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2010年12月25日 (土)

(36)34 設計ミスの向こうに見える「沈下」

ここからの続き)「書き続けるしかない」です。

(36)34 設計ミスの向こうに見える「沈下」

おさらいしますが、八ツ場ダム工事事務所は
● 「地元住民の方から、現在上部工を施工中の『国道145号付替道路 久森沢川橋』の下部工にクラックが発生していて、安全性に問題がないかの問い合わせを受けたことについて」(平成19年8月21日年のQ&A)http://www.ktr.mlit.go.jp/yanba/faq/0814qa.htm
を発表し、
1. ダイヤコンサルタントの「設計ミス」
2. クラックの原因として八ツ場ダム工事事務所が記述した「乾燥収縮」
3. クラックの原因として八ツ場ダム工事事務所が記述した「沈下」
を認めました。

これは内部告発がきっかけです。

週刊金曜日2007年7月27日
「これで『最後』という前にすでに適地はなくなった」まさのあつこ
から部分的に自己転載します。(全文はバックナンバーをご入手ください)
この記事で書いた現場周辺がさきほど見ていただいた写真の場所です。
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/353320072-dbd8.html
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/353320073-ec9a.html

~~~自己転載「これで『最後』という前にすでに適地はなくなった」より~~~

認めた計算ミス

(略)「橋梁の設計ミス」を指摘するハガキが届いた。
ハガキは、
①久森沢の橋の下部工事に設計ミスがあったこと、
②八ツ場ダム工事事務所は自らの監督責任を逃れるため、設計計算書をこっそりすり替えて、この事実を闇に葬りさろうとしていること、そして
③下部の工事は既に済んでいるので、上部工事の再計算で何とか下部への影響を抑えようと、現在、日本橋梁という会社が再計算をしている
と告げてある。

3月下旬に何気なくここへ行った住民がこう語る。「3本の橋脚すべてに、勘定できないほどの亀裂が入っていた。」また、5月13日に町外から訪れた人が無数の亀裂とチョークでヒビの幅が書き付けられているのを目撃した。その一つを撮影したものが上左の写真だ。縦方向に幅0.06~0.08mmのヒビが何本も入っていたという。「亀裂のこと国土交通省に言ったら『修復します』と返事が返ってきた」という別の証言もある。

6月半ば、その地を訪れた。「久森沢」は八ツ場ダム水没予定地周辺の中でも目立つ場所にある。「国道145号線」の付け替え道路が工事中で、久森沢の谷の中腹にトンネルの穴がポッカリと空いているからだ。谷の逆側から延びてくるはずの橋が久森橋だが、その両方の工事が2年以上、何故か止まったままだった。

現場に立っている「橋梁工事中」の看板には、ハガキの通り「日本橋梁」が「施工者」とある。そこに書いてあった電話番号にかけてみると、現場所長が、「“クラック”のことであれば迂闊なことはいえない。想像ではいえず、迷惑がかかる。統括している国土交通省にきいてもらった方がいい」と言う。

「“ヒビ”が入っていると聞いたので見に行ったが、工事をやっていた。何の工事をしているのか教えてください」と単刀直入に聞いたつもりが、妙に“クラック”にこだわった。 
 そこで、ハガキのことは伏せたまま、「工事が始まっていて橋脚を見ることができなかった。亀裂のことを確認したい」と八ツ場ダム工事事務所に告げると、副所長の藤田浩氏最初に語ったストーリーは次のようなものだった。

「下部工事は、株式会社ダイヤコンサルタントが設計をし、2003年~2004年度にかけて橋脚を須田・長壁・竹内(JV)が1億5500万円で、橋台を(株)武藤組が9千万で行った。(二年間止まっている)『上部工事』について事業計画に毎年『新規着工』と書いたのは「意気込み」。
亀裂は下部工事の施行時に出て、業者から補修しますと申し入れがあり、2004年度末までに補修を業者がした。原因は、施行時のコンクリートを打った際、湿潤状態や温度を保たないとクラックが起きる。補修で対応した。構造上の問題ではない

だが、これではつじつまが合わない。地元住民の目撃情報は3月。町外から来た人間が写真を写したのは5月。亀裂の補修が終わっていれば目撃も撮影もない。そこで、「実は計算ミスがあったという情報があった。何か言うことは」と反論の機会を与えると、5秒の沈黙の後、ストーリーが加わった。

「設計時に計算に落ち(間違い)があったことは認めます」その後について語ったことを要約するとこういうことだ。①クラックはコンクリート工事の問題で施工したJVが修復を行い、②計算間違いはダイヤコンサルタントが見直して構造上問題ないということになった。そして「大丈夫」だという根拠は、「国交省も日本橋梁もチェックをしているから」だ。③クラックと計算ミスは関係がない

しかし、だ。①の話にはウソがある。少なくとも、ハガキが指摘していた通り、事実を語ろうとしていなかったことは事実である。①と②が別問題で、①がすでに2004年に解決済みなら、何故「迷惑がかかる」と日本橋梁は言ったのか
もう一つ気になることがある。久森沢は、地すべりの危険性が高いと言われてきた林地区の最下流に近い。久森沢周辺は、砂地に瓦礫がモザイク状に埋まっているような土地で、手で触るだけでモロモロと崩れる。滝沢ダムでそうであったように、地質調査の甘さにも原因がないかどうかだ。この林地区の地質調査を行ったのは、実は計算ミスをしたダイヤコンサルタントだ。
~~~~~~~~~~転載おわり~~~~~~~~~

この取材の後、八ツ場ダム工事事務所はこれを発表した。
(平成19年8月21日年のQ&A)http://www.ktr.mlit.go.jp/yanba/faq/0814qa.htm
この記事がなければ、設計ミスを発表したかどうかも分からない。
しかし、この後付け説明を今になってじっと読むと、
取材中には説明されなかった「沈下」があったこと
そしてその原因については説明がなかったことに改めて気づいた。

当時、「気になることがある」と私自身、数行でしかかかなかったが、問題は「設計ミス」以前の地質調査やその調査に基づく八ツ場ダム工事事務所の「対策の必要はない」とした判断にあったのではないか。
(続く)

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