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2011年4月 1日 (金)

基本高水の計算手法を変える説明はまだ

区切りながら短めに書きます。2011年3月29日に開催された「日本学術会議 土木工学・建築学委員会河川流出モデル・基本高水評価検討等分科会」を取材しました(これは報道ではなく”日記”ですのであしからず)

議事次第で予定されていたように専門家ヒアリングが行われた。小池委員長曰く「委員の持っていないものを補う」ためということで。早くも資料がすべて載っているのでリンクを張らせていただく。

専門家ヒアリングに入る前の冒頭部では、少々ガックリきた。「なぜこういうやり方をするのか。普通はこういうやり方をしない」と異口同音で28日には、集中砲火的な質問をしていたのが、たったの24時間でそのスタンスが180度変化した。

田中丸治哉・神戸大学教授が、分科会全体を代表し、1980年の農業土木学会誌の論文をベースで、24時間前に突き返したやり方を「こういうやり方もありだった」と自問自答する形で引っ込めた。この論文に書かれているうちの1961年に開発された木村モデルで、これはこれでありで理解したと。

しかし、パラメータを設定していく順番が、通常、河川工学で使っている手法とは違うものだったからこそ出た質問だったわけで、「何が問題だったからそういうやり方に変えるのか」という問いも問われていた。おそらく、その答えは、国交省が回答してくるべきものと考えるが・・・。これがその論文です。

流出解析手法(その1)-4.貯留関数法による洪水流出解析-
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/bunya/doboku/takamizu/pdf/haifusiryou04-1.pdf 

そして専門家とそのプレゼン
関 良基 参考人
大熊 孝 参考人
藤部文昭 参考人
もう一人の参考人の宮村忠氏は口頭でお話しのみ。

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コメント

なぜいまだに貯留関数による計画を許容しているのかが理解できない。京都大学をはじめとする学術会議の委員は、長年の研究の蓄積を今こそ国のために生かすべきだ。

貯留関数法は、従来より指摘されているように、Rsaが出水ごとに異なるというモデル構造に欠陥がある。
一方、(著者らの提案方式である)新たな流量流積関係式を組み込んだ分布型流出モデルは、観測雨量をそのまま入力することが可能であり、パラメータ値の安定性が高く、かつ初期状態にも依存せず、異なるパターンの洪水に対応できることを確認した。
立川康人,永谷言,寳馨,飽和・不飽和流れの機構を導入した流量流積関係式の開発,水工学論文集,48,2004
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00028/2004/48-0007.pdf

(貯留関数法は)部分流域ごとに異なるモデル定数を与えることができるが,タンクモデル同様,モデル定数の値と流域特性との関係が明確でない。
最近,筆者らが 100k ㎡程度の面積をもつ流域で,50m 四方の斜面を流域全体に 4 万個以上も配して行った洪水計算結果を示し,山腹斜面が降雨流出に及ぼす効果を定量的に示すこととする。
宝馨・立川康人・児島利治・可児良昭・池淵周一,降雨流出に及ぼす山腹斜面の影響,京都大学防災研究所年報,第47号B,2004.
http://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/dat/nenpo/no47/47b0/a47b0t16.pdf

投稿: | 2011年4月 7日 (木) 01時59分

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