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2011年4月20日 (水)

閉じられたサークルでの意思決定

有事には情報格差ができる。

● インターネット・メディアやツイッター、フェースブックで情報を取る人は、おおよそ何がウソで何が真実か、バランスを取りながら自己判断ができるようになっている。
● 今回、起きていることが「想定内」だと受け止めている、以前から情報を持っていた人々は、外向けに情報を発信しながらも、その発信範囲が保守的な範囲へと縮まり始めている。
●そのどちらとも接点がない大半の人々は、従来型の、政府とマスコミの予定調和型の緊張関係をベースに流れてくる情報を得ることに終始している。

これでは早晩、元の木阿弥になる。国としての意思決定方法がこれまでと同じように繰り返されることになる。

たとえば、先日、私が書いたテーマ。一見、ニッチなテーマで、「災害復旧」として東電の火力発電増設にアセスを免除する話だが、二つの意味で、政府による意思決定の方法として、看過すべきではない大きな課題が通底しているのではないかと思っている。

密室・机上の決着(Closed Circle Decision)

エネルギーシフトについて国民的な議論を呼びかけることなく、法解釈と机上の密室相談(東電、経産省→環境省→内閣法制局→環境省・経産省覚書)で物事を決めてしまったこと。

エネルギーシフトに向けた国民的議論の必要性

密室の議論で物事を決めたあとに、昔で言うこの“覚書”について、国民や国会に対してオープンに諮ることなく、マスコミ、国会議員、関連識者に説明に回り、「古い火力発電所を稼働させるよりも、新しく増設した方が環境にやさしい」と説明をし、それで進もうとしている。それでいいと思っている。

しかし、これこそが旧来のやり方で、今回の福島原発事故は、意思決定を国民の手の届かないClosed Circleで行った結果(行政の罪)国民側から言えば、国と電力会社に“お任せ”してきた結果(国民の罪)常識が官僚のシナリオに支配された専門性に駆逐された結果(官業癒着学者の罪)、三つの罪の重ね合わせから生まれたこと。

誤解しないでいただきたいのは、原発もダメ、火力もダメと言っているのではありません。国民的な議論の結果としての意思決定であればいい。問題は、行政がなぜ、東電の発想で、その代弁者としてシゴトをして意思決定をしてしまうのか、です。(あ、さらに誤解なく言えば、私個人は原発は止めていくべきと思っている)

周辺の少しだけ広いClosed Circle (関係マスコミ、関係議員、関係有識者)に了解を取り付けて進める行政ではなく、こんな機会こそ、広く国民に電力事情を公開して、ゼロベースで考える機会にしなければと思います。そうしなければ、大きなエネルギーシフトは行われず、国民が見開いた目が再び閉じて、安易な東電独占体制に戻ることになるだろうと思います。

この行政の意思決定パターン
Closed Circleでの決定→
 関係マスコミ、関係議員、関係識者の了解→
 国民への決定済み事項の知らせ

は電力に限ったことではなく、あらゆる行政決定のパターンです。

このパターンをうち破ることが今もっとも重要で、たとえ国民的なエネルギーシフトの議論の結果、選ばれた選択が同じであったにしても、なぜその選択がなされたのかを国民が知っている状態になることが重要だと考えます。それが今回の事故を受けての教訓であり、社会として成長のチャンスではないのかと思います。

以上は、この記事を書いたことを知らせた知人たちに送ったメールですが、あえて公開します。

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