山林を、緑も含めて、森林のある山が乾いている。豪雨で飽和している状態じゃなくて乾いている場合と飽和している場合、これは完全に貯留能力、違うでしょう。だから、そこの違いをね、同じことに議論されるとちょっとわからないというのが、普通の私ら……。

【委員】 いやいや、いいですか。(略)

P.32
(略)
【委員】 いや、そんなことないですよ、先生。もう大体明らかになって。
【委員】 いや、あれは、検証しているのだから。一遍検証してから、それに合わすようなパラメータを決めて計算しているのだから。
【委員】 そうそう。
【委員】 そうだろう。
【委員】 うん、そうそう。
【委員】 そうですよ、大体。
【委員】 それがちょっと、どっちも論争になるんで、それやり出すと。
【委員】 いや、ならない。
【委員】 ほとんどけりついてますもん、この問題は。
【委員】 どこでも言ってないよ、学会では、そんなこと。
【委員】 それは間違っている。
【委員】 間違ってない。
【委員】 まあ、今回はやめておこう。もう時間がないから、もうそれは別の機会にしてね、ほかに。
~~~~~~~~~~~~~

「ほかに」と仕切ったのは、委員長の中川博次京都大学名誉教授でしょう。
議論に決着が付かないまま、皆、飽和雨量は48㎜だという認識で、片や、それがおかしい、片や、いいんだ、というところで「今回はやめておこう」と、これっきり、これについての議論はなく、その続きが、河野太郎議員によって再開されたというわけです。

議事録を読んでいただくと分かるように、政務三役も、御用な学者も良心の学者も、みんな揃って、八ツ場ダムの必要性をひねり出した飽和雨量は48㎜だと、河川官僚に聞かされてきたことが分かるでしょう。

これって、偽証罪で、問われることはないんでしょうか?
審議会でウソついたという認識があるのかないのか、気になるところです。

布村元課長だけが悪者であるわけではないので、
これから他の人にもご登場いただきます。

さて、この間、河野太郎議員が提出した質問主意書に対する答弁でも、彼らは飽和雨量は48㎜だと言ってきたことが、明確に白状されました。この続きはまた!

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2010年10月26日 (火)

(21) 19.辻褄が合わなくなるⅢ

「国交省河川局の操作・捏造を疑っていたら、別の扉の次の扉が開いた」
(21) 19.辻褄が合わなくなるⅢ
「一つのウソを隠すために、別のウソをつくと、他でついたウソと辻褄が合わなくなる」の続きです。

この間、さらなる進展がありました。
順不同になりますが、先に、重要なニュースから。

国交省:治水計画検証時の重要数値、「保水力」都合よく変更 表向き「不変」主張 ◇元部長「全国の河川で通例」
毎日新聞 2010年10月24日 西部朝刊
http://mainichi.jp/seibu/seikei/news/20101024ddp001010019000c.html 

この記事の中で注目していただきたいのは
「国交省近畿地方整備局の元河川部長、宮本博司氏」の説明。

「計画策定時の計算式が近年の洪水でも有効か検証する際、さまざまな定数など飽和雨量以外の要素はそのまま使うが、飽和雨量は実際の流量に合うよう洪水ごとに変えるのが通例だったという」

 だから、どのような治水を目指さねばならないかという宮本氏のコメントと、ダム問題を書き続けてきている福岡賢正記者の解説に、ご注目いただきたいと思います。

 八ツ場ダムによる治水の根拠であるウソ<辻褄合わせ>を包み隠していたベールが一枚一枚、剥がれていく中で、一都五県の知事達が、昨日、ご当地である長野原町を合同で視察。
東京http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20101026/CK2010102602000084.html
朝日http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581010260001
下野http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20101025/403717
共同http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010102501000235.html

辻褄合わせのウソの上に成り立って、半世紀の間、進められてきた問題は、誰か一人を悪者にしていたのでは解決しない。しかし、何がウソだったのかを明らかにしなければ、前には進まない。

宮本氏とは対照的で、歴代の前任者達と口裏を合わせた側である布村明彦元河川計画課長(こちらで審議会での発言を紹介)の最近の著書と居場所を見つけた。

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2010年10月23日 (土)

⑳ 18. 辻褄が合わなくなるII

「国交省河川局の操作・捏造を疑っていたら、別の扉の次の扉が開いた」
⑳ 18. 辻褄が合わなくなるII

「一つのウソを隠すために、別のウソをつくと、他でついたウソと辻褄が合わなくなる」の例がもう一つあるのに、書く時間が絞り出せない間に、あっと言う間に
ウソの雪だるま状態で、河川局、誰が責任を取るのでしょうか思わざるを得ない状態になっています。
午後、飛び出す準備がこれからなので、とりいそぎリンクを貼らせていただきます。

●馬淵大臣会見要旨(2010年10月19日(火)11:25~11:57)
http://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin101019.html 
●八ッ場ダム根拠の最大流量 算出資料確認できず
(東京新聞2010年10月22日夕刊)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2010102202000195.html
●河野太郎議員 →いよいよ泥沼の河川局疑惑
http://www.taro.org/gomame/index.php
●関良基さんブログ
http://blog.goo.ne.jp/reforestation 

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2010年10月20日 (水)

⑲ 17. 辻褄が合わなくなる

「国交省河川局の操作・捏造を疑っていたら、別の扉の次の扉が開いた」
⑲ 17. 辻褄が合わなくなる

前回書いたように、「一つのウソを隠すために、別のウソをつくと、他でついたウソと辻褄が合わなくなる」今回はそれを書く。

まず、一つ目のウソとは何か。利根川の基本高水を計算するために使った「飽和雨量は48mmだ」というものだ。そのウソがばれたのは、八ツ場ダム訴訟に意見書を出した研究者が、国交省が開示していた定数と、非開示だが以前に開示していた近似の「流域分割図」と「流出モデル図」を入力して、国交省がやった計算を追試したからだ。

追試結果は、国交省が河川法16条に基づいて、全国109水系の一級河川で「河川整備基本方針」を決めた「社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会」に平成17年12月6日(第28回)に提出したようなグラフ(資料1「利根川に関する補足説明資料」の最後のページ)にはならなかったというものだ。↓これがそのページだ(クリックすると全体が見えます。もしくはリンクでオリジナルを見てください)。

Model_2

つまり、48mmって言ってきたけど、48mmを入れても、こんなグラフにはならないよ?
というのが、関良基准教授の意見書 の内容だった。

そして、疑い通り、「本当は48mmではなかった」というのが、河野太郎衆議院議員の質問 で分かったことだ。

そして馬淵大臣も記者会見で改めて明らかにした。これまで「48mm」とこれまで言ってきたのが、本当は、31.77 mm(昭和33年)→65 mm(昭和34年)→115 mm(昭和57年)→125mm(平成10年)と年を追う事により大きな飽和雨量を入れて計算していた。しかも「今まで非開示だったものでありますので、この国会で初めて、私の方から公表した」と言わせて取り繕った。しかし、本当は「非開示」だったのではなくて、「48mm」と開示してきたのが真実だ。平気で大臣にウソを取り繕わせたのだ。

~~~~~~~~~大臣会見の抜粋(該当箇所)~~~~~~~~
昭和33年9月洪水では31.77ミリメートル、昭和34年8月洪水では65ミリメートル、昭和57年9月洪水では115ミリメートル、平成10年9月洪水では125ミリメートルと。
この4つの数字のうち、昭和34年以降の3つ、65ミリメートル、115ミリメートル、125ミリメートルというのは、今まで非開示だったものでありますので、この国会で初めて、私の方から公表したということであります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

しかし、そう取り繕ったことで、今度は、他で辻褄が合わなくなる。
今日のところは2つ、あげておく。

(1)一つは上記のグラフの説明を見て欲しい。
(2)二つ目は、この資料を説明したときの議事録だ。

第28回(平成17年12月6日)<利根川水系> 議事録
 
~~~~抜粋~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(事務局) 担当の河川計画課長の布村でございます。座って説明をさせていただきます。
 まず、資料1で前回幾つかのご質問、ご指摘等ございましたことについて補足の説明をさせていただきまして(略)。
 それから最後のページでございます。森林の治水機能について話がございます。利根川について見ますと、利根川上流域、例えば群馬県。栃木県なども似たようなものでございますけれども、群馬県の例を出させていただいております。森林の面積そのものは、昭和25年以降など、戦後の状況と最近まではあまり変わってございません。荒れ地・農地が減りまして、都市的な利用が増えているというのが全体の状況でございます。
 治水計画としましては、昭和55年に今の工事実施基本計画(既定計画)ができてございますが、このときも当然25年頃とあまり変わらないという森林の状況を前提にして計算して検討しているわけでございますし、実際に流出したものと併せて、その状況を確認しております。下が、そういう計算と実際のものとの比較でございます。
 それからその後につきましても、最近の森林の状況そのものはあまり変わっていないのですが、既定計画策定以降も近年の森林の状況のものでも一応流出計算をしてみますと、同じ計算モデルで十分再現性が高いという状況が見て取れます。
~~~~~抜粋終わり~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(1)のグラフは「森林の存在を前提として治水計画を立案」したことを示すもので、その計画を検討した昭和33年でも、昭和57年でも、平成10年でも、実測流量(黒線)と計算値(赤線)の波形が一致していることをもって、どんな洪水にも当てはまる「再現可能な流出計算モデル」「再現性がある」という説明をするグラフだ。

(2)の議事録は、この頁を見ながら、布村河川計画課長(当時)が「既定計画策定以降も近年の森林の状況のものでも一応流出計算をしてみますと、同じ計算モデルで十分再現性が高い」と説明したことを示している。

基本高水については、次のように説明している。「当然25年頃とあまり変わらないという森林の状況を前提にして計算して検討している」。

これは、大臣が言った数字〔31.77 mm(昭和33年)→65 mm(昭和34年)→115 mm(昭和57年)→125mm(平成10年)〕とは辻褄が合わないのだ。

そして「十分再現性」が高いと言っても、個々の洪水で実測値に合うように違う定数を変えてグラフを作れば、それが計算値で再現できるのは当たり前。でも、それは「同じ計算モデルで十分再現性が高い」とは言わない。「定数を変えて辻褄を合わせた」としか言わないのではないか?

森林の保水力(飽和雨量)に差があることを示す数字を入れおいて、そのことを明記も言及もせず、「森林の状況そのものはあまり変わっていない」、しかも「同じ計算モデル」だと言ったが、今になって、大臣が公表した4つの数字はそれがウソだったことを露呈させた。

「一つのウソを隠すために、別のウソをつくと、他でついたウソと辻褄が合わなくなる」と言ったのは、このことだ。

今、布村元課長はどこにいるのだろうか?

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2010年10月17日 (日)

⑱ 16.次は何が起きるか

「国交省河川局の操作・捏造を疑っていたら、別の扉の次の扉が開いた」
⑱ 16. 次は何が起きるか

その後も、河野太郎・陰の行政刷新担当大臣の快進撃が続いている。

拝啓 馬淵国土交通大臣殿
http://www.taro.org/2010/10/post-822.php

そして報道も
●【八ツ場よ!】利根川の最大流量、算出方法見直しへ
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581010160001 
2010年10月16日(朝日新聞 群馬)
●最大流量算出法 再検討へ……国交相
八ッ場含む利根川水系 治水対策に影響も
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20101016-OYT8T00139.htm 
2010年10月16日( 読売新聞 群馬)
●八ッ場の建設根拠 利根川基本高水流量 飽和雨量「98年は125㍉」 衆院予算委で国交相
http://yamba-net.org/modules/news/index.php?page=article&storyid=1028
2010年10月13日 (上毛新聞二面) 八ツ場あしたの会サイト↑

一つのウソを隠すために、別のウソをつくと、他のウソと辻褄が合わなくなる
それはどのようなものかを次回から書いていこう。

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2010年10月15日 (金)

⑰ 15.馬淵澄夫大臣はどう反応しているか

「国交省河川局の操作・捏造を疑っていたら、別の扉の次の扉が開いた」
⑰ 15.馬淵澄夫大臣はどう反応しているか

こちら
国交省河川局の操作・捏造が疑われているわけ」の統一タイトルを
国交省河川局の操作・捏造を疑っていたら、別の扉が開いた
に変えたばかりだが、今日また、次の扉も開いた。

重要なところだけ書き抜きます

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^

2010年10月15日
●大臣発言(利根川の治水計画の計算に使ったデータ等について)
http://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_001129.html 

(略)

流域計算のモデルの妥当性も含めて見直しを行うべきということで、私の方から河川局には指示を出しております。

従いまして、ダムの再検証というものがございますが、八ッ場ダムに関しては今日におけるモデルの妥当性、さらにはそこで使われている係数の妥当性も含めてしっかりと検討するべきということで指示を出させていただきました。

私は、一昨日の予算委員会で河野委員の質問に対して私の方でお答えをしたものでありますが、利根川の八斗島地点における再現計算に用いた飽和雨量についてですが、4つの数字を申し上げました。

昭和33年9月洪水では31.77ミリメートル、昭和34年8月洪水では65ミリメートル、昭和57年9月洪水では115ミリメートル、平成10年9月洪水では125ミリメートルと。この4つの数字のうち、昭和34年以降の3つ、65ミリメートル、115ミリメートル、125ミリメートルというのは、今まで非開示だったものでありますので、この国会で初めて、私の方から公表したということであります。

いろいろな御意見がある中で、データ等が開示されていなかったことについては、私は情報公開に付すべきだと、このように最初から申し上げてまいりましたので、今後も必要であれば出していくと。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^

姫野さん、見てる? 
http://blog.livedoor.jp/bkgen7/
始まったよ。

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⑯14.永田町はどう反応しているか

「国交省河川局の操作・捏造を疑っていたら、別の扉が開いた」
⑯14.永田町はどう反応しているか

まずは、治水の歴史を変えたダークホース河野太郎衆議院議員のブログ
読んでいただくのが一番だ。

河川局の犯罪2010年10月14日
http://www.taro.org/2010/10/post-821.php 
検察のFDの書き換えなみかそれ以上の犯罪が行われている。
事件現場は、国土交通省の河川局だ
」で始まっている

分かりやすい。 笑える^^。頭がいい人はいいなぁ。

アリバイを完璧にし過ぎて逆にねつ造を証明してしまった話しの説明はとても難しいのに、すんなり刑事コロンボ仕立てで書いてある。

昭和33(1958)年に利根川水系の流出計算モデルを作った後に
完成したダムが貯めて、川には流れてこないはずの流量がある分、
観測値は、計算値よりもずっと少なくなければならないのに
なぜか、グラフでは一致してしまっている。

そこも「48mm」とは別の、不可思議な点であり、ねつ造を示す一つの証拠だったのである。うまい!

この件、東京新聞が独走していたが、今日から他紙も追いつきつつある。

●八ッ場ダム 建設根拠の変化無視 
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010101490070501.html
東京新聞(2010年10月14日)
●八ッ場ダム建設根拠の想定流量など見直しへ 国交相指示
http://www.asahi.com/national/update/1015/TKY201010150183.html
朝日新聞(2010年10月15日)

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2010年10月13日 (水)

⑮13.河川官僚はどう反応しているか

昨日、急展開があって、
「国交省河川局の操作・捏造が疑われているわけ」の統一タイトルを
「国交省河川局の操作・捏造を疑っていたら、別の扉が開いた」に変えます。

「国交省河川局の操作・捏造を疑っていたら、別の扉が開いた」
⑮13.河川官僚はどう反応しているか

面白い!そう来たか?!
昨日、別の取材から帰ってくると、ものスゴイ展開になっていた。

ねつ造!公文書偽造事件!と書いてきたが
今度は「自爆」としか言いようのない答弁が出たのだ。

まずは、衆議院予算委員会のビデオライブラリーからこの部分を見て欲しい。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=TD
→左側のカレンダー10月12日をクリック
→10月12日予算委員会をクリック
→河野太郎をクリック
→カウンター(55:45~58:00)
====こんな感じ==============
河野議員:残り時間がきわめて僅かになりましたので、最後に一つだけ全く違う質問に飛ばさせていただいて申し訳ございませんが。群馬県の治水基準点であります八斗島(やったじま)と読むんでしょうか、八ッ場ダムの関わりもあるところでございますが、ここの基本高水を計算するモデルに使われた「飽和雨量」というのがどういう数字であったのか。58年、59年、82年、98年に洪水がございました。この4年にどういう数字が使われたのか、計算に使った数字を教えていただきたいと思います。国交大臣

馬淵大臣:お答えいたします。委員ご指摘のこの飽和雨量でございますが、これは河川整備基本方針検討小委員会におきまして、いわゆる洪水の再現計算に用いました数値でございます。1958年(昭和33年)9月、この飽和雨量が31.77ミリ、1959年(昭和34年)8月の飽和雨量が65ミリメートルでございます。 82年、これが115ミリメートル、98年、これが125ミリメートルでございます。以上でございます。
=============================

大袈裟に言えば、河野太郎議員、この2分で治水の歴史をひっくり返したようなものだ。

ちょっと話を巻き戻す。
こちらでこう書いた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その潔白を示すには、54分割の流域図とモデル図を開示すればいいだけの話。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
つまり、国交省は、利根川水系の八斗島における基準点での基本高水2万2千立法メートル/秒(八ツ場ダム必要性の根拠)をはじき出してきた流出計算モデル国交省による「再現」の、部外者による検証に必要な二つのデータを拒んできた。

拒んできた表向きの理由は屁理屈で、本当の理由は一つしか考えられない。公開すれば、グラフのねつ造が明らかになってしまう。そのデータで国交省の「再現」の正しさを、第三者が検証しようとすると、審議会に提出した波形グラフ(P.7左下グラフ)と大きなズレが生じて、その流出計算モデルは「再現性がない」ものだったことを証明してしまうことになる。

すると、その流出計算モデルを使ってはじいた基本高水2万2千立法メートル/秒(八ツ場ダム必要性の根拠)の信憑性がガタ崩れになる。

それが嫌だから、数字を操作してグラフをねつ造した【観測値(による波形グラフ)に計算値(による波形グラフ)を合わせた】のだろう。数字の操作を隠すために、屁理屈を使ってでも検証に必要なデータ開示を拒むしかないのだ、と見ていた。

だから、どうするのかなぁと思っていた。
情報公開訴訟も起きているし、
大臣だって、冷静になって非公開の理由は屁理屈だ、と分かれば、
いずれは公開の判断を出すだろう。時間の問題だろうと思っていた。

そうしたら、なんと、いままで、「48ミリ」と言ってきた飽和容量の方を変える「決断」を行ったらしい。「ねつ造はしていません!」(先日、このブログを読んでいる河川官僚さんがと私の取材を振り切りながら叫んでいた^^;)と言うために、今までの説明を一転させたのだ。

「決断」とは、流域全体を守るために、一部の堤防を切る(断じる)という中国の故事から来た言葉だそうだが(河川官僚OB竹村公太郎さんが講演していた^^;)、まさに、公文書ねつ造疑惑から逃れるために、飽和雨量「48ミリ」の「堤防」(比喩ですヨ)を切った。

そして、その「堤防」から出てきたものが、馬淵大臣に答弁させた4つの飽和雨量。

関良基さんがブログで上記の大臣答弁を綺麗に並べ替えている。
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/d09824aa68c5d96c54ef7d779818763e 
孫引きをすると以下の通り、

***馬淵大臣が答弁であげた数値を引用*******
          飽和雨量(mm)
S33(1958)年    31.77
S34(1959)年    65
S57(1982)年    115
H10(1998)年    125
***引用終わり*******************

孫引き終わり。

これは、こちらで私が群馬県の県土整備部長に「たとえば48ミリの貯留関数法における数値が実は100を入れてねつ造されていたんではないかという疑いがかけられていますが」とはしょって聞いた通りの数値に近い。

結果として、この4つの数字はいろいろな意味で国交省の自爆を意味する。
何を意味するのかは、後日。
お急ぎの方は、上記、関さんのブログへgo!

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2010年10月12日 (火)

⑭12. ご当地群馬県はなんと言っているか

国交省河川局の操作・捏造が疑われているわけ
⑭  12. ご当地群馬県はなんと言っているか

国交省が非開示にしているデータ(54流域分割図とモデル図)が書かれている群馬県ご当地はこの件についてなんと言っているか、10月1日、関東地方整備局が開催した「八ツ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」の幹事会の終了後に聞いてみた。

聞いた相手は、国交省から出向中の川瀧県土整備部長。

~~~~

まさの:最近になって、基本高水の求め方がおかしかったんではないかという指摘がなされていますが、それはどのようにお考えでしょうか?
群馬県・川瀧県土整備部長:現在の八ツ場ダムのそういう基本的な部分についてもですね、データをしっかり公開していただいて議論をしていただきたいと思いますね。

まさの:たとえば48ミリの貯留関数法における数値が実は100を入れてねつ造されていたんではないかという疑いがかけられていますが
部長:私、具体的に聞いていませんから・・。
まさの:データをしっかり出すということですね。
部長:もちろんです。公開して議論しなくてはいかんのじゃないでしょうかね。国交省もそういう方針じゃないんですか?

まさの:今、不開示の部分について開示欲しいという訴訟になってその判断がなされている最中だと思うんですが
部長 はあ。それは是非、国交省に聞いていただければ。我々としては今、言った通りです。なるべくオープンに議論をしたいと思います。

~~~~

なんとでも取れる幅のある答弁をするのが河川官僚。
より狭めた答弁を言わされるのが大臣。
それでもオープンな議論が必要であることは誰も否定ができない考えなのである。

(注)上記で私が「100を入れてねつ造されていたんではないかという疑い」と言ったのは国交省が48mmとしている飽和雨量を、100mmにしてみたらグラフは再現できた、しかし、48では20~25%、計算値は実績を上回ることを咄嗟に短く聞いたもの。短すぎた(反省)。

残り3項目、残ってしまったが、続きは本日か後日。

13.河川官僚はどう反応しているか
14.永田町はどう反応しているか
15.次は何が起きるか

何せ、いろいろ無理を重ねていたら、三連休中に熱でぶっ倒れてしまった。

皆さんもお身体には気をつけて!

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⑬ 11.国交相はなんと言っているか

国交省河川局の操作・捏造が疑われているわけ
⑬ 11.国交相はなんと言っているか

これについて国交大臣はなんといっているかと言えば、記者会見で記者と次のような質疑があった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2010年10月1日(金) 11:05 ~ 11:31 国土交通省会見室
馬淵澄夫 大臣
http://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin101001.html

(問)今日から八ッ場ダムの建設に関する地方公共団体の検討が始まります。
それに関連してなのですが、予断無きダムの検証については、各種の情報の開示が必要になろうかと思うのですが、大臣はどう思われますか。
特に、9月14日の前原前大臣の記者会見では、基本高水について、このような基本的な基本高水という中核をなす数値がどのような条件でまとめられたかということは当然ながら開示していくべき話だと思っております、というふうに前原前大臣はおっしゃいました。情報公開について、特にこの基本高水のデータの公開について、馬淵大臣はどのようにお考えですか。

(答)個別具体の一つ一つのデータをここでどれを開示すべき、開示すべきではないということをお答えすることは差し控えたいと思いますが、基本的に情報公開、これは私ども民主党を中心とした政権の中でも、まず枢軸に据えられた理念であり方針だというふうにと思っております。
ただ一方でその情報によって、やたらに不安をあおる、あるいはリスクを想起させてしまうなど、あるいは様々な経済活動に影響を及ぼすようなことについては、慎重を期さねばならないと思っております。
基本的なスタンスとして、情報公開を行いながら、適切、適宜に開示をしていく必要があると思います。
前原前大臣がお話しされたのは、一つは象徴的に、そういったデータの開示というものを検討しながら、一つ一つ丁寧に進めていこうということだと私は理解をしておりますので、例えばどの段階で、どのようなデータを、どのような形でということは、この場では今お伝えできないと思っておりますが、少なくとも情報開示という姿勢をもってしっかりと国民の皆様方の御理解を頂けるような形で提示をしていくというスタンスは変わらないと、このようにお伝えしておきます。

(問)関連ですが、前原前大臣の御発言を受けて原告団が求めている情報を開示できるかどうか問い合わせてみたのですが、担当の方は今までどおり非開示のお答えでした。その決定については、大臣も聞いているはずだとおっしゃっていますが、馬淵大臣は基本高水のデータを非開示にしたことについて、報告を受けていらっしゃいますでしょうか。
(答)何を公開するかということは必要ではなくて、データの公開によって、より理解を高めていただけるものであれば出していくべきであり、また逆にその公開によって様々な憶測や不安を招く、あるいはこの地域にこういうものができるといったときに土地の買い占め等含めて本来守られるべき適切な経済活動が妨げられたりしてはならないという観点から判断すべきものだと思っておりまして、少なくとも今御指摘の部分については私も報告を受けて了としたものです
今後も、一つ一つにその名称を言ってこのデータを出せと言われても、それをどの時点のどのものかという詳細な確認が必要なわけですから、会見や様々な場所で私以外の発言があったとしても、これについてはきちんと検討して正確なものを、正確な方針に基づいて提示をしていくということが必要だと思っています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

これは官僚主導答弁であり、大臣には再考する余地がある。
なぜなら、大臣が答弁したことが、官僚のご説明で後から変わることは、これまでにもあったからだ。逆に、官僚が不十分な説明と屁理屈で不開示の理由を述べ立て、忙しい大臣をだまくらかしたとしても、大臣が熟考の上、それを翻してもよい。

情報公開法では次のような条項がある。
大臣は、公益上に必要であると考えれば、その文書を開示できるのだ。
===================================
公益上の理由による裁量的開示
第七条  行政機関の長は、開示請求に係る行政文書に不開示情報が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該行政文書を開示することができる
===================================

基本高水を算出した流出計算モデルが「再現不能」であることが追試によって示唆されている。操作、捏造されたものが審議会の資料に出ていた疑いが色濃いことが示唆されている。
その潔白を示すには、54分割の流域図とモデル図を開示すればいいだけの話。
しかも、開示しない言い訳に使っているのは、賞味期限の切れた、消えた構想がたまたまその図にあること。

ちょっと考えれば、非開示によって疑惑を払拭できないことの方がどれだけ公益上の利益を損ねるか、大臣なら考えれば分かることだ。

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⑫ 10.だから何をしたか

国交省河川局の操作・捏造が疑われているわけ
⑫ 10.だから何をしたか

もともと原告側は、2万2千立方メートル/秒の基本高水を算出した調査報告書のすべて(利根川上流域の流出計算モデルを含む)を開示請求したのに、「流域分割図」と「流出モデル図」を 国民の誤解や憶測を招くという理由で不開示にしていた。

だから繰り返しになるが
開示請求者は、この不開示決定の取消訴訟を提訴し、
同時に国土交通大臣に公開するよう直訴した。

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⑪.9照らし合わせて何が判明したか

国交省河川局の操作・捏造が疑われているわけ
⑪.9照らし合わせて何が判明したか
ところが、こちらで述べたデータでその再現性の追試を関氏が行ったところ、まったく違うグラフが現れた。(あとでそのグラフにリンクを貼りますが今、時間なし)

特に右側の昭和57年と平成10年のグラフは、まったく違う。計算上は、実際よりも20~25%も多く流出する。

「過去の主要洪水を再現」できたという国交省の再現を検証した形だったが、再現できないことが分かった。

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⑩ 8.何に照らし合わせたか

国交省河川局の操作・捏造が疑われているわけ
⑩ 8.何に照らし合わせたか

それを何と照らし合わせたか?
国土交通省は自らの資料で(第28回河川整備基本方針検討小委員会 資料1「利根川に関する補足説明資料」P.7目)↓
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/shouiinkai/kihonhoushin/051206/pdf/s1.pdf 
昭和55年(1980年)に策定した流出計算モデルは、文字通り、「主要洪水を再現可能な流出計算モデル」であり、「近年の森林の状況による実績の洪水流量においても再現性がある」と、昭和33年(1958年)、昭和57年(1982年)と平成10年(1998年)の「再現」グラフを示している。
それらのグラフ(第28回河川整備基本方針検討小委員会 資料1「利根川に関する補足説明資料P.7目(森林の治水機能について)の左下にある三つのグラフは何を示しているかというと、赤線(計算値)と黒線(実測流量)は一致していること。つまり、計算が実績(過去の洪水)に一致していた。だから、基本高水を求めるために使った流出計算モデルは正しかった、ということを示そうとしている。
(その上で、この資料は、全体として、森林の治水機能はないということを印象づけようとしている)
ところが・・・・

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⑨ 7.何で検証したか

国交省河川局の操作・捏造が疑われているわけ
⑨ 7.何で検証したか

ただし、こちらで述べたように、流出計算モデルを使っての完璧な検証には、「流域定数」の他、国土交通省が開示しない「流域分割図」と「流出モデル図」も必要だ。

しかし、「流域分割図」と「流出モデル図」については国交省が不開示としたため、関氏はそのものズバリである54分割の流域分割図ではなく、近似で以前に提供されていた23分割図を使った。

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⑧ 6.八ッ場ダム住民訴訟原告団が行った検証はどのようなものか

国交省河川局の操作・捏造が疑われているわけ
⑧ 6.八ッ場ダム住民訴訟原告団が行った検証はどのようなものか

こちらで述べたように、基本高水は過大であるとされ、
実際に、開示請求で得たデータによって、
こちらで述べたように 
「一次流出率」が0.5、「飽和雨量」が48mmというのは問題があることが分かった。

そこで原告側では、意見書を書いた関氏が、国土交通省が「過去の主要洪水を再現」できるという昭和55年(1980年)の流出計算モデルを使い、「過去の主要洪水を再現」を「追試」してみた、というわけだ。

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⑦ 5.国交省は何故隠しているか

国交省河川局の操作・捏造が疑われているわけ
⑦ 5.国交省は何故隠しているか

国交省はなぜ「流域分割図」と「流出モデル図」を不開示にしているのか。

開示請求者が記者会見を行って明らかにした資料、
平成22年8月25日に決定された不開示決定通知書によれば
構想段階の洪水調整施設に係る情報を含む部分については、国の機関内部における検討結果に関する情報であって、公にすることにより国民の誤解や憶測を招き、国民の間に混乱を生じさせるおそれがある」というもの。

ところが、滑稽なことに同様の情報はすでに昭和44年に建設省関東地方建設局から提供されたことがあり、そのときには「構想段階」の洪水調整施設(ダム)も含めて開示されていた。頭隠して尻隠さず状態だ。

しかもそれらの構想はすでにない。また、この流域では八ツ場ダムが最後のダムであることは河川整備基本方針を決める際に担当課長が明言した。混乱の元が存在しない。

ということで、開示請求者は、この不開示決定の取消訴訟を提訴
同時に国土交通大臣に公開するよう直訴している。

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⑥ 4.国交省は何を隠しているか

国交省河川局の操作・捏造が疑われているわけ
⑥ 4.国交省は何を隠しているか

こちらで書いたが、基本高水の算出には
流域を分割した「流域分割図」と「流出モデル図」。
その流域ごとに定められたデータ「流域定数」が要る。
ところが、国交省は「流域分割図」と「流出モデル図」を不開示にしている。

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⑤ 3.誰がその何を問題だと言っているか

国交省河川局の操作・捏造が疑われているわけ

⑤ 3.誰がその何を問題だと言っているか

いかようにも決められると言われてきた「流域定数」の中で、
利根川水系の場合、問題があると指摘されているのが
「一次流出率」「飽和雨量」だ。

「一次流出率」が0.5、「飽和雨量」が48mmと設定されている。

●それを「一般性をもつ定数ではないと思われる」と指摘したのが「今後の治水のあり方に関する有識者会議」の鈴木雅一・東京大学大学院農学生命科学研究科教授の第4回会議(2月8日開催)での発言で、それを解説したのが、関良基氏の意見書だ。
http://www.yamba.jpn.org/shiryo/tochigi/tochigi_g_iken_seki_1.pdf
「飽和雨量」48mmは過小、「一次流出率」0.5は過大であるとの解説だ。

●ちなみに、鈴木教授に私も改めて取材させていただいたところ、「関さんの言っている通り」。飽和雨量は100mm程度、一次流出率は0.2~0.3が妥当であろうとのこと。

「一次流出率」が0.5、「飽和雨量」が48mmとの設定がおかしいと言っているのは、二人だけではない。
●国交省自らが定めた告示で、流出率は山地は0.3、林地は0.2としているし、
http://www.sougo-chisui.jp/shinkawa/pdf/shinhou/panfu-06.pdf
● 独立行政法人・森林総合研究所研究員の藤枝基久氏は、森林の流域貯留量は全国の事例を平均すれば「130mm」程度という調査結果。

上記にリンクをはった関氏の意見書にはこれらの根拠が詳しく書いてある。

ここまでで、すでにひょっとしたら難しいなと思われる方もいるかもしれないが、大事なことは、公表されている基本高水は、一般には公表されていない「定数(じょうすう)」が複合的に掛け合わされてはじかれていて、そのうちの二つは妥当性を欠いていると森林の専門家は思っていること。

そして、それが八ツ場ダム住民訴訟の中で、原告が情報公開を繰り返す中でようやく分かってきたことだ。

そして、これはまだ序の口だ。今回問題にしていることは、ここではない。

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④ 2.基本高水の計算に何が必要か

国交省河川局の操作・捏造が疑われているわけ

④ 2.基本高水の計算に何が必要か

こちらhttp://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/1-c0cc.html で記憶に止めてもらった「工事実施基本計画に定めた基本高水」「様々な降雨パターン」「想定」「貯留関数法」というキーワードですが、

繰り返し出てきている「2万2千立方メートル/秒」という計算は、昭和55年(1980年)の工事実施基本計画を作るときに、さまざまな洪水に当てはまる「流出計算モデル」をつくってはじいたものです。使ったモデルを「貯留関数法」といって、それは以下のようなデータを元に作るモデルです。

流域を分割した「流域分割図」「流出モデル図」
その流域ごとに定められた以下のような「流域定数」
1. K
2. P
3. 遅滞時間
4. 一次流出率
5. 飽和雨量
6. 流域面積

基本高水など「いかようにも操作ができる」「ダムの必要性が簡単に作り出せる」と言われてきたのは、これらの定数などが河川官僚の裁量によっていかようにも設定が可能だったからです。

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③ 1.八ッ場ダムの基本高水はどうできているか

国交省河川局の操作・捏造が疑われているわけ
1.八ッ場ダムの基本高水はどうできているか

八ツ場ダムの必要性の根拠とされてきた基本高水は、基準点の八斗島(やったじま)で「2万2000立方メートル/秒」と言われているが、それは、どうできているか?

河川工学用語での説明は避けるが、平成21年1月16日に、八ツ場ダム住民訴訟の被告人である群馬県の代理人弁護士が前橋地方裁判所あてに書いた書面に次のようにある。

「工事実施基本計画に定めた基本高水のピーク流量2万2000立方メートル/秒は、カスリーン台風と同規模の降雨量を前提に様々な降雨パターンを想定し、将来的な河道断面などで、洪水調整施設がないという条件で貯留関数法により計算した既往最大流量と概ね200年に1回程度生起する確率流量とを比較し、いずれか大きい方の値を採用することとした結果から定めた計画値としての流量」(*)

ややこしいので、ここで記憶に残して置いて欲しいものは
「工事実施基本計画に定めた基本高水」「様々な降雨パターン」「想定」「貯留関数法」というキーワードです。

(*)被告の説明はコロコロ変わってきていて、破綻し、八ツ場ダムは不要であることを証明してしまっているようなものだが、それは別の機会に書く。

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②前置き(操作・捏造)

これから説明することの前置きを言うと次の通り。

○ 「基本高水」は机上の計算に他ならない、係数の設定の仕方でダムの必要性をいかようにでもひねり出せる、過大である、と言われてきた。

○ ところが、過大であるかどうかを外部の人間が立証しようとしてもできなかった。なぜか?情報を握っている国交省が、基本的なデータを出さないからだ。

○ ダム反対運動の一つの類型は、それでもこの数値「基本高水」がインチキもしくは過大であることを立証し、その数値を下げて適正化したいというもの。

○ 最近の(そして最終であろう)類型は、河川法改正以後に生まれたもの(淀川水系生まれ)。基本高水は所詮、人間が決めた想定に過ぎない。災害はその人智を超えるから起きるのであり、ダムが災害を防げるのは、想定内の規模で、想定通りの場所に、想定通りの雨の降り方をしたときだけだ。

○ 真の治水は、どこにどのようなリスクがあるかを住民自身が知り、その上でそのリスクを軽減する最善の策、たとえば破堤の危険性が予見される堤防の強化などを、環境負荷もコストに入れながら考えていこうというもの。ダムか否かではなくて、どうやったら人が死なずに済むかである。

○ とは言っても、国交省が金科玉条にしてきた「河川整備基本方針」(100年の方針)で打ち出さす「基本高水」を手放すはずはない。河川官僚の一種のヘゲモニーだ。だから、それは神棚の上に置いて時々、拝むことにして、「河川整備計画」(20~30年の計画)でしっかり住民参加して勝負しよう。

それがここ約20年で起きてきたことだ、と思う。
(何か付け足すこと、余分なことがあったら、コメントください。)

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①国交省河川局の操作・捏造が疑われているわけ

この間、私が書いていることがよく分からないというコメントをいただいていました。
有難うございます。
この間、ブログ更新の余裕がなく(三連休に熱でぶっ倒れたほど)、
取材に向かう電車の中で、Twitterで下書きを始めました。
順序等を正して以下の順で書いていきます。

国交省河川局の操作・捏造が疑われているわけ

1.利根川水系の基本高水はどうできているか
2.基本高水の計算に何が必要か
3.誰がその何を問題だと言っているか
4.国交省は何を隠しているか
5.国交省は何故隠しているか
6.八ッ場ダム住民訴訟原告団が行った検証はどのようなものか
7.何で検証したか
8.何に照らし合わせたか
9.照らし合わせて何が判明したか
10.だから何をしたか
11.国交相はなんと言っているか
12.ご当地群馬県はなんと言っているか
13.河川官僚はどう反応しているか
14.永田町はどう反応しているか
15.次は何が起きるか

↑このための
Twitterでの下書きはこんなでした(打ち間違いは訂正)↓
1.基本高水の計算に何が必要か
2.八ッ場ダムではその何が問題か
3.誰が問題だと言っているか
4.国交省は何を隠しているか
5.国交省は何故隠しているか
6.八ッ場ダム住民訴訟原告団が行った検証はどのようなものか
7.何で検証したか
8.何に照らし合わせたか
9.照らし合わせて何が判明したか
10.だから何をしたか
11.国交相はなんと言っているか
12.ご当地群馬県はなんと言っているか
13.河川官僚はどう反応しているか
14.永田町はどう反応しているか
15.次は何が起きるか

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