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2010年11月28日 (日)

(29) 27 モノを売らないなら、金を払わないへ

「国交省河川局の操作・捏造を疑っていたら、別の扉が次々と開いた先は官僚天国だった」の続き
(29) 27 モノを売らないなら、金を払わないへ

2週間も中断していたこれ「モノを売らないのに、金を払うバカは誰か」の続きです。
お忘れの方はもう一度再読していただければ幸いですが、
簡単におさらいすると、

八ツ場ダム基本計画は特定多目的ダム法に基づいて
3回の基本計画変更を行っています。工期と事業費を交互にです。

「八ツ場ダム基本計画」の変遷
当初計画 (1986年)工期2000年度、事業費2110億円
1回目変更(2001年)工期2010年度、事業費2110億円
2回目変更(2003年)工期2010年度、事業費4600億円
3回目変更(2008年)工期2015年度、事業費4600億円

これは、例えば、家を建てるときに、「2000年完成で2110万円です
と言うから買うことにした家が、段々、完成も延期、建設費も増額され
「2015年度に4600万円です」と言われるのと同じです。
小学生だった子どもが自立して、
家を出て子ども部屋が要らなくなるぐらいの年数です。
民間の契約なら「バカにするな。もう要らないから金を返せ」となるところです。

国と自治体の契約は、いわば、特定多目的ダム法の基本計画だと言えます。
ただし、ある日突然一方的に押し付けられるわけではない。
(・・・余談ですが、なぜ前原前大臣がこの法手続で廃止しなかったのか理解できない。)

========================
(基本計画) 第四条
4  国土交通大臣は、基本計画を作成し、変更し、又は廃止しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、関係都道府県知事及び基本計画に定められるべき、又は定められたダム使用権の設定予定者の意見をきかなければならない。この場合において、関係都道府県知事は、意見を述べようとするときは、当該都道府県の議会の議決を経なければならない。
========================

この法律に基づいて、一都五県はこの間、いろいろな意見を言っています。
2003年の変更持に、1都5県の合同調査チームは、国交省関東地方整備局に対してつぎのような意見、質問および要望を提出しています。(一都五県や国交省の方、きちんと公文書管理しているでしょうか?)

こちらの3枚目→「request_from_tokyo_and_5_pref_2003101.pdf」をダウンロード 「request_from_tokyo_and_5_pref_2003102.pdf」をダウンロード
「request_from_tokyo_and_5_pref_2003103.pdf」をダウンロード ★

2003年10月17日資料-9(3枚目★の(10)で次のように「強く要望」しています。
平成22年度の完成ということが、利水者が八ッ場ダムへの参画を判断する一つの材料となっており、予定年度における完成を強く要望したい(完成が遅れた場合、ダム完成の時点でダム参加が不要になっていることも想定されるため。)」

それなのに2008年の3回目の変更では平成22年度(2010年度)をはるかに越えて「2015年度、事業費4600億円」と言われたのに撤退することなく進んでしまった。1都5県知事は負担金を支払う行政機関の長として大きな責任を抱えている。

石原知事が「金は出しません。我々がダムの恩恵に預かることがはっきりしない限り、出す筋はない。モノを売らないのに、金を払うバカがいるか」というべきだったのは、遅くとも2008年だったと思います。、しかも社会情勢としてはその前から不要になると判断ができていなければおかしい。

2008年には、こんな反応を示した知事もいました。
埼玉県議会(平成20年2月定例会)一般質問
http://www.pref.saitama.lg.jp/s-gikai/gaiyou/h2002/2002b060.html
高橋努議員(民主党・無所属の会)の「この5年間の工期延長をどのように受け止めておられるでしょうか」との質問に、埼玉県知事は費用が大きく跳ね上がるわ、工期は延長するわ、いいことは一つもないという不愉快な思いであることは間違いありません」。それでも必要だという答弁が続くのですが、2010年に完成しなければ不要になっていることが想定された年が今です。

「モノを売らないのに、金を払うバカがいるか」と思うのは当然。
しかし、「金は返せ、モノはもう要らない」というなら一般論としては分かるけれど、その都度意見をいう機会を法定通り与えられ、ダム計画に乗る判断をしてきた責任は、どこへ行ったのか?まして、

「金は返せ、ダムは作れ」では、辻褄が合わない。道理も通らない。

都知事も埼玉県知事も、この問題のオピニオンリーダーとして
もう一度、冷静な判断が必要なのではないかと思います。

特に都の場合は、
東京都議会(平成22年第2回定例会)で「水需要予測の実施に関する請願」が採択されています。国は検証を行う際に、請願に沿った水需要予測のやり直しがきっちりと行われたかどうかを確認すべきではないでしょうか。東京都庁記者クラブに初めていったときの問いに通じるのです。↓

http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-8476.html
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-b15c.html
そしてこれ
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-98b0.html 

請願内容は以下の通り。

「水需要予測の実施に関する請願」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(願  意)
 東京都水道局において、水道に関する水需要予測を速やかに実施していただきたい。

(理  由)
 水道施設の計画は将来の水需要予測に基づいて策定され、その計画に基づいて施設の整備が行われているので、現実とかい離しないように、適宜、予測を見直すことが水道事業体に求められている。
 
 ところが、東京都水道局にあっては、平成15年12月に行った水需要予測をいまだに踏襲しているため、現実の水需要と著しくかい離した予測が一人歩きし、過大な水道施設の建設を推し進める要因になっている。
 その水需要予測では、平成25年度を目標年度として、都水道の一日最大配水量が600万立方メートルまで増加するとしているが、実績は平成4年度からほぼ減少の一途をたどって、平成20年度には492万立方メートルまで縮小しており、予測と実績で100万立方メートル以上のかい離が生じることが必至である。
 さらに、平成20年度に策定された第5次利根川荒川水系フルプランの策定に当たり、流域の他の県が水需要予測の見直しを行ったにもかかわらず、都は古い予測に固執し、予測の見直しを行わなかった。埼玉県を例に取れば、旧予測では一日最大配水量が平
27年度で312万立方メートルであったが、新予測では平成37年度で275万立方メートルとなり、大幅な下方修正が行われている。

 水道法第1条及び第2条は、適切かつ能率的な施策と運営を求めている。都がこのように、過大な水道施設の建設に直結する過大予測をそのまま放置し、計画の再検討義務を放棄していることは、水道法第1条及び第2条が求める「適切かつ能率的な施策と運営」を怠っていることになるのではないか。

 以上のとおり、過大な水道施設の整備を避けるため、都は水需要予測の見直しを早急に行う必要がある。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(以上、太字で強調したのは私)

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