« 2010年12月 | トップページ | 2011年2月 »

2011年1月29日 (土)

4つ目の地質問題を追究する人々

八ツ場ダム予定地にはもともと3つの大きな地質問題があった。

1.貯水予定地には、浅間山の火山活動で岩屑なだれが堆積してできた脆弱な土地が含まれていること
 (“湛水試験”を始めたら地すべりが起きる懸念があること/過去の教訓では滝沢ダム(埼玉県)、大滝ダム(奈良県)で、住民移転、事業費増大、工期延長、裁判などの問題が起きた。)

2.ダムサイト(川原湯温泉の近く)が熱変質などにより隙間がある地面であること
 (コンクリートを注ぎ込み続ければいつかは隙間が埋まるというのがダム事業者の考え方だが、「地質は良い」ことにして、事業費をできるだけ小さく見積もっておいて工事さえはじめてしまえば途中で止めることはできない。ダム事業費が増大する一因であると関係者なら知っている)。

3.上流に活火山である浅間山と草津白根山を抱えており、将来にわたり、噴火活動に影響を受けるリスクを抱えていること
 (過去に起きた大噴火では崩壊した山体が、吾妻川になだれ込み、吾妻峡の入り口(八ツ場ダム予定地)に一時的に高く積み上がって(天然ダム状態)、それが段階的に何度も壊れては下流へと流されていった。八ツ場ダムがあった場合に何が起きるのか。単純に考えれば、最悪の場合、1)八ツ場ダムが壊れて一緒に流下する、もしくは、2)火山の残骸が八ツ場ダムに貯まり、土砂も水も行き場を失って上流へと逆流(ダムの湖尻は、長野原町の中心地域にかかる)、最終的には土砂と川の水が八ツ場ダムを越流、その先は越流し続けるか壊れるかのどちらかではないかと思える。ちなみに火山活動度は、浅間山はランクA、草津白根山はランクB。)

1.2の教訓だけでも予算費も工期も増大する可能性が高いと考えても不思議はないが、国土交通省関東地方整備局は安くなると言うので、先日から問答を繰り返しているのだがまだ返事がない。実は、懸念はこれだけではない。

4.斜面に盛土をした造成地に川原湯温泉街の移転先を設けたこと

八ツ場ダム事業を進めるために、実は、国土交通省は、これまで以上に罪作りで深刻な地質問題の懸念を作ってしまった。いったん群馬県に「安全宣言」を与え、ごまかそうとしていた問題であり、この問題を八ツ場あしたの会が緻密な情報入手と分析によって引き続き真実を追究し続けている

八ッ場ダムの川原湯地区打越代替地の安全性に関する公開質問書
(八ッ場あしたの会 2011年1月21日)
http://yamba-net.org/modules/news/index.php?page=article&storyid=1136 
●八ッ場ダムの川原湯地区打越代替地の安全性に関する公開質問書
質問項目の追加 (八ッ場あしたの会 2011年1月25日)
http://yamba-net.org/modules/news/index.php?page=article&storyid=1144 

八ツ場あしたの会は
1月14日にすでに大畠章宏・新国土交通大臣に「八ッ場ダムに関する政策についての要請書」 で、4項目を要請している(見てみてください)。

視点や軸足を1㎜たりとも動かすことなく
訴え続ける人々がいるからこそこの国は変わる。
“政治”にはもう期待しないが、
“政治”を動かそうとする人々の良心になら期待し続けることができる。

その他、関連リンク
●代替造成地の安全性 国交省に公開質問書(朝日新聞)2011年01月28日
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581101280001  

●『八ッ場ダム  過去,現在,そして未来』
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/6/0023270.html
嶋津 暉之,清澤 洋子著 2011年1月26日

●【注目情報】八ッ場ダム訴訟6年目の決算書
カスリーン台風が再来しても
八斗島地点毎秒16750m3/毎秒だから 八ッ場ダムは要らない

http://www.yamba.jpn.org/shiryo/16750m3s.pdf

● 国土交通省によるダム見直し・市民監視特設サイト
http://suigenren.exblog.jp/
八ッ場ダムの検証について要望書を提出(八ッ場ダム市民連絡会)
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年1月24日 (月)

地質の回答お待ちしてます

地質が良くなったから八ツ場ダムの工事費が安くなった八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場第三回(2011年1月14日)で説明があったことの根拠を尋ねて10日。

この間、「ドーコンとアイドールエンジニアリングが平成20年に調査したときの想定の地質」がその根拠の一部であるらしいが、資料(p.3) を見ると「平成19年度の事業費精査により生じた約18億円が含まれている金額です」とあって、依然として、何故安くなるのか関東地方整備局からの誠実な回答をお待ちしている2回目の月曜日の朝です。

その間、こんな報道もあり

●八ッ場 再計算なお疑問 国「流量3%減」 専門家「9%減」
東京新聞2011年1月24日 朝刊 <一面>
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011012402000038.html 
22面と23面 東京新聞特報部の記事もお勧め

こんな記事を書きながら、回答をお待ちしています。

● 情報不開示し続ける河川官僚 八ッ場ダム「検討の場」開催
週刊金曜日(2011/1/21) 金曜アンテナ
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=1694 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年1月20日 (木)

飽和雨量でなぜ争っているか?

「思ったより地質が良かった」根拠についての回答を待つ間、より重要な検証についてレポートする。

昨日、関東地方整備局が日本学術会議に、そして、日本学術会議が「土木工学・建築学委員会河川流出モデル・基本高水評価検討等分科会」に託した「河川流出モデル・基本高水」の検証に関する学術的な評価」の取材に行ってきた。

●「河川局長」の依頼の根拠はここ(P,5~)↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000018899.pdf 
(依頼の理由を抜粋すると)
「利根川水系においては、平成17 年度の河川整備基本方針策定時に飽和雨量などの定数に関して十分な検証が行われていなかったこと等から、データを点検した上で、現行の流出計算モデルの問題点を整理し、蓄積されてきたデータや知見を踏まえて新たな流出計算モデルを構築し、これを用いた基本高水の検証を行うこととしています」

(この霞ヶ関文学を一般的な言葉でリフレーズすれば、「今まで使ってきたロジックの破綻が見破られてしまったので、新しい辻褄合わせのロジックを作ります」ということなのだが、これはあくまで私の解釈です)。

長々と「ご説明」を続ける本省の河川官僚・泊さん(・・・ところで、「参考人」として出席した河川官僚の仕切を遮って、委員による質疑をいれた委員長(小池俊雄東京大学教授が小松利光九州大学教授の推薦により就任)の仕切はとても良かった)の基本高水の論理破綻分かりにくく説明していることが分からないようにしているテクニックが見事なまでに素晴らしかった。

ある委員が「なぜ、飽和雨量で争っているか分からない」と首を傾げていた。これは重要なポイントだ。そもそも、なぜ、大臣が河川官僚に基本高水の検証を求めたかという本質に関わるからだ。

その答えをもっとも具体的に分かりやすく回答できるのは関良基さんだ。

今後、「土木工学・建築学委員会河川流出モデル・基本高水評価検討等分科会」を傍聴・取材しようと考えている人は、以下のブログは必読だし、分科会委員にとっても必読だ。

そして、これが、そもそもなぜ日本学術会議が評価を依頼されることになったのかというルーツなので、関良基さんをヒアリングに呼んで、その経緯を傾聴するのが正当な道筋であり、誰もが納得いく「中立」機関としての役割ではないかと思います。

●八ツ場ダム建設: 国交省による審議会資料捏造問題 その1
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/7f66a9a9ad8f05e3eaa33ecfe147d39c 
●八ツ場ダム建設: 国交省による審議会資料捏造問題 その2
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/8233aa7a0655f321cfa237d4b3600d25 
●八ツ場ダム建設: 国交省による審議会資料捏造問題 その3
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/9f73f89df158037185adaa9aedace9bc 
●八ツ場ダム建設: 国交省による審議会資料捏造事件 その4
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/b055e30d3440f4262f1b4b8ebe4ba7e9 
●八ツ場ダム建設: 国交省による審議会資料捏造事件 最終回
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/54d8ec27401ccc9006de4869d4d4d727 

●国交省による貯留関数法を用いた洪水流量過大計算のテクニック
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/07e7a75907013d7944512245cade1878 
●国交省への要望 -基本高水の再検証に必要なこと
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/27730c87d0f4b7eccc1d5aad179f0323 
特に「1. 情報公開の原則」から必読です。

こうした情報があってこそ、
河野太郎衆議院議員の質問、馬淵澄夫前大臣の答弁によって
それまで八ツ場ダム住民訴訟で裁判所への提出資料にすら被告側から一律「48mm」だと出されていた「飽和雨量」が実はバラバラな数字を入れて、辻褄を合わせていたということになった。

簡単に言えば、「捏造を認める」のが嫌なので、「辻褄を合わせていたことに突然なった」とも言える。「悪」に強弱はあるが、真相はどちらでも構わない。とにかく「定数」48㎜が実は「定数」ではなく「変数」だった。洪水によって「変動」させなければ成り立たない「流出モデル」(そんなのモデルではない)をつかって、これを「再現できる」から2万2千トンは正しいと言い続けていた。これを一般には「鉛筆なめ」という。結論があってとにかく数字を取っ替えひっかえしながら合わせてきた。

詳しくはこちらへ↓
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/2220-9b8e.html 

その過去をどう評価するか。それが最初の取っ掛かりではないでしょうか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ダム検証の客観性

八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場 第三回 (関東地整が1都5県の部長・局長クラスを集めて開催する幹事会)で21.7億円工事費が削減されると説明し、記者にその中身を尋ねられて、関東地整が「たとえば地質が思ったよりもよかったから」と答えた根拠を尋ねて5日目。

19日(水)夕刻、担当者から再度電話をいただき、ようやく固有名詞が出てきた。「ドーコンとアイドールエンジニアリングが平成20年に調査したときの想定の地質」だそうだ。

これが一文で出てきたのではない。「ドーコンとアイドールが調査した」から始まって、「今やっている」とか「調査報告書になっていない」とか言い間違えたか口を滑らしたかしながら。(調査報告書ですらないもので工事費を算出しているとしても、せめて文書として記録に残っていなければならないと思う)

「それがもともとの調査ですか?地質が悪いとハズレた想定をした方の?」と聞くと、「そうではなく・・・」ということで「良かったとした方。だとすると何と比較して良いとなったのか。もともとの方も教えてください」ということで、再度また電話をいただけることになった。感謝する。

きっちりとした行政文書の根拠を尋ねると、その裏側になんの裏付けもない。取材をしていると、そんなことは日常茶飯事だ。だが、いざ、記事にするとなると、細部に宿るこうしたいい加減さを表現することが難しい。エンディングに向けて、しばし詳細にこうしたことも記録していこう。

今回、私が尋ねているのは総事業費4600億円の八ツ場ダム事業の負担金を払わせられる都県向けの幹事会で説明があった「八ッ場ダムの検証にかかる工期及び総事業費の点検の考え方(案)」 の中に出てくるp.3「八ッ場ダム建設事業 総事業費の点検結果(中間的な整理)(案)」の左側半分。現在と点検後の事業費「比較」で増減額が合計で「-21.7億円」。ある記者が、減額の大半を占める工事費「-23.9億円」の中の「不測の事態への備え」18億円について、これは何かと尋ねていた。これに「たとえば地質が思ったよりも良かったこと」と答えていたのが関東地整だ。

そして、今、改めて見ると、この18億円には「注4」がついていて「今後の不測の事態(気象、地盤条件等)の備えとして、平成19年度の事業費精査により生じた約18億円が含まれている金額です」とある。

すると、今日答えをもらった「ドーコンとアイドールエンジニアリングが平成20年に調査したときの想定の地質」というのとは、・・・これまた辻褄が合わない。振り出しに戻る・・・。

ちなみに各社ウェブで見ると、アイドールエンジニアリングは「関東地方整備局 八ッ場ダム工事事務所 優良業務・優秀技術者 八ッ場ダム実施設計業務」で局長表彰を受けているhttp://www.idowr.co.jp/gaiyou/hyoushou.html

何も難しい質問をしているわけではない。単なる事実確認である。
「不測の事態への備え」18億円の根拠を尋ねている。
その根拠すらないのであれば、幹事会での説明資料は単なる紙切れだ

●前原誠司・初代民主党国土交通大臣に「ダムにたよらない治水」を命じられ、
今後の治水対策のあり方に関する有識者会議
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/tisuinoarikata/index.html
を密室で開いた。

●これを受けた形にして、
馬淵澄夫・二代目民主党国土交通大臣の下で、河川局長が
http://www.mlit.go.jp/report/press/river03_hh_000265.html
添付資料2「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目
http://www.mlit.go.jp/common/000125234.pdf を発表した。
これには、ひとことも「ダムにたよらない治水」の文言がない。それどころか、「第一」の「目的」に、自民党政権下で作った「国土交通省所管公共事業の再評価実施要領」に基づいて見直します、と刻印してある。つまり何も変えないという見事なまでの霞ヶ関文学だ。

霞ヶ関文学を読み解ける一部の人々だけが、シメシメと思ったり、辟易したりする。大臣の顔を立てる文言を要所要所にちりばめておき、忙しい大臣に説明をしたときには、おそらくそこに重きを置いて説明したものと推測する。

● そうして「政治家抜き」ではじまったダム事業の検証で「ダム推進の大合唱」をする都県官僚を前に、工期、事業費、基本高水の説明を行ったわけだ。その中で説明された数多くの数字の一つの根拠を尋ねることは、いわば検証の確かさのサンプリング調査のようなものだ。

「21.7億円減額」うちの「18億円」という国交省にとってのポジティブ情報さえ、その根拠がもしも客観的に提示できないのであれば、「検証」自体の客観性が欠如していることにならないか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年1月19日 (水)

続きの続き 地質の裏側

私はこのブログのエンディングに向けて地質のことに特化して書いていますが、検証において最も注目しているのは、国交省も都県も最も軽視、無視したいけれど、大臣命令だから無視も軽視もできないジレンマを抱える、基本高水の問題です。

今日(19日)は、関東地方整備局が日本学術会議に依頼した基本高水の検証についての委員会が開かれます。

土木工学・建築学委員会
河川流出モデル・基本高水評価検討等分科会

http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/bunya/doboku/giji-kihontakamizu.html 
1.日時 平成23 年1 月19 日(水)13:00~15:00
2.場所 日本学術会議6階 6-C(1)会議室
3.議題 1. 委員紹介、分科会主旨説明
2. 委員の決定(委員長、副委員長、幹事)
3. 利根川水系の流出・基本高水等説明および質疑
4.今後の予定
5.その他

私がどこに注目しているかを書いておきます。
幹事会(14日)で出された中間報告では、

飽和雨量48ミリを125ミリにして再計算したところ、流量が3%下がった」とのことでした。

ところが、これまでの取材において、
基本高水を過大に操作できる他の要素はまだまだ沢山あることが分かっています。

たとえば
飽和雨量と同様、流出計算モデルに使われる「一次流出率」の値、
それから、河道条件(堤防をどこまで整備する前提かがポイント)。

少なくともこの二つは、以前のままで計算して、流量が3%下がったのだと
14日の取材では、関東地整河川計画課は答えてきました。

さらに、黒塗りにしてきた「流域分割図」「流出モデル図」は中間報告には含まれていませんでした。ここがブラックボックスです

また、これを評価する「第三者」が国土交通大臣ではなく河川局長の依頼(加筆訂正2011,1,20)であるというところがミソです。局長のミッションは、現時点では「八ツ場ダム建設」にあります。

さらには、2万2千トンという基本高水をはじき出す上でつかったデータの欠陥と、二山洪水には適さないと言われる貯留関数法の限界(欠点)、これらをどう扱うのか、

上記の注目点に対し、日本学術会議の「土木工学・建築学委員会河川流出モデル・基本高水評価検討等分科会」がどう取り扱うかに注目して取材したいと思います。

河川局の威信をかけた「密室」と専門家がどう対峙するのか、スルーするのか、専門家の良心にも誠実に注目したいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

続きの続き (「全」と「残」は全然ちがう) 

昨夜(18日)、残りの建設費21.7億円のうち、18億円(不測の事態)が安くなる根拠についての取材に対し、折り返しお電話を担当者にいただいた続きです。

「地質が思ったよりも良かった」ことがウソでないなら、毎年さまざまな発注事業を行う中で、どのコンサルに発注したどの資料を見ての判断なのか、何か根拠があるのだろう。
そういう想定のもとでの取材です。

この数字には根拠がなければ、意味がない。なぜなら、今後、「八ツ場ダムの残事業費」と「代替案の事業費」の比較で、どっちがいいか考えてみようというための検証だからだ。

もともとこの比較はアンフェアと言わざるをえない。今まで半世紀やってきた「八ツ場ダムの全事業費」と「代替案の事業費」ならまだしも、「八ツ場ダムの残事業費」と「新たに行う代替案(どんなものを出してくるのかは興味津々だが)」の比較なのだから。前者が安いに決まってると考えるのが常識だし、この常識を常識的に判断すれば、この検証は「ダムが最も安い」というダムありきの結論を出したいのだろう、と考える。こうした批判には全うに答えることができずには客観性のある検証とは言えない。「ダムありきではない」とアカウント(説明)する責任は検証者にある。

事業費が21.7億円安くなるというのであれば、その裏付けが必要だ。
ただ安くなると言われても信用できない。なんども言うが、
工費も事業費もどんどん膨れ上がってきたのだから
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/index.html
(なお、これは日本だけでなく世界的な傾向で
 小さく生んで大きく育てるのがダム業界である)

ところが、せっかく珍しく誠実に折り返しお電話をくださった関東地方整備局ご担当者は、18日夜、一般論で答えてきた。

継続的な地質調査や設計によって・・・とか、ダム本体の基盤を立てるところで、地質が弱い場合、掘削した上でやるが、それが少なく済んだり、コンクリートが少なく済んだり・・・・と。

「それは何年か前にありましたね、基盤のところを削るのが少なく済んだとかで、ダムを低くして予算が下がった。あれのことですか?」(私の心の中は「それは前回の基本計画の変更に反映されているはず」)

官僚さん「あれとは違います」

「そうですよね。幹事会で、都県の人だって「裏付けをと言いたくなる」と言ってましたよね。何と何を比較して安くなることが分かったのか、それを14日も昨日もお尋ねしたと思っているのですが・・・」

ということで、再び、折り返しご連絡をいただけることになりました。誠実さに感謝したいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

21.7億円工事費削減の理由 続き

地質のさらなる続きです。
河川官僚の良心に期待したい。
だから正直に言おう。
14日金曜日の八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場
第三回
のあとの取材で、建設費が21.7億円安くなった理由を他の記者から尋ねられて、関東地方整備局の担当者が「たとえば地質が思ったよりもよかったから」だと答えたのはウソだと直感した。

だから、「根拠は?」と聞いた。ウソでないなら教えてくれればいい。
「今はない」というので、「月曜日に教えてください」と言ったら「はい」というので
17日月曜日に関東地方整備局に電話取材をした。

普通なら居留守を使われてしまうのだが、今回はすぐに出てくれた。

14日の質問を繰り返した。
「建設費は21.7億円安くなるということについて、「地質が思ったよりもよかったから」と答えられていました。根拠を教えてくれるとのことでお電話しました。おそらく地質調査をして前にやったものと、掘ってみたら思ったより良かったとか、そういうことが分かる少なくとも二つの資料があると推測しました。そうでなければ安くなるとは言えないわけで」

官僚さん「ちょっとなかなか1点だけではないが・・・」

まさの「1点でなくても構いません。18億円(不測の事態)が安くなるのという質問の中で答えられていた。どんぶり勘定だったとしても積算根拠があるはずですよね。そうでなければ18億円という数字は出ないはずで・・・どんぶり勘定のもとを教えていただければ」

官僚さん「色々やっているので、今日これからバタバタするので、どういう答えがあるのか、折り返しということでいいですか?」とのことで、昨夜(18日)お電話をいただいて、その誠実さにまず感謝した。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年1月14日 (金)

工事費減額の理由は本当か?

地質の続きです。

もう政治には期待をしないとしても、
河川官僚や都県官僚の自浄能力や良心にもそれ以上に期待できない。

八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場
第三回 (2011年1月14日)を取材してきた。資料はここ↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000168.html

河川官僚からのメッセージは
1.建設費は21.7億円安くなる。
  しかし事業見直しに伴う費用は52.5億円高くなる。差し引き増額。
2.工期は3年長くなる。
3.基本高水は、「昭和22年9月洪水について、飽和雨量を48mmから125mmに変化させた結果、ピーク流量が約3%減少した」 ←(リンク先の73頁)

1都5県官僚のメッセージは
4. よりコスト縮減を。事業見直しに伴う費用を都県は負担しない。
5. 基本計画の変更は受け入れがたい
(1の事業費増額と工期延長は特定多目的ダム法に基づく基本計画変更が必要)
6. 基本高水の検証は迷惑だ。基本高水について興味があるのは検証スケジュールについてのみで、中身については一切なし。

会場は「中止宣言」(前原大臣時代)から「予断なき検証」(馬淵大臣時代)、そして、いよいよ新大臣のもと検証結果が出たらすぐに「本体着工を!」というシナリオに向かっている安心感と(政権交代後の軌道修正の日々が目に浮かんでいたのだろう)、あともう一歩!という期待感が入り交じったような空気がほとばしらないよう抑えている、そんな空気が漂っていた。

ぶさらがり取材で基本高水について尋ねた
Q1:貯留関数法自体に問題があるという指摘もあるがそれについてはどうなのか?
Q2:有識者会議で飽和雨量だけじゃなく一次流出率についても0.5では問題だとされたが0.5のままになっている。そういったことを指摘した森林の専門家が今回の委員に入っていない

Q1に対しては、答え無し。
Q2については、「前回と同じ設定で再計算した」と最初は答え、じゃぁ何故ピーク流量が3%下がっているのかと聞くと、横からの耳打ちもあり、「飽和雨量だけ変えて計算した」とまったく違う答えに訂正。

他にもしつこく質問をしたが、ここでは省略する。総じていえば、基本高水が過大に算出されるファクターが複数ある中で、飽和雨量だけ変えたというのだが、それでは全く意味がない。その意味のないデータを今日は「中間報告」として出してきた。

さらに、会場を追い出されて廊下でぶら下がっていた記者たちの質問に対する答えを聞いていると答えがメチャクチャいい加減だった。建設費が21.7億円安くなった理由は、たとえば地質が思ったよりもよかったからだという。

会場内のぶらさがりでさんざん質問したので、少し黙って他の記者の質問を黙って聞いてみようと思っていたが、さすがにこれはヒドイと思ったので、地質が思ったよりも良かったという「その根拠は?」と聞くと、「今はない」というから、「後で教えてくれますか」と聞いたら「はい」というので、月曜日に聞くことにした。顔がビビりまくっていた。月曜日に聞いても、多分、担当者は留守ということになるのだろう。彼らにとって都合の悪い質問をしたときに、まともに答えてもらったことがない。

今、資料をじっと見ると、「不測の事態」として取り分けていた18億円が減額となるわけだが、この18億円を「留保したい」とも記者に対しては言っていた。つまり、紙上では減額として書いた21.7億円だが、その大半を占めている18億円の減額分は、本来的にはやっぱり必要になると現時点で考えているのだとしか思えない。

他の減額費についても根拠が怪しいとすれば、今日出してきた数字には何の意味もない。総じて言えば、工期延長の上、増額となる。今日出した数字に意味(意図)があるとすれば、たとえ自民党政治が続いて順調に事業が進んでいたとしても免れなかっただろう八ツ場ダムの工期延長と増額を、民主党の迷走に乗じて民主党のせいにできるということではないか。ずる賢すぎる。

そのために、減額されそうもない工事費は21.7億円減額しますと見せかけ(ちょっと質問されると「留保したい」と内情を話し)、見直しによりその倍近い52.5億円が増額になりますというペーパーを作って出した。その大半の40億円は人件費、広報費、車両費だ(中止だ、予断なき検証という間は、工事事務所を閉鎖してニュートラルに戻せばこの浪費も避けられたはずで・・・)。

八ツ場ダムと同じようにかつて地すべりの危険性が事前に指摘され、やっぱりすべった奈良県の大滝ダムでは、この予測されていた「不測の事態」のために、当初事業予定費230億円が、3640億円にまで膨れ上がった。今、どうやら現在怪しい操作をしてそうな滝沢ダム(埼玉県)でも、地すべりを繰り返し、事業費610億円の予定が2320億円へと膨れた。

八ツ場ダムもすでに工期も事業費も膨れ上がってきたが、 
都県が自分のところの財政と人口動態、水需要から判断して、これから先も事業に参加するのか撤退するのかを見極めるとしたら今しかないのだが、まったくその気概も気配も感じない。みんなで作れば恐くないという雰囲気しか伝わって来なかった。

河川官僚や都県官僚の自浄作用や良心は、どこを探してもあり得ないのだろうか。どこかにあるのではないかと信じたいのだが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年1月 6日 (木)

今年のプチ予定

●年末年始に海外の文献を読み、
日本は島国だから当然なのか、ガラパゴス化した国なのだと実感した。

●地質の話の続きの前に諸々の案内を。

○「ダム見直し」・市民監視特設サイト
http://suigenren.exblog.jp/

○各地方整備局等及び水資源機構のダム事業検証の検討状況(2010/12/27 )
http://www6.river.go.jp/riverhp_viewer/entry/y2010e84f25f0a3b4f6933dc69de1cd038ff24f99864f5.html

○世界ダム委員会 10周年記念イベント(1月12日(水))
「ダムをめぐる新たな議論:河川開発の国際潮流と日本
http://www.foejapan.org/aid/wcd/evt_110112.html 

今年初の発信はこれになりました
○戦略的環境アセスの米国先進事例
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20101222/105587/ 

次回から、前々回の続きを書き、
次に、このブログを始めた本来の目的である「河川法改正」について書いたら
しばらくこのブログをお休みすることを考えています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年1月 4日 (火)

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。
どんな年末年始でしたか?

私は、6年間に渡る最も暗いトンネルを抜けました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年12月 | トップページ | 2011年2月 »