« 今年のプチ予定 | トップページ | 21.7億円工事費削減の理由 続き »

2011年1月14日 (金)

工事費減額の理由は本当か?

地質の続きです。

もう政治には期待をしないとしても、
河川官僚や都県官僚の自浄能力や良心にもそれ以上に期待できない。

八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場
第三回 (2011年1月14日)を取材してきた。資料はここ↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000168.html

河川官僚からのメッセージは
1.建設費は21.7億円安くなる。
  しかし事業見直しに伴う費用は52.5億円高くなる。差し引き増額。
2.工期は3年長くなる。
3.基本高水は、「昭和22年9月洪水について、飽和雨量を48mmから125mmに変化させた結果、ピーク流量が約3%減少した」 ←(リンク先の73頁)

1都5県官僚のメッセージは
4. よりコスト縮減を。事業見直しに伴う費用を都県は負担しない。
5. 基本計画の変更は受け入れがたい
(1の事業費増額と工期延長は特定多目的ダム法に基づく基本計画変更が必要)
6. 基本高水の検証は迷惑だ。基本高水について興味があるのは検証スケジュールについてのみで、中身については一切なし。

会場は「中止宣言」(前原大臣時代)から「予断なき検証」(馬淵大臣時代)、そして、いよいよ新大臣のもと検証結果が出たらすぐに「本体着工を!」というシナリオに向かっている安心感と(政権交代後の軌道修正の日々が目に浮かんでいたのだろう)、あともう一歩!という期待感が入り交じったような空気がほとばしらないよう抑えている、そんな空気が漂っていた。

ぶさらがり取材で基本高水について尋ねた
Q1:貯留関数法自体に問題があるという指摘もあるがそれについてはどうなのか?
Q2:有識者会議で飽和雨量だけじゃなく一次流出率についても0.5では問題だとされたが0.5のままになっている。そういったことを指摘した森林の専門家が今回の委員に入っていない

Q1に対しては、答え無し。
Q2については、「前回と同じ設定で再計算した」と最初は答え、じゃぁ何故ピーク流量が3%下がっているのかと聞くと、横からの耳打ちもあり、「飽和雨量だけ変えて計算した」とまったく違う答えに訂正。

他にもしつこく質問をしたが、ここでは省略する。総じていえば、基本高水が過大に算出されるファクターが複数ある中で、飽和雨量だけ変えたというのだが、それでは全く意味がない。その意味のないデータを今日は「中間報告」として出してきた。

さらに、会場を追い出されて廊下でぶら下がっていた記者たちの質問に対する答えを聞いていると答えがメチャクチャいい加減だった。建設費が21.7億円安くなった理由は、たとえば地質が思ったよりもよかったからだという。

会場内のぶらさがりでさんざん質問したので、少し黙って他の記者の質問を黙って聞いてみようと思っていたが、さすがにこれはヒドイと思ったので、地質が思ったよりも良かったという「その根拠は?」と聞くと、「今はない」というから、「後で教えてくれますか」と聞いたら「はい」というので、月曜日に聞くことにした。顔がビビりまくっていた。月曜日に聞いても、多分、担当者は留守ということになるのだろう。彼らにとって都合の悪い質問をしたときに、まともに答えてもらったことがない。

今、資料をじっと見ると、「不測の事態」として取り分けていた18億円が減額となるわけだが、この18億円を「留保したい」とも記者に対しては言っていた。つまり、紙上では減額として書いた21.7億円だが、その大半を占めている18億円の減額分は、本来的にはやっぱり必要になると現時点で考えているのだとしか思えない。

他の減額費についても根拠が怪しいとすれば、今日出してきた数字には何の意味もない。総じて言えば、工期延長の上、増額となる。今日出した数字に意味(意図)があるとすれば、たとえ自民党政治が続いて順調に事業が進んでいたとしても免れなかっただろう八ツ場ダムの工期延長と増額を、民主党の迷走に乗じて民主党のせいにできるということではないか。ずる賢すぎる。

そのために、減額されそうもない工事費は21.7億円減額しますと見せかけ(ちょっと質問されると「留保したい」と内情を話し)、見直しによりその倍近い52.5億円が増額になりますというペーパーを作って出した。その大半の40億円は人件費、広報費、車両費だ(中止だ、予断なき検証という間は、工事事務所を閉鎖してニュートラルに戻せばこの浪費も避けられたはずで・・・)。

八ツ場ダムと同じようにかつて地すべりの危険性が事前に指摘され、やっぱりすべった奈良県の大滝ダムでは、この予測されていた「不測の事態」のために、当初事業予定費230億円が、3640億円にまで膨れ上がった。今、どうやら現在怪しい操作をしてそうな滝沢ダム(埼玉県)でも、地すべりを繰り返し、事業費610億円の予定が2320億円へと膨れた。

八ツ場ダムもすでに工期も事業費も膨れ上がってきたが、 
都県が自分のところの財政と人口動態、水需要から判断して、これから先も事業に参加するのか撤退するのかを見極めるとしたら今しかないのだが、まったくその気概も気配も感じない。みんなで作れば恐くないという雰囲気しか伝わって来なかった。

河川官僚や都県官僚の自浄作用や良心は、どこを探してもあり得ないのだろうか。どこかにあるのではないかと信じたいのだが。

|

« 今年のプチ予定 | トップページ | 21.7億円工事費削減の理由 続き »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/82688/38469624

この記事へのトラックバック一覧です: 工事費減額の理由は本当か?:

« 今年のプチ予定 | トップページ | 21.7億円工事費削減の理由 続き »