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2011年4月29日 (金)

(祝)二風谷ダムで住民が2度勝訴

無限大に近い裁量権が行政に委ねられ、
情報非対称の裁判闘争の中で、住民が二度とも行政訴訟に勝ったダムは珍しい。

北海道の多目的ダム「二風谷(にぶたに)ダム」だ。

●一度目はアイヌの聖地を破壊したことで違法とされた。しかし裁判所は、「できてしまったからのだから仕方がない。使ってもよろしい」といういわゆる「事情判決」によって、撤去せずに運用を認めてしまった。この判決は、二つの意味でおかしかった。

1.三権分立ではなく行政独裁
アイヌの土地を強制収用してまでもダムを作ろうとした「行政」に対し、権利を侵害されたアイヌが裁判を起こしたが、裁判所は建設事業を停止させることなく、裁判を続けた。判決が出る頃までにはダムが完成し事業判決となった。権利侵害を救済するために判断をする国家権力の一角が、別の一角である行政独裁を許した。

2.目的が破綻していたのに運用
多目的のうちの一つ、苫小牧東部工業基地計画が破綻していたことは分かっていたのに水を貯め、治水という目的とは辻褄が合わない(ダムとは名ばかりで事実上は流下を妨げる堰。実際、台風時には流れてきた流木により貯木場と化した)運用を許した。このダムを撤去するか、せめてゲートを開けてカラにしていれば今回の裁判はなかった。

● 二度目の裁判は、2003年の台風でダムが溢れそうになり、ダムを守るために放水し(しかも住民避難の前に水門操作する人が先に逃げて)、被害にあった下流住民が裁判を起こしたもので、4月28日、ようやく住民が勝訴した。

裁判:沙流川水害、国に3190万円賠償命令 札幌地裁「水門閉じず被害拡大」
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20110429hog00m040004000c.html
毎日新聞 2011年4月29日

実は、この少し上流に、この二風谷ダムとセットで計画されて長い間息を潜めていた平取(ゾンビとフリガナを打ちたいところだが、「ビラトリ」と読む)ダムが息を吹き返し、またまた見直しが行われている。2008年に取材した折り、「下流で被害を受けている者が要らないと言っているんだから要らない。二風谷を空ダムにすれば平取は要らない」と囁かれていた。利益を得ているのは北海道開発局という組織一族であり住民ではない。同じ予算を本当に緊急に必要とされるところ<東北の被災者の生活再建>に回すことができなければ、北海道民から票をもらっている政治家たちは皆、失格だと思う。北海道開発局に控訴させてはいけないことはもちろん。

さらに言えば、北海道開発局をつぶして北海道との二重行政をやめるか、もしくは、用をなさない国土交通省観光庁をつぶすか、北海道開発局のミッションを自然再生と景観保護のみにして観光庁に所管させるかして、北海道の自然資源を開発から守らせるべきだと思う。

以下は2008年にグローバルネットに書いた記事の自己転載↓
サクラマスのベビーブーム周期を破壊した二風谷ダム
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_ab2b.html

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