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2011年3月 2日 (水)

治水有識者会議 継続方針の出た五ヶ山ダムと伊良原ダムは事業主体に差し戻し(だと思う)

2011年3月1日、第13回今後の治水対策のあり方に関する有識者会議 が開催された。さて、貴方はこれをどう読むか?↓

青森県(大和沢ダム)と九州地整(七滝ダム)の2ダムは中止
伊良原ダム(福岡県)と五ヶ山ダム(福岡県)の2ダムは継続
との検証主体からの方針が報告されたのに対し、
結論を言えば、とりまとめとして、中川博次京大名誉教授(座長)がこう述べた。

「4つのダムについて報告があったが、
当会として示した考え方に沿って検証が行われたと考えていい
全般的には各委員のご指摘は大事だと思うので大臣にご留意願いたい
検討主体に問い合わせていただき、委員に返していただきたい
今ごろこんなことを言うのはなんだが、
個別ダムの検証は何のためにやっているのかと考えなければならない。
熱心にやっていただいているが、どの程度まで掘り下げてやるのか
どのレベルを要求をしているか。
それを考えればもう一度見直しをしてもいいのではないか。」

委員から疑問が呈されたダムについては事業主体に差し戻しと読める。
少なくとも疑問が呈された部分はクリアされなければ先へ進めないという結論だろう。

だから、「治水有識者会議 継続方針の出た五ヶ山ダムと伊良原ダムは
検証主体の福岡県に差し戻し!
」(と思う)である。

最大のポイントの一つは、鈴木教授が指摘した疑問点にある。

福岡都市圏の水需要と供給計画グラフ(資料1 2-51 図2-27)。
不自然にも、
平成20年あたりからグワ~~~っと需要が増えることになっている
平成32年にかろうじてその増大する需要が供給量にチョコッと迫るところがある。
だから五ヶ山ダムが必要だという根拠らしい。(クリックすると拡大されてハッキリ見えます)

Photo_5

ところが、
逼迫しているように見える「計画」の中身(資料1 2-50)を見ると、
平成21年3月現在、平均268リットル」最大でも304リットル)しか使っていなかった福岡市の一日一人給水量は、平成32年になると計画では「354リットル」使うことになっている。典型的な鉛筆なめだ。(クリックすると拡大されてハッキリ見えます。

Photo_6

鈴木教授がなぜかと聞くと、他の都市ではそれぐらい使っているからだというのが
福岡県の説明なのだという。

鈴木教授、さらにいわく。
平成15年から22年までに一人当たりの利用量が上がったのかどうかを検証して、確かに上がっているとなれば、了解できるが、この徴候がないのであれば、ここが何故上がるか分からない。本当に利水がいるのか?」

しかも、鈴木教授、さらに指摘していわく。
「資料1 5-12、検証を行った学識経験者の意見聴取のところを見ると、
4人の学識経験者が同じことを言っている
つまり水は余っていると4人が言っている。
水は要らないと言っている。でも進むんでしょうか

差し戻される複数の点の一つがこれだ。(それだけではないがここでは省略)

付け足し第13回「資料1」5-12水需要水増しデータについて
なるほど福岡の4人の識者意見は次のようになっている。
○ 学識経験を有する者の意見聴取結果 利水
No1. 昭和53年から前提条件が変わっているのに計画を見直さないのか
No2. 1人1日5リットル節水すれば五ヶ山の新規利水は要らなくなる。
No3. 目標年はH.32年だが更に長期的な目標が必要なのでは。
No4. 新規利水についての必要性が資料からはわかりにくい。

しかし、これらの疑問に福岡県は、「利水者からはダムの早期完成の要望は続いています」等と回答している。(クリックすると拡大されてハッキリ見えます。)こりゃ、大畠大臣、差し戻さなきゃ

Photo_7

実は、中川座長のとりまとめは、長々と同じことをグルグルと最低でも3回は繰り返したので、直後には分かりにくかった。
そこで、帰り際にバッタリとエレベーターで会った河川局次長(総合司会役だった)に、
「中川座長のとりまとめがよく分からない」と聞くと
河川局次長いわく「まさのさんが思われたように書いたらいいんじゃないですか」と。
私「だからそれがよく分からないんですけど」
河川局次長「言われた通り理解するしかないのかなぁ
 これからまぁ、いろいろ資料を整理して・・・」
「五ヶ山ダムについては鈴木先生から200リットル台でいいのに300リットル台というのはどうかと疑問を呈された」
「あれもいろんな議論がまた山田先生からもお話ありましたし、需要と供給の見方っていうんですか、あの話もちょっと議論として、供給ということの意味についての意味はわかりませんけれどもいろんな見方があるという見方もあったんで、そこのところは自分なりに整理しようかなと思う・・・(と執務室の方向を指す)」と河川局次長も分からなかったらしい。

そこで、私も一端、眠って、頭をクリアにして整理してみた。
その結果、他の点も会わせて、事実上、差し戻したということになると理解した。

そして、その差し戻し判断を支持する。
この理解が、河川局次長の整理と異なれば、ご連絡をいただきたくヨロシクお願いします!

しかし、情けないのは、取材者も総合司会者も、会議直後にはとりまとめの結論がどんなものなのかが、分からないほど、会議として合議によって一定の方向性が分かるような議論になっていなかったことだ。合議になっていない。国交省のご説明に対して、意見を言い、合理的な説明がないまま、そのことを問題視することもなく、これまた座長が自分の意見を開陳して「とりまとめた」ことになった。9人の委員(座長含む)がいながら、発言したのは5人(座長含む)だけだった。無言で座っていた4人、何考えていたんでしょう?

(続く。地質がまたお預けで狼少年状態で申し訳ない。)

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