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2011年2月28日 (月)

有識者ダム検証法の改訂が必要

群馬県の未来茨城県の未来栃木県の未来
千葉県の未来埼玉県の未来東京都の未来、 
を見てきた。

3月1日(火)に「第13回今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が行われるが、

この際、この“有識者”会議とりまとめをもとに河川局長が出したダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目(35頁)の見直しが必要ではないでしょうか?

なぜなら、たとえば、利水については、そのP.21で
検証対象となる利水対策として
(1)ダム(2)河口堰(3)湖沼開発(4)流況調整河川
利水代替案として
(5)河道外貯留施設(6)ダム再開発(7)他用途ダム容量の買い上げ(8)水系間導水(9)地下水取水(10)ため池(11)海水淡水化(12)水源林の保全(13)ダム使用権等の振替(14)既得水利の合理化・転用(15)渇水調整の強化(16)節水対策(17)雨水・中水利用
を「組み合わせ検討する」とある。

実際に、第4回八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場(幹事会) 
(平成23年2月7日)
では、(1)~(17)を並べた資料が大まじめに関東地方整備局から提示された。

1都5県職員はそれを「非現実的」であると叩きまくった。
しかし、そもそも一都五県は国による八ツ場ダム基本計画の二回目の計画変更のときに、
「平成22年度の完成ということが、利水者が八ツ場ダムへの参画を判断する一つの材料となっており、予定年度における完成を強く要望したい。(完成が遅れた場合、ダム完成の時点で、ダム参加が不要となっていることも想定されるため。)
と言っていた。

今、その時期は過ぎてしまった。それを承知の上、なぜか撤退できずにいる。本来あるべき理由ではない、説明の付かない理由で八ツ場ダムは進められている。

本当は(1)~(17)のどれにしようかと悩む必要もない。オルタナティブは他にある。

(18)何もしない、 (19)暫定水利権の安定水利権化(ダムができるまで“暫定”的にと言いながら長年に渡って取水できている水利権を安定化させ、渇水時の水利権調整の仕組みを強化する)を加えるべきだった。さらに他国がやっているような(20)新築リフォーム時のトイレの水規制 を進めれば間接的に企業の国際競争力強化にもつながる。(水を使わないトイレの開発につながれば面白い)

暫定水利権について、こちらこちらで書いたが、水源開発=ダム開発を意味したが、いつのまにか、埼玉県や群馬県のように暫定水利権を持っていることをダム開発の方便になってしまったところがある(埼玉県知事は分かっていてあえて「方便」で八ツ場ダムを推進しているのか、分からずに推進させられているのかは不明)。万が一の渇水時にどう調整するか、優先順序づけをするかの協議を流域で行うようスキーム (19)作りをして暫定水利権を解消すれば八ツ場ダムは不要だ。

人口最大の首都圏でこの状態であれば、全国においてすでに答えは(1)~(17)にはない。有識ある者の会議としては、検証の基準に最低でも(18)(19)を加えるべきだ思う。

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2011年2月27日 (日)

東京都の未来

最後が、八ツ場ダムの受益者(財政負担者亜)の中で、人口も借金も最大の東京都です。
人口は2020年まで増えているじゃないか!と思う前に、その次のグラフを見てください。

Photo_12

Photo_13

他のすべての県と同様、
高齢者の割合はすでに増え始めているということに加え、
東京都は、少子化が最も早く始まっており
2035年以降は、たった8%の子どもたち(0~14歳人口●)が
増大し続ける高齢者(65歳以上▲)を支える世界になります。

2020年あたりをピークに現状サイズに人口が戻ります。
でもそのときの人口比は、まったく違ったものになっている。

高度成長期やバブルの昔の夢は捨てなければならないし、現在の世界も参考にはならない。

検証中の八ツ場ダムの費用には、地すべりが起きた場合の対策費や
浅間山が噴火したときの対策費や
いずれは撤去することになるダムの撤去費は含まれていません。

未来世代が楽しく生きる世界をどう作りましょうか?

●上記グラフのもとデータはこちら
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-0170.html
のボトムにあります。

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埼玉県の未来

埼玉県も人口減少の始まりが遅かったものの、

Photo_10

減少に先駆けて、高齢者の割合はすでに増え始め
2035年以降は、たった9%の子どもたち(0~14歳人口●)が
34%の高齢者(65歳以上▲)を支える世界に近づき、
リアルタイムの負担と、大人世代が作った借金に苦しめられることになります。

Photo_11

各都県の負担分は、嶋津暉之さんがつぶさに調べてきた数値を
八ツ場あしたの会がウェブに載せていますので、リンクを張らせていただきます。
住民の肩にのしかかかる建設費用

八ツ場ダムの2015年完成予定は、2018年になると検証の場で言われています。

1都5県の知事達に今、撤退する勇気があらんことを!

●上記グラフのもとデータはこちら
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-0170.html
のボトムにあります。

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千葉県の未来

群馬、栃木、茨城はすでに人口減少(高齢化+少子)が顕著であることを見てきました。この3県は、八ツ場ダムの他の受益者(財政負担者)である千葉、埼玉、東京と比べてもともと人口が少ないので、千葉、埼玉、東京とは違う、未来世代が楽しめる未来をいち早く描くべきだったのだと思います。

では、千葉はどうか。
違うのは人口減少の始まりがずれただけ。
2011年から考えればあまり状況は変わりません。

Photo_8

注目すべきは、人口比です。
2010年まで人口が増えていた間も、子どもは減り始めていた。

年齢3区分の65歳以上(▲)0~14歳人口(●)を
一つのグラフに載せてみると以下の通り。

Photo_9

ポール・マッカートニーがかつて「誰も自分からParty’s overとは言いたくない」ものだ
と言いながら、ビートルズが解散していきましたが、誰が最初に未来世代が楽しめるパーティを始めよう!と気持ちを切り替えてくれるでしょうか?

●上記グラフのもとデータはこちら
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-0170.html
のボトムにあります。

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栃木県の未来

栃木県もほぼ同じような状況です。

Photo_6

年齢3区分の65歳以上(▲)0~14歳人口(●)を
一つのグラフに載せてみると以下の通り。

Photo_7

未来世代にとっては拷問ですね。

●栃木県は利水では八ツ場ダムには参加していませんが、負担金を払います。
水資源機構の思川開発事業に参加しています。

群馬、栃木、茨城はすでに人口減少(高齢化+少子)が顕著であることを見てきました。この3県は、八ツ場ダムの他の受益者(財政負担者)である千葉、埼玉、東京と比べてもともと人口が少ないので、未来世代が楽しめる未来をいち早く描くべきだったのだと思います。いつ転換を始めるでしょうか?

●上記グラフのもとデータはこちら
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-0170.html
のボトムにあります。

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茨城県の未来

茨城もほぼ同じような状況です。

Photo_4

年齢3区分の65歳以上(▲)0~14歳人口(●)を
一つのグラフに載せてみると以下の通り。

Photo_5

●茨城県の要請は?↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000017269.pdf
第2回幹事会(平成22年11月11日開催)配付資料より) 

関連記事

●八ッ場ダム:検証、「公正に」と要望 市民団体が知事に /茨城
http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20110223ddlk08010085000c.html
毎日新聞 2011年2月23日 地方版

以前いただいた情報にはこんなものもあります。
国と一緒になって県がイケイケゴーゴーのままだと犠牲になるのは
それを押し付けられる自治体であるという話。

●2010年10月03日号北茨城民報
高萩・北茨城広域工業用水企業団の経営悪化には国・県の責任も
http://ktib.geo.jp/jcp/minpou/2010/1039-1003.html
これの右下

●2009年10月4日北茨城民報
経営健全化のため、実態の認識を
高萩・北茨城広域工業用水企業団
http://ktib.geo.jp/jcp/minpou/2009/0940-1004.html

●上記グラフのもとデータはこちら
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-0170.html
のボトムにあります。

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群馬県の未来

失礼しました。前のコマの人口の割合のグラフは
年齢3区分(65歳以上)と4区分(19歳以下)がごっちゃになっていましたので訂正です。

年齢3区分は (1)0~14歳人口、(2)15~64歳人口、(3)65歳以上
年齢4区分は (1)0~19歳人口、(2) 20~64歳人口、(3) 65~74歳人口、(4) 75歳以上人口

人口のグラフは前回示した通り。

Photo

年齢3区分に揃えて65歳以上(▲)0~14歳人口(●)を
一つのグラフに載せてみると以下のようになりました。

Photo_3 

群馬県が見る未来は、単なる人口減少ではない。
財政負担を支え、水需要の根拠である人口割合(0~14歳)が減り、
働いて税収を稼いでくれない65歳以上の割合が増える未来です。

新たな水需要が増えるはずもない。
1万歩譲って、仮に増える要因があったとしても
それを供給側から抑制するのが賢い選択ではないでしょうか?

ところが群馬県がどんな要請をしているか?↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000017269.pdf
第2回幹事会(平成22年11月11日開催)配付資料より)
 

上記グラフは以下のところから作成しています。

国立社会保障・人口問題研究所のウェブサイト↓
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Mainmenu.asp  
都道府県別将来推計人口↓
http://www.ipss.go.jp/pp-fuken/j/fuken2007/suikei.html   
結果表(MS-Excel)↓
http://www.ipss.go.jp/pp-fuken/j/fuken2007/suikei.htm 

表1 将来の都道府県別人口  
表2 都道府県別、年齢(3区分)別人口および割合
(2)0~14歳人口割合
(6)65歳以上人口割合


なお、この考え方は相方が友だちからその存在を教えてもらって読んでいた本
『デフレの正体 経済は「人口の波」で動く』藻谷浩介著 角川書店 (2010/6/10)
をヨコからムンズと取り上げて読んで得たものです^^;。

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2011年2月24日 (木)

このグラフが目に入らぬか?群馬県知事と大畠大臣

● 「取り返しが付かない」 八ッ場で県議会 大沢知事が猛反発
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20110224/CK2011022402000062.html
(2011年2月24日東京新聞群馬版)の記事で、
八ツ場ダムの「工期延長や事業費増額は容認し難い」という知事コメントを見て、
思わず、国立社会保障・人口問題研究所のウェブサイト
http://www.ipss.go.jp/pp-fuken/j/fuken2007/suikei.html 
から、これを作った。↓

Photo

●群馬県の人口はすでに2005年以降、減っている。
2035年には4分の1の人口がゴッソリ減っている。群馬県知事がダムを完成させろという2015年は、下り坂ど真ん中というか、ほんの下り始め。そして

(もとい!年齢3区分(65歳以上)と4区分(19歳以下)がごっちゃになっていましたので、次のコマで訂正します。現実はさらにもっとシビアでした。2011.2.27訂正)

65

●単に減るならまだしも、65歳以上の人口は20.6%から33.9%に増える。
それなのに人口は減る。少子化だからだ。19歳以下の人口は20%から14%に減る。

19

「工期延長や事業費増額は容認し難い」だろう。
だから2015年に完成させろという知事の思考が理解できない。
八ツ場ダムの検証の場でも、そう役人が繰り返している。
自治体のご希望に添うようにしたいと国交省も第一回会議で言っていた。

このグラフが示す未来像を考えれば、サンクコストを今払ってでも、
撤退するのが当該県知事としての重い責任
ではないだろうか。

利水に関しては「ダムか否か」ではない。
利水に関しては明白に「ダムではない」「ダムは要らない」「作っては未来世代は迷惑だ」。
八ツ場ダム検証の場では、この期に及んでそこがスタートになっていないから問題だ。

以下は、「米国や中国では6リットル以上のトイレは生産・販売ができないという節水規制」(以下から引用)があるという、サプライサイドから国が規制した故に生まれた当たりの持続可能性追求型ビジネス。日本はこんな当たり前の制度すら存在せず、未だに高度成長期にこしらえた「旧特殊法人水資源開発公団」こと、独立行政法人水資源機構すらつぶせずに、水が要らないのにダムを作っては、湯水のごとく川から海へながし、税金をドブに捨てていますけどね・・・・。

●今度はINAXが世界最少水量の記録更新!
TOTOと繰り広げる「節水トイレ戦争」の熾烈
http://diamond.jp/articles/-/11163?page=2

これが目に入らないフリをしたいのは誰か?

●地質に割く時間が本日もなくなった(怠惰)。
そういえば、ある議員秘書から連絡があった。
「地質」「地質」と言い続けているので、
何か決定打でもあるのかと思ったのかもしれないが、
上記のデータ(以前から分かっていた「行く末」)だけでも
十分に決定打だと思うんですが・・・。

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2011年2月23日 (水)

このブログの行方(6)何が必要か?

タイトル(5)を(6)に修正^^;(2011.2.24)

●何が必要か?
ここから先は、実は川辺川ダムとも共通している。淀川とも共通している。
ここからの問いは、八ツ場ダムと本質的には同じである。

成功したように見えるダム反対運動があっても
自治力がジワジワとあがってきても、
その現場で、相変わらず国交省が居座っているのは何故か?

突き詰めて言えば、
河川法第6条に基づく河川整備基本方針に「洪水調整施設」が位置づけられているからだ。それがある限りは、たとえ、いったん、河川整備計画からはずしたとしても復活のチャンスはある。「地方自治の賜」と「政治的に」止まっているという位置づけに留まる。

目下、ここから先の考え方は少なくとも二者ある。

・基本高水を神棚において無視する考え方と
・基本高水論争だ。

あえて足せば、もう一者。
前者が正解だが、ブラックボックスでアンタッチャブルだった基本高水が
鉛筆なめしている証拠があがれば後者もアリではないかという立場。

棚上げ論が楽。
それで勝てるなら、誰だってその道を選ぶだろう。
好きこのんで基本高水論争をする人はいない。
突き詰めて言えば、道は3つ。

1. ガチンコで基本高水論争をして河川整備基本方針に書き込まれた基本高水(実際には「計画高水」といって、基本高水から洪水調整(ダム)分を差し引いた値を表す文言が法律には書かれている)を変更させるか(ガチンコ基本高水論争派)

2. 河川整備計画でダム施設をはずさせ、基本高水を「死文化」していくか(神棚派)

3. 河川法という法律から、基本高水による治水概念(洪水を想定し、どう水位を下げるかという治水概念)を変える。

この三つの道のうち、通れる道を通るしかない。
また、登れる山ならすべての山に登るのがあらゆる住民運動に共通している。

川辺川ダムの場合、これ以外の「自治力」で止めている。
八ツ場ダムの場合も、ある意味、その途上でもある。
淀川の場合、2の筋で進んでいたのに、リビアのカダフィ大佐なみの近畿地方整備局の強引さで、歴史の時計が逆さに動いた。

このブログは上記「3」が目的である。
こうして結果的に、この6年(予想より長かった)で
このブログのサブタイトルである「河川法を改正しよう」の自問の答えが見えた。
このブログ「ダム日記2」がそのエンディングに向かっているのは、
そのためだ。答えは「ダムか否か」という問いの中にはない。

次は、地質へと戻りたい。

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このブログの行方(5)議会の役割

タイトル(4)を(5)に修正^^;(2011.2.24)

●一つは議会の役割だ。
あからさまに違法ならば都議会、県議会がさすがにチェックする。
しかし、そのチャック機能は低かった。
しかし、裁判が進むにつれ、八ツ場ダムがとんでもない事業であったことが分かり、多くの議会で多くの都議会議員や県議会議員が質問をするようになった。
(このブログではろくすっぽ紹介できていない)
全然知らなかった議員さんたちの顔が見えてきた。
都議会ではすでに逆転し、石原知事とはネジレた中で、論戦が繰り広げられてきた。
これは予想だにしなかった驚きの変化だった。

まったく報道されることも見向きもされることもなかった八ツ場ダムが、
玉石混淆だがじょじょに、そして劇的に報じられるようになり、
「やんばダム」と多くの人が読めるようになった。これも大きな変化だ。

裁判がなければ、基本高水の計算がいい加減だったことは判明しなかった。
河川官僚がセコイやり方を選んだとは言え、基本高水の検証が始まった。
これは、以前にはあり得ない展開である。

●何が必要か?
ここから先は、実は川辺川ダムとも共通している。淀川とも共通している。
ここからの問いは、八ツ場ダムと本質的には同じである。
(続く)

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このブログの行方(4)なぜ勝てないか?

●「八ツ場ダム(の反対運動)は何故勝てないのか?」との問い
この問いが正しいかは横へ置き、
そう問うてきた人は、「基本高水という難しい話をするからだ」と考えているようだ。
その方には、「負けている構図」は見えているが、
「世論が広まってきている」というプラス面は横において論じている。
「なんとかならなんのか、下手くそな反対運動をやりやがって」
との苛立ちが伝わってくる。
その「下手くそな反対運動が見えている」という
「反対運動の効果を示す」査証を示しながら。
反対運動が負けている
政権与党すら国交省河川局に負けている。
その構図が知られ、見えること、そのすべてがプロセスだ。

先述した川辺川ダムの教訓からもそのことは言える。
たとえば、ここ最近はご無沙汰しているが、
私が川辺川ダムの闘いをフォローし始めたのは1996年ぐらいからだったと思う。
2005年に勝利するまでに9年、それからでさえ6年が過ぎた。
それでもまだ国交省は撤退をしていない。
でも誰も住民が負けたとは思っていないだろうし、事実、負けてはいない。

八ツ場ダム住民訴訟が始まったのが2005年。
野党各党が注目し、民主党などのマニフェストに入り、
流血革命とは違い、状況は徐々に変わってきた。
民主党が政権を取り、無血革命だと思ったら、彼らは無血革命だとは捉えておらず、
ゆらゆらとスピード感なく、チンタラしている。
八ツ場ダム予定地でも用地買収も終わっていない。
河川局は、全国のどこの事業とも同じで、見切り発車で工事を始め、
人を傷つけながら進めてきた。

国交省は一歩たりとも立ち位置を変えていないが
住民訴訟を始めた側は、地裁では負けたが、
一歩たりとも歩みを止めず後退もしていない。高裁で闘い続けている

その方から見れば下手くそであっても、二つの流れがあるのをお気づきだろうか。
一つは、八ツ場ダムのことを知ってもらい、
現地に暮らす人々のことを知ってもらい、
下流と現地が対立することなく、一緒にあしたを考えていけないかという流れ。

一つは、納税者として、
必要性やリスクの精査・検証なく支出を続けてきた都県の支出を止めようという流れ。
東京都、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県の
支出が違法だったかどうかという厳しい裁判である。

かつて、国営川辺川ダム土地改良事業の計画変更の異議申し立てを却下したことの取消訴訟に対しても「筋の悪い裁判」と無責任に見下していた知識人がいた。
八ツ場ダム住民訴訟の裁判を無責任に見下す人がいても不思議はない。
重要なのはそのプロセスを通してこれまでに何が分かってきたかだ。

●一つは議会の役割だ。
(続き)

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このブログの行方(3)続く税金の垂れ流し

●ここまでの話のオチはどこにあるか?

川辺川ダムは住民による地方自治の力と政治的に止まっている。しかし、
2005年以降も現在も税金を垂れ流しているのが川辺川ダム事業である。
行政手続的に見れば、実は、川辺川ダムと八ツ場ダムは同じステージにいる。
見えにくい問題だけに忘れられがちだが。

国交省は川辺川ダム砂防事務所を撤退もしていないし
特定多目的ダム法に基づく基本計画の廃止も行っていない。
工期は過ぎて自然消滅している状態でありながら、
人員を配置し、人件費を川辺川ダム事業として税金から垂れ流している
熊本県民は勝ったが、日本の納税者としては負け続けている。

その間、五木村では代替地もでき、水没予定地には一世帯を除き誰も住んでない。
勝利なのか?という問いは別の角度から問われる必要がある。

● 「八ツ場ダム(の反対運動)は何故勝てないのか?」との問い
(続く)

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このブログの行方(2)粘りの勝訴と消えた勝訴

●ただし、これはまだ川辺川ダム反対運動の完全勝利ではない。

これだけでは工事を止めることはできなかった。
川辺川ダムの本体工事が止まっていたのは漁民の存在故である。
漁民が止めることができたのは、農家による裁判があったからだ
単純ではない。
川辺川ダムを作るためには漁業権を持つ漁民の承諾がいる。
漁業組合は切り崩しにも負けずに川辺川ダム建設に反対し続け、
反対を切り崩せないと判断した国交省が、
「伝家の宝刀」と言われる土地収用法に基づく強制収用へと動いた。
「漁業権は収用できない」という解釈も無視された。
そのために川辺川ダムに「公益性」があることを認定する「事業認定」が行われた。
 これは「右手で申請、左手でハンコウ」と言われるお手盛り手続である。
 「川辺川ダムを作りたいです。公益性があります。
だから漁業権を収用してください」と申請するのは国土交通省。
「はい。公益性があります。収用しましょう」と答えるのも国土交通省である。

漁民は国交省お得意のお手盛り「事業認定」の取消訴訟で闘い始めたが、
土地収用のための手続は、次の段階へ進んだ。
「いくらで収用しましょうか?」ということを決める収用委員会である。
これは熊本県に設けられている委員会だ。
発電は撤退したし、農民は裁判を起こしているし、
公益性などないと漁民が訴えても、
この手続の終結である「収用裁決」は目の前に迫っていた。

そんな折りに出たのが、農民勝訴の高裁判決だった。
国営川辺川ダム土地改良事業は「公益性」の中に記載されていた。
公益性はウソだったことが農民の裁判で決着がつき、
漁民の漁業権をそのウソの公益性で収用することはできないこととなり、
プライド高き国交省は、自分で、事業認定を取り下げた
。2005年だ。
事業認定訴訟も強制収用も消え、漁民は勝った。
勝つまでは負けない気持ちが、二つの闘いを交差させて勝利(奇跡)が起きた。

●ここまでの話のオチはどこにあるか?
(続く)

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このブログの行方(1)

(知人からメールをいただき、それについて書いていたら長くなり、
しかも、このブログのエンディングで書こうと思っていたことと
若干かぶってきたので、切りながらアップロードします。
本質的な答えにつながる問いを問うてくれた知人に感謝します)

川辺川ダムと八ツ場ダムを比べて、
なぜ川辺川ダム(の反対運動)は勝てて、
八ツ場ダム(の反対運動)は勝てないのかと尋ねてきた方がいる。
状況は一つひとつ違うが、一つにはどうも裁判のことを比べているようだ。
同じようなことを思っている方が他にもいるかもしれないからここで書いておく。

●川辺川ダム反対運動は何故勝てたか?という問いに
川辺川ダムを巡って起きた裁判は
川辺川ダムから派生する、農水省による国営川辺川土地改良事業
事業規模を縮小するための計画変更に対する
当事者である農家による「もう水は要らない」という異議申し立て
に対する農水大臣の却下
に対する取消訴訟である。
農家(原告)からの申請事業であるはずの「土地改良事業」で、実際はたとえば
死者がハンコウを押していた(同意をでっち上げていた)
それが当事者(農家)たちにより証明された。
申請して成り立ったはずの事業の申請にウソがあった。
その瑕疵を裁判所が認定し、農水省が裁判に負けた。
何故、勝てたか?原告が地方裁判所での敗訴にへこむことなく
敗訴のあとに、原告が農家を一軒一軒回って、同意書の真偽を確かめて
それを高等裁判所に提出したからである。

受益者である農家が要らないと考え、裁判を起こし、
国が押し付けやウソがバレバレになった。
裁判所が遠慮なく国を敗訴させた。
もっともこれで農家が負けたら、日本はリビア並みだ。

●ただし、これはまだ川辺川ダム反対運動の完全勝利ではなかった。
(続く)

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2011年2月20日 (日)

ネアンデルタール人未満

最近のアウトプット

●週刊金曜日の特集
「祝島の島民はなぜ原発を拒否するのか」 2011年1月28日 832号
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/tokushu/tokushu_kiji.php?no=1711
で、飯田哲也さんにインタビューをさせていただいた。刺激を受けた。

●エコ&ピース月刊誌 Actio 2011年3月号で
『原発輸出ではなくオーフス条約の批准を!』
http://actio.gr.jp/latest
特集ははからずも「エネルギーは地産地消へ」 表紙がカワイイ

●ECO JAPAN 2011年2月18日(今だとトップページ)
風力発電の環境アセス、規模要件が焦点に
環境影響評価法・施行令改正へ
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20110216/105882/ 

最近のインプットの方も関連して言うと、

日本で最初の高レベル放射性廃棄物最終処分場の候補地となった東洋町のケースを深く報じたことがある者として、2月13日の夕刻、ドキュメンタリー映画「100,000年後の安全」を渋谷に見に行った。世界初の高レベル放射性廃棄物最終処分場の建設を進めているフィンランドの「オンカロ」の世界初の記録、いや、10万年後の人類に向けたメッセージだ。

「公文書管理」に関心を持つ人々にも見てもらいたい。
多大なる刺激を受けるはずだ。(夏に一般公開らしい)

「原発ゴミ」の正式な呼称である「高レベル放射性廃棄物」は人体に悪影響を及ぼさないまでに放射能が下がるまでに10万年かかるのだが、10万年後の人間に対し、つまるところ、「危険、近づくな」ということをどうやって伝え続けるのか、そんな方法はあるのか?と問いかける映画なのだ。

「この石の裏側を見てはいけない」とルーン石碑に書いてあっても
考古学者はひっくり返して見るんだから、と。

たとえば、10万年前といえば、ネアンデルタール人が絶滅する前の時代である。
たかが1000年前に紫式部が書いた源氏物語だって現代人は四苦八苦するのに。
一体、どんな言語を喋っているのか分からない10万年後の生き物に
「放射能危険」「掘るな」とどう伝えるのか?

日本では、公文書管理法案の制定前にこの辺でしつこく書きましたが、公文書の管理の悪さといったらありませんでした。 

昨日、こちらで取り上げた問題ともつながっています。

記録とは行政のあり方そのものです。納税者への責任の取り方そのものです。
エネルギー事業も、ダム事業も、公文書を管理することこそが基本であり、
行政の仕事の妥当性を図る物差しであり、
また、行政に限らず、今を生きている人間の、未来に向けた人々への重要な責務。

未来の人々になんらかの影響を及ぼす可能性がある事業を行う場合、
その記録はつぶさに後世の検証のために残すべきで、
記録の残らない事業は、原発であれ、ダムであれ、
その無責任な体制が発覚した時点で大きな問題だと考えるべきだ。
いかなる事業も記録を残せる範囲で進め、未来世代に責任が取れない(=記録に残せない、残さない)事業は始めない、認めない。そんなことを考えさせられます。

言語も文字もコンピュータも発達した現代においても
未来の人間から見ればネアンデルタール人未満なのが、
日本の河川行政だと考えざるをえない・・・。

このブログのエンディングに近づき、地質にこだわっているのも
そういう発想からでもあります。

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2011年2月19日 (土)

中身以前

困った。本来、国会で議論すべきことが
どんどん、何の責任も負わない、何の公的責務も任務も
法的な根拠も位置づけもない日本学術会議

土木工学・建築学委員会の
河川流出モデル・基本高水評価検討等分科会
という
誰も知らない場で議論されている。

日本最大の利根川水系の基本高水(本来は洪水を防ぐために使われる目安)の話だ。

吐き気がするほどネジレている。
ネジレていて問題なのは、国会ではない。
国会は、国民がその国民の民度で投票により選んだ多様な烏合の衆(失礼!)である。

ネジレいて当然で、それを言論(衆議院)と良識(参議院)によって合意形成していくのが国会の役割であり、国民の縮図である。合意形成する言論力と知力を与野党とも持たないことは情けないがこれも民度。民主党内の愚かなネジレすら白日のもとに報道され、
投票でいつでも落とすことは可能である。

ネジレていて問題なのは、政権与党と行政の関係だ
国交省河川局は、政権交代以来、省益を脅かす指示や政治的な判断にはまったく従おうともしてこなかった。

誇り高き素人集団である議員センセイを手玉にとり、
「政権交代しても大丈夫だったぜ!」とばかりに省益を再度追及し始め、
やりたい放題。図に乗って研究者の利用法も高度化した。

かつて、「審議会」は行政の隠れ蓑と言われた。
今回はより高度な隠れ蓑方式が編み出されたとしか言いようがない。
審議の記録が「公文書」としてすら管理されない隠れ蓑だ。

大臣に指示された基本高水の見直しを河川局長が日本学術会議会長に依頼。
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/bunya/doboku/takamizu/pdf/haifusiryou01-2.pdf 

公務として、国交省本省からも関東地方整備局からも責任者が出席し、
「基本高水を見直している印象」を与えながら、そして、
委員長はしきりに「説明責任を果たしたい」と述べるが、
しかし、実際はこれは冒頭に書いたように、
何の公的責務も任務も法的な根拠も位置づけもない日本学術会議の会議なのだ。

国交省河川局にとっての、この会議の利点は公文書管理問題にとどまらない。
意にそぐう結論がでれば、金科玉条。
万が一、河川局の意にそぐわない結論が出てきた場合、
その結論を無視することができる。その予防線は依頼文で張っている。
「国交省自らが行うものですが」「貴会議に依頼することにしました」
淀川水系の河川整備計画では、直営の「淀川流域委員会」の結論ですらひっくり返したのであるから、理屈も造作もない。

日本学術会議のこの分科会も第一回会議で「情報公開の徹底」を謳った。
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/bunya/doboku/takamizu/pdf/haifusiryou01-5.pdf

果たして第二回目、2月18日、様相は一転。
・ 「圧力」を理由に発言者名は非公開。
 「土木工学・建築学委員会
 河川流出モデル・基本高水評価検討等分科会の進め方(案)」にはこうある
 「発言者の指名は公開せず、「委員長」、「委員」と表記する。
 これは氏名公開が圧力となって自由な発言が妨げられることを避けるためである」

・ 分科会内にタスクフォース(これは国交省が使う用語で、会議内に「ワーキンググループ」に訂正)を設置して検討。
・しかもこの件について研究発表する場合は河川局長の許可がいる。
・この進め方でいくがご意見は?と聞かれて、異議を唱えた委員はいなかった。

重要なので強調させてもらうが、今回の見直しの結果を反映して、基本高水が見直されない、あるいは見直されたとする。しかし、将来、どうしてそのような判断に到ったのかと疑問に思った後世の人間が、そのプロセスのすべてについて調べようとして国交省に開示請求をしても、現時点の情報公開法では、その記録は「不存在」となる。国交省がそこにつぶさに出席し、記録を取っていたとしても、当然のことながら、実質、国交省に持ち帰り、組織共有する情報であっても、その記録すら「個人メモ」=「不存在」となる可能性は高い。今のままでは。

このことの繊細さと重大性を委員本人達が気づかされないまま深みにはめられたのではないかと会議の終盤に首を傾げることがあった。

実は、会議中に委員たちの説明に対して河川局側が繰り返した言葉があった。委員達の質問に対して、「資料が確認できないのでお答えができない」という言葉だ。

これに対し、「検討しろと依頼をしておいてバカにしとんのか」と
ちゃぶ台をひっくり返してもいいのに、委員達は
「残念だ」とか、「今後はしっかり保存してくれ」と大人の感想を口々に述べた。

それに対する河川局側からの弁解がふるっている。
「資料はあるが、プロセスが説明できない」というもの。
これには心臓だけが地獄の底にまで落ちていくような感覚を覚えた。

この回答によってこの分科会を同罪にしたのも同然ではないか。
たった今、彼らの目の前で、分科会も誰からもそのプロセスを監視されない
「流出解析レビューのためのワーキンググループ」の設置を決めたばかりだった。

「学術会議としての説明責任を果たしたい」
「公開での専門家ヒアリング」、「公開説明会」という明言があったものの、
学術会議としての報告書は5月下旬を目処に出したい、

そのために、小池委員長いわく
「報告書ではレビューだけでなく、どのような流出解析手法を考えていくべきかに触れたい。ただし、これは研究ではなく、現実社会なので、運用できるよう位置づけたい。短時間でどうするのか。分科会の中でタスクフォースを作って分担してまとめていく作業をしたい。委員長、副委員長はかならずはいる。他は委員のボランティアで。短期決戦なので、このように会議を開くのは困難なので電話会議とメールでやりとりしたい」(私の取材メモより)

プロセスの見えない会議を行わざるをえない研究者に対する圧力を作り出しているのは河川局そのものだ。
国土交通大臣から自分たちが指示された「利根川の基本高水の見直し」を、
電話会議とメールで研究者にやらせるところまで持っていく。

この頭の良さをなぜ他のことに使えないのか、河川局。

そして、この無責任体制に歯止めをかけられない民主党政権への圧力をも
同時に作り出している河川局

誰も辿ることができない袋小路へ逃げていきながら高笑いをしている。

少なくとも50年前に済ませておくべき闘いを
今を生きている人間がやらなければならない意味を考えてしまう。

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2011年2月16日 (水)

電撃ニュースなど

地質の続きがずっと滞っている間に、電撃ニュース。

●河野太郎議員のごまめの歯ぎしり
くそったれ大臣 2011年2月15日
http://www.taro.org/2011/02/post-924.php

こちらは、ちょっと古いですが
●【わたなべ美樹オフィシャルサイト】2009.12.16
株主の視点から賛成する 「八ッ場ダム建設中止」の判断
http://www.watanabemiki.net/journal/post-178.html

●先週の週刊金曜日(2011/2/11)に以下を書きました。
国交省の恣意的な「被害想定」
「八ッ場ダムありき」が露呈
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=1759

(ただし、上記にある「自治体は四割しかない」は五割の間違え。全国自治体では四割です。こちらで先に訂正してお詫びします)

これに関する元資料はこちらです。皆さんの自治体はいかがですか?
■避難勧告等に係る具体的な発令基準の策定状況調査結果(総務省)1月28日
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/2201/220128/01_houdou.pdf 
■調査結果の詳細(都道府県別、市区町村別の状況)
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/2201/220128/02_syousai.pdf 

■八ツ場ダムの洪水調節に係る便益の算定に関する質問主意書(大河原雅子参議議員)
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/169/syuh/s169114.htm 
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/169/touh/t169114.htm 

●13日(日)は「八ツ場ダムをストップさせる東京の会」で、
新たに、V字回復を果たすことになった東京の水需要予測のミステリー
について遠藤保男氏からお話を伺うことができました。
これがある意味、一番の衝撃ニュースなのだが、書けていません。

水需要予測を見直したらどうだ?と都議会で請願が採択されたのにやらないという姿勢を見せていたが、実はやっていた。しかも、隠していた(やっていたなら堂々と説明すればいいのに)。しかも、水需要予測の伸びに比べ実績は乖離してきたのに、突如として予測だけV字回復というありえなり需要予測。しかも、そんな小細工?をしたのに何故、黙っていたのか? なんのための水需要予測だったのか?これもまたダムありきの主張を裏付けるための予測のための予測だったのかという疑問が沸いています。

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2011年2月13日 (日)

ダムに頼らないからダムありきへ5つの仕掛

「コンクリートから人へ」「ダムにたよらない治水」
のスローガンから始まったダム検証が
あちこちのダムで始まっている。
一部を除き、散々さる結果だ。
原因は5つある。以下、自分のメモ代わりです。

1. 人選
2. 非公開会議
3. 法律に基づく審議会ではなくて有識者会議
4. 第一回目の審議で「ダムありき」に
5. 「河川整備計画」の見直しに止める

「3つ子の魂100まで」とはよく言ったもので何事も最初が肝心。
国交省は民主党の河川行政改革を覆すための仕掛をすべて初期段階に済ませていた。
現在の事態は悲しいまでに予測の範囲内。

原因1、2、3については

●「治水対策有識者会議開催 完全非公開、見えない審議」週刊金曜日・金曜アンテナ (2009年12月11日)(http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=912 の真ん中あたり)に書いた通り。改めて読んでいただきたく。

原因4については

その会議の第一回で仕掛が完了したことを、2ヶ月後に出てきた議事録で知った。
できるだけダムに頼らない治水」(このスローガンに『できるだけ』という言葉を入れさせたのがミソだが)という理念とテクニックなしのスローガンを「ダムありき」に巻き戻させる分岐点となった瞬間が以下。このときに9割型勝負はついた。

第1回今後の治水対策のあり方に関する有識者会議 平成21年12月3日
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/tisuinoarikata/dai1kai/dai1kai_gijiroku.pdf 
に記録されている。(全体を読みたい方はクリックを)

政務三役の当初の諮問内容は「できるだけダムに頼らない」だった
ところが中川委員長の初っぱなの挨拶で、
すでにその命題のすり替えが起きていた。以下の通りです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【中川委員長】(略)今まで河川局をはじめ河川の関係者はいろいろ模索されて、ダムにかわる代替案の議論はされてきたわけです。(略)戦後、営々として治水、防災のためにいろいろ施設をつくってきた。ダムも堤防もその一つです。そういったものによって、日本の河川は災害に対してかなり安定化してきたと思うんです。そういうものをもう一度検証して、貴重な公共財、施設を有効に活用する。それは、ダムというとすぐお金がかかるとみんな思われるんですが、決してそうではなくて、ソフトな対応によって、今のダムに手を加えることなしに治水機能を増やす、効率的な運用ができるように見直す、それによって補っていくということも一つだと思います。

【委員】 今、事務局からは読み上げられなかったんですが、目的のところに、できるだけダムに頼らない治水への政策転換を進めるとの考えに基づき、議論していきましょうということが前提として書いてございます。先ほど中川座長が述べられましたように、既存のストックのダムを使った治水とか、どうしてもつくらなければならないダムとか、もう少しフレキシブルに考えられたほうがよろしいのではないかと私は思います。(略)

【政務三役】 先ほどの中川座長のお話でいいのではないでしょうか。既存のダムはできるだけ活用するということは、できるだけダムに頼らない治水とは何ら相反しないと思います。ただ、先ほど申し上げたように、これは先生方にご議論いただいたらいいのですが、すべての洪水を河道に押し込めて、そして上から下まで流すという考え方はいかがなものかというところが一つの大きなポイントになってくると思います。そういう意味では、こういう地形の場合は、ダムでないとやっぱりだめなのではないかという結論があっても私は何ら構わないと思います。

【委員】 これから議論の展開で、ダムによらないではなくて、できるだけの余裕があります。フレキシブルに考えて頂ければいいんじゃないかと思います。

【政務三役】 はい。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
概略を書くと、( )内は私の解説

中川委員長:既存のダムの活用を (ぬるま湯)
委員:既存のストックのダムを使った治水とか、どうしてもつくらなければならないダムとか、もう少しフレキシブルに (温度が少し上がる)
政務三役:既存のダムはできるだけ活用するということは、できるだけダムに頼らない治水とは何ら相反しない(熱湯になるワナに気づいていない)
委員:フレキシブルに考えて頂ければいいんじゃないか(熱湯)
政務三役:はい(熱湯に気づいていない)

「フレキシブル」というのは、ダムを否定しないという意味であり、ここから
「ダムありき」に導くのは造作もないことだった。
八ツ場ダムの場合は、仕上げがお粗末なSM劇場・・・。

原因5についてはまた。
地質についてもまた。
さて行かねば!

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2011年2月12日 (土)

大仕掛けか小手先か

SM劇場、分かりにくいとのメールいただきました。失礼しました。つまるところ、「八ツ場ダムありき」の河川行政に刃向かった民主党政権を、徐々に軌道修正させてきたが、最後の仕上げにかかり、今回は、代替案は「現実味がない」「時間がかかる」「コストがかかる」と都県が叩きやすい記述にして提示した。あたかもここを叩いて!というような。そして期待した通りに代替案を批判してもらって(叩いてもらって)「やっぱり八ツ場ダムだね」という結論に一歩近づき、国交省は嬉しそうに第四回を締めくくったという話です。ヤラセか、大仕掛けの演劇、いや小手先の八百長か・・・、そんな雰囲気だったという意味です。後日(のんびりしている場合ではありませんが)より詳しく書きます。

以下、諸々の情報です。

2011年2月12日(土)13:00~ (今日です!)
●八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会 総会&映画上映会 
http://yambasaitama.web.fc2.com/pdf/2011/02/12.pdf
場所 浦和コミュニティセンター第14集会室  (浦和駅東口、パルコ10階)
「プロジェクトV(バイオント)史上最悪のダム災害(100分)」上映

2011年2月13日(日)
大畠国交相 長野原町へ行く  このように語ったとか。
地元意見聞かず、信頼途絶=八ツ場ダム問題で-大畠国交相 (時事通信 2月10日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110210-00000139-jij-pol

同じ2011年2月13日(日) 
● 八ツ場ダムをストップさせる東京の会 総会(2:00~3:00)の後
「いずれ撤去する八ツ場ダムを石原知事は何故いま欲しがるか」について
喋ってきます。その後、
遠藤保男氏による「東京都が外部委託した水需要予測報告書」解説
場所:豊島区立生活産業プラザ(ECOとしま)地階

2011 年2 月18 日(金)10:00~12:30
●土木工学・建築学委員会
河川流出モデル・基本高水評価検討等分科会(第2 回)
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/bunya/doboku/giji-kihontakamizu.html 
場所 日本学術会議2階 大会議室

<地質について続き>八ツ場ダムの建設費は21.7億円安くなるハナシ第四回八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場の終了後に、再度、尋ねて得た現時点の回答とさらなる問いは以下の通り。

◎安くなる前
もともと「アイドール」と「応用地質」がやっていた調査。

◎安くなった根拠
アイドール(八ツ場ダム本体実施設計業務)平成18年~19年度
ドーコン(八ツ場ダム本体修正設計業務)平成20年~21年度

Q:それでその何を比べて工事費が安くなることになったのか?
A:今はない。八ツ場ダム工事事務所にある。
Q:・・・・

●国交省の恣意的な「被害想定」
「八ッ場ダムありき」が露呈  週刊金曜日(2011/2/11)
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=1759

●八ツ場ダム情報をコマメにチェックしたい方はこちらへ
八ツ場あしたの会  
特にここに注目 公開質問―八ッ場ダムの工期延長と事業費増額
八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会 

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2011年2月 8日 (火)

八ツ場ダムSM劇場

(サドとマゾが逆だった^^;)←赤面ね ので直しました~)

昔、こんな笑い話があった。ドイツがポルシェを自慢、イタリアがランボルギーニを、フランスがシトロエンをと、それぞれ国産車を礼賛する中、旧ソ連はちっとも焦らずに、「ウチは海外にいくときには戦車がある」と言ったとか。

わが国の恥をさらしたくないが、旧ソ連を笑えないぐらい日本の国土交通省は第二次世界大戦中の軍隊ばりの思考で行政を進めていて、文民統制ができないでいる(トホホ)。嘲笑でしか伝えられない状態になってきた。

昨日の第四回八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場は、その最たるもの。さながら「八ツ場ダムSM劇場」と化していた。

マゾヒストと化した国交省
八ツ場ダムに代わる26の治水対策案
 SMプレイの道具【治水対策案】
 http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000019761.pdf 
八ツ場ダムに代わる17の利水対策案
 SMプレイの道具【利水対策案】
 http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000019762.pdf
を「ブッテ、ブッテ」とばかりにイソイソと準備し

今回だけはサディストを演じることが許された都県がかわるがわる、
ムチ(治水対策案)やクサリ(利水対策案)を振り回して、
「こんなもの使えるかぁ~~~」と
ビシバシと国を叩いてほぼ全部を潰し、

最後に、叩かれ続けたマゾヒストの山田河川部長と柿崎河川調査官が
「ありがとうございますっ」
「ありがとうございますっ」
と嬉しそうにお礼を繰り返し、ホッとした表情を表していた。

やったね、楽しかったね、こんなプレイもたまにはあっていいね
とばかりに、単純に笑っていたのが千葉県の役人。
あとの都県の人は笑みが浮かばないよう噛み殺していた。

以上、<イメージ 
*現時点でのものであり、今後、変更があり得るものである>

ちなみに、↑この文言が、このSMプレイの道具のほぼすべてに書かれている。

詳しくはまた書きますけど、そんな感じでした(ため息)。

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2011年2月 6日 (日)

「八ッ場ダムー過去・現在・そして未来」

尊い本ができた。
まだ一章しか読み終えていない。

しかし、
「このダム計画が生み出してきた犠牲はあまりに大きく、取り返しのつかないことが多々ある。けれども、問題を先送りにすることは、犠牲をさらに積み上げることにつながる。八ツ場ダムに関する多くの情報を整理し、何が事実かを確認することから問題解決の糸口を探ってみたい」(第一章より)
この一節がこの本の性格をすべて物語っている。

言葉は尊い。
筆者が大切に出会い、その出会いを大切にし、
そこに暮らしてきた人々に耳を傾け、語られた言葉を
ひとつも無駄にすることなく紡いでいる本。

少なくとも、このブログを訪れたことのあるすべての人に読んで欲しい。

「八ッ場ダムー過去・現在・そして未来」
岩波書店  256ページ  1月26日発行
共著:嶋津暉之・清澤(渡辺)洋子
http://yambasaitama.blog38.fc2.com/blog-entry-858.html

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2011年2月 5日 (土)

八ツ場ダム受益者 国会質問に立つ

関東地方整備局からの回答はない。「工事費は何故安くなるのか」という記者への回答には裏付けはなく、建設費は21.7億円安くなるという都県への説明には正当性がないと見なすしか、現時点ではできない。

2011年2月4日 (金)衆議院予算委員会の
自民党の佐田玄一郎衆議院議員の国会質問を見てみた。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=40768&media_type=wb&lang=j&spkid=19611&time=00:09:52.1

ブンブン、キンキン、セツセツと大畠新国土交通大臣を攻めあげている。
主に3つのメッセージが伝わってきたが、どれも一皮めくると痛い。

◎「これも読まないで秋までに結論か?」とブンブン
八ツ場ダムをいつまでに検証するのか、秋までか、なぜそう言えるのかと振り回していたのは、「今後の治水対策のあり方について 中間とりまとめ」(73頁)2010年9月27日だが、これは“有識者”が書いたことになっているとりまとめ。

しかし、検証に使われているのは、上記のたった2日後
河川局長(その後、技監にご栄転)が配布したこちら。↓
ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目(35頁)
http://www.mlit.go.jp/common/000125234.pdf 2010年9月29日

佐田議員の勘違いなのか意図的なのか、
質問者自身が「読んでいない」のかと首をかしげた。

◎「裁判で八ツ場ダムは必要だと言っているのに」
「なぜ基本高水の検証が必要か」キンキン

調子に乗りすぎて口がすべったのか、これも痛々しかった。
都県の八ツ場ダム向けの支出が違法であると言えるかどうかを判断した地裁判決を読み上げて、国の事業である八ツ場ダムを裁判が必要だと言ったとがなり立てる姿は痛かった。

八ツ場ダム住民訴訟は、全国の国民にかわって、隠されていた基本高水の闇に光をあてるために重要な役割を果たしている最中だ。裁判を通して原告達が入手し、分析した結果から言えることについて、自民党の河野太郎議員が質問し、馬淵前大臣が(資料の非公開理由や存在については官僚に騙されてしまったが)真実の一部を答弁したからこそ、国交省が長年にわたって隠してきた基本高水の算出根拠のトリックが明らかになり、基本高水の検証が必要となった。

この経緯を知らないのか、知っていて追及ありきの質問か。もとより日本の行政訴訟は原告側に不利な発展途上の制度。司法制度を改革できる国会にあって、その欠陥を指摘せず、行政側につく代議士の姿は見苦しい。

◎「地元の人がお気の毒だから」セツセツ・・・実は質問者本人が利害関係者
終始、地元の人の怒りを盾に八ツ場ダムを一刻も早く建設すべきと攻め上げた。しかし、自分自身が八ツ場ダム事業の受益者であることを言わずに攻め上げたのは痛い。2010年3月5日には衆議院国土交通委員会でこんなやり取りがあった(下線は私の加筆)。

○中島(正)委員 次に、資料一の八番を見てください。佐田建設というところが一者応札をしております。この佐田建設は、自民党佐田玄一郎衆議院議員の祖父に当たる元参議院議員佐田一郎さんが設立された会社で、平成十六年四月まで、佐田玄一郎衆議院議員のお父さんが代表取締役をしていた会社です。
 さらには、資料五を見ていただければわかるように、昨年の八月三十日現在で、佐田衆議院議員が、佐田建設の株を二十二万五千八百七十五株保有しておられます。会社というものは株主のものです。また、資料三のような、八ツ場ダム受注業者からの献金状況もございます。資料四は、その献金業者の受注状況でございます。
 大臣にお伺いいたします。一般的に、ある公共事業の受注業者から多額の献金を集めている議員が、その公共事業の再開を国会質疑で主張することをどのように思われますか。(発言する者あり)

○川内委員長 御静粛に。

○前原国務大臣 国会議員は、地元から選挙で選ばれてきているわけでありまして、この場で発言をすることはすべて妨げられるものではございません。ただ、他方で、これは一般論として申し上げますと、建設業、公共事業を受注している企業から多額の献金をもらうというのはいかがなものかという思いを持っております。

○中島(正)委員 だとすれば、大臣にお伺いいたしますが、八ツ場ダム工事の受注をしている佐田建設の株主が、八ツ場ダム受注企業から四百四十六万円の献金を集めている佐田議員が、八ツ場ダムの再開を国会質疑で主張したことをどのように思われますでしょうか。(発言する者あり)
~~~~~~~続きは議事録検索でhttp://kokkai.ndl.go.jp/)~~~
(この質問議員がその後、政治資金問題で民主党を離党という状況だが・・・)

佐田議員だけではない。この地域は「政治家」の裏看板が「八ツ場ダム受益者」である“秩序ある”地域であり、住民代表として出てくる“住民”にも受注者が含まれている。

言論の自由がない“秩序ある”地域だ。
平穏に見えた観光地エジプトと今の姿は、
日本の各地にある姿であり、今はまだ見ぬ姿でもある。

●来週7日に八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場(第4回幹事会)がある。

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2011年2月 1日 (火)

地質は何故よくなるのか問い合わせFAX

些細に見えても物事を左右する重要な情報というものがある。
そろそろ無視される頃合いであろうと思いながら電話をかけて
まあそうだろうなという感じだったので
(だいたい、決まった取材拒否パターンがあるのである)
FAXでの問い合わせに変えさせていただいた。
できるだけ丁寧に書いた。これです。→「Inquiry2011.2.1.doc」をダウンロード
検証は進んでおり、これ以上の時間稼ぎは問題解決につながらないので
一手間かけて、その上司にも告げておくという王道を取らせていただいた。
本当ならあって当たり前の基本情報を問い合わせているだけなのに
何故こんなことをしなければコミュニケーションできないのだろうかと思いながら。
なかなかブログのエンディングに向かえない。

以下、情報です。
八ツ場ダムとはどんな問題なのか、改めて見つめてみたい方にお勧めです。

 「八ッ場ダムっていまどうなってるの?(その2)
~建設中止と同時に住民の生活再建支援を」

日 時: 2011年2月19日(土)14:00~16:00(開場13:30~)
 会 場: 大竹財団会議室
      (東京都中央区京橋1-1-5セントラルビル11階)
 講 師: 渡辺洋子さん(八ッ場あしたの会事務局長)
      (八ッ場あしたの会 http://yamba-net.org
 参加費: 一般 500円(学生、大竹財団会員は無料)
 定 員: 30名 ※予約優先
 交 通: JR東京駅八重洲中央口から徒歩4分(八重洲地下街24番出口すぐ)
      東京メトロ京橋駅7出口から徒歩3分
      東京メトロ日本橋駅B3出口から徒歩4分
 主 催: 財団法人大竹財団 Tel03-3272-3900
http://www.ohdake-foundation.org/index.php?option=com_flexicontent&view=items&id=163:event-20110219 

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